これは…、もしもの話である…
だが、それは新たな出会いの始まりで新たな冒険の出会いであり、新たな戦いの開幕である…
魔法少女リリカルなのは
〜Galaxy Moon〜
新章龍魔光伝
今、開幕!!
プロローグ
「再会と出会い…、そして」
時空管理局、それは数多に存在する次元世界を管理・維持するための機関である。その本部があるミッドチルダでとある裁判の結果が一応の結果を迎えた。
後に「プレシア・テスタロッサ事件」と呼ばれたこの事件は首謀者であるプレシア・テスタロッサがある理由からロストロギアである『ジュエルシード』を集めて伝説の地である“アルハザード”の道を開こうとしたのだ。それを開こうとすると大規模に次元震が発生し次元世界に大規模な災害が発生してしまう危険があったのだ。
それを次元間航海艦“アースラ”と事件に巻き込まれてその力に目覚めた民間の魔法少女が阻止し未遂に終わったのだが、プレシア自身と彼女が確保していたジュエルシード9個は虚空世界に消えてしまったのだ。
この裁判はそれに加担していた彼女の娘のクローン、フェイト・テスタロッサとその使い魔であるアルフの裁判であり、当事者である本人がいないために多くの謎が残されたが“2人の無罪”という判決で決着を迎えたのである。
「おめでとう! フェイトちゃん、アルフさん」
「あ……ありがとう……ございます……」
本部に停泊していたアースラへと戻ったフェイトとアルフを真っ先の出迎えたのはこの艦の艦長であるリンディ・ハラオウンである。艦長であるのだが、いろいろと仕事があるのではないのかと疑問に思う読者もいるのだろうが、その答えは彼女の部下であり息子のクロノ・ハラオウンと同じく部下のエイミィ・エミエッタに仕事を押し付けていたのである(この小説を見ている読者も、仕事を誰かに押し付けたらダメです)。
フェイトはそんな2人に内心同情しつつ(その隣にいる人間形態のアルフは呆れていたが…)、リンディからの祝辞に応えた。
本人自身、プレシアから虐待を受けていたために誰からかそういう事を言われていなかったために嬉しかったか顔は微笑んでいた。その事に気が付いていたのかはどうかは不明だが、リンディは唐突に言ったのである。
「これで2人は晴れて自由の身ね。というワケで――
それじゃあ、さっそく行きましょうか♪」
「え…………?
どこへ……ですか?」
突然の事に疑問に思ったフェイトはリンディに聞き返すのだが、
「ああ、あそこねぇ」
隣にいたアルフはリンディの意図が読めたらしくウンウンと頷いたのだ。フェイトはアルフにそれを聞こうとしたら…
「フェイトちゃんの一番会いたい人のところよ」
リンディが言った説明にフェイトはそれが分かり、満面の笑顔をしたのだ
そして──管理局では第97管理外世界にある地球の海鳴市に到着したフェイトとアルフはリンディとクロノに連れられて、ある家の前にいたのだ。
リンディが呼び鈴を鳴らし、数秒後──
〈はーい、高町です〉
その声の主こそ、フェイトが一番会いたかった人であった。
「なのは!」
〈え──? フェイト、ちゃん……? 〉
フェイトはたまらずに声を上げて、なのはと呼ばれた声の主はインターフォンの向こうでつぶやいた──すぐに我に返った。
〈ち、ちょっと待ってて!〉
その言葉と同時にインターフォンを切られ──
ガシャーンッ! ゴロゴロッ! ドタァーンッ!
