……はぁ、ユニちゃんにも困ったものねぇ……どうしてこうも面倒事を引き起こしてくれるのかしら?


 いやまぁ、プラちゃんとしょっちゅう喧嘩するのは仕方ないにしても、もう少し周りの迷惑を考えて……って無理ね。



「……でも、さすがに今回の事は見過ごせないわね。ビルドボーイ、居る?」

「アルテミス様、どうかしましたか?」

「ガイア・サイバトロンの援護に向かってほしいの。悪い子にはお仕置きしないとね♪」

「……もういい年なんだから、そんなキャピキャピした行動をとらなく「余計なことは言わなくていいのよ?」……分かりましたよ!!だから、その足をどけて欲しいんですが!?」




 まったくもう、一応私の眷属のはずなのにどうしてこんな性格になったのかしら……お姉さんは悲しいわ!!



「いや、どちらかというとお姉さんよりお母さんじゃ……ムギャ!?」

「分かったらさっさといくのっ!!」

「……アルテミス様、本気で怒ってますね。」





 そりゃそうでしょ。人様の家で勝手に暴れるような子達に遠慮する必要はないわよ?





「そうですか……ところでムーン、なんで助けてくれなかったの?」

「あのアルテミスに近寄るのは流石に遠慮するムーン。」




 ――ほほぅ。ムーン、後でお話しよっか?








◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 ……おいおいおいおい、巫山戯んなっ!?なんで勇者シリーズとそっくりなTFが居るんだよっ!?古代ガイア・サイバトロンってのはつくづく規格外な奴等ばっかだよなぁっ!!


≪そんな事を言っている場合ではないぞマスター!?≫

「んなこたぁ分かってるんだよっ!!」


 バルゴラの言葉で俺はとっさに左腕のシールドを構えると、ファイバードが振り下ろしてきた刃を受け止める。だが、その後ろではグランバードがその右手に持つライフルを構えており……やばっ!?


「うわああぁぁぁぁっっっっ!?」

≪ジン君っ!!≫


 グランバードが放った攻撃をもろに食らってしまい、胸部から火花を散らしながら俺は地面へと叩きつけられる。くそ、この狭い空間じゃジェットブレイザーの機動性を活かせねぇ……それまで狙ってやがったのかクモ女はっ!?



「アハハハハハハッッ!!その程度かしら……これでもまだ、ファイバードとグランバードはその力の全てを出し切ってないのよ?」



 ……訂正。あのクモ女何も考えてねぇや。かんっぜんにこっちの事見下してやがるし……でも、好都合だなこりゃ。


“バルゴラ、クモ女に気づかれないようアイちゃんに連絡できるか?”

“それは余裕だが……マスター、何を考えている?”

“クモ女の奴、ファイバード達を洗脳できたからか油断してやがる……だから、俺達をさらに絶望させる為にわざと他の奴等に洗脳を施していないと見た。”

“……なるほど。動けなくなった俺達の前で全員を洗脳し、恐怖に染まった顔がみたいとかそういうオチか……ドSだな”

“だからこそ、そこに隙がある。まず、やって欲しいのは……”

“――皆まで言うな、マスターの考えている事を予測してアイちゃんにメールは送ったぞ。”


 そのバルゴラの言葉にこっそりとアイちゃんの顔を見ると、表面上は悔しそうな顔をしているがその目には輝きが戻っている――俺は軽く頷くと、再び立ち上がってファイバード達を睨みつける。


