荒れ地に、少女が独り佇んでいた。

 だが、少女はそれに疑問を抱いていなかった。
 なぜなら、少女にとってこれは初めての経験ではなかったからだ。
 この『夢』を見るのはもう、何度目になるのだろう。
 自分でそうだと解るほどに見ている。それは確かだった。

 やがて、少女の近くに何かが落ち、爆音が響く。
 夢と解っていても、少女は恐怖し身を竦ませる。
 それを皮切りに、何人もの人間が彼方から現れ、少女の横を通り過ぎていく。

 人々の姿は皆バラバラだった。
 光り輝く紫の髪を持つ青年がいた。
 蒼穹の甲冑を身に纏い、背に翼を持った女性がいた。
 腕を包み込む、巨大な蒼い刃を振るう少年がいた。
 一振りの刀を手に、風を引き起こして戦う少年がいた。
 その瞳からレーザー光線を放つ青年や、手にした楽器で様々な奇跡を引き起こす青年もいた。

 少女は知っていた。
 今、この場にいるのは全員が『戦士』なのだと。
 そして、戦士達が全員『何か』と戦っているのだと。

 やがて戦士達は一人、また一人と倒れていった。
 そして、少女と向かい合うように、勝者となった戦士が独り佇んでいた。
 マゼンダの甲冑を纏い、カメラを象ったバックルを身につけた戦士。
 少女は『彼』の名を、知っている………ような気がした。

「ディケイド………」


ガンガンヴァーサスD
第一話「英雄大戦」


「……ャオ………シャオ………」
「………ん」

 非常に聞き覚えのある声に、少女シャオは目を覚ました。

「あ……翔子さん。おはようございます」
「おはようございますって……もう放課後なんだけど」

 どこかずれたシャオの返事に、翔子はあきれた顔で呟く。

「それにしても、シャオが居眠りなんて珍しいよな。あ! ひょっとして太助の奴と……」

 何かを思いついたのか翔子はニヤリと笑う。だがシャオは翔子が何を考えたのか分からずにポヤンとしたままだ。
 そんな翔子に後ろから近づき、パシンと頭をはたいた少年がいた。

「あまり変なことをシャオに吹き込むなよ、山野辺」

 彼の名は『七梨太助』
 人には自慢できない『ある特徴』を持った少年である。

「変なことって決めつけるなよ」
「シャオにあることないこと吹き込んで俺をからかって遊んでる奴にいわれたくない」

 太助と翔子はシャオを挟んで友人関係にあるのだが、シャオが素直で人を疑わない性格であるため
翔子は時折「こうすれば太助が喜ぶ」とシャオに吹き込んで、それに慌てる太助を見て楽しんでいるので
太助は翔子のことを「あまり信用できない友人」と思っている。
 もっとも、翔子に言わせれば「好きになった奴に手も出せない情けない奴に手助けをしてやってる」とのことだ。

「太助君も翔子さんも、そこまでです」

 睨み合っていた二人の間にシャオが入り仲裁する。
 シャオには分かっていた。
 この二人がこうして喧嘩腰になるのは、お互いに自分のことを大切に思っていてくれるからなのだと。
 これが、七梨太助、山野辺翔子、月小燐の三人の日常だった。
 そして三人とも知らなかった。その『日常』がこの日を最後に崩れてしまうことを……。


「そういえばさ。太助、写真取れるようになったのか?」

 学校からの帰り道、翔子がそんなことを口にした。

「いや、相変わらずだ」

 七梨太助の人には自慢できないある特徴。それは『まともな写真を取ることができない』というものであった。
 太助が、自分のこの特徴に気付いたのはごく最近。シャオと翔子と数人の友達で海水浴に行ったときのことである。
 現像の終わった写真を学校で見ているとき、ひどい写りかたをした写真が混ざっていたのだ。
 それらの写真には共通点があった。それは全て太助が撮った写真だったのだ。
 その場は「太助は写真撮影が下手くそだ」で全員片付けた。しかし、それから太助は密かに練習したのだが
どんなカメラで撮っても、何枚とっても、まともな写真は撮れなかった。

