清州城。
織田信奈の本拠地たる尾張の本城だ。
会見を実現させた後、信奈はやっとこの城に戻ってきた。
そしてさっさと本丸に入ってしまい、良晴は門前に放置された。
「なあ太助、俺これからどうすりゃいいんだ?」
「……こっち、こっち」
と犬千代が制服の袖を引っ張る。
「ん? なんだ?」
「サルに住処を与えろ、と姫様が仰せ」
「ほんとか? ありがたい! ……あれ? 太助はどうするんだ?」
「……太助の家はもうある」
そう言って犬千代が指差した方向にはいくつかの土蔵が建っていた。
「一番手前のが太助の家」
「あれが!?」
「古いけど住めなくはない」
「無茶苦茶だッ!」
「ま、野宿じゃないだけありがたいですよ。良晴さん、俺はこれで」
「あれ、ついてこねーのか?」
「どうも方向が違うみたいですし、今日はここでお別れしましょう」
「そうか、今日はありがとな」
「どういたしまして、家の感想は明日聞かせてください」
「で、俺の予想が正しければ、この中は……」
良晴、犬千代と別れて土蔵の前に立つ太助。
土蔵の扉を開いて飛び込んできた光景は……。
「やっぱりおれの家か」
予想通り、太助の帰る場所であり、世界を渡る船でもある七梨家であった。
だが、家は静まり返っており、人の気配もない。
自分があんな場所で倒れていたことと併せて考えると、
「俺達にまとまって行動されると困る奴がいるってことか。この世界でやること、一つ追加だな」
家族を探し出し、その何者かを倒す。そこまで考えたところで太助はあくびをしてしまった。考えてみればこの世界に来てからずっと動きづめだった。
「細かいことは明日にして、もう寝るか……」
第3話「長屋と若殿と初めてのお使い」
翌日、太助は良晴、犬千代と別れた場所からさらに奥のボロボロの長屋の前に立っていた。
この長屋がどうやら犬千代達下級武士の家屋のようだが、果たして良晴の部屋はどこなのか。
「誰かに聞ければいいんだけど……しょうがない、周りをぐるぐる回ってみるか」
そうしていると、一人の少女に声をかけられた。
幼いが目に力がある利発そうな少女であった。
そういう趣味の人間が大喜びしそうである。
良晴なら、将来を期待しながら、コスプレを想像して、もう見られないことに絶望するだろう。
「そなたはどなたです?」
「俺は七梨太助。君は?」
「ねねはねねですぞ! うこぎ長屋に何の用ですぞ?」
「犬千代って侍と、さが……信奈さんが飼い出したサルを探しているんだ、家はどこかわかる?」
「おお! ねねも今からサル様のところへいくところだったですぞ、一緒にいくですぞ!」
良晴の家の前についた時、馬に乗った若侍の集団に太助とねねは囲まれた。
「貴様、この家の人間か?」
「この家の人間に用があるんですけど、あんた達は?」
「無礼者め! 我等は、織田勘十郎信勝様の親衛隊よ!」
「うつけ姫が拾ってきたというサルがいると聞いたのでな。その世にも哀れなサルを見物しに来たのよ」
若侍達の態度は最悪、まさに威を借るキツネそのものだった。
怒鳴り声がうるさかったらしく、良晴が外に出てきた。
「太助、ねねと一緒にどうしたんだ?」
「哀れな良晴さんを見物に来た人たちに絡まれてたところです」
「こいつらが俺を? ……帰れよボケ」
「若殿! この礼儀知らず共、いかがいたしましょう」
「あのうつけの姉上が動物を拾ってくるなんて珍しいのでね、僕も一目見ておこうかと思ったのさ」
白馬に乗った少年侍が鼻で笑いながら馬を下りて近付いてきた。色白の肌に整った顔立ち、他の侍より高級そうな着物。
太助も良晴も、見た目ですぐに信奈の弟・信勝だと分かった。
