セイバートロン星、都市中央部――




 ウヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!皆さんお元気ですかぁぁぁぁっっっっ!?!?アタチの事忘れてる人はいないっすよねぇ?


 そうっ!!BWでは超人気だったタランスっすよ〜♪ASではpreludeでも登場する予定だったんすが、作者さんの構想が纏まってないからこっちで先にお披露目になったっす♪


 ほんと、前の職場は大変だったっすよ?アタチ達下っ端はBWの初期メンバーでお笑い担当なのに、リーダーのクライオテックはガッチガチの真面目なキャラで宇宙を支配しようとしていたっすから……もう、本当に大変だったっす。


 あぁ、そういえばノイズメイズ達も面倒だったっすねぇ……よしとけばいいのにユニクロン様を復活させようとして色々活動してたみたいっすし。再生ラスボスは敗北フラグっての知らないんすかねぇ?結局、『しょ〜まりょく』とか言う訳の分からない力を取り込んだ結果暴走したユニクロン様に取り込まれてりゃ世話ないっすよ。

 まぁ、その亡骸はきちんと再利用してアタチ達の戦力にさせてもらったから無問題モーマンタイなんすけどねぇ……


 あ、ちなみに語尾がひらがななのはわざとっすよ?どうやら、『せんと〜きじん』とかいう輩にアタチと同じ口癖の奴が居るみたいっすねぇ?ソイツと被らないようにって作者さんの判断っす。まぁ、ここは先輩らしく懐の深い所を見せておかないといけないっすねぇ……


 でも、セイバートロン星を火の海にするのは楽しいっすねぇ……にっくきプライマスの体を蹂躙していると考えると……もう、最高っす!!









「――そこまでだ。」

「んん?」




 ……すると、アタチの目の前には両腕に光る刃を携えたTFが現れたっす。確か、コイツは……スタースクリーム。

 本来は『スターコンボイ』を名乗っていたんすが、最近その名前を返上したとか……まったく、近頃の『スタースクリーム』は『コンボイ』に転生するのが流行ってるんすかねぇ?普通、『スタースクリーム』は裏切り者の代名詞でヘタレかつ3流な悪役なんすけど……


「――セイバートロン・トランスフォーマーの総司令代行が直々にお出ましとは、予想外っすね。」

「滅びたはずのユニクロンの眷属を率いている存在が現れれば、オレも動かざるをえないだろう?……だいたい、貴様は何者だ?」

「アタチっすかぁ?な〜ら教えてあげるっす……ユニクロン様の意志を継ぐ正当なる組織、『プレダコンズ』のマッドサイエンティスト、タランスとはアタチの事っすっ!!」

「ユニクロンの意志を継ぐ、だと……?つまり、貴様もノイズメイズ達の同類かっ!!」

「おっと、あいつらと一緒にしてもらっちゃあ困るっすよ?アタチ達は別にユニクロン様の復活を目論んでいる訳じゃない……ユニクロン様の代わりにこの世界に混沌と破壊をもたらす存在、それがアタチ達『プレダコンズ』っす!!」



 フッフッフ……最高にカッコよく決まったっすっ!!これで、奴等は恐れおののいて……



















「スターブラスター!!」

「って、あらぁぁぁぁっっっっ!?!?」




 ちょっ!?こういう時は「なん……だと……?」とか言って驚愕する場面じゃないんすかぁぁぁぁっっっっ!?!?
 




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「……隙だらけにも程があるぞ。」


 放ったスターブラスターの砲火によって夜空にきらめく星となったタランスを眺めながら、オレはそんな事を呟く……やれやれ、これだと他の奴等の方がまだ強く感じるんだが……



「――しかし、物思いにふける暇はないか。」



 改めて見回すと、いつの間にかユニクロンの眷属達がオレの周囲を取り囲んでいる。どうやら、指揮官であるタランスを倒した事で目をつけられたようだ。

 だが、指揮官であるタランスがやられた以上撤退すると思ったが……何か他に目的でもあるのか?





「――まぁいい。オレにこれだけ戦力が集中しているという事はその分守備隊の負担が減るという事だ。ならば、存分に囮役を果たさせてもらおうっ!!」




 オレは再び魔力刃を構えると、襲いかかってくるユニクロンの眷属達へと向き直る。



 総司令代行の名にかけて……この星の平和は、守ってみせるっ!!






◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



惑星ガイア――




「お前らぁぁぁっっっ!!この星にスペースブリッジを作り上げるのはオレ達だぁぁぁっっっ!!派ァ手に奴等を叩きのめせぇぇぇぇっっっっ!!」

『了解しました(ザンス)(だブーン)(だオラァッ!!)バ○ー船長!!(ごっつんこ)』

「そうそう、オレ様はバラバラの実を食べたバラバラ人間っ!!この能力で……って、だぁれが某海賊漫画の序盤に出てきたピエロのデカッ鼻な船長だぁぁぁぁっっっっ!?!?」

「お前、ずいぶん余裕があるなっ!!というか、なぜこの星のTFまでお前に従ってるんだっ!?」

「そんなのオレ様が聞きたいくらいだっ!!」


 ――あ〜、皆さんこんにちは。ガイア・サイバトロンのコラーダです。前々回で作者に素で忘れられていた為に惑星ガイア残留となり、さらにはなぜかガイア・デストロンの連中と一緒に他の星から来たTF達と合流する事になりました……泣いてなんかいないぜコンチクショー!!


 ……コホン、失礼しました。それじゃあ、状況説明に入りたいと思います。あ、俺ももちろん戦闘に参加してますよ?この右腕のムチでばっさばっさと敵の量産型TF達――主に恐竜みたいな形をした奴等をなぎ払っています。前ではチータス先輩とラットル先輩が突撃をかけながら銃を乱射していたりします。



「ふん、揃いも揃って無様だにゃ。全員、こにょアサルトジャガー様によって倒されるがいいにゃ。」

「うるさいよこの猫ヤロー!!だいたい、量産型TFに攻撃を任せて自分は高い所から見下ろしているだけの癖に、エラソーな事言うな!!」

「大体、なんで未だにな行が言えないジャンッ!?同じネコ科として恥ずかしいよ俺!!」

「……総員、チータスとラットルに向かって攻撃にゃ。」

『Nooooooooooooooooo!?!?』



 ――さすがチータス先輩とラットル先輩。敵の悪口を言う事であえて自分達が囮役を引き受けてくれるとは……やはり、普段の馬鹿っぽい雰囲気は仮初の姿なのかっ!!



「……いや、アレは多分素だろ?というか、スコルポス達はなぜよそのTFに従っているのだ……待てよ?このままあいつらを引き受けてもらった方が私の負担が減るのか……これは一考の猶予はあるな。」



 隣でゲルシャークのオッサンがなんか呟いているが……あぁ、コイツ生真面目だから他の面子に振り回されてばっかりだもんなぁ……



「私が振り回されているのは、貴様らガイア・サイバトロンにもなんだがっ!?」

「あ〜、オッサン?喋ってる暇があったら手を動かせよ。ほら、敵は待っちゃくれねぇぞっ!!」

……えぇいっ!!私に平穏が訪れないのも、こんな若造に言い負かされるのも………それもこれも全部、貴様らがやってきたからだああああぁぁぁぁっっっっ!!」


 うぁ、ゲルシャークのオッサンったらキレちまったよ……そっか、そうだよな。今まで他所の星から来たTF達と交渉していたと思ったら今度は戦闘に駆り出されているもんな……よし、この戦闘が終わったらプライマルコンボイにオッサンを休ませるように進言しよう。






「全員、無事かっ!?みんなのヒーロープライマルコンボイ、ただいま参上だっ!!」




 ――すると、プライマルコンボイが某光の国の巨人みたいなポーズでこちらへと向かってくる。さらに……




「バァァァァニング――プライマルコンボイアタァァァァァァァッッッッッックッッッッ!!」




 炎に包まれて全身が赤く輝いたプライマルコンボイは、敵陣のど真ん中へと突っ込んでいく。轟音と爆発が量産型TFを包みこみ、地面に降り立ったプライマルコンボイの周囲には……巨大なクレーターが生み出されていた。