「どうして、太助君は写真がとれないんでしょう……」

 シャオは悲しそうに呟く。太助の努力を一番近くで見てきた彼女にとって、その努力が報われないことが何よりも悲しかった。

「もしかすると、世界が俺に撮られたがっていないのかもな……」

 冗談めかしたその言葉に、寂しさが込められていることにシャオは気付いていた。
 太助は、あまり悲しみや寂しさを表に出さない。
 それは、旅の画家、海外派遣ボランティア参加者、単独の世界旅行者という家に寄りつくことのない家族を持ったことにある。
 身の回りのことが一人でできる年齢になったころから、太助は一人で暮らしてきたのだ。
 シャオが七梨家を訪れるまでずっと。

 思い出を持てなかっただけではなく、思い出を形にすることもできない。
 それはどんなに悲しく、辛いことだろうか。

「シャオ」

 気がつくとシャオの目の前に太助が立っていた。

「太助君……?」
「大丈夫だよ。俺が写真を撮れなくても大丈夫さ。だってシャオがいるじゃないか」
「え……?」

 不思議がるシャオにむかって太助は言った。

「シャオが、俺の分まで俺達の思い出を覚えていてくれればいい。俺が思い出を欲しくなったら
 シャオから分けて貰えればいいんだから」

 ああ、この少年はいつもそうだ。
 どれだけ自分が辛いときでも、誰かを笑顔にするために頑張れる。
 たとえ、自分が笑顔でいられなくなったとしても彼はそうするのだろう。
 誰かの笑顔のために頑張れるこの少年の笑顔を、守りたい。
 シャオは太助と一緒にいるようになって、いつしかそう思うようになっていた。

「あのさ……。あたしがそばにいるって事、二人とも忘れてるんじゃない?」
「うわッ!」
「しょ、翔子さん!?」

 いきなり翔子に声をかけられて、二人は驚いた。

「まったく、二人がラブラブなのはわかるけどそういうのは家でやってくれよな」

 翔子に反論しようと太助が口を開きかけたとき、太助は一人の少年がこちらを見ていることに気がついた。
 声が届く距離にいながら、シャオと翔子は彼に気付いた様子はない。
 少年ーーここではないどこかではアルフォンスと呼ばれているーーはこう告げた。

「ディケイド……。今日、君の世界が葬られるよ」
「何だって……?」

 どういう事かと太助が問い掛けようとしたその時には、少年の姿はなかった。

「太助君……?」
「何ボーッとしてんだ?」

 そんな太助を奇妙に思ったのか、シャオと翔子が話し掛けてきた。

「なあ、そこに……」
「? そこって……? どこだよ」

 やはりあの少年を認識していたのは自分だけ……。

「何でもない。それより山野辺、今日は寄り道しないで帰った方がいいぞ」
「今日はって……。あたしがいつも寄り道してるような言い方だな」
「真面目な話だよ。とんでもないことが起こる、そんな嫌な予感がするんだ」

 この太助の忠告は残念ながら遅すぎた。

 異変は、太助の言葉と同時に現れた。
 それを言葉で表すならば、灰色のオーロラというべきか。
 天に、地に突如として現れたそれは、人々を呑み込み、建物を消し去り、異形の存在をこの世界に吐きだしていく。

「シャオ! 山野辺!」

 オーロラは少年と少女達も、容赦なく引き裂く。
 二人の姿がオーロラに消えてしまったとき、太助の心にその言葉が浮かび上がった。

 もう二度と、会えなくなる。

 その感情に支配された太助は、アルフォンスがすぐ後ろに立っていることに気付かなかった。

「ディケイド。今日がその日なんだ」
「君は……誰?」

 太助の質問には答えず、アルフォンスは言葉を投げかける。

「バックルとカードはどこにあるの?」
「クレジットカードならまだ持ってないぞ!」

 どこかずれた言葉にも構わずに、アルフォンスは語る。

「世界を救うには、君の力が必要なんだ」

 そう言うとアルフォンスはオーロラの向こうへと消えていき、太助は元の場所に戻ってきていた。


「いったい何なんだよ! あいつらは!」

 翔子とシャオは必死に逃げ惑っていた。
 あれから幾つものオーロラをくぐり抜け、そしてくぐり抜けた先で何度も化け物に襲われた。
 生命を感じさせない怪物共。無機質な作り物じみた女性の集団。ゴブゴブうるさい亜人。