「……へっ、そんな魂のこもってない攻撃が効くかよ……こちとら、その数倍は酷い攻撃をこの9年間味わってきてるんだよっ!!」

「あら、そうなの……だったら、二度と立ち上がれないくらい傷めつけてあげるわっ!!ファイバード、グランバード、やっておしまいっ!!」







 ――さぁてと、ここからは我慢比べと行きますか。








とある魔導師と機動六課の日常×魔法少女リリカルなのは〜Master strikerS〜

とある魔導師と守護者と機動六課の日常・外典

Another strikerS






第5話『焔と混沌と流星と〜戦士達の覚醒〜』




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


セイバートロン星――










「ライオンタイフゥゥゥゥゥンッッ!!」







 ――ライオコンボイの右肩から解き放たれたエネルギーの暴風が、ユニクロンの眷属達を飲み込んでいく。それが収まると、ようやくセイバートロン星に静寂が戻った。



「……なんとか、撃退したみたいなんだなぁ。」

「でも、あいつらワラワラワラワラ湧いてきやがって……なんだったんだ一体?」

「そういえば、気がついたらタランスも吹っ飛ばされてましたねぇ……」

「メイル、大丈夫?」

「うん、平気だよっ!!」

≪なんでですか?なんで私の活躍が描写されないんですか……これは不公平ですっ!!≫


 ――みんな、緊張の糸が切れたのか談笑してますね……ガネットはいい加減にしないと分解しますよ?


≪そんなっ!?私は正当な要求を行っているだけなのにっ!!≫

「みんな、気を抜きすぎだぞ?いくら敵が撃退したとはいえ、僕達の本来の任務は……」

「まぁまぁ、落ち着くんだなぁライオコンボイ。それに――どうやらお迎えも来たみたいなんだなぁ。」


 額に手を当てながらライオコンボイがそう注意を促すと、ハインラッドがライオコンボイの肩に手を置きながらそう答える……お迎え、ですか?





























「――守備隊から見慣れない連中が居ると聞いていたが……なるほど、君達だったか。」















 すると、私達の前に現れるのは……力強い印象を感じさせ、どことなくカオスプライムに似た雰囲気を持つTF。

 ……いきなり、この星のトップとのご対面ですか。



「――セイバートロン・TF総司令官代行、スタースクリームだ。君達の活躍は聞かせてもらった。着任初日にこのような事態に巻き込んでしまい……済まなかったな。」

「いえ、我々もあのような状況で動かない訳にはいきませんでしたから……ガイア・サイバトロン親善交流部隊隊長、ライオコンボイです。今回は我々を受け入れてくださってありがとうございます。」

「我々も、君達とは良き付き合いにしたいと思っている。さて、まずは一緒に来てくれ。不測の事態があったとはいえ、君達を歓迎しなくてはな……」


 そして、スタースクリームとライオコンボイは互いに歩み寄って握手を交わす。そういえば、私達はこの為に来たんですよね……なんだか、いきなり戦闘だったので疲れました。




















≪――しかし相棒。私には、あなたが安心しているようには見えないのですが……≫


 ……あぁ、やっぱり気づきましたか?さっきから、妙に胸騒ぎがしているんですよね……兄さんが、また無茶をしていないといいんですけど。





◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


惑星ガイア――





 良い子のみんな、元気にしてたかなっ!?私はガイア・サイバトロン総司令官プライマルコンボイだ!!現在私は、頼もしい部下達と、他の惑星から来たTF達と共にプレダコンズの連中と戦っているんだっ!!



「って、何カメラ目線で一人しゃべってんだお前はっ!?そのでかい図体でカメラの前に居たら、かぁっこいいオレ様のすんばらしぃ活躍をお茶の間の皆さんが楽しめないじゃないのっ!!」

「……いや、別に読者の多くはお前の活躍を待ってないと思うぞ?どちらかというと、お前はコメディリリーフだしな。」

「うるさいっ!!」


 ――彼らが他の惑星から来たTFを率いている存在で、ギガストームとオーバーロードという。正直、クライオテックと比べるとだが……妙に親近感が湧くな、特にギガストームには。なんかこう、長年苦楽を共にしてきた仲間という印象が……









