「……なんでや…… なんでジン君と連絡とれんのやぁぁぁぁぁっっっっっっ!!!!」

「はやてちゃん、落ち着くですっ!!」


 ――機動六課の部隊長室に、頭をかきむしりながらはやての叫び声が響く。リインフォースがなんとか抑えようとしているが……



「これでどう落ち着けっちゅうんやっ!?あのアホ、私が六課を立ち上げようとした時から連絡とれないんよ!?それでいて、民間の依頼を引き受けてたり、ついこの間は地味に援軍として参加していたり……アレか!?私は嫌われてるんかっ!?小さい頃は『はやてお姉ちゃん』ゆうて後ろを付いてきてくれる可愛い子やったのに、今じゃ見る影もないわっ!!しかも、知らんうちに妹が増えとるしっ!?どこのシスプリやねんっ!!」


「ふにゃああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっ!?!?」


 堪忍袋の緒が切れたのか、リインフォースに対してはやては一気にまくし立てる……そろそろ、助け舟を出しておくか。


「はやて、いいかげんにしろ。リインフォースにあたっても仕方が無いだろう?」

「……はぁっ、はぁっ……それもそうやな……ごめんなリイン。」

「だ、大丈夫です……でも、確かに妙ですよね?いつものジン君ならはやてちゃんからの連絡には必ず返事をしてくるのに……」

「その件だが、連絡が来ているぞ。どうやら、あっちはあっちで面倒事に巻き込まれていたようだな。」




















「「は?」」




 目を丸くするはやてとリインフォースに、俺はつい昨日ジンから届いたメールの文面を見せる。はやてはそれに目を通すと、深い溜息を吐きながら椅子にもたれこんだ。


「なんやねんこれ。ジン君、恭文並にトラブルに巻き込まれてんか?というか、なんで私にやなくてビッグにメールが来るんや?」

「……多分、迷惑を掛けたくなかったんだろうな。」

「……それなら、通信でもいいから顔を見せてくれた方がよっぽど安心出来るっちゅうもんや……ほんと、困った弟分やな……」



 そう言いながらも、はやては口元に笑みを浮かべる――やれやれ、ようやく機嫌を戻してくれたようだな。





◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆





 ……はぁ、これではやて姉は大丈夫かな……?


≪どうせなら直接連絡した方がいいんじゃないのか?その方が喜ぶと思うが……≫

「いや、あっちも後処理で忙しいんじゃないか?それに……どうせ会うなら、全部終わらせてからの方がすっきりするだろ。」


 多分、はやて姉には怒られるんだろうけどな……まぁ、今は六課の事に集中してもらいたいもんだ。 


≪……マスター、八神嬢にフラグを立てられたか?≫

「いや、なんでそんな話になるんだよ。はやて姉は……そうだな、姉みたいな存在だな。」

≪そして、いつしか憧れが恋へと変わり禁断の愛へと発展するんだなっ!!≫

「んな訳ねぇだろうがっ!?大体、あの人管理局ではそこそこ人気があるだろうがっ!!身内からしたらチビ狸だけどもさっ!?」


「お兄ちゃん、何してるの〜?」

「兄さん、早くしてくださ いっ!!」



≪……ふむ、この話はまた今度にしよう。≫

「だな。メイル達をこれ以上待たせると物理的に潰されちまう。」


 外から俺を呼ぶ妹達の声に慌てると、俺は部屋を後にする……やれやれ、兄貴ってのは大変だな。














 ――今から10年くらい前、俺達の暮らしていた世界は劇的な変化を遂げた。

 街中の車や飛行機――乗り物に擬態して、人間社会に溶け込んで暮らしてきたロボット生命体“TF(トランスフォーマー)”の存在が全世界に対して明らかになったからだ。



 当然、そんなのが身近に隠れ住んでいたのがわかって、パニックにならないはずがなかったんだが……その混乱はあっけなく終息した。

 理由は簡単。そんなことを気にしてられない、もっとシャレにならない事態――全宇宙を飲み込みかねないトンデモ現象“グランドブラックホール”が出現したからだ。





 しかもそこには、ちょっと厄介な事情がからんでいた。

 事件の中心となっていた第97管理外世界――地球にはプライマスとユニクロンという、対になったTFの神様がいた。その一方、ユニクロンが自分の力を増大させるために惑星そのものを食べようとして、その惑星を引き寄せる手段としてそのグランドブラックホールを利用していたらしい。

 その結果、グランドブラックホールの被害は自然現象の域を超えて拡大。地球だけではなく、TFの暮らしていた別の星、セイバートロン星やスピーディア、アニマトロスにギガロニア……いろいろな星がその猛威にさらされ、滅びそうになった。セイバートロン星やアニマトロスなんか、一時はホントに飲み込まれたらしい。

