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ッタktカタカタ

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まだ日も昇らない深夜。

ここ、管理局地上本部に在る技術開発部の一角で、白衣姿の男が機械を素早くタイプする音が響く。





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nnu-ppu-ッタktカタカタ

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「もう直ぐだ、あと、少しで。」






男の顔は、寝て、いないのか充血した目と、目元のクマ。何日も風呂に入ってないで、あろう、フケに、だらしなく伸びた髭。足元はおぼつかず、今にも倒れそうだが、男の顔は笑顔だった。








「そうだ、あと少し、あと少しでオレは・・・。」








それは子供が欲しかった物を、手にいれたように。それは、九回の裏一点差、ツーアウト満塁、ツーストライク、スリーボール、の極限の状態で、ストライクを取った高校球児の様な、本当に心からの笑顔だった。








「・・・システム、グリーン、電子計算、マニピュレーション・・・マッチングOK、Anti Magilink-Field、魔導炉、ともに正常に稼動中、システム、オール、グリーン。」
















「・・・G3起動。」






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新暦56年



<サクライ>






ピィーピィー・・・ピィーピィー




うるさいなーもう少し寝かせてよ。



ピィーピィー・・・ピィーピィー





だからうるさいってぇ、あれ、この匂いは・・・




「・・・またここか。」



ここは首都クラナガンに在る、先端技術医療センター。レジアス達と出会ってから一年。

よくここにはお世話になっている。



ヴィーーーゥイ


「あ、やっと気付ましたねケンタさん。」



この声は、オレは体を起こして開いたドアのほうを見ると、果物が入ったバスケットを持った顔なじみが入ってきた。



「メガーヌちゃんか・・・おはよう。」


この子はメガーヌ、最近ゼストの部下に成った子でまだ16歳だが、近代ベルカ式の魔道師で凄腕の召喚魔道師様だ。

家事でき、気立てもよく、顔よし、うん。きっとこの子はいいお嫁さんになるよ。


「もう今はお昼ですよ、まって下さい今ナースコールを押しますね。」


「その必要はないよ。」

「フロッグさん。」

「先生。」

「気付いたみたいだね、それともお邪魔だったかな。」


え、なにこのギャルゲーみたいなノリは。マジで、これってフラグ、フラグだったの。

リア充分キターーヤッヴェーよく考えたら16歳の女の子が、ゴミだらけの開発室を掃除したりご飯を作ってくれたり、況してはお見舞い何てすはずがない。ある分けない。

だがしかしだ、男として若い女に告白されたら嬉しいさ、嬉しいけどさ、社会人として16歳に手を出すってどうよ。

まったく色男は罪だぜ。


「いえ、私も今呼ぼうと思っていましたから。それとケンタさんこれ隊長とレジアス少将から栄養ドリンクと果物です。それとG3のほうはどうですか、また悪臭が廊下まで来たので掃除に行ったら朝隊長に運ばれていくのを見かけましたけど、不気味な顔で笑ってましたよ。」