「お前が信勝か」
「ぼ、僕を上から目線で見下ろすな! 僕は織田家の長男だぞッ! お前達こそ誰だッ!」
「相良良晴。信奈の直参、身分は足軽だ」
「七梨太助。このサルの世話係みたいなところだ」
「なるほど、そっちのおかしな恰好をしているのが噂のサルか」
「見た目だけではなく、頭の中身もサルだな、礼儀を知らん」
「若殿とは大違いですな」
「その通りだな。うつけの姉上にはお似合いの動物だ」
「ちょっと待て! もう一度言ってみろ!」
太助にひどいことを言われて、食って掛かっていた良晴だったが、信勝と家来たちの会話には本気でカチンときた。
サル呼ばわりは、まあ変なあだ名程度に思っていたが、こいつら信奈を馬鹿にしていやがると気付いたのだ。
だが信勝も退かなかった。
「僕の姉上はうつけだといったんだよ、サル君」
「礼儀正しいって言葉は、自分の姉をうつけ呼ばわりするって意味なのか? 尾張の偉い殿様よ」
言い争い始めた二人を太助は冷めた目で見ていた。
信奈を馬鹿にされて腹が立ったのは確かだが、それ以上に信勝に呆れていたのだ。
顔は良いし、利口なのだろうがただそれだけ。信奈のようにギラギラと輝く欲望がまるでない。
出来過ぎる姉を妬んで、担ぎ上げられていることにも気づかないお調子者。それが太助の信勝評だった。
二人のやり取りでもそれが解る。
良晴が、日本をこういう国にしてみたいという野望があるなら言ってみろ! と聞いても、ういろうを宣伝して全国区の食べ物に育ててみたいだの、
今川家と斎藤家を勝家に何とかしてもらって尾張を大きくしてもらうだのと全然現実が見えていない。
良晴からもお前なんかに戦国大名が務まるなら、俺にも務まるぜ! と言われる始末。
(付き合ってられないなぁ。良晴さんの家も分かったし、帰ろうかな……)
完全に興味を無くしていた太助だったが、言い負かされた悔しさから信勝が言い放った次の一言は聞き捨てならなかった。
「とにかく、僕の姉は大うつけなんだッ! 尾張中から笑いものにされてる織田家の恥だッ! だから母上も昔から姉上を嫌って相手にもしなかった!」
「――なんだって?」
「姉上は幼いころから、うつけだったんだ。寺に通ってもじっとしていられずに暴れてばかりで礼儀作法も身に着けられなかった。だから母上は礼儀正しいこの僕に家督を継がせたいとずっと思っていたのさ!
まあ父上だけは『お前は天才だ』とか『何と言われようが、どう言われようが、自分の信じることをやれ』などと言って姉上を甘やかしていたけどね。それが間違いだったのは今の姉上を見ればわかるだろう?」
「信奈さんは……実の母から疎まれながら育ってきたと……そう言ってるんですか?」
「そうさ。乱暴で我儘で、南蛮人なんかと親しくして、訳の解らないことばかり喋っていたからね。その証拠に、今だって母上は僕の居城に――」
その話を聞いて、良晴は全身が熱くなるのを感じていた。
そんなことでしか自分の優位を主張できない信勝のふがいなさへの怒りと、何より信奈は子供の頃からあんな寂しそうな仏頂面をしていたのかというたまらなさで。
(確かに信奈は我儘で可愛くない狂暴女だ。でも時代を超えた天才なんだ。ヒョウタンを腰にぶら下げてるのだって、あいつはポシェットのつもりでもこの時代の常識人にとっては
「品が無い」で終わりだ。あいつを理解してやれたのはきっと、蝮のおっさんと、死んじまった親父さんの立った二人だけ。けどよ、理解してもらえねーからって
それが親父さんの葬式でうつけのふりして暴れる理由になるかよ! 可愛くねえ強がりする理由になるわけねえだろ、あのバカ女!!)