その直後、高町家に何やらものすごい音がして、フェイト達は苦笑いをするしかなかったとか。
「ごめんね、驚かせちゃって。そりゃあもうものすごく」
「あ、あはははは…」
それから数分後。リビングに案内され、リンディは突然の訪問で驚かせた事をその本人に謝り、その本人は苦笑いながらも自分がひっくり返したゴミ箱とその中身を床から拾っていたのだ。
彼女の名前は、高町なのは。小学校3年生の普通の少女であった。そう、ある事件までは…
話は過去にさかのぼる。
ある日助けを求める声に導かれたなのはは、不思議なフェレットが負傷し倒れているところを発見、保護した。
その夜、再び声が響きフェレットを預かっている動物病院に向かうとそこで異形の怪物がフェレットと対峙する場面に出くわす。
実はそのフェレットはミッドチルダから来たユーノ・スクライアだったのだ(フェレットになっていたのは彼が負傷して体力や魔力を回復させるためにとった方法である。が、当初なのははフェレットの姿が本当の姿だと思ってしまい、のちに人間の姿に戻った際には仰天していた)。
彼がこの世界に追ってきた理由は、先ほど述べた“ジュエルシード”が原因である。元々彼は遺跡を発掘する事を生業とする一族の一員であったが彼が発掘した“ジュエルシード”が事故により散らばったことに責任を感じ、独自にそれを回収に当たっていた。
成り行きで知ってしまったなのはは彼に協力を申し込み、彼が持っていたデバイス“レイジングハート”を託されて魔法少女として“ジュエルシード”を封印に乗り出したのである。
そして、先ほど述べたように彼女の活躍もあり事件は解決、なのははフェイトと友達になり再会を約束したのであった……
その後、ユーノはフェレットとして高町家のペットとして預かっているが、今現在家にはなのは以外はで払っているために人間の姿でなのはを手伝っている。
「それにしても、もう判決が出たのですね」
「もう少しかかるの思っていたのに……」
「まあ、それについてはクロノが頑張ってくれたからね」
この空気を何とかしようと課題を変えるために、なのはとユーノはフェイトとアルフの裁判が速く終わったのを疑問に思ってつぶやいたのをリンディが聞き、それを答えた後一同の視線がクロノに向けられたので照れくさくなって視線をそらす。
「ところでなのはさん、ご家族の皆さんは?」
「お父さんとお母さんはお店、お兄ちゃんは大学、お姉ちゃんは高校に行っていて、まだ帰っていないんです。
……もしかして、お父さん達にも用があったんですか?」
「ええ、そうよ」
リンディの問いに答えたなのはは聞き返して、それにリンディが頷き告げた。
「実は……」
「フェイトちゃんとアルフさんを、なのはさんの家に住まわせてあげてもらいたいの」
リンディが告げた言葉に、なのはは一瞬意味が分からず呆れていたが──すぐにその言葉を理解したのだ。
「……えぇっ!?
じゃあ、フェイトちゃん達と一緒に暮らせるの!?」
「なのはさんや、ご家族さえよければ、ね♪」
声を上げるなのはに、リンディは笑顔でそう答えた。
その晩、帰宅した高町家の面々に、リンディは事情を説明した。
重要な部分はもちろん話せないため、かなりかいつまんだ説明になってしまい反対するのではないかとリンディは思ったのだが、士郎も桃子も、そして恭也や美由希も予想に反してあっさりとフェイト達を受け入れてくれた。
後に『むしろあっさりしすぎだ』というクロノのコメントがあったのはつけ足しておく。
ともあれ、フェイトとアルフは高町家で暮らせることとなり、リンディとクロノもまた、士郎と桃子の厚意によってその日は高町家に一泊することとなった。
アルフの待遇については人間形態では耳や尻尾が目立ち動物形態では大きな狼で問題かと思ったのだが、本人は新たに子狼形態の変身魔法を得ていてペットとして迎えられたのはいうまでもない。
だが…、彼女達は気がつかなった…
次元を巻き込む大事件が、もう既に起こっている事に…
なのは達がいる次元も、ミッドチルダでもない別の世界の宇宙。
そこの宇宙空間では戦闘があったような形跡が今も漂っていた。そんな空間に人間以上の身長を持つ“巨人”が複数いた。
「驚いた。こんなところにも“べリアル軍”がいたなんて…」
そうつぶやいたのは、全身が武装を施されていて体が鋼の体の自我を持つロボット、ジャンナイン。
「ああ、“カイザーベリアル”亡き後でも残党がいるからな。それを倒すのも我々の任務だ」
それに答えたのはジャンナインと同じロボットだが武装は少ないが肩に担ぐ両斧を持つ鋼鉄の武人、ジャンポット。
「けど、俺たちの敵じゃないぜ。あ〜あ、どっかに強い奴いないかねぇ?」
そう言うのは、マグマのように燃え上がる頭と体を持つ炎の戦士、グレンファイヤー。
「けど、油断は禁物です。ここ最近の事件で私達の名は上がってきていますから」
そう警告をするのは、礼儀正しく真面目な鏡の騎士、ミラーナイト。
「それにここ最近、別の世界から来た怪獣もいるからな。それを元の世界に戻すのも俺たち、“ウルティメイトフォースゼロ”の任務だからな」
それ同意しながら新たな問題を言うのは、下半身は赤、上半身は青の光の巨人、ウルトラマンゼロ。
彼ら5人はとある事件で共に戦いそして結成した“ウルティメイトフォースゼロ”である。
「ん? おいゼロ。
お前の“ウルティメイトブレスレット”が光っているぞ?」
グレンファイヤーがふと、ゼロの左手首に装着している“ウルティメイトブレスレット”の蒼の宝石が輝いているに気がついた──次の瞬間に彼らの周りが光に包まれたのだ。
「な、何だったんだ……」
突然の事に驚くゼロは目の前にいた人物に驚き声を失った。
「ウルトラマンノア…!?」
全身が銀色に輝く神秘的なウルトラマン、ウルトラマンノアがゼロの目の前にいたのだ。
突然の事に驚いて済まない 緊急事態が発生してしまったのだ
「緊急事態? それは一体……」
テレパシーで伝えた言葉にゼロに代わって聞こうとするミラーナイトだったが次に映し出された映像を見てまたも言葉を失った。
「な…、でかすぎるだろ!!」
グレンファイヤーの言葉通り、そこに映されていたのは、
超ド級の巨大なブラックホールであった。
「馬鹿な…、この大きさは異常だ!