 そんな、そこらの三文SFも真っ青な、言葉そのままの意味の“全宇宙の危機”に、人間とTFは一致団結。なんとかグランドブラックホールを消滅させ、グランドブラックホールを悪用したユニクロンも倒すことができた。





 とはいえ、俺はそのあたりのことを詳しくは知らない。

 何しろ、俺がこっちの世界に関わり始めたのはその後の話だから。当時は完全にカヤの外で、情報もろくにないまま事態を見守る側の人間だった。
 けど……関わり始めて、いろんなことがあって、いろんな人達や、いろんなTFと知り合いになった。

 まぁ、さらにいろんなことがあって、俺には相棒とも言うべきTFがいるんだが……まぁ、それは置いておこう。そのきっかけとなった話をするには結構な時間がかかる。話を戻そうか。






 ……さっき話したユニクロンの一件、そこで完全にすべてが終わった訳じゃなかった。





 つい先日……次元世界の中心、ミッドチルダでひとつの事件が起きた。

 公式には“JS事件”“レリック事件”と呼ばれているそれだ。

 簡単に言うと、広域次元犯罪者ジェイル・スカリエッティが管理局に対してかちこみをかました事件なんだけど……そこにユニクロンに仕えていたトランスフォーマーの残党が横槍を突っ込んできたせいで、事件は最後の最後でとんでもないどんでん返しを迎えることになった。

 スカリエッティが持ち出してきた巨大戦艦“聖王のゆりかご”。ユニクロン軍はそれをユニクロンの新しい身体として再利用しようと考えたのだ。

 おかげで不完全とはいえユニクロンはミッドチルダに降臨。ミッド地上を舞台に、神様相手の大ゲンカを繰り広げるハメになった。

 ちなみにその残党は途中から暴走を始めたユニクロンに食われてあっけなく途中退場……自滅し た上に厄介な代物を残して、実に迷惑だった。

 まぁ、ユニクロンの復活が不完全だったおかげで、なんとか再び倒すことができた。いや、俺もその一戦には参加してたんだけど、ダウンバーストとかいう現象でダメージを食らったりした訳で大変だった。





 ――そういえば、まだ名乗っていなかったな。俺の名前はジン・フレイホーク。『栄光の流星』という二つ名を師匠である魔導師から受け継ぎ、いろんな戦場を渡り歩いている――ただの嘱託魔導師だ。









とある魔導師と機動六課の日常×魔法少女リリカルなのは〜Master strikerS〜

とある魔導師と守護者と機動六課の日常・外典

Another strikerS






第1話『新たな始まり/新たな出会い?』











◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆






「恭文を六課に?」

『えぇ。
 二週間後に合流の予定よ』



 聞き返すオレに対して、目の前の空間に展開されたウィンドウに映し出されたリンディさんは優しげな笑顔でそう答えた。



『最初はかなり渋ってたけど、なんとか引き受けてくれたわ』

「そりゃ渋るでしょ。
 アイツだって今回の件の裏側じゃ鉄火場の連続だったんだから。
 それに現在進行形でクロノ名物“報告書地獄”の真っ只中だろ? 悪いがそれがオレでも渋るぞ」

『キミの場合渋る前にそもそも話すら聞こうとしないと思うんだけど』



 失礼な。

 ちゃんと話は聞くよ。聞いた上で一切の説得を拒否してぶっちぎりで断るだけだよ。



 さて、そんなことをリンディさんと話しているオレの名前は柾木ジュンイチ。

 魔導師、ってワケじゃなくて、いわゆる特殊能力者、ってヤツ。その辺はまた機会があったら……ね。

 歳は26。彼女はなし。まぁ、オレみたいなキャラの濃いヤツに惚れるような女の子もいないだろうし、自業自得っちゃあそうなんだけど。



 で、局に対するオレの立場は……うん。かなり微妙だね。

 一応、局の解決してきたいくつもの事件に首を突っ込んできた協力者、ではあるんだけど……今回の“JS事件”は少しばかり事情が違ったから。



 簡単に言うと……限りなく黒幕に近い立ち位置にいるのだ。



 今回の事件で、オレは事件そのものをオレの目的のために利用した。

 具体的に言うと、前々からミッド地上部隊の抱えていた問題点や裏側のドス黒い部分を洗い出すため、そして社会全体が管理局に頼りきりの世の風潮をぶち壊すために、わざと事件が大事になるのを放置。その結果生じた混乱に乗じて地上部隊内の大掃除に踏み切ったのだ。

 その結果、一番トップで悪いことをしていたじー様達は壊滅。その他その時点で証拠をつかんでいた不正も一切合財日の下に引きずり出して、やらかしていた人達をキレイサッパリ一掃した。

 けど……おかげで一掃された人達に付き従っていた連中からはすこぶる評判が悪いし、恐れられていたりもする。本局の一部官僚なんて「明日は我が身」とばかりに戦々恐々みたいだし。

 と、ゆーコトはソイツらは“心当たり”アリか。よし、後日きっちり丸裸にしてやろう。



 それはともかく、そんなこんなでオレは事件を思い切り利用したし、自分に都合のいいように流れを誘導したりもした。

 ね? ほとんど黒幕同然でしょう?