「なぁ、あれってエネルギーの無駄遣いジャン?」

「だねぇ……何あのゴリラ、馬鹿じゃないの?」

「目立ちたいからってそこまでするか普通?」

「なんじゃアイツは……なんかこう、妙な安心感とムカつき具合が入り交じって気持ち悪いんだけどっ!?オレ様ってツッコミ役じゃないぞぉぉぉぉっっっっ!?」

「落ち着けギガストーム。何を言ってるかさっぱり分からんから。」

お前達、ぶっ飛ばすよ?……まぁ、それはそれとしてだ。これで状況は一変したな……」


 ――確かに、プライマルコンボイの突撃で量産型TFは大半が使い物にならなくなっている。空中には白い鷹型の奴等が残っているが、それもこの数で弾幕を張ればどうにか撃退できるはずだ……となると、後は……アサルトジャガーだけ。



「……確かに、状況はこちらの方が不利だにゃ……しかし、この程度で終わりと思ってもらっちゃあ困るにゃあ?」



 ――そのアサルトジャガーの言葉通り、わらわらと量産型TFが沸いて出てくる……え、数が多くね?



「そろそろ、ダークコマンダー様がサイバトロニアに辿りつく頃……もうしばらく、お前達にはここでこいつらと戦ってもらうにゃ。」

「なにぃっ!?」


 つまり、この大群は囮かっ!?でも、サイバトロニアに一体何が……


「やはり、我々が復活させようとしている古代ガイア・サイバトロンの戦士達が狙いかっ!!」

「――その通りにゃ。にゃにせプレダコンズはまだまだ人手不足だからにゃ……目覚めていにゃい連中を洗脳(せんにょう)すれば、敵は戦力ダウンでこちらは戦力アップ、一石二鳥にゃ。」

「情報が駄々漏れジャン!?何やってんのよスタッフはっ!!」

「というか、『やはり』ぃ!?なんで気がついていたのに対処してないのさっ!!」

「心配するな、対処ならしているさ……その為に、『彼ら』にはこの地に留まってもらっていたんだ。我々が現在やるべき事は――こいつらを叩き潰す、それだけだっ!!」



 ……なんとなく話を聞いていて分かったけど、それでもこの数は多いぜ?でもまぁ……やるしか無いんだろうなぁっ!!










「全員、私に続けぇぇぇぇっっっっ!!」


「あのゴリラ野郎に負けていられるかぁっ!?野郎共ぉっ!!オレ様達も全軍突撃だぁぁぁぁっっっっ!!」

『おおおおおぉぉぉぉぉぉっっっっ!!』






とある魔導師と機動六課の日常×魔法少女リリカルなのは〜Master strikerS〜

とある魔導師と守護者と機動六課の日常・外典

Another strikerS






第4話『激突!!ガイア・サイバトロン対プレダコンズ!!〜動き出した黒幕〜』







◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



惑星ガイア南部、古代都市・サイバトロニア最深部――






「……ダークコマンダーさまぁ、本当にこんな所に古代ガイア・サイバトロンの戦士が眠っているんですかぁ?」

「ブラックアラクニア、私の事が信用できないか?」

「そ、そんな訳ではございません!!……でもぉ、この惑星は未だにアンゴルモアエネルゴンを埋蔵している地帯が多いんですよぉ?彼らはアンゴルモアエネルゴンの影響から逃れる為に眠りについたはずなのに、それでは本末転倒のような……」

「確かに、通常ならばそうだろうな……だが、このサイバトロニアだけは地下にアンゴルモアエネルゴンが存在しない。それに気づいたからこそ、奴等は此処を眠りの場所にしたのだ。」

「さ、さすがダークコマンダーさまですわぁ♪そんな事までお調べになっているなんて……」



 ――先を進んでいるダークコマンダーさまの後を追いながら、私は思わずうっとりとしてしまう。あぁ、なんて素敵なのかしら……



 あ、自己紹介がまだだったわね?

 私はブラックアラクニア。プレダコンズの隠密兵で、我らがプレダコンズ暗黒司令官ダークコマンダーさまの右腕である女よ。まぁ、今回ダークコマンダーさまと一緒に行動しているのは私のある能力が必要だからなんだけどねぇ……



「――やはり、来たか。」

「ダークコマンダーさま?」

「ブラックアラクニア、お前は先を急げ……どうやら、お客様のようだ。」

「それはいったいどういう……」



 ダークコマンダーさまに問いかけようとしたその時、私達の後ろから轟音と光が迫ってくるのが確認できた。目を細めながらその正体を見極めようとすると……






「カオスプライム、トランスフォーム!!」

「ジェットブレイザー、トランスフォーム!!」

「ファイヤーマグナス、トランスフォーム!!」





 ――現れたのは、3体のTF。こいつらは!?