今もペラペラしゃべっている信勝を黙らせようとした。だが動けなかった。
信勝の目の前に移動した太助が、完全にキレていることに気付いたからだ。
「信勝様。貴方は父上信秀様に殴られたことがありますか?」
「な、なんだい? この礼儀正しい僕が殴られるようなことをするわけがないだろう!」
「そうですか。だったらあなたは信秀様にとって……叱る見込みさえもない、大うつけだったということだろうなッ!!!」
その言葉と共に、太助は信勝を殴り飛ばしていた。
周りの家来たちが騒然とする中、それにかまわず信勝の胸倉をつかんで立ち上がらせる。
「さっき葬儀で仏前に抹香を投げつけるうつけだとか、自分の家族をコケにしていやがったが、お前は何で姉がそんなことをしたのかとか
一度だって考えたことがあるのか? たった一人の味方が馬鹿どもの下らない陰謀で早死にして、独りで立たなきゃいけなくなった心細さを
思いやったことがあるのか? どうなんだクソガキ!」
「ひっ、ひいいい! 離せ、離せええ!」
「ないだろうな? あるのなら、あんなうつけ――いや、人間のクズみたいな言葉が言えるはずないもんな。実の子供を疎み続ける駄目母に育てられただけはあるぜ」
「太助! それ以上信勝様に手出しは許さんぞ!」
見物人の間を割って勝家がやってきた。とっくに抜刀しているのを見ると首を落とす気満々らしい。
ねねはもう涙目で震えており、良晴は背中を撫でて安心させながら、「どうすんだよ太助」と胸の中で呟いていた。
「わが主君を殴り飛ばすだけではなくそのような暴言を……もはや生かしてはおかないぞ!」
「主君がどうした。このクソガキは人として許されないことをした。だったら、拳と言葉の両方で叱らなくちゃいけないだろうが! だいたい、本来ならあんたがやることだぞ!」
「ううっ。そういう難しいことはあたしには無理だ! 考えると頭が痛くなってくるんだ!」
「人としての問題だぞ! あんたがしっかりしていないから、馬鹿がバカ殿を担ぎ出してやりたい放題しようなんて馬鹿なことを考え出すんだ。
忠義を尽くすってのは何も考えずに言いなりになるってことじゃないだろうが!!」
「う、うるさいうるさいうるさいッ!! とにかく、忍びの分際で信勝様を殴り飛ばした上にその暴言……この場で手討ちにしてやるッ!」
口八丁どころか喧嘩売ってんじゃねーか! 五右衛門なんとかしてくれ……留守なのかよこんな時に!
良晴が慌てているうちに、勝家は太刀を大上段に構えて太助の脳天に振り下ろそうとする! その時。
「……駄目。信奈様想いの家来は殺させない」
犬千代が、手を広げて太助を庇った。
「何で邪魔すんだよ、犬千代? ますます話が面倒になるッ!」
「太助は、こう見えて結構怪しい男。だけど、信奈様の為に信勝にあそこまで言える男」
「う……まあそう言われると……」
「……それは太助が、信奈様と信勝の将来を本当に案じているから……だと思う。信奈様には太助みたいな人と、良晴みたいな友達が必要……そんな気がする」
「……〜〜〜〜。仕方がないな」
勝家は非常に納得がいかない様子だったが、刀を鞘に収め、放り出されていた信勝に近づいた。
「ちょっと待て勝家。僕を殴ったこの無礼者を見逃すというのかッ?」
「えーと……そこは、若殿も何度も信奈様への謀反を企みましたが、その度に命を許されていますし……。その借りを返すということでここはひとつ」
「ぼ、ぼ、僕は織田家の貴公子だぞッ!? 貴公子と忍びを一緒にするのかあッ!?」
「ひ、ひとまず、帰りましょう。えーと、その、あれです。今川家が上洛を目指して尾張に侵攻を企てているとの噂もありますし」
今川家が攻めてくるかもと言われると、信勝も弱かった。