 まぁ、オレもそれは自覚してたから、やるからには徹底的に悪役を引き受けようと思ってた。

 そう。思ってたんだけど……ウチのバカ弟子どもにきっちり阻止されて、むしろ汚名を被りながらも管理局の不正と戦った“英雄”に祭り上げられちまって、現在に至る、と。



 それはともかく。



「まったく……余計なことしてくれちゃって。
 恭文の方の都合をまったく考えてないじゃないか」

『でも、あの子は一番ケガもしてなかったし……』

「ケガが少なかっただけでしようが。
 他の部分のダメージは六課の連中と変わらないってのに……」



 うめいて、オレは手元の作業画面に視線を落とし、進捗状況を確認する。



「…………オレだって、すぐに六課に合流できるワケじゃない。
 アイツに何かあっても、フォローの手がないんだぞ」

『ジュンイチくん……まだ合流できそうにないの?』

「えぇ。
 買い占めた株、さっさと市場に戻さなきゃならんでしょうが」



 オレが言っているのは、“JS事件”で地上本部のじー様達を追い込むために買い占めた、地上本部の全スポンサー企業の株のことだ。

 何年も何年も時間をかけて、ダミーの自動売買プログラムを大盤振る舞いして買い占めたおかげで、なんとかミッド地上部隊を経済的に掌握することができたワケだけど……それだけ買い占めれば、当然その株の量は膨大。

 もう用がないし、別に地上部隊を支配したいワケでもないから手放しにかかったワケだけど、一度に大量に流せば市場を混乱させるだけ。

 したがって少しずつ市場に売りに出すしかなくて……結果、けっこう時間がかかってる。



「仕方ない。
 あずさにフォロー頼んどくか」

『ごめんなさいね』

「どーせ、オレをそう動かすために連絡してきたんだろうに、よく言うよ。
 それに、そのセリフはオレよりもウチの妹に言うべきだと思う んですが」



 あずさ、というのはオレの妹で、一応オレ側のエージェントとして六課に送り込んでたパイプ役でもある。

 その件に絡んで長いこと身分を偽らせたりもしてたし、できることならもう残りの六課運用期間はのんびりと楽させてやりたかったんだけど……恭文のフォローを頼めそうなのはアイツしかいない。

 はやて達はリンディさん側の意向で動きそうだし、今回裏方として動いてもらったジンとカオスプライムは惑星ガイアの方に戻っちゃったしな……ジンとカオスプライムはこなた達のフォローを頼みたかったから今回の事に巻き込んだんだが、カオスプライムがプライマスからもらった“力”のせいで裏方に回すしかなかったんだよなぁ。まったくプライマスめ、余計な事しやがって。



 とにかく、あずさが動いてくれればなんとかなるだろう――リンディさんとの通信が終わったらすぐに連絡を入れよう。

 そして、オレもできるだけ早く六課に合流……したいんだけど、まずはこの大量の株式を処分しないと。

 くっそー、売っても売っても片づかねーっ! 誰かへるぷみーっ!




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


新暦75年10月。
惑星ガイア軌道上衛星『エトワール』、ガイア・サイバトロン基地本部――




「これが惑星ガイアか……自然が多くていい所だな。」

「確かにそうですね。アニマトロスは地殻変動が多く危険な惑星と聞いていますが、この地域は比較的穏やかな気候で地殻変動もありません。もっとも、北部の地域は極寒の地で、逆に南部は亜熱帯の地域だそうですが……」

「まぁ、僕達の人数も少ないからこうしてアイちゃんのデータで観測するしか方法がないけど……必ず、自然と文明が共存するガイアを復活させるんだな。」

≪ありがとうございます……本当に嬉しいです。≫

 
 巨大モニターに映る惑星ガイアの各地域を眺めながら、私達は思い思いの感想を述べていく。緑溢れる地域や海に面した地域、氷に覆われた大地や砂漠が広がる大地など……そのどれもが、美しさを感じさせていた。