「ようやく見つけたぞ……ダークコマンダー!!」

「今度こそ、俺達の手でお前を倒す!!」

「……ブラックアラクニア、早く行け。お前がやられては元も子もないからな……期待しているぞ?」

「は、はいっ!!」


 ダークコマンダーさまの言葉を背中に受け、私は通路の奥へと走りだす。そうだ……ダークコマンダーさまのご期待に添えなくてはっ!!そうでなければ――この生命を授けてもらった意味がないっ!!





◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




「小僧、あの奥へ逃げた奴を追いかけろっ!!恐らく奴が洗脳装置か、それに準ずる能力を持っているはずだっ!!」

「わかっ――!?」

「お前達の相手は――この私だっ!!」



 俺が奥へ向かったTFを追いかけようとすると、ダークコマンダーが右手に構えたロケットランチャーをこちらに向けてロケットミサイルを放ってくる。くそっ!!近づけねぇっ!!


「ならば、私に任せてくれっ!!ファイヤーマグナス、トランスフォーム!!」


 すると、ファイヤーマグナスがビークルモードにトランスフォームし、エンジン音を響かせて突撃する……その重装甲はちょっとやそっとの攻撃じゃびくともせず、ダークコマンダーに盛大なドリフトアタックをぶちかました。


「くぅっ!?だったら、これなら……」

「させるかぁぁぁぁぁっっっっ!!」

「ちぃっ!?」


 後ろに弾き飛ばされたダークコマンダーは大勢を立て直すと再びロケットランチャーを放とうとするが、カオスプライムがカオスセイバーを振りかぶりながら近づいてくる。ダークコマンダーも左手に紫色に輝く剣を手にしてその斬撃を受け止めるが――隙ができた。



「行け、小僧!!」

「アイ、みんなを頼む!!」

「うっしゃああぁぁぁぁっっっっ!!」

≪はいっ!!≫


 ジェットブレイザーをビークルモードに変形させると、ファイヤーマグナスが放りなげたアイちゃんをライドスペースに乗り込ませて通路の奥へと向かう――急がなきゃ、取り返しのつかない事になるからなあっ!!

































≪……ところで、ジン君?その、非常に空気が読めない発言かもしれませんが……どうして私はお姫様抱っこされているんでしょうか?≫

≪さすがマスターだな。≫




 うるさいよ二人ともっ!?今は急がないといけないんでしょうがっ!!


 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




「――チッ、一人取りこぼしてしまったか。だが……まぁいいか。どうせブラックアラクニアが洗脳したTF達に潰されるのがオチだ。」

「フッ、小僧を甘く見すぎているな。アレでも奴は相当に修羅場をくぐり抜けている……そう簡単に、やられはしないさ。」


 一旦ダークコマンダーから距離をとった後、俺はカオスセイバーの刃を肩に乗せながらそう言葉を放つ。だが……シャドーコマンダーの奴め、さらに力を増しているとはどういう事だ?


「なんだ、私が力を増しているのが気になるのか?お前ならば、その答えを知っているだろうに……」

「カオスプライム、それは一体どういう事だ?」

「――とりあえず、奴とは因縁があるとだけ言っておく。詳しい話は後だ。」



 ……だいたい、余計な事を考えていてコイツに勝てる訳がないからな。それはこの前の戦いで――痛いほど経験している。



「――しかし、お前が残ってくれたのは好都合だ……おかげで、新しい力を試す事が出来る。いでよ、ダークジェッター!!」



 すると、ダークコマンダーが頭上に剣を掲げてそう叫ぶと俺達が見たことのない魔法陣が浮かび上がり、巨大な黒い戦闘機が魔法陣から現れる……これはいったい、なんだっ!?