「プライマルコンボイ、なにしてるジャン!?」

「もしかして、もうボケちゃった?後はあの黒ネコちゃんだけなんだからしっかりしてよホント!!」

「……黒ニェコじゃにゃく、ジャガーだにゃ。」




 ……まぁ、それはともかくだ。ようやく量産型TFの群れを倒した私達は、アサルトジャガーを取り囲む。


「これで、後はお前だけだな。」

「確かににゃ……だが、囮としてにょ役目はもう終わったにゃ。今頃、古代ガイア・サイバトロンにょ戦士達は我々にょ手にょにゃかにあるはず……せいぜい絶望するがいいにゃ。」

「!?待てっ!!」


 そんな事を口走り、アサルトジャガーは空間転移によってその場を後にする……逃げられてしまったか。


「プライマルコンボイ、後はどうするんだ?」

「……ともかく、サイバトロニアに向かおう。」

「ねぇ、マジで言ってる?これだけの人数を、どうやって運ぶのさっ!?」

「その点は心配ない……ギガストーム、君達の戦艦は動かせるか?」

「ん?そんなの、余裕のよっちゃんに決まっているだろうが!!」

「ならば、私の部下達も一緒に乗せてくれ。私が先導し、この惑星ガイアに存在する古代都市に向かう。スペースブリッジを建設するには最適の場所だ……恐らく、君達の今後の拠点となるだろう。」

「ほう?それは面白いな……よし、全員ダイナザウラーに乗り込めぇっ!!」



 ――ジン君、カオスプライム、ファイヤーマグナス……無事でいてくれよ?





◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆





「がはっ!!」

≪マスター!?≫

「アハハハハハハハ!!威勢の割には手も足も出ないじゃない?そんなんでよくこのファイバード達の前に立ちふさがれたわねぇ……」



 ――ファイバードの斬撃を食らい、俺は地面へとたたきつけられる……あぁ、流石にこれはきついな。



≪ジン君……≫

「さぁって、もう私の邪魔をする奴はいないわね?そこのオチビちゃんはさっきから腰が抜けているみたいだし……それじゃ、そこで味方が敵になっていく瞬間を黙って見ていなさい。」

「……くそっ……」


 俺に向かって勝ち誇った笑みを見せるクモ女はそのままカプセルの一つに近づいていき、その爪を怪しく輝かせる。そして、カプセルへとその爪を突き立て――



















「ワイルドナックル!!」

「ぷげらっ!?」







 ――られる事はなく、突然開いたカプセルの中から飛び出してきた拳によって、クモ女が吹き飛ばされた。




「――やれやれ、タヌキ寝入りしてた俺が言う事でもないが……なかなかガッツを見せたな、少年。」

「済まないな少年、我々を守る為に敢えて囮になってくれるとは……本当に、申し訳なかった。」

「ちぃ兄、謝るのは後にしようぜ?今は……ファイバード達を相手にしないといけないんだからよ。」




 そして、次々とカプセルが開いて――俺の前に、三体のTFが並び立つ。


 一体は、その巨大な左腕が目を引く、緑と銀を基調としたTF。

 もう一体は、青と白を基調とするパトカーの意匠が垣間見えるTF。

 そして最後の一体は、燃えるような真紅の装甲に身を包む、片目にゴーグルを装着したTF。



 それを見た俺は、思わず口元に笑みを浮かべていた――俺がファイバード達と戦う事でクモ女の注意をひきつけている間に、アイちゃんに頼んで眠りについているTF達を復活させてもらったが……なんとか間に合ったみたいだな。そもそも、カプセルを管理していたのはこの地に存在するコンピュータ「ベクターイオタ」だ。その端末であるアイちゃんなら、クモ女の目を盗んでアクセスする事なんて簡単だ。