 ……おっと、自己紹介が遅れました。私はライラ・フレイホーク、この物語で一応主人公を務めるはずであるジン・フレイホークの妹です。え、メタ発言が多い?すみません、なにせ『とまと外典』に連なるシリーズの中で初めて地の文を担当させてもらう事になって少々浮かれているんです。


≪相棒、いくら地の文とはいえメタ発言は控えてください。この調子では、ビース○ウォーズが元ネタのキャラクター達がアドリブ満載で喋る時に苦労しますよ?≫


 それもそうでしたね……あ、今話しかけてきたのは私の相棒であるデバイス「エーデル」です。普段は兄さんの持つデバイス「バルゴラ」と色違いのアクセサリーとして首から下げています。



「……ねぇ、あれツッコミいれたら駄目なの?」

「鷲悟君、ここではあれくらいのボケを華麗にスルーできないようじゃ駄目駄目なんだな。そんなんじゃ、僕達の アドリブやら声優ネタの目白押し、ツッコミ役ですらボケに走っていつしかボケてボケてボケだらけになって進む、かつて大人気だった暴走コメディにはついてこれないんだな。」

「その発言が既に危険だよなぁっ!?というか、かつて大人気だったって自分で言うのかよっ!?」

「仕方ないんだな。僕達はTV放送されてた頃が一番輝いていたんだな。リターンズはおもちゃと映像のギャップが激しすぎてあまり人気が出なかったらしいし、ハリウッド版のTF達 には流石に勝てないんだな、多分。」

「それは言っちゃ駄目でしょっ!?というか、多分って何っ!?ひょっとして、根っこでは勝機があるのっ!?」

「ちなみに、作者は幼い頃の記憶を頼りに僕達の台本を書いてて、キャラが崩壊している可能性があるから注意するんだなっ!!」

「台本じゃないからっ!!これ一応小説だからっ!!そして、なんでそっちはツッコミいれないのっ!?」

≪わたしはあんどろいどにすぎませんから、かんじょうやつっこみなどといったぷろぐらむはそんざいしません≫

「さっきおもいっきり感情込めて喋ってたよねっ!?そしてその棒読みで片言な口調はなんなのさっ!?」


 ……それでは、盛大に漫才を繰り広げてくれた御三方を紹介しましょう。


 まず、モニター前のコンピュータを操作している、サイが口を広げて変形したような姿をしているTFがライノックスさんです。現在はガイア・サイバトロンの開発主任を担当されており、ほぼこの本部にこもりっきりです。ですが、マッドサイエンティストではない比較的常識的な博士です。


「まぁ、『こんな事もあろうかと』ってのはいつかやってみたいんだな。あと、ガイア・サイバトロンについては説明を入れておいた方がいいんだな。」

「ねぇ、なんで地の文と会話してるの?これ読者は面白いかもしれないけどはたから見たらこわいよねっ!?」


 ……では、ガイアサイバトロンについて説明しましょう。
 ガイア・サイバトロンとは惑星ガイアに所属するTFの集団で現在もっとも大きい勢力で、プライマルコンボイさんという子安ボイスのゴリラなコンボイを総司令官としています。ですが、あの人はバナナの事になるとキャラが崩壊して暴走するので、副司令官のライオコンボイさんが苦労するんですけどね……話が逸れました。

 現在の惑星ガイアはアンゴルモアエネルゴンという高純度のエネルゴンが発生する特殊な力場によって人間やTF達に影響を及ぼすので、これから逃れるにはガイアの生態系に存在する生命をスキャンしたTFか、長年の研究でようやく完成した防護フィールドを用いるしかありません。もっとも、例外もいるんですがこれは後々説明しますね。



≪確かに、そこら辺はややこしいですからね……おいおい説明していきましょうか。≫

「いや、だから地の文と会話するの止めてっ!?ライラちゃんもちゃんとナレーションに徹してよお願いだからっ!!」


 こちらで苦笑していらっしゃる可愛らしい少女はアイちゃん。実は惑星ガイアを長くから見守っていた自立コンピュータ『ベクターイオタ』の中枢を担うアンドロイドで、稼働年数だけでいえば私達の中で一番年上です。しかし、バルゴラ曰く『彼女は永遠の14歳だから歳など取らないのだっ!!』と言っていました……アンドロイドなんだから年齢という概念があるのかどうかも分かりませんけどね?そのAIは完全に熟成しており、見た目を除けば人間と見間違えるほどです……さっきの口調は冗談ですよ?


