「さて、久しぶりと言うべきか?正直な所、また貴様に会うとは思わなかったがな……」





 ファイヤーマグナスと小僧が連れてきたTFが殴り合いを始めた頃、俺は奇妙な感覚に導かれてサイバトロニアを訪れていた。スペースブリッジ建設に伴って地上基地とサイバトロニアには転送ポートが設置されており、移動が楽になったという訳だ。おかげで地上基地は宿舎代わりになっているが……まぁ、問題ないだろう。


 ――話が逸れたな。ともかく、感覚を頼りにサイバトロニアを探索していると……思わぬ存在が、俺の前に現れた。




「……ふっ、この10年で面白い成長をしたようだな?」

「今の『俺』は貴様の部下ではないのでな……だがメガトロン、なぜ貴様がここにいる?」




 姿こそ変化しているものの、その覇気と眼光から目の前に立つ銀色のTFがかつての『私』の主――メガトロンだという事がはっきりと分かる。

 だが、どういう事だ……なぜメガトロンの体からプライマスの力を感じる?









「儂とて、本来ならばこの地に降り立つつもりはなかったわ。だが、貴様と共にいる小僧に興味が湧いたのと……ケジメをつけにきただけの事。さて……」



 ――そう告げると、メガトロンは組んでいた腕を解いて左手を頭上に掲げる。すると、その手から放たれた光が俺達を包みこみ、ドーム状の結界となる。








「その前に、貴様がどれほど成長したのか確かめさせてもらうぞっ!!」























そう叫ぶと、メガトロンは掲げた左手に青白く輝く剣を握りしめると、こちらへと斬りかかってきた。























とある魔導師と機動六課の日常×魔法少女リリカルなのは〜Master strikerS〜




とある魔導師と守護者と機動六課の日常・外典



Another strikerS













番外編その2『特訓、特訓、大特訓っ!?〜実際にジープは登場しません……多分〜』














◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
















































『――なるほど、事情は分かった。遠路はるばるよく来てくれた……我々は、君達を歓迎しよう。』



「……はい!!こちらこそ、よろしくお願いします!!」








 ――この星に来てからようやく一息ついた頃、僕はガイア・サイバトロン総司令官であるプライマルコンボイさんと対面していた。と言っても、プライマルコンボイさんは今ガイア探索の任務に赴いていて、モニターでの会話なんだけどね……








≪でも、なんだか不思議な気分ですね……私にとっては、貴方達の先祖がこの星を離れたのがつい最近のように感じられるのに……≫



「まぁ、アンタからしてみりゃそうだろうな。」



≪……今、おばさんとか思いました?≫



「おみょっへにゃい、おみょっへにゃいふぁりゃしょのふぇをふぁにゃふぇぇぇぇぇっっっっ!?!?」




「……しかし、『スペースガード』か……マグナロディマスも成長してくれたようだな。」



「いつもオレ様達の手を煩わせていたヒヨっ子が司令官として名を残してるんだろ?教官としてはうれしいもんだぜ。」





 ――余計な事を言ってアイさんに頬を引っ張られているフィーは置いておくとして、昔を思い出すようにしみじみと語っているファイヤーマグナスさん達を見てたら思わず笑みが浮かんでくる……伝説級の存在になっているTF達が今、目の前に存在している。


 移民船団にいた頃も楽しかったけど……おじいちゃんの夢を継いでこの星に来て、本当によかった。







『あ〜、お話中ちょっといい?クレアちゃんに話があるんだけど……』




『どうしたライノックス、問題でも発生したか?』







 すると別のモニターが浮かび上がり、ライノックスさんがなにやら思案顔で映しだされる。ちなみに、メンバーの紹介は真っ先に行われたんだけど……なんであんなにテンション高かったんだろう?






『あぁ、別に大した事じゃぁないんダナ。君が乗ってきた宇宙船にワープドライブユニットが備えられてたんだけど……ナビ ゲータに登録されている座標って、なんなのかな?』




「あ、それだったら中継ポイントの座標だと思います。自給自足とはいえ移民船団にある食料も無限という訳ではないですからね……小惑星や衛星を開拓して、メンテナンスや食料調達を行っているんです。」




『それ、ホント?』




「別に、嘘をついてるつもりはないんですが……」







 ライノックスさんは、一体何が気になってるんだろう?