「くっ!?うら若き乙女の顔を容赦無しに殴るなんて……じゃなくてぇっ!!いったい、いつの間に復活していたのよっ!?」


「そんな事、お前に喋る訳がないだろう?」

「こちとら、仲間が洗脳されているって聞いて頭にきてんだ……覚悟しやがれ。」

「でもまぁ、ファイバードのオッサン達と本気で戦うのは初めてだな……いい加減、どちらが強いかはっきりさせようぜ!!」







「ガイア・サイバトロン剛腕闘士、ワイルドライド――いくぜ!!」

「ガイア・サイバトロン音速追撃員、マッハアラート――戦闘行動を開始する!!」

「ガイア・サイバトロン爆走騎士、スピードブレイカー――俺のビートはフルスロットルなんだよ!!」





 そして、三体のTFはそれぞれ武器を構えるとファイバード達へと向かっていく。


「きぃぃぃぃぃっっっっっ!?!?ファイバード、グランバード!!あの三バカをたたき潰しなさいっ!!」


 クモ女の命令によってファイバードとグランバードは三体へと向き直るが、比較的小型である三体の方が小回りがききやすいからか、ファイバード達の攻撃は三体に当たらない。



「クロスバースト!!」

「エクセルボウガン!!」


「トランスファウスト!!」


「えぇいっ!!小賢しいわね……ん?このデータは……試してみる価値はありそうね……



 三体の猛攻によって、ファイバード達は思うように身動きがとれていない……これは、チャンスなのか?


≪……いや、マスター。クモ女の様子がおかしいぞ?まるで、何かを試そうとしているような……≫

≪……っ!?ワイルドライド、マッハアラート、スピードブレイカー!!急いでそこのクモ女を倒してください!!≫

「さっきからクモ女クモ女うっさいわよっ!?私には、ブラックアラクニアって名前があるんだから!!……まぁいいわ。ファイバード、グランバード――リンクアップよっ!!」

『なにっ!?』




 クモ女の声にファイバード達が反応すると二体を禍々しいオーラが包みこみ、その姿を見えなくさせる。そして、オーラが晴れると……そこに立っていたのは、巨大な剣と盾を構え、胸部の鳥の紋章が禍々しい輝きを放つ戦士、グレートファイバードだった。さらに、グレートファイバードがその剣を構えると――その刀身を、紫色の炎が包み込む。



















――ヤバい。






「アイちゃんっ!?」

≪えっ!?≫

「――お前ら、気合入れて踏ん張れぇぇぇっっっ!!」




 とっさに俺がアイちゃんへと覆いかぶさると共に、グレートファイバードの刃が振り下ろされ――その禍々しい火の鳥が、俺達へと襲いかかった。






◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆





「せやぁぁぁぁっっっっ!!」

「はあああぁぁぁぁっっっっ!!」



 ――カオスセイバーと、ダークガイストの振るう刃が火花を散らしてぶつかり合う。そして、その衝撃が周囲の壁を破壊し、さらなる破壊へと繋がる。



≪「くらえっ、マグナキャノン!!」≫

「ぬおっ!?」


 一度距離をとった所で、両肩に装備された大砲から青いエネルギーの奔流が解き放たれる。それをかろうじて刃で受け止めたダークガイストだったが、勢いまでは殺し切れずに壁へとたたきつけられた。



「……フフッ、さすがはリンクアップと言ったところか?それほどのパワーを持つとはな……」


 ダークガイストは実に楽しそうにつぶやくが、俺達にしてみれば面白くもなんともない……それに、問題も発生しているしな。


「ファイヤーマグナス、残りエネルギーはどうだ?」

≪……芳しくないな。もって、後5分といった所か……≫



 ――確かに、ファイヤーマグナスとのリンクアップでパワーは上がった。だが、同時にエネルギーの消耗が通常のバトルフォーメーションよりもはるかに速い。まるで、エネルギーが根こそぎ吸い取られているみたいだ。


 小僧とのゴッドリンクではエネルギーが消費しきれず、ファイヤーマグナスとのリンクアップではエネルギーが足りない……つまり、3体がゴッドリンクしてこそ俺達の真価が発揮されるという訳か……?プライマスめ、そういう事はあらかじめ伝えておけばいいのだが……今は愚痴を言っても仕方がないか。