「……さっきから無視されてるなぁ……俺、何かしたっけ?」


 そして、さっきから無視されまくっていていじけている寂しがり屋さんが柾木鷲悟さん。他の皆さんが後処理で忙しい中、霞澄さんから兄さんとカオスプライムの新型装備を届ける為にわざわざ惑星ガイアまで来てくれた……暇人です。


「さっきからライラちゃん俺に厳しくないっ!?俺だって暇じゃないんだけど!!」

「あぁ、気にしないでくだ さい。なんかこう、兄さん以外には少々Sになる性質のようでして……」

「いや、ならなくていいからっ!!もっと普通のキャラで……って、ライラちゃんは女の子なのに平然と下ネタが言える子だったね。お兄さん悲しいよ。」

「私の声優は加藤英美里さんで○物語の八九○真宵をベースにしたかと思いきや、実は戦場ヶ○ひたぎさんと神○駿河さんを足して2で割ったブラコンかつシスコンですからね。この作品ではキャラが濃くないと目立てないんですよ。」

「何その無駄に濃い情報、そんなの誰も聞いてないんだけどっ!?」

「しかし、この作品では兄さんの恋人になるのは誰なんでしょうかね……?かがみさんだと声が私とかぶりますし、かと言ってこなたさんはジュンイチさんにフラグが立ってますし……ここはやはり、みゆきさんか……えぇっと、あれ?あの人の名前は確か……あぁ、そうそう。つかささんのどちらかなんでしょうか?」

「なんかスルーされたっ!?というか、カイザーズの4人からしか選択肢がないのっ!?そして、なんでつかさちゃんだけ名前が出てくるの遅かったんだっ!?」

「答えは実にシンプル、 この話を書いている時に作者がつかささんの名前をド忘れしたからです。」

「ご期待通りのメタメタな解答をありがとうっ!!」



 ……まぁ、鷲悟さんはあぁみえてかなりの寂しがり屋ですからね。こうやってかまってあげないと面白くないんですよ。ほら、ジュンイチさんはフラグを立てるだけ立てて放置している究極のフラグブレイカーじゃないですか。でも、鷲悟さんってまだ誰にもフラグを立ててないはずですから……狙うなら今のうちですよね?このくらいの歳の差カップルなんて普通にいますし、あと2年待てば押し倒して既成事実を作っても問題ないでしょうし……フフッ、覚悟してくださいね鷲悟さん♪私は鮫です、鮫になるのです。



「……なんか、ライラちゃんから怖いオーラが漂ってるんだけど?」

「鷲悟君……ガンバ、なんだな。」

≪ライラちゃん、ガンバ、ですっ!!≫





 それでは、中継のメイルさん。そちらの方はどうでしょうか?




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


ガイア・サイバトロン地上基地――




「は〜い♪こちら中継のメイル・スノウレイドでぇぇぇぇっっっっす!!」

≪……フ……フフフフフフ……ついに……ついにきましたよ、私の時代がっ!!≫
 

……ガネット、ちょっとうるさいよ?


≪何を言うんですかメイル!!この日をどれだけ私が待ち望んでいたとっ!?本家外典での私が喋った回数がどれだけ少ないと思っているんですかっ!?ほぼ初登場回ぐらいしか喋ってないんですよっ!?≫


まぁまぁ、今は落ち着いてね。さて、気を取り直して……


「今日は、ガイア・サイバトロンの地上基地にお邪魔していま〜すっ!!さて、ガイア・サイバトロンのみなさんは普段何をしているんでしょうか!!これから、“とつげきしゅざい”をしてみたいと思います!!」

≪さすがメイルですね。あえて突撃取材をひらがな表記するとは……なかなか侮れない。≫


 む〜、そういう事は言わなくていいのっ!!それじゃ、みんなはというと……




「……え?もうカメラ回ってるのっ!?」

「ちょっ、ヤバいじゃんこれっ!?」

「先輩方落ち着きな。ここは焦らず騒がず、即行で片付けるべきだぜっ!!」

「わぁぁぁっっっ!?!?メイル、ちょっとタンマだタン マァァァァッッッッ!!!!」


 えっと、あれ……?みんな、なにをしてるの?


≪あれは、いわゆる麻雀という奴ですね。しかも、どうやら賭け事を……≫

「……いったい、何をやってるんですかあなた達はぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっっっ!!!!」

「げ、エアラザー(先輩)!?」




 ……う〜ん、エアラザーのお説教が始まるね。ガネット、どうしようか?