『いやぁ、実はね?惑星ガイアに一番近い中継ポイントからメッセージが送られてきてるんダナ。だから、確認したかったんだけど……』














 ……………………………………………………………え?











『ちなみに、内容はなんなんだ?』



『えっと……クレアちゃんに向けて、ホットロッドとドリフトって奴からのメッセージなんダナ。内容は……』












 ライノックスさんがメッセージを読み上げると、みんなの目付きが生暖かいものに変わる。メッセージを送ってくれたのは嬉しいけど、なんだか恥ずかしいなぁ……




























◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆





























「待たんか貴様らぁぁぁぁっっっっ!!」














 ……ちっ、グラップのおっさんはしつけぇなぁっ!?ちょっと私用で回線を使っただけじゃねぇかっ!!







「いや、規律に厳しいグラップ教官が怒るのは当然だと思うのだが……」



「だから、なんでお前はそんなに冷静なんだよっ!?ちったぁ焦りとかねぇのかっ!?」








 ――おっと、自己紹介が遅れたな。俺の名前はホットロッド。ガイア・サイバトロン遊撃部隊『スペースガード』の一員で、将来スペースガードの第一部隊長になる男だっ!!


 そして、こっちの白い装甲になぜか剣を3本も抱えているこいつが、俺の相棒であるドリフトってんだ。で、後ろから追いかけてくるオレンジ色でいかついのが、俺達の教官であるグラップのおっさんだ。






「言っておくが、俺はどこぞの三刀流のような戦い方はしないからな?」



「おい、話がズレてんぞ?」





 さて、なぜ俺達が逃げまわってるかというと……じいさんの夢を叶える為に旅だった幼なじみに向けてメッセージを送ろうとしたら、口うるさい教官に見つかったって訳だ。





 まったく、おっさんは頭が堅くて嫌だねぇ……そんなんだと時代についてけないぜ?







「時代を先取りするというのも困ったものだがな……ところでホットロッド、後ろを振り向くと面白いものが見れるぞ?」



「あぁ?何を言って……」





 ドリフトの言葉に後ろを向くと……右肩のランチャーを展開して、こっちに向けているグラップのおっさんが見えた。








 …………どこが面白いんだコラ、現在進行形でヤ ベェだろうがこれはっ!?







「貴様ら……いっぺん頭冷やせぇぇぇぇっっっっ!!」







 ……クレア、テメェは自分の夢を見つけろよ?もう、お前を縛ってるものはねぇんだからよ……あと、男女で僕っ娘のテメェに彼氏ができたら、真っ先に知らせてくれよ?大笑いして祝福してやんからよ……



































 そんなことを考えつつ、俺達はグラップのおっさんから放たれた光の奔流に飲み込まれるのであった、まる。










◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


































 新入り、テメェなにチンタラやってやがる?


『「え、勘弁して下さいよファーヴニル先輩。まだ僕はロールアウトしたばかりなんですよ?』」

「だったらさっさと終わらせろ……じわじわなぶり殺しにすんのは好きじゃねぇんだよ、弱い者いじめみたいでカッコ悪いじゃねぇか。」

『「はいはい、分かりましたよ。』」




 ――無数のTF達の残骸の上に立っていた新入りに対し声をかけながら、俺はあくびをして周囲を見渡す……だいたい500体ほどか。精鋭ばかりが揃った傭兵団って割には弱かったなこいつら。



 ちなみに、なぜ俺達がこんな所に居るかというと……きっかけは、些細な事だった。
 以前ダークコマンダー様が脱獄を手助けしてやった“クロスフォーマー”の2人から連絡が入り、戦力として期待できそうな傭兵を紹介してもらったんだが……こいつらがいかんせん駄目だった。

 その傭兵団『インセクトロン』は確かに優秀だった。傭兵団としてはかなり大きな組織で、それぞれの戦力もなかなかのもの。戦力を消耗していた俺達にとっては実に好都合な連中だったが……そこの頭領が頭の硬い奴だった。金なら払うというのに、「貴様らのような奴らに手を貸すことは我らの信念に反する……さっさと消え去れ」だとよ。傭兵ならビジネスとして考えろっての。