「……どうしたダークガイスト?貴様がその程度だと言うのなら……今ここで、長年の決着をつけさせてもらおう!!」

「この程度?そんな訳がないだろう……ならば見せてやる。ダークガイストの真の――なにっ!?」






 その時、通路の奥から紫色に輝く巨大な火の鳥のオーラがこちらへと迫ってくる。かろうじて俺とダークガイストはそのオーラを避けたが、オーラは天井を突き破るとそのまま上昇していく。





「――ダークコマンダー様っ!!」

「ブラックアラクニアか……どうやら、成功したようだな。」

≪あれはグレートファイバード!?まさか、あの二人が洗脳されたというのかっ!?≫


 さらに、通路の奥からは巨大な紫色のTFと、その肩に乗ったあのクモ女が現れる。小僧は……小僧はどうなったっ!?


「はい、なんとかこの二人を洗脳する事には成功しましたが、残りの連中は邪魔が入ってしまい、ガイア・サイバトロンとして復活しました……ですがご安心を。このグレートファイバードによって、撃退する事に成功しました。」

「そうか――ならば、ここにもう用はない。いくぞ、ブラックアラクニア。」

「はいっ♪」

「――逃がすかぁっ!!マグナキャノン、フルチャー……!?」


 とっさに全エネルギーを収束させた一撃をダークガイスト達に向かって放とうとするが、不意に全身から力が抜けて俺は地面へと膝をついてしまう。なぜだ……なぜ体が動かない!?


≪……だ、駄目だ……もう、合体を維持できない……≫


 そして、俺達は分離して地面へと倒れこむ……くっ、やはりこの姿では真価を発揮できないのか!?



「……ダークコマンダー様、あの二人はどうしましょうか?」

「いや、何も手出しをするな……せっかくの好敵手をこんな所で失うのも惜しい。それに、この姿の時はダークガイストと呼べ。」

「分かりました、ダークガイスト様。」

「……ま、待て……」



 残る力を振り絞って立ち上がろうとするが体は動かず、ダークガイスト達がその場を去っていくのを拳を握りしめて眺める事しか今の俺達には出来ず、やがて――俺の意識は、闇へと沈んでいった。





◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆






≪――イちゃん、目を覚ま――!!≫



 ……誰だろう?私を呼ぶ声が聞こえる……



≪アイちゃん、目を覚ますんだっ!!≫

≪は、はいっ!?≫


 バルゴラさんの声によって、ようやく私のAIが正常な動作を始める。いったい、どうして機能が停止してい……!?



≪……ジン、君……?ワイルドライド!!マッハアラート!!スピードブレイカー!!≫



 目の前に広がっていた光景は、荒れ狂う“力”によって破壊された部屋と火花を散らす機器。そして――私を守るかのように覆いかぶさっていたジン君や、地面に倒れ込んだワイルドライド達の姿だった。


≪バルゴラ、いったい何が……!?≫


 その時、機能が一時的に停止する前の映像がフラッシュバックする。それは、グレートファイバードが私達に向けてその刃を振り下ろしている瞬間だった。



≪――あの攻撃で、マスターもそこに眠るTF達もボロボロになっている……このままでは、みんなの命が……≫

≪そ、そんな……イヤですよみんな……目を開けてくださいっ!!≫



 私は必死になってみんなに呼びかけるが、 その輝きを失った瞳に光は戻らない……どうすれば、どうすればみんなが助かるんですかっ!?