≪仕方ないですね。ここはそこにいるスタンピーも加えて皆さんの紹介をしますか。≫

「え、ボクもっ!?」

≪えぇ、そうですよ。そこで某海賊漫画のトナカイみたいないかにもバレバレで逆な隠れ方をしないで早くこっちにきなさい。≫

「う、うん……」

「え〜、こほん!!それじゃ、地上基地にいるメンバーの紹介をはっじめっるよ〜♪」



 それじゃ、まずは私からね!!メイル・スノウレイド13歳、お兄ちゃんの妹やってま〜す♪キラッ☆えっと、趣味は色々だけどヘイハチおじいちゃんに時々剣術を習ってるのっ!!それで、夢はお兄ちゃんのお嫁さん……とまでは行かないけど、みんな幸せになれたらいいなっ♪

≪それでは、次は私ですね。改めましてこんにちは。メイルのデバイスをやっております、ガネットと申します。ここでは、本家よりも目立てるように努力したいと思います……えぇ、偉大な先輩であるアルトアイゼン様に負けないくらいキャラの濃いデバイスになりたいものです。≫


 う〜ん、ガネットが何言ってるかメイルわかんな〜い♪それじゃ、次はスタンピーね!!


「えぇっと……ガイア・サイバトロン所属、スタンピーです。えっと、ビーストモードはうさぎです。まだまだ新米なんですけど、努力したいと思っています……あ!!メイルとはパートナーの関係です!!」

≪ついでに言っておきますと、原作とは違ってスタンピーは女性ですからね。弱気なボクっ娘……その手の人には非常に受けるのでしょうね。≫

「……あ、あのガネット?そういう発言は止めた方が……」

≪何を言っているんですか!!このくらいのアドリブを乗り切らなければ、ビース○ウォーズのキャラがいるこの作品では生きていけませんよっ!?大体、Uとネオは日本製であるが故にこういったお笑い的要素が……≫

「あのねスタンピー。こういう時はゴニョゴニョゴニョ……」

「……本当に言うの?」

「うん!!それじゃ一緒にいくよ、せ〜の……」










「「メイル(スタンピー)、わかんな〜い♪」」キラッ☆








≪……この歳で己の武器を理解するとは……メイル、恐ろしい子っ!!≫


 はいはい、ガネットはおいといて他の人達の紹介に移ろうね〜♪


「えっと、誰から紹介しようか……やっぱり、エアラザーさんからかな?」

「そうだね、それがいいかも!!」


 という訳で、エアラザーさんからの紹介です!!ほらほらエアラザーさん、こっち向いて!!


「え?いや、あのまだチータスさん達へのお説教が……」

『レディーファーストでお願いします!!』

「意味が分からないですよっ!!というか、なんなんですかこれはっ!?」

≪いいから、早く進めてください。あっちには出番待ちでスタンバっているガイア・デストロンの皆さんが居るんですから。≫


 そうだ ね。今も台本を読み合わせて出るタイミングをきちんと考えてるね。


「いや、台本ってなんですかっ!?……とにかく、自己紹介をすればいいんですね?ガイア・サイバトロン所属、エアラザーといいます。ビーストモードは隼ですね。あと、ライラのパートナーも務めています。御覧の通り、お馬鹿さんばっかりなので結構苦労しているんですよ……うぅ、真面目な人が私とライオコンボイだけってどういう事ですか?」

≪裏設定によると、エアラザーが女性なのは海外版と漫画版メタルスの影響だそうですね。なので、メタルス以前の姿なのに顔だけは漫画版のように擬人化しているようです。≫

「いや、変な事言わないでくださいよ!?ちゃんと私ロボットっぽい格好ですからねっ!?」

≪萌え要素と言うものをわかってないですね……あなたには失望しました。≫

「なんか勝手に失望されたっ!?」

「それじゃ、次は俺の番ジャン!!チータス、モノマネやるジャンっ!!炎のMS乗り、ガロード・ラン様の――」

































轟音

















「……ちょっ……ツッコミに……トンファー使うのは……反則ジャン……?」

「なんで真面目に出来ないんですかあなたは……」

「じゃあ、次はオイラだね!!ラットル、工藤新――」

















再び轟音















「……あなた達は、ふざけないですよね?」

「「イェス、マム!!」」



 ……え〜と、とりあえず床に転がっている二人の紹介はこっちでするね♪おっきい方がチータスさんで、ちっちゃい方がラットルさん♪

≪チータスはまだいいとして、ラットル、原作と同じネタをやるなんてまだまだですね。それでは、残りのお二方どうぞ。≫

「ギンギラギンに燃えているハートを持つ男、ブレイク様だっ!!ビーストモードはペンギン、よろしくぅっ!!」

「さすらいのガンマン、コラーダだっ!!ビーストモードは、名前から分かる通りコブラだぜ。」

「……よろしい、よく出来ました。」


 ……うん、エアラザー。怖いからそのトンファー置いて?