 という訳で、気に入らないからたたきつぶす事にした訳だ。まぁ、新入りが足を引っ張らないか気になっていたので護衛として付いてきていたファントムクローに補佐を頼んだ訳だが……その心配は無用だった。


 なにせ、敵の大半を潰したのは新入りだ。しかも、“霊子融合ソウル・ユニゾン”を使用せずに無傷どころか服にチリ一つつけずにだ。

 ――“ 遺伝子強化人間 マトリクス・ブースター ”の血が入ってるとはいえ、さすがにこれは驚きだったな。今度模擬戦でもやってみるか?なかなか楽しめそうだしよぉ……











「貴様ら――何をしているっ!?」


「ん?」

『「お?』」




 そんな声が響いたかと思うと、俺達はとっさに地面を蹴ってその場を離れる。すると、上空から落下してきた影がその左腕を地面に叩きつけ、巨大なクレーターを作り上げた。

 ――こいつ確か、インセクトロン最強とか言われてる合体兵士『トライプレダカス』だったか?……気持ち悪い外見してんだな。なんだよセミとカブト虫とザリガニって?ザリガニは虫じゃねぇだろ。



「答えろ――貴様ら、俺の仲間に何をしたっ!?」


『「え……見ての通り、殲滅?』」


「そうか――ならば、我がインセクトロンの誇りにかけて貴様らを今ここ滅ぼしてくれるっ!!仲間達の――仇だっ!!」



『「暑っ苦しいねぇ……けれどそういうの、嫌いじゃないぜ?という訳でファーヴニル先輩、こいつと遊んでいいですか?』」

「……好きにしろ。どうせこの付近はこいつらの根城でこいつら以外誰も居なかったんだ、むしろお仲間ごと消し飛ばしても構わんぞ?」

『「さっすが先輩、そこにしびれる、あこがれるぅ!!それじゃあ、“しょーたいむ”といこうかっ!!』」




 俺の答えに目を輝かせた新入りは、右手を掲げて指を鳴らす。すると背後から6つの影が現われ、その影が合体して闇に包まれた巨大な人型へと姿を変える――遊びに“コイツ”を使うのか。





「『それじゃあいこうか――







 

――ハイパー、ゴッドオン!!」』









 そして、新入りが虹色の光と共に人型の中へと吸い込まれていき、強烈な光が周囲を照らし出す。




 ――現れたのは、禍々しく鋭い黒の装甲に全身を包み、悪魔のような翼と尾、猛禽類のような爪を持ち紫色の瞳を輝かせる巨人。額の角飾に埋め込まれた宝玉には、『Α』と『Ω』の文字が輝く。

 

 それは、俺達プレダコンズの終わりにして始まり。

 “ 霊子生命体 ソウル・ファクター ”と戦闘機人を融合させて生み出された俺達“ 複合霊子生命体 ハイブリッド・ファクター ”や、ダークコマンダー様のギガンティックテクターですらコイツを産み出すための実験にしかすぎなかった。


 ユニクロンを超えし“破壊神”、未完全にして完全な魔神。


 その名は――











 


「『閃光の覇王“ Χ カイ ”改め、プレダコンズ極神大帝オメガルファー――僕が、地獄だ」』







「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ふざけるなあああぁぁぁぁっっっっ!!!!」




 その態度に完全になめられていると感じたデカブツは、右手のブレードを構えてオメガルファーへと接近してくる……だが、無駄だ。









「『駄目だ……全然駄目だねっ!!」』



 デカブツがブレードを振り下ろす瞬間、オメガルファーの右手がデカブツの顎を捉え、左手がブレードを抑えこむ。そして――


























「ぬあああぁぁぁぁっっっっ!?!?」





 ――デカブツの右腕は、雪だるまから樹の枝で出来た腕を引き抜くかのように、引きちぎられた。



「『どうしたの、仲 間の仇を取るんでしょ?だったら右腕が取られたぐらいで叫んでる暇はないよね?」』


 そう問いかけながら、オメガルファーは右膝に備えられたドリルをデカブツの左足に叩き込む。鋭く回転していたドリルはデカブツの関節を的確に捉え、今度は左足が使い物にならなくなる。