「驚くのはまだ早いぞ?――ゴッド、オン!!」

「「なんだとっ!?」」



 そして、ダークコマンダーが暗黒の闇に包み込まれると、その戦闘機の中へと溶けこんでいく。すると、戦闘機が変形していき――銀色の角を輝かせた黒い巨人の姿となる。





「闇がもたらすは究極の破壊っ!!超暗黒司令官――ダークガイスト!!今、ここに降臨っ!!」



 そして、その黒い巨人――ダークガイストは、名乗りをあげる……ゴッドオンだとっ!?まさか、あれはトランステクターとでもいうのかっ!?



「――そう。トランステクターを解析し、我々TFにも使用できるように生み出したこの『ギガンティックテクター』……貴様らで性能テストを行わせてもらうとしよう。」



 ……ちっ、想像以上に厄介な代物を持ち出してきたな。小僧を先行させたのが裏目にでるとは……だが、四の五の言ってられん。



「こい、バトルキャリアー!!」


 俺は胸部のスペースから銀色のカードを取り出すと、それを頭上に投げる。すると、カードが光を放ち……巨大なコンテナが姿を現す。クロスフォードにエグザ、あのクソジジィがフィーネに頼まれて造ったという俺専用のパワードデバイス……ここ最近は戦闘で使用する機会がなかったが、これを使っても勝てるかどうか……


「……ファイヤーマグナス、悪いが手伝ってもらうぞ。」

「……あぁ。どうやら、一筋縄ではいかないらしいからな……」


「カオスプライム!!」
「ファイヤーマグナス!!」

「リンクアップ!!」





 その掛け声と共に、バトルキャリアーが変形して下半身を構成し、それに乗る形で俺が変形し上半身を構成する。さらに、ファイヤーマグナスが巨大なキャノン砲へと変形すると、合体してバックパックとなる。



『バトルフォーメーション、ファイヤーカオスプライム!!』


 これが、俺達の新しい姿か……ぶっつけ本番にしては、うまくいくものだな。やはり、あのガオ○イガーという作品は素晴らしい。



「フハハハハハッッッッ!!お前達も新たな力を持っていたか。ならば……その力、見せてみろっ!!」

「言われくても……そうして見せよう!!」


 そして、ダークガイストは両手に紫の刃を、俺達はカオスセイバーを構え――激突した。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「ちっ!!なんでこんな所にまでこいつらがいるんだよっ!?」

≪恐らく、敵を少しでも足止めする為だろうな……≫


 襲いかかってくる量産型TFの群れを蹴散らしながら、俺達は奥へと進んでいく。お前ら、邪魔すんなああああぁぁぁぁっっっっ!!

 
≪ジン君、その扉をくぐれば目標のポイントですっ!!≫

「よしっ!!」


 アイちゃんの声に頷くと、俺はジェットブレイザーをTFさせてドアをこじ開ける。目の前に広がっていたのは――巨大なカプセルの中で眠る、TF達の姿。


 ――おかしい、あのクモ女がいない……?道中で追いつけなかったからこの部屋にいると思ったんだが……



≪居ないのなら好都合ですっ!!早くみんなを復活させて、ファイヤーマグナスたちの援護に向かわないと……≫

「ってアイちゃんっ!?」


 アイちゃんはライドスペースから飛び降りると、近くにあったキーボードを操作する。すると、薄暗かった部屋に明かりが付き、カプセルから唸るような音が聞こえてくる。





















「――案内、ご苦労様♪おかげで安全にこの場所へ来る事ができたわぁ……」











 ――すると、天井からそんな声が響く。とっさに上を向くと、そこにはあのクモ女が逆さづりになってこちらを見つめていた。まさか……どこかに隠れていて、俺達の後をつけていたのかっ!?




「……でもまぁ、けっこうたくさん居るわねぇ……?まぁ、さっさと仕事を終わらせちゃいましょうか。」

「!?させるかっ!!」

「アハハハハハハ♪当たらないわよそんなのっ!!」



 俺はとっさにクモ女に向かってライフルの引き金を放つが、クモ女はかるがると避けながら落下し……妖しい輝きを放つ腕の爪を展開する。





「さぁ、古の戦士よ……我らがプレダコンズの戦士として蘇るがいいっ!!」



 そして、その腕の爪が伸びたかと思うと――近くにあった二つのカプセルを貫通し、紫色の光が俺達の視界を覆い尽くす。


「しまったっ!!」















「「―――――――――ウォォォォォォォォォォォォッッッッ!!!!」」






 ――紫の光が収まると、カプセルを破壊して2体のTFが姿を現す。一体は、青と白のカラーリングで、胸部に炎をかたどったようなアーマーを持った戦士。もう一体は、白と黒のカラーリングで肩にあるミサイルポッドが印象的な戦士。

 だが、その瞳には光がなく……その体を紫色の闇が包んだかと思うと、黒と紫を基調とした色に変化する。


≪……そ、そんな……うそですよこんな事っ!?≫

 
 アイちゃんは目の前の事が信じられないのか、膝から崩れ落ちてショックを受けている……くそっ、状況的には最悪じゃねぇか!?