「……はっ!?わ、私とした事が……うぅ、こんなんだから彼氏ができないのよ……」

≪原作では彼氏いましたけどね。ですが、性格がかなり違うので無理なんじゃないですか?すぐ暴力振るう女なんて、男に嫌われますよ。≫

「はぅあっ!?」


 ……うわぁ、エアラザーもダウンしちゃった……スタンピー、どうしよっか?


「……ボクは、普通にしていられるメイルが心配だよ……」


 メイル、わかんな〜い♪


「それ言ってたら何でも解決すると思ってないよねっ!?」

≪甘いですスタンピー。今のメイルは自分のコンプレックスすらも長所に変えてしまう……そう!!超時空少 「オラオラァッ!!何騒いでいるんだオラ……って、台本と違うじゃねぇか。どうなってんだ一体!?」

「まったく、ようやくミー達の出番が来たというのになんザンスかこれは?」

「ブーン。僕ちゃん、落ち込んじゃうブーン。」

「ごっつんこ」
……あなた達、私の台詞にかぶらないでくださいっ!?≫


 あ、今入ってきた人達 はガイア・デストロンの皆さんです。昔はガイア・サイバトロンと敵対していたらしいんですが、今ではすっかり喧嘩友達といった感じで仲良くやってます。右から順番にスコルポスさん、テラザウラーさん、ワスピーターさん、インフェルノさんです。


『なんか扱い雑っ!!』

≪いいじゃないですか。クライオテックの居ないあなた達なんてお笑いグループにしかならないんですから。≫

『お前ひどいなっ!?』



……あれ?そういえば、お兄ちゃん達は?私達と一緒にこっちへ来たんだけどな……


「エアラザーさん、お兄ちゃん達は?」

「あれ、聞いてなかったんですか?ジン君とカオスプライムなら、総司令達と一緒に古代都市に行きましたよ?」



 ……あ、そうなんだ。それじゃあ、邪魔しちゃいけないね。




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 惑星ガイア南部、古代都市・サイバトロニア上空付近――







「……あれから9年、か……」

≪なんだマスター、やけにしんみりしているな?≫

「そりゃそうだろ。なにせ、ここは俺が変わるきっかけになった場所で……色々な事があった場所だからな。」

≪確かにな。≫



 大地を覆うジャングルをスペースシャトル型のビークル――ジェットシャトラーのコックピットに備え付けられたモニターで眺めながら、俺はバルゴラとそんな会話を交わしていた。


 ――今でも、すぐに思い出せる。俺が誰かを守れるように強くなりたいと初めて願った――あの戦いの事は。







「……僕の名前は、ライオプライムだ。」


≪この惑星ガイアを救う為には、あなたの力が必要なんです!!≫


「儂は魔獣大帝クライオテック……元の世界に帰りたいと言ったな小僧?ならば、儂が力を貸してやろう……」


「――君は、僕の初めての友達だ。友達を助けるのに理由なんていらないって言ったのは……君だろ?」


「バナナは何処だぁぁぁぁっっっっ!?!?」


「……ゴメンね、遅くなっちゃって?でも、もう大丈夫……だからジン君、一緒に帰ろう。」


「無駄だ、儂と一体化したマジンザラックを止める方法などない……貴様ら全て、絶望に陥れてくれよう!!」


「動け、ブレイブマキシマス!!みんなを――守りたいんだっ!!」


「生命が宿りし大地の守護者――ライオコンボイ。それが……新しい僕の名だっ!!」



「ガイアの意志を束ねるマトリクスよ……今、新たな守護者達に新たな力をっ!!」







「けど、結局俺は弱くてちっぽけな人間のままで――この手で守れるモノなんて、数えれるほどしかない。」

≪……トランステクターという力を手にしておいて、よくそんな事が言えるな?≫

「そうでもないさ。ゴッドマスターになっても、俺は俺のまま……一人で出来る事には限度がある。」


 ――そう、俺は何も変わってない。守られているだけだった自分を変えたくて“魔法”という力を手にしても、先生を助ける事はできなかった。9年前のマジンザラックとの戦いや、半年前に起きたユニクロンの細胞もどきが起こした戦いも、JS事件の時だって……自分の無力さを思い知らされた。どんな力を持っていても、俺に出来る事なんて……ほんの少ししかないんだと。




『……だが、そう悲観する事でもないと思うぞ?むしろ、ジンは自分の弱さを自覚してい る……そういう奴は、もっと強くなれるんだ。』

『ライオコンボイの言う通りだな。それに、強い力を持つ誰かによって与えられる平和よりも、小さな力でもみんなで集まって掴みとった平和の方が何よりも尊くて大切なものだ。私達は、その事を身を持って証明したじゃないか。だから、そう考え込まずにもっとシンプルに考えた方が将来ハゲなくて済むぞ?』