対今川の戦略が「勝家に何とかしてもらう」程度の信勝には「海道一の弓取り」今川義元に勝つ自信なんて雀の涙ほどもありはしない。
そもそも取り巻きの若侍達だって、誰一人勝家に逆らう度胸が無いのだ。
「うぐぐぐ……きょ、今日の所は勝家に免じて、これで勘弁してやる! 言っておくけど逃げるんじゃないからなッ! 次に会ったら憶えておきたまえッ!」
信勝たちが去ったのを見届けて、良晴は太助の肩を叩く。
「お前、結構言うなあ。驚いたぜ」
「……すみません。俺、ああいう最低な奴見てるとどうしても……」
「気にすんなよ。お前が殴ってなかったら、俺が殴ってたぜ。犬千代もありがとうな」
「……姫様に言われて良晴を呼びに来たら太助が斬られそうになってた。すごくびっくりした」
「信奈が? ……ってことは合戦か!?」
「……まだ準備中。でも、仕事」
「来たぜ初仕事! 調略活動か? 足軽隊の訓練か? それとも種子島の調達か?」
「それ全部、サルの国生まれサルの国育ちの、ただの足軽に任せるような仕事じゃないでしょう」
「……来れば解る」
良晴と太助は犬千代に連れられて、本丸にある信奈の私室へ初めて入った。(ちなみに、良晴は足軽侍らしい古着に着替えている)
和室だが畳の上に大熊猫と虎の毛皮が並べられていたり、イライラした様子でういろうをかじっている信奈の手元に大きな地球儀が置いてあったりと、なかなかに個性的な部屋だった。
「……連れてきた。相良良晴」
「デアルカ。ん? 太助、あんたは呼んでないわよ」
「いえ。サルの世話係みたいなものですし、邪魔でしたら下がります」
「世話係ね……うん。じゃ、あたしが忙しい時は頼むわよ」
「かしこまりました」
「お前ら勝手に決めてんじゃねえーッ!!」
「ゴホン。良晴さんをからかうのはこれくらいにして……仕事の話をしましょう」
「そうね。サル、喜びなさい。あんたに仕事を命じてあげることにしたわ」
「いらなかったよな! 世話係の下り丸々いらなかったよな!」
「口答えはいいの。内容は米の買い出しよ」
信奈が手を打つと、小姓達が小判の山を運び込んで、良晴の足元に差し出していく。
「三千貫あるわ。期限は二週間。最低でも八千石は買ってくること! 一石でも下回ったらクビ!!」
「犬千代さん。相場はどれくらいなんです?」
「今の清洲の相場だと、三千貫なら四千石」
「つまり、相場の二倍の米を調達しろ、ってことか……面白いじゃねーか。その勝負、乗った!」
「勝負じゃなくて命令よ馬鹿! 散々大口叩いているんだから、これくらい簡単よね?」
(そろそろこのあたりで良晴さんの実力を量っておこうってことか。まあ丁度いいレベルかもな)
「おぅし解った。こんな仕事、簡単じゃねぇーか。二週間後を待っていやがれ!」
意気揚々と部屋を犬千代と共に出て行く良晴。
ひょっとして、と思って信奈に尋ねてみる太助。
「ところで信奈さん。もし元手を無くして米を調達しそこなったら、どうなるんですか?」
「もちろん、法に照らして打ち首よ」
打ち首よ。の所で一瞬動きを止めて、すぐに良晴は部屋を出て行った。
どうやら、博打で元金を倍にする気満々だったらしい。
博打が駄目ならどうするのか? と太助が様子を見に来てみると、良晴は頭を抱えて転がっていた。
犬千代も部屋の隅でじっと正座している。
「……どうするの?」
「博打で増やすのが駄目なら(ゲームで培った)俺の利殖術・パート2でいくしかないんだが……人手が足りないんだよなぁ」
「犬千代、協力する」
「是非頼む! でも、一番必要なのは忍びなんだよなぁ」
「……? 忍びにお米を盗ませる?」
「犬千代さん。清州の城下から米を盗んだら良晴さんは打ち首ですよ」
「……そうだった」
「おーい五右衛門! いないのか?」