「がぁっ!?」

「『ほらほら……まだまだいくよっ!!」』



















 そこからは、蹂躙の始まりだった。

























「『……あらら、もう戦意喪失?だったらいいや。」』


 ――数分後。オメガルファーが投げ捨てたものは、デカブツはみるも無残な姿になっていた。


 もはや残っているのは頭部と胴体だけであり、その胴体にしても中央に巨大な穴が開いている。むしろ、その状態でも瞳にかすかではあるが光が灯っていること事態が賞賛に値する。


 ……まぁ、新入りに目をつけられたのが不運だったな。しかし、新入りの奴マズイな……“光”を象徴するかのごとく無垢であるがゆえに、どんな残虐な行為も戸惑わずに行っちまう。さてさて、どうするべきか……







「『うん、案外楽しかったよ。だから、お仲間と一緒にあの世に送ってあげるね。僕ってなんて優しいんだろう……ファーヴニル先輩、一緒に来て下さい。」』


 そうオメガルファーが言うと俺の身体は光に包まれ、気がつけばオメガルファーの中にあるコックピットの一つへと乗り込んでいた。

 そして、オメガルファーは空中へと舞い上がり左手を頭上に掲げると、巨大なカノン砲が現れて左腕へと合体する。





「『ツヴァイスアームド・ネメシスブラスター。さらに――






  

プラネットフォース・スピーディア、イグニッション」』










 右手に現れたユニクロンのプラネットフォースを砲身へとオメガルファーが挿し込むと、砲身に禍々しいエネルギーが収束し始める。そして、オメガルファーは砲身を真下へと向け……祈るように呟いた。











「『戦士たちよ、安らかに眠りたまえ――レクイエム・バースト」』









 砲身から解き放たれた光はまっすぐ地表へと伸び――巨大な爆発を引き起こす。当然、新入りの宣言通りにデカブツはお仲間と一緒にあの世だ。







 しかし、オーバーキルな気もするが……こういうイカれた奴はキライじゃねぇ。





◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆







































 ……………………………………………………………あぁもう、つまんないつまんないつまんないつまんなあああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁいっっっっ!!









「……レヴィアタン、いきなり何を言い出すんだおまえは?」



「いきなりでもなんでもないわよっ!!なんでファーたんはあの新入りと一緒に行動できて、私達は駄目なのよっ!?

 こっちは、泥棒猫からあ の子を取り戻してイチャイチャラブラブしたいのよっ!!」








  あれよ?あの子にだったら私はSでもMにでもなってやるわよ?めくるめく官能の世界にご案内してあげるわよ?
 一日中ずっとエッチなことされても……いや、むしろするわよっ!?







「……どこからそんな事を覚えてきたんだ……だいたい、あの男のどこに惹かれたんだお前は?」







「一目惚れに、理由なんかないわっ!!」








「……いや、それで片付けられてもこっちが困るんだが……
まぁ、好ましいのには同感だがな……彼とは苦労を分かち合えそうだしな……もし、レヴィアタンが連れてくるのに成功したら愚痴くらいは聞いてやるか。









  ――ハルたん、人のこと言えないんじゃないかしら?







「……なにがだ?というか、その黒い波動を止めろ。」






「あら、何のことかしら?

 別に、ハルたんもすっかり釣られてるじゃんとかライバルは速く消さないと駄目かしらとかむしろハーたんとなら共有したほうがいいかなとか全然考えてないわよ?」





「……おい、どこをどう見たらそんな事が言えるんだ?友人という意味での好ましいだぞっ!?」









 だそうですよ読者の皆さん。どう思います?














 ――まぁ、いざとなったらあの子を捕まえてハルたんと一緒にどこか一夫多妻制が出来る世界で籍を入れるんだけどね?















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




















 ――なんだろう、今俺の将来に危険信号が灯った気がする。







≪マスター、電波でも受信したか?≫



「そんな無駄口叩いている暇があったら集中したら?よそ見してると―― 大怪我じゃ済まないわよ?」




「ぬわぁっ!!テメェ、少しは加減しやがれっ!?」







 ヴェルヌスの振り下ろしてきた拳を間一髪で避けると、俺は距離をとりつつヴェルヌスに向かって魔力弾を放つ。けど、その弾丸はヴェルヌスが展開した闇の盾に飲み込まれて跡形もなく消えてしまった。






 ……つか、無理ゲー過ぎるだろコレ。エネルギー系の攻撃は闇に飲み込まれて消える上に、接近戦ではクレーターを作る程の一撃。挙句の果てには、ヴェルヌスが能力を発動するたびに(強制的に)マスターとなった俺から“力”が吸い取られて消耗が激しい。

 いくら模擬戦つってもまだアリス姉やカオスプライムと戦ってる方がマシだわっ!!