 すると、まるで俺達の会話を聞いていたかのようにタイミングよく通信が入ってくる。一人は、白い体に金色のたてがみをもつライオン――9年前に知り合った俺の大切な友達の一人である、ライオコンボイ。そのライオコンボイを抱えながら飛行しているのが、ガイア・サイバトロンの総司令官を務めているプライマルコンボイ。この人、ビーストモードはゴリラのくせにトランスフォームすると空飛べるんだよなぁ……


『……はい、今変な事を考えた人目をつぶって手を挙げなさい。正直に言ったら私は怒らない。』


いや、別に変な事は考えてないんだが……というか、なんで考えが読めるんだ?


『……先生怒るぞ!?本気と書いてマジで怒るぞっ!!』

「アンタ、もしかしなくてもそれが言いたいだけだよなぁっ!?」


『……おい、そろそろ着くぞ?』



 そんなやりとりをしていると、先行していたカオスプライムから通信が入り、視界に自然に飲み込まれながらも今なおその存在感を示している都市……サイバトロニアが見える。その中心に存在しているのは、かつてサイバトロン司令官を務めた『フォートレスマキシマス』を模して造られたという古代ガイアの守護神、『ブレイブマキシマス』が封印形態であるシティモードで眠っている。そして、ブレイブマキシマスの前で巨大な剣を支えにして膝立ちとなった、白いトレーラーのような鎧が目立つ巨大なTF――















「……久しぶりに会いに来たぜ、ゴッドファイヤーコンボイ。」








 ――9年前、マジンザラックとの戦いで長い眠りから目覚め、俺達に力を貸してくれた古代ガイア・サイバトロン司令官、ゴッドファイヤーコンボイの変わり果てた姿が、そこにはあった。










(第2話に続く)










次回予告っ!



ジン「んで、新しい話が始まったんだけどさ……これ、ちゃんと終わるのか?」

カオスプライム「まだ始まったばかりなのにもう終わりの心配か?気が早いにも程があるぞ。」

ジン「いや、作者の奴書きたい部分が終わったらその後の事考えてても別の作品に手を出す奴だしな……途中で投げ出さないか心配だ。」

カオスプライム「……お前、そんな事言ってたら主役といえども出番削られるぞ?」




第2話「蘇る炎神〜その名は、ファイヤーマグナス〜」





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あとがき

……という訳で、モリビトさんの日記コメントを読んでテンションが上がった為『だったらもっと正史に組み込んでもらおうじゃないか!!』と図々しい考えによって始まったAS第1話です。うん、アホか自分。あ、あとがきがAS準拠なのは仕様です。


Preludeのネタバレが含まれている部分も多々ありますが、今回の話だけでは全容がわからないように一応工夫しています……ちゃんとPreludeで拾うつもりですので心配しないでください…… 一応Preludeの3話はガイア編に入る予定なんだよなぁ……


さて、今回から主役となったジンですが、詳しい設定はコルタタさんの所で私が投稿している外典を読んでもらうとして(マテ
ここでは一番の変更点を述べておくだけにしましょう。


・冒頭でもある通り、はやてとは知り合い。というか、もう姉貴分って感じ?

・もちろんジュンイチが色々関わっている。でも、基本的にジンは裏方がメイン。そうじゃないと話の整合性が取れなくなる……と思う。


今の所これくらいですかね?まぁ、惑星ガイアの面々がネタに走ってるのは気にしないでください。彼らは暴走するのが使命のようなものですので。

……しかし、おかしいな。本当ならもっととまと寄りな話になるはずだったのにほとんどオリジナル展開だぞ?次の話どうしよう……(汗



管理人感想

 DarkMoonNightさんからいただきました!

 ……なんかいろいろいるぅぅぅぅぅっ!? ……が最初の乾燥、いや感想。
 メタ発言の嵐っ!? ……が二番目の感想。
 いや、ビースト勢がいるならそれも当然か。CG組はキャラの濃さだけで勝負してたような子達ばっかりだったからなぁ(笑)。

 シリアス的な意味でもギャグ的な意味でも、いろんな要素が目白押し。
 ビーストだけかと思いきや、『カーロボ』のブレイブマキシマスやゴッドファイヤーコンボイまでいるとは。
 これはアレか? トイも彼しか買わず、さらに『GM異聞』『MS』と大暴れさせたギガトロンびいきのモリビトへの牽制か!?(きっと違う)

 そして鷲悟ですが……うん。おとなしく喰われなさい(マテ
 だって、キミについてのフラグ、モリビトは現時点で一切考えてないんだもん(さらにマテ