「蜂須賀五右衛門、参上仕る」
良晴が叫んだ途端、音もなく庭に人影が現れていた。
顔は隠されていてわからないが、赤い瞳で五右衛門だと分かる。
「……驚いた。……誰?」
「全然驚いたように見えねえけど……太助と一緒に俺とコンビを組んでる忍びの五右衛門さ。部屋に入れよ、お前も」
「いや拙者はこちらで結構でござる。そもそも忍びとは――」
「いいからいいから。堅いこと言うなって。長台詞喋るとまた噛んじまうぜ?」
「う、うるさい」
「……良晴は、相手が主人でも家来でも態度が一緒。誰に対しても適当」
「そこは気安い態度といっておきましょう、犬千代さん」
「……物は言い様」
結局、五右衛門が折れて、うこぎ鍋を囲みながらの作戦会議となった。
「我が郎党は川賊にござる、土蔵破りなどお手の物」
「いや五右衛門、犯罪は無しの方向でいくから。ゴホン、戦国ゲームで培った俺の利殖術・パート2! その名も『貿易で荒稼ぎ大作戦』!」
(ちょっとカタカナと現代語を使う頻度を減らした方がいいんじゃないかな? ほら、五右衛門さん「げえむとはなんのことでござる?」って顔してるし)
「内容はこうだ。元での三千貫を六千貫に増やす。そのためにまずはこの三千貫で清洲の商人から物産品を購入する。それを他の町で買値より高く売る。
その差額でまた買い込んで売る。これを六千貫貯まるまで繰り返すって寸法だ」
ふむ。と顎に手を当てて考え込む五右衛門。
「何故買ったものが全て高値で売れるのでござるか? 根切るとでも?」
ちなみに根切るとは根こそぎ切る。要するに皆殺しにすることである。
「だから物騒なのは無しだって! (微妙なゲーム知識によれば)町ごとに相場は違うはずだ。だから、それを五右衛門の忍びのネットワークで調べてもらった上で安く買って高く売る。
品物を運ぶのも、お前の郎党にやらせれば安全だ。金を増やすのに人を傷付ける必要なんて無いッ!!」
「天才でござる相良氏。そのようなことに忍びを使うなど考えたこともござらぬ。さすが、木下氏がおにょーにょとみこんだおにょこ、ふふふ」
感心するのは良いがかみかみである。
「……すごくかんだ」
「……(ギロリッ!!)」
「?」
何故睨まれたのか、犬千代には解らないらしい。
「それではさっそく諸国の相場を調べて参る、ではごめん!!」
煙幕を張って五右衛門は消えた。
「ゲホッゲホッ。部屋の中で煙幕張ることないだろ。でもここからだぜ! これでハーレムの夢に一歩前進だ!」
「それはいいですけど、とりあえずあれ」
そう言って太助が指差した先には燃えている畳。
「煙玉のせいか!? 水ーッ! 消せーッ!」
管理人感想
ダークレザードさんからいただきました!
七梨家の転移先は清州城の土蔵……出仕には便利だろうけどせめて住居に転移してあげようよ(笑)。
しかし他の面々は不在の模様。これから出会う姫武将達のところにいるのかな?
この頃の信勝は小物。改めて確認。
彼は長政のところに行ってからが本領発揮だというのに、アニメじゃ見せ場の前に(金ヶ崎の退き口で)終了という悪夢が(苦笑)。アニメの2期があれば……うん、がんばれ。
良晴の提案した、街ごとの市場相場の違いを駆使した利殖術。わからない方はネットオークションを利用したサイドビジネスをイメージしていただければだいたい正解かと。『リサイクルショップ等で安く買い、ネットオークションで高く売る』っていうアレです。
少なくとも当時の経済学のレベルで思いつくようなことではないですね(実際犬千代や五右衛門はわかってませんでしたし)。思いつく人間がいたとしたら史実の信長同様に楽市楽座を導入していた信奈くらいかな? 個人的には彼女も信長も道三に負けないくらいの商才があったんじゃないかと思ってます。