「……うわぁ、これは想像以上に厄介な事になっていますねぇ……」







 ――その時、不意に背後から声が聞こえてくる。私が後ろを振り向くと、そこに立っていたのは……







◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆













「おかえりにゃさいませダークガイスト様。このアサルトジャガー、命令された任務をきちんと遂行してきましたにゃ。」




 ――地上へと脱出した私達を出迎えたのは、陽動任務を任せていたアサルトジャガーだった。


「アサルトジャガー、他の連中はどうなっている?」

「はい。タランスはセイバートロン星での陽動任務は成功、ファントムクローとキャプテンシャーク、アイアンレインは無事ガジェットのプラントを確保する事に成功した模様ですにゃ。」

「そうか。ならば今回の作戦はほぼ成功したという事だな……では、帰還するとしよう。いでよ、ファントムアーク!!」



 私が剣を掲げると空中に巨大な魔法陣が浮かび上がり、その中から巨大な漆黒の戦艦が現れる。その中央部から伸びた光に私達が包まれると、私達は戦艦の艦橋へと移動する。そこで私はギガンティックテクターを解除すると玉座に座り、ファントムアークの中枢を担っているナビ子に状況を確認する。


「ナビ子、周囲の状況はどうだ?」

≪は〜い♪ちょっと待っててね……あらあらたいへ〜ん!!ダークコマンダー様、私に接近してくる機影を発見しましたぁ♪≫


 ……ふむ、残りのガイア・サイバトロンか。もう少し楽しめそうだな。


「ナビ子、クローンTF達を射出しろ……丁重にお出迎えしてやれ。」

≪りょうか〜い♪≫



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆







 サイバトロニアへと急行していた私達の前に現れたのは、巨大な黒い戦艦と白い装甲を持つTF達の大群。くっ、ジン君達は無事なのかっ!?


「なんでユニクロンの眷属がこんな所にまで出てくるんだっ!!ついこの間も戦ったばっかりだぞっ!?」

「そんな事を言っている場合かっ!?」


 ギガストームやオーバーロード、その他飛行機能を持つTFはダイナザウラーを守る為に迎撃を行っているが……数が多いっ!!このままでは――




























































≪≪「――グローリー・マグナバースト!!」≫≫

















 ――その時、青白い閃光が白い装甲のTF達を飲み込んでいく。驚いてその方向を見ると、そこに立っていたのは――全身が青く輝き、赤い翼を携えた一体のTF。



 あれは……カオスプライムか?





≪尊き誓いを翼に変えてっ!!≫

流星ほしの絆で未来を創るっ!!」

≪この魂、炎のごとく!!≫

『栄光合体、グローリーコンボイ――いざ、降臨っ!!』














 そして、雄々しき名乗りと共に――栄光の勇者が、惑星ガイアに降り立った。






(第6話に続く)

















次回予告っ!



ワイルドライド「……俺ら、かませ犬か?」

マッハアラート「大丈夫ですよ兄上。どうやら、私達にもパワーアップが約束されているようですから。」

ワイルドライド「本当かっ!?」

スピードブレイカー「よし、これで俺達も大活躍だぜっ!!」

?????「でも、次回は顔見せだけで終わるかもしれないわよ?」

三人『うっ!?』

???「それじゃ、次回も楽しみに待ってるんだムーン♪」

??????「じゃあね〜♪」

三人『というか、あんたら誰っ!?』




第6話「天貫くは、焔纏いし栄光の流星」





◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




あとがき

ようやくカーロボ三兄弟登場。しかし、この姿での登場は実は今回だけだったり……はたして、ボロボロになったジン達の前に現れたのは誰なのか?そして、最後に現れたコンボイは何者なのか?(棒読み)

全ての謎は、次回明かされる!!……まぁ、バレバレだと思いますが次回をお楽しみください♪


あ、それと次回は勇者シリーズ祭ぱーと2になるかも?

それでは、また次回でお会いしましょう。


管理人感想

 DarkMoonNightさんからいただきました!

 カーロボ三兄弟、さっそうと登場!……で、速攻で退場(爆)。
 短い夢だったなぁ。とりあえずほぼ確定な彼らのパワーアップに期待。

 そして、最後に登場したコンボイ。
 わー、いったい誰なんだろー?(棒読み)
 ともあれ、次回からの大暴れに期待させていただきます。