≪確かに、ヴェルヌスと訓練を初めて1週間程はぶっ倒れてただけだもんなマスターは。≫





 ――ちなみに、クレア達が惑星ガイアを訪れてからもう2週間になる。プライマルコンボイ達は新たな仲間を見つけてきたらしく(確か、ビッグホーンとアパッチ、キッドにスクーバ、だったか?)、先輩としてチータス達が色々教え込んでいるらしい。エアラザーとライオコンボイが苦労しないといいんだけどなぁ……










「そうね。ようやく 私も力加減が分かってきた頃だわ……まぁ、日常生活に支障がでないようにはしてあげるから心配しなくていいわよ?」



「だったらまず、その八頭身モードを止めろお前はっ!?模擬戦よりもソッチの方が消耗激しいんだよっ!!」



「あら、修行にはちょうどいいじゃない。それとも、美人よりはロリっ子の方がいいという事?だったらお望み通りにしてあげるわ……これでいいのですかジン?」




「……………………スイマセンでした。お願いですからその格好は止めてもらえると助かります。」





 ――うん、さすがにメイルよりも年下な格好されると攻撃しづらいから。あと、そのネコミミと尻尾はやめぃ。俺にそんな趣味はないから。





「みぃ、ジンはわがままなのです。そんな悪い子さんには、お仕置きなのです。にぱ〜♪」

 

「!?ちぃっ!!」



 




 そんな事をのたまうと、ヴェルヌスは回転しながら飛び上がって踵落としを仕掛けてくる。俺はそれをバルゴラで受け止めるが……





「甘い、シュークリームよりも甘いのですっ!!」



「がぁっ!?」 





 がら空きになった腹に鈍い一撃が突き刺さったかと思うと、俺は背後に吹っ飛ばされて地面を転がってく。薄れ行く意識の中で見えたのは、みぃみぃ鳴いている二人のロリっ子ヴェルヌスだった……

























 ……分身もできるのかよお前。つか、俺最近魔導師としては負けっぱなしだなぁ……














◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆






























































「――では、報告を聞かせてもらおうか。」




「はい。ノヴァシリーズは4機中2機がロールアウト。その内ノヴァエレファントにはパイロットとしてA・Sを配備、実際にTF形態としての訓練を行ない、ノヴァホークにはC・Lをパイロットとして配備する予定です。残るクーガーとライノスに関しては、完成次第パイロット候補を選出する予定です。」




「よろしい。それで、セイバートロン星に派遣した親善交流部隊はどうなっている?」



「こちらも現地部隊と交流を行っており、すこぶる順調です。しかし、度重なるプレダコンズの襲撃によって計画に5%の遅れが生じておりますが……いかがなさいましょう?」




「すべての計画はリンクしている――問題はない、このまま計画を進めたまえ。」



「そう。全ては、崇高なる我らの計画の為に――」























































  えっと、もうツッコンでもいいですよねぇっ!?








































「なんなのさビルドボーイ?空気を読んでよ空気をっ!!」



「ほんと だムーン!!せっかくムーンがミステリアスなキャラを演じているのに、それはないんじゃないのっ!?」




「せっかくこのGENDOH-STYLEになれてきた頃なんだがなぁ……」



「んな小芝居やってる暇があったら仕事しろ仕事ぉぉぉぉっっっっ!?!?アルテミス様とムーンは惑星ガイアの管理、プライマルコンボイは書類仕事に連れ帰ってきた新メンバーの教育っ!!なんで僕に全部押し付けてるんだよアンタ達はっ!?