「きゃっ……!」
「シャオ!」

 逃げ回っているうちにシャオはとうとう躓いて倒れてしまった。むしろここまでよく頑張ったほうだろう。

「………あれは?」

 身を起こそうとしていたシャオは、瓦礫の中に『それ』を見つけた。
 瓦礫から掘り出し、手に取ってみることで確信した。
 『それ』は夢に出てきた戦士が身につけていたバックルだった。
 本のような、バインダーのような形状のツールも一緒だった。
 酷く風化してボロボロになっているが間違いない。

「これ、なんなんだ?」
「これって、夢で見た……。でも……」

 なんでここに存在しているの? ーーその疑問を遮ったのは。

「シャオ! 山野辺!」

 よく知っている声に辺りを見回すと、オーロラの向こうに太助の姿があった。

「太助君!」
「お前、無事だったんだな!」
「まあ、取り敢えずはね」

 オーロラ越しに再会を喜ぶ三人だったが、それは長く続かなかった。

「二人とも……、後ろ……」
「「え……?」」

 振り向いたそこには、禍々しい、生命を侵す異形の機械がいた。

「シャオ! 山野辺!」

 このままでは二人はーー太助はどうにかしてオーロラを越えようとするが、どれだけ叩こうが殴ろうが
オーロラはびくともしない。

「シャオ……七梨……お前らは逃げろ」
「翔子さん!?」

 翔子は足元に落ちていた鉄パイプを拾うと、シャオを守るように一歩前に出た。

「馬鹿! 何やってるんだよ!」
「いいから行けよ! シャオに笑顔でいて欲しいって想い……。お前にも負けてない自信、あるからな」

 構えた鉄パイプが震える。戦えば間違いなく殺される。それでも、翔子は逃げることだけはできなかった。
 その間にも太助は必死にオーロラを殴りつけている。オーロラに赤い汚れが付き始めているのに壊れる様子はない。

ーやめてくれ。奪わないでくれ。どんなに小さくても俺にとってはやっと結べた絆なんだ。
 守りたいんだ。なのに、なんでこんなに俺は弱いんだ。……力が欲しい。力が欲しいよ……。

 無力さに苛まれて太助が叫ぼうとしたその時、太助は気付いた。
 シャオが持っているバックルと本型のケースに。
 そして太助は思い出した。

『バックルとカードはどこにあるの?』

「シャオ! それをこっちに渡してくれ!」
「え? でも……」
「いいから早く! 俺に世界を守らせてくれ!」

 その言葉に、シャオはバックルとケースを太助に差し出す。
 二つのアイテムはまるで存在しなかったようにオーロラを通り抜け……時を巻き戻すように
汚れ一つ無い本来の姿を取り戻す。
 そうしている間にも翔子は必死に異形の攻撃をかわしていたが、限界が近づいていた。

ー両手いっぱいの小さな世界。ちっぽけだけど俺の一番大切な世界……ー

「大切だから、俺が救わなくちゃならないんだッ!」

 バックルーーディケイドライバーを腰に当てる。すると両脇にベルトが形成され、ケースーー
ライドブッカーが左腰にマウントされる。
 そして太助はライドブッカーから一枚のカードを取り出して、その『言葉』を口にする。

「変身!!」

 その言葉と共にカードをドライバーに差し込み、シャッターを切るようにドライバーのサイドハンドルを押し込む。

『HERO RIDE DECADE』

 同時に太助の周りに九つの影が浮かび上がり、それは太助と重なり合い実像になる。
 それは灰色の戦士の姿。
 そして兜に何枚ものプレートがセットされ、甲冑もマゼンダに染まる。
 忌々しいオーロラは変身と共にガラスのように砕けて消えてしまった。
 異形は降り注いだオーロラの欠片に異変を悟り、逃走に移るがそれは遅かった。