自然に発生したとは違う!!」
「ウルトラマンノア、これは一体……?」
ジャンポットは映し出されたブラックホールが異常なまでの巨大な事に驚いていて、ジャンナインはノアに事情を説明を求めた。
これは“グランドブラックホール”だ 私の力をもってしてもそれ以上の事は分からなかった
「ウルトラマンノアの力でもすべてを知っているわけじゃないのか…」
ノアは今映っているグランドブラックホールの名前はゼロたちに教えたが、それ以上の情報は分からないと説明し──
だが このままいけば拡大を続け いずれは全次元を飲み込むであろう
「はぁ!? 普通ブラックホールって収縮するはずだろ! たださえ馬鹿でかいのをドンドンでかくなるのかよ!?」
「それではゼロの故郷の“光の国”も“惑星エスメラルダ”もこのままいけば“グランドブラックホール”に飲み込まれるのですか!?」
だがノアの推測にグレンファイヤーは驚愕の声を上げてミラーナイトはノアに最悪の事態になるのかと愕然とした。
ああ それを消滅するために君たちは“グランドブラックホール”が発生している次元に行き
そこにいる彼らに協力して“グランドブラックホール”の消滅の方法を探すのだ
これが私が君たちに頼む1つ目の任務だ
「確かに、これは協力しないと大変なことになるが…」
「まだ何かあるのか?」
ノアの任務の重要性に協力がなければいけないと頷くジャンポットにジャンナインは他にも頼みがあるのかと聞いてきた。
実は 最近“グランドブラックホール”の発生した次元にワープした何者かがいる
そのワープ元をたどっていくと ウルトラマンゼロの故郷の次元からだと分かったのだ
「何だって? 前に別の宇宙に行ってとんでもない事をやっていた宇宙人は俺の世界の宇宙人からな──
もしかして、それを確かめるのももう1つの任務って事か」
ノアの語ったもう1つの頼みは、ゼロの世界にいた何者が“グランドブラックホール”が発生している次元にワープしたためそれの調査をしてくれとゼロが推測してノアに言ったのだ。
そうだ 私の勘違いでもいいのだが万が一の場合もある
私は私のいる世界を守るのに精一杯の状態だ 私の力を一部与えたウルトラマンゼロやその仲間に頼るしかなかった
今この時でも次元の危機だという時に
「ノア……あなたは俺たちの伝説的な存在だ、そんなあなたがそんな事を言わない方がいいぜ。
その任務! 俺達“ウルティメイトフォースゼロ”が引き受けた!!」
ノアはそれに答えながらも途中から弱く震えた声で言ったのだ。
自分が行きたいが自分がいなくなれば自分の世界はどうなるのか? それを託す事になったゼロたちに申し訳なく、かつ次元の危機に行けない自分の情けなさで──
それをゼロは察してノアにそんな事を言わないと言い、力強くその依頼を受けると宣言した!
「ええ、依存はありません」
「ああ、暴れてやろうぜ!!」
「このままでは、次元が消滅するからな」
「異存はない!!」
他の仲間のそれに同意したのだ!!
ありがとう
ささやかながら私にできる手助けをしよう
ノアは彼らに礼を言うとミラーナイトとグレンファイヤーに向かって光のクリスタルを与えた。ミラーナイトは緑の、グレンファイヤーは深紅色のを──
このクリスタルは地球の人間に変身できる もちろん元の姿に戻ることも可能だ 大切にしてくれ
「ありがとうございます」
「おう、あんがと」
ノアの説明を受けたミラーナイトとグレンファイヤーは