近くの女性隊員達がドン引きしてまっした。





そう彼女は何時もの様に、ほほ笑みながら報告してくれる。









彼女に悪気はない。

だからスイマセン、調子に乗ってました、許してください。オレのライフは、もうゼロです。











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<フロッグ>


「それじゃあケンタさん今日も夕食を持って行きますからね、ちゃんと食べてくださいよ。この前のざるそば干からびてましたよ。」

「・・・分かりました。ちゃんと完食いたします。毎日美味しい料理を作って貰ってほんとにすいません。」

「ふふふ、わかりました。今日も腕によりをかけて作らしていただきます。それじゃあ、私はこれで」


おや、もう帰ってしまうのかい。

僕はもう少し、このやり取りを観ていたいのに。

僕がそんな事を考えているともう彼女はドアの向こう側に消えていった。


「なんだかすまなかったね、僕の言葉が君の安い自尊心を傷つけたみたいで。」

「止めてくれ、これ以上は心をリカバー出来ない。あとおたく、何気に喧嘩を売ってるよね。」


重症だねこれは、君をからかかうのは楽しいけど、今はそっとして置こうか。

でもこれだけは言いたいね。


「彼女は君のお母さんなのかい。」

「あんたからかってるよね、分かっていてからかってるよね!。オマエそれでも医者か!。良いよ、買うよ、今買うよその喧嘩。サァーかかって来いよーぉ!!。」


そう言って彼は奇声を上げ、叫びながらベットの上で偽者臭い少林拳のような構えをしている。

二十台半ばの男がだ。

うん重症だね、いいろんな意味で。



まあ、とりあえずは


「さすがにカメラ撮影は止めなさい。それでは彼があまりににも可哀想だよ。」



僕はさっきから窓の外でこっちを見ている、綺麗な紫色をした髪の女性に言った。






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<サクライ>





アハハハハハハハ。





鬱だ、激しく鬱だ、神様、オレの事嫌いなのか。





アハハハハハハハヒァ、アハハハハハ。







・・・うぜ・・・。



さっきからオレを笑うこの女、メガーヌと同じく最近ゼストの部下に成ったクイントだ。

メガーヌと同じ16歳で近代ベルカ式並びに、シューティングアーツの使い手だ。


「てっかおいクイントさん、今もう午後の訓練の時間じゃね、こんな所に居ていいのかね。」


またメガーヌに怒られるぞこいつ。


「はははぁ、ごめんごめんケンさん、だけどケンさんが何時も以上にバカpじゃない、子供っぽいからついね。」


おい、いまバカって言いそうになったな。

は、いいよ、良いよ。どうせバカだよ、子供だよ、文句なるか。


「いじけない、いじけない、それと午後の訓練は中止よ。あたしはケンさんを呼びに来たの。」

「オレを呼びに、なんだいまた。」


なんかしたかオレ・・・・・・だめだ、心当たりが多すぎて分からん。


「G3の試験動作確認、並びに、アンカーと、新人陸戦魔導師による実戦テストですって。だから午後の訓練は中止だしケンさんが居ないと始まらないのよ。」

「おいおい、今メガーヌに言ったばかりだぞ。レジアスも張り切るねー。」


まったく、こっちは三日も不眠不休で疲れてるのにさ。


「散々待たしたからね、お疲れ様。でも其の割にはケンさんも嬉しそうなんだけど。」


嬉しいさ、嬉しくて堪らないよ。この日をどれをど待った事か。


「やれやれまったく仕方ないね、医者泣かせだよ君は。」

「何時も悪いね。」

「そう思うならここにはもうなるべくこない事だ。医者としてそれが一番の恩返しだよ。」

「ははは、それは無理な注文だね。」


なにせこれからは、本格的に体を鍛えなおすからね。


「まったく、とんだ患者を受け持ったよ。」

「さあ、話もすんだとこで、行きましょうか。」

「はいはい、いま行きますよ。」




そう言ってオレたちは、友達から貰った栄養ドリンクを飲みながら皆の所に向かった。









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<レジアス>





G3がついに完成したらしい。この事を聞いた私はすぐさまゼストの元へ行き、午後の訓練で使う筈だった場所を貸してもらい。

ゼストの部下にケンを呼びに行かせたのだが・・・


「少し軽率だったか。」


ケンも疲れているだろう、来なくても文句は言えん。ゼストに謝って今日はお開きだな。


「よー、わるいな遅れた。」


む、きたかケン。


「わりーなゼスト、訓練を中止にしてまでここを貸してもらって。」

「なに、気にする事はない。レジアスがだだをこねてな、仕方なくここを貸したんだ。ケンが謝るのは筋違いだ。」

「すまないな二人とも、無理を言って。」


私は、この二人に心から頭を下げた。同時に自分の我がままに嫌な顔ひとつせず付き合ってくれる、彼らにほんとに感謝した。

ああほんとに私良い友をもった。



「問題ないよ、オレは毎日無理してる様なものだからさ。」

「ああ、偶には息抜きも必要だ。それにお前たちの言うG3の力も気になる。」


そうゼストが言うが、それは私も気にきになる。G3の力が何処まで魔道師に通じるのかが。


「なら確かめますか、G3の力がどれ程の物かさ。」

「・・・ああそうだな。」



そのとおりだ、弱気になって如何する。

G3が魔道師に何処まで通じるのかなど関係ない。




誓った筈だ、必ず成ると。





この力で、G3の力で。





私たちの力で。















「さて、始めるとしよう。」






















必ず、ヒーローに成ると。


管理人感想

 ゴガルドバさんからいただきました!

 クイントさんが素敵すぎ。さすがはあのナカジマ姉妹の未来の母親。
 そしてメガーヌさんがまともすぎる(マテ)。うちの小説でのフリーダムっぷりがウソみたいだなぁ。

 そんな感じでバカをやりつつ、ついにお披露目の時を迎えたG3。
 果たしてその力はいかほどのものか。そしてG3-Xは出るのか!?(気が早すぎ)