「お前は、許さないッ!」

 太助は再びライドブッカーからカードを取り出す。
 どこかで理解していた。コイツはこの力で倒すのがふさわしいと。

『HERO RIDE NANASI』

 甲冑の胸の部分にZの文字が、両腕に同じくZを刻んだ腕輪が装着される。
 自分のみに起こった変化に戸惑うことなく、太助はまたカードを使う。

『ATTACK RIDE Z−ERASER』

 腕輪から三本の針が飛び出し、腕を保護するように折れ曲がる。

「はあぁぁぁ………、はぁっ!!」

 咆吼、突撃、一撃。
 その一撃で異形は、身体にZの文字を刻まれ爆発四散した。
 それと同時に文字も腕輪も消えて、最初のディケイドの姿に戻る。

「太助君が………ディケイド……!?」

 シャオは驚きを隠せなかった。
 太助が変身した戦士は、自分が何度も夢で見たあの戦士だったのだから。
 戦士ーーディケイドは二人の方に振り向くと、二人のよく知っている声で語りかけた。

「二人とも大丈夫か?」
「え……はい、大丈夫です」

 シャオはすぐ返事をしたが、翔子は何か考える仕草をしてから返事をした。

「つーか、それ以前に聞きたいことも、言いたいことも山ほどあるんだけど……。
 全部終わるまで我慢しといた方がいいみたいだな」
「ああ、行こう」

 そして三人は別のオーロラにむかって駆け出す。
 バックルから出てきたカードから絵柄が消えていた……。


 オーロラをくぐり抜けた先は怪物の楽園でした。
 一つ目海星、トカゲ男、巨大鮹、悪魔……。
 ファンタジーから抜け出してきたような奴らがうじゃうじゃしている。
 太助は群れを前にしても慌てずにカードを使う。

『HERO RIDE JUDE』

 甲冑の上に大きめのコートが現れ、それを羽織ったような格好になる太助。

『ATTACK RIDE ACCELERATOR』

 瞬間、翔子とシャオの目の前で怪物達が全て倒された。
 生体時間をクロックアップさせての超加速移動で、文字通り太助は怪物共を『瞬殺』したのだ。
 そして再びディケイドの姿に戻ったとき、やはりカードの絵柄は消えていた。


「なぜ絵柄が消えるんだ………?」

 変身を解除した太助は首を傾げていた。
 ディケイドに変身したとき、カードの使い方、変身した後の戦い方。それらの知識が意識の底から浮き上がってきたのだ。
 『記憶していた』
 そんなはずがないのにそうとしか言えなかった。
 その中に『カードは一回しか使えない』というものはなかったのだが……。

「それは君が一度全てを失ったからだよ」
「ッ!?」

 瞬間、当たりの風景は一変し宇宙空間のような場所に太助は立っていた。
そして太助と向かい合うように金髪の少年ーーアルフォンスが立っていた。
 二人の頭上には、九つの蒼い星が輝いている。

「あれは何なんだ……?」
「君達が地球と呼んでいる世界だよ」

 アルフォンスは説明を続けた。

「九つの世界に物語を紡ぐ英雄達が生まれたんだ。物語はそれぞれ独立して触れ合うことはないはずだった。
 だけど今、物語は引き合い、世界を一つにしようとしているんだ」
「世界が一つに……?」
「そして、一つになった世界は消滅してしまう。ディケイド、君は九つの世界を旅しなくちゃいけないんだ。
 世界を救うにはそれ以外の方法は無い」
「なんで、俺がやらなくちゃいけないんだ?」
「君は、葬世を行う者だから。葬世は創世に必要なことだからね、残念だけど」

 周囲の風景は徐々に元に戻っていく。

「君の旅が終わるまで、この世界は僕と仲間達で生き延びさせておくよ……」

 アルフォンスの姿は消えて、世界は完全に元の姿を取り戻した。
 いや、たった一つだけ違っていた。
 崩れ落ちようとしている瓦礫も、燃えさかる炎も『固定』されていたのだ。


「つまり、お前が旅をしてこの世界を救うってことか?」
「ああ、だいたいそんなところだ」

 ここは七梨家。太助は、自分に告げられたことを二人に話していた。

「………私も行きます」
「シャオ?」
「私も、太助君の旅に付き合います!」

 いきなりの宣言に太助は慌てる。

「待ってくれよシャオ! 俺についてくるって事はこの世界と別れるってことなんだ。
 シャオが俺に付き合う必要なんて無いよ!」

 必死にシャオを思いとどまらせようとする太助。だが、シャオにも理由があった。
 あの夢……英雄大戦とでも言うべき夢で見たディケイドの姿。
 あれは未来に起こることではないのか? この心優しい少年はいずれ真の葬世者となるのではないか?
 もしそうなら、自分がなんとしてもその未来を変えなくてはならない。
 シャオはそう考えていたのだ。