 おかげでこっちは、長らく使っていなかったビルドマスターのドローンモードまでお披露目してんですけどっ!?」



「そっか、だったら作業量4倍よねっ!!私達がサボっても問題なしっ!!」



「だいたい、ビルドボーイの役目はムーン達のツッコミ係なんだから、ちゃんと働いて欲しいムーン!!」








「だぁれがツッコミ係だああああぁぁぁぁっっっっ!!仮にも神様ならもう少し自重してくださいよ!?少しはプライマス様を見習ってください!!」



「失礼な、プラちゃんを見習ってるからこそはっちゃけてるのよ私はっ!!
少なくとも、最終決戦に役に立たないとか言われるくらいなら自重しないで突き抜けた方がキャラ的においしいわっ!!」



「それ、見習ってないですよねどう考えてもっ!?」




















「……まぁ、新メンバーの方は心配要らないだろ。今頃ワイルドストーム達が張り切って鍛え上げている頃だろうさ。」









 …………プライマルコンボイ、それは全然信用なりませんって。











『プライマルコンボイ、少しお話が……って、なんでアルテミス達まで居るんですか?』




「あ、ライオコンボイじゃない♪もぉ〜、こまめに連絡入れてくれないとアルテミス怒っちゃうよ?」



『……報告ならちゃんとやってるじゃないですか。』



「あ〜、アルテミスの今の心境は上京した子供を心配する親みたいな感じだから気にしなくていいムーン。」



「ちょっと、私はまだおばさんじゃないわよっ!?」







 はいはい、邪魔になりますから少し離れてましょうね?








「ってビルドボーイ!!猫を扱うみたいに掴まないでよっ!?」



「まぁ、アルテミスは置いといて……何か問題でも発生したのか?」



『いえ、セイバートロン星での任務は順調です。現地のTF達ともいい関係を築けていますし、メイルとライラに関しては可愛がられていますからね……』





 ――うん、ライオコンボイもちゃんと部隊長として頑張ってるみたいだね。先輩としては嬉しいなぁ……






『ただ、スタースクリーム総司令代行の計らいでミッドチルダへの研修……機動六課への出向依頼があったのですが、その事に対して何人か追加で派遣してもらいたいんです。どうも、妙な感覚がちらついていて……』




「――ライオコンボイ、その研修についての詳しい資料はあるか?」



『あ、今からそちらへとお送りします。』





 そうして、ライオコンボイから送られていた電子資料を眺めながらプ ライマルコンボイは顔つきを険しくさせる。えっと、何々……「クロフォード財団」に「サムダック」?それに、この女の子は……






「――分かった、チータスとラットル、コラーダをそちらへ派遣しよう。最悪、ジン君達も向かわせるから連絡を絶やさずにしてくれ。」




『了解しました!!』








































 ――この時、僕はまだ知らなかった。ライオコンボイ達が向かう先に、とん でもないトラブルが待ち受けていた事を。










































(番外編その3、もしくは13話に続く?)




































次回予告っ!



メイル「えっと、今度はメイル達の出番かな?」




ガネット≪ようやく、私の出番が……≫



ライラ「まぁ、私達が出るとしたらこっちじゃなくとまコンの方だと思いますけどね。だからこそ最後の引きが番外編その3、もしくは第13話となっている訳ですし……」




ジン「……お前ら、少しは自重してくれよ?」



メイル「お兄ちゃん、ジュンイチさんとヤスフミが居るのにそれは無理だよ」







とある魔導師と守護者と機動六課の日常/第27話「異文化交流は時として悲劇と喜劇をまき散らす」








あとがき





……はい、前回よりも時間が空いてすいません。色々大変だったもので……まぁ、先行公開の26話のおかげでテンションがあがって一気に仕上げられました。何があったかは27話を待てっ!!




次回が番外編になるか13話になるかは分かりませんが、オラワクワクしてきたぞっ!!



という訳で、今回はこの辺で失礼します。
















管理人感想

 DarkMoonNightさんからいただきました!

 冒頭のカオスプライムVSベクターメガトロンとかレヴィアタンの暴走とか、いろいろ言いたいことはありましたが……最後の最後で全部吹っ飛びました。

 

>(次回予告より)

>とある魔導師と守護者と機動六課の日常/第27話「異文化交流は時として悲劇と喜劇をまき散らす」

 

 …………なんかこっちに続いたぁぁぁぁぁっ!?
 『外典』組の本流参戦が判明したとたんにこう来るとは、さすがDarkMoonNightさん。対応が早い。

 とりあえず、ガイア・サイバトロン軍のメンバー増員が決まった以上、ボケツッコミの嵐が六課で吹き荒れるのは確実。
 …………うん、がんばれ恭文、そして常識人組(苦笑)。