「アーハッハッハッハ!!私の運もなかなかついているみたいだわぁっ!!まさか、こんな上物を奪えるなんてねぇっっ!!」


 そういいながら、クモ女は目の前にモニターを開きつつ高笑いをあげている……まさか、あの爪を刺したら相手のデータも奪えるのかっ!?





「――さぁて、まずは邪魔者を蹴散らしてからゆっくりお仕事といきますか。ファイバード、グランバード!!目の前の敵を滅ぼしなさいっ!!」



 そのクモ女の命令によって――二体の戦士は無言のままそれぞれ武器を構えると、俺に襲いかかってきた。



(第5話に続く)

















次回予告っ!



ジン「……え、なにこれ?なんでこんなピンチになってんだよっ!?」

アイ≪大丈夫ですよジン君っ!!きっと、某偉大な勇者のようにジン君がボロボロになったら援軍が来てくれて……≫

ジン「って、俺がボロボロになるの確定っ!?」

バルゴラ≪まぁ、お約束だろうな。≫

ジン「そんなのイヤだあああぁぁぁぁっっっっ!?!?」

???「まぁまぁ、落ち着けよそこの坊主。お前がピンチにならないと俺達の見せ場がないだろ?」

???「……兄貴、身も蓋もない発言すんなよ。あっちでちぃ兄が頭抱えてうずくまってるから。」

ジン「そして、お前ら誰っ!?」


第5話「焔と混沌と流星と〜戦士達の覚醒〜」





◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




あとがき


裏タイトル、勇者シリーズ祭ぱーと1だったりする今回のお話。いやぁ、なんか暴走してしまいましたよ。あれです、おもちゃがどちらもタ○ラだからきっと大丈……夫?

まぁ、古代ガイア・サイバトロンの面子をカーロボットだけにしたら面白くないなぁと思って色々考えてたんですよ。ぶっちゃけ、三兄弟以外のTFがMSのキャラ達とかぶりそうだから泣く泣くボツにした子も居るんですけどね……建機モチーフと救急モチーフのロボットが欲しいからなんかいいアイディアないものかと考えて思いついたのが勇者シリーズ。『トランステクターでもモチーフにされてる奴等がいたし大丈夫だろ!!』みたいなノリで書いていたら……あれ、変な方向に話が進んだ。しかも、最初に出したかった2体は出てきてない上に視聴した事のない初期三部作からも出してしまったし……大丈夫か自分(汗 よ。もっとも、一番怖いのはネタかぶりだったり……


そういえばモリビトさん、以前感想へのお返事のお返事でゴッドマグナスの次にビルドボーイが好きって言ってましたけど……ビルドマスターモチーフのキャラって『MS』で出てましたっけ?出てなかったら出したいんですけど……



それでは、また次回でお会いしましょう。


管理人感想

 DarkMoonNightさんからいただきました!

 なんか出たぁぁぁぁぁっ!? しかも敵側でっ!?
 まさか敵側で勇者シリーズのネタが飛び出すとは。いや、そりゃ敵味方問わずトランスフォーマーシリーズから勇者シリーズに参戦してる子達もいるけれど。
 しかしまだ本命な子は出てきていない模様。はてさて、本命は一体誰なのか……?

 

>ビルドマスターモチーフのキャラって『MS』で出てましたっけ?出てなかったら出したいんですけど……

 直接ビルドマスターを元にしたキャラは出てません。ビルドキングの海外版の名前である“ランドフィル”がデモリッシャーのパワードクロス態の名前として登場したくらいですね。
 そんなワケで登場大歓迎。どんなキャラとして出てくるか、楽しみにさせていただきます。