「わ、私は……太助君の家族ですから!」

 だがそんな想いは秘密にして、常日頃から太助が口にしていた言葉を口にする。

「う……」

 それを言われると太助も強くは言えない。だが……。

「いいじゃねえか、連れて行ってやれよ」
「山野辺……」
「シャオのことが心配なら、お前が守ってやればいいじゃねえか。あたしも手伝ってやるからよ」

 その言葉は、暗に自分もついていくと言っていた。
 が、太助は知っていた。
 二人とも、こうと決めたことは、絶対に曲げない人間だということを。

「………仕方がない、か」



「ところでよ。どうやって他の世界に行くんだ?」
「さあ?」

 翔子は何かとても変なことを言われた気がしてもう一度聞いた。

「あのな……。もう一度聞くけど、お前、他の世界に行く方法、知ってるんだよな?」
「知らない」

 何とも言えない空気が流れた……。

「お前それ一番大事なことだろッ! それじゃ世界を救うもクソもねえじゃねえかッ!!」
「しょうがないだろッ! アイツもそのあたりのこと全然、全く、何にも教えてくれなかったんだからッ!」
「た、太助君も翔子さんも喧嘩しないでください〜」

 三人がドッタンバッタンもみ合っているせいで、テーブルから本が落ちてしまう。
 すると、本は光り輝き、一枚の絵を浮かび上がらせた。

「「「!?」」」

 描かれているのは、鎖に縛られた二冊の本。タイトルはそれぞれ『救世ノススメ』『支配ノススメ』

「これは………!」

 その絵を見るなり太助は、家の外へと飛び出す。そこにあったのは廃墟になった街……ではなかった。
 煉瓦や漆喰で造られた家。行き交う人々の顔には悲壮感が漂い、世界全体に『絶望』が蔓延していた。

「セレスティア………『救世主の世界』か」



人物紹介

七梨太助
『守護月天の世界』の主人公と同じ魂を持つ異世界の住人。
何故かまともな写真を撮ることができないが、記憶喪失ではない。
世界の崩壊を阻止するため、戦士ディケイドとして世界を巡る旅に出ることになった。
インスタントカメラを常に持ち歩いている。

月小燐
『守護月天の世界』の月の精霊と同じ魂の持ち主。
この世界では生粋の人間で、中国で太助の父にあったさいに太助のことを知り、太助の押し掛け家族となった。
太助に対する恋心を自覚しており、太助=ディケイドが葬世者となるのを防ぐために旅に同行する。
実家が写真館であったため写真に対する知識は深く、七梨家の一室を暗室に改造して
太助の写真の現像を引き受けている。

山野辺翔子
『守護月天の世界』の住人と同じ魂の持ち主。
前述の二人ほど目立った相違点は無いが、太助とは本音で話し合える関係を構築している。

アルフォンス
太助に「ディケイドの使命」を伝えるべく現れたメッセンジャー。
鎧姿ではなく、劇場版「シャンバラを征く者」での兄を真似た姿で登場しています。


後書き

某理想郷やその他の小説投稿サイトで様々なディケイドクロス作品を読んでいるうちに
久しぶりに「書いてみたい」という欲求に襲われて書いてしまいました。

ディケイドが「仮面ライダー」ではないのは、九つの世界にライダーの要素が存在しないため。
「通りすがりの仮面ライダー」のセリフに違和感を感じたためです。

これから太助達は九つのガンガン作品の世界を旅していきます。
できるだけ双方の原作の雰囲気を出していきますが、もし違和感を感じられたらごめんなさい。


管理人感想

 ダークレザードさんからいただきました!
 最近巷でアツいディケイド系SSですが……まさかガンガンヴァーサスが来るとは。懐かしいなぁ……(遠い目)

 シャオが人間だったりアルフォンスが初期アニメの人間バージョンだったり、のっけからリ・イマジネーション全開。
 ここから先に訪れる世界がどうなっているか楽しみです。連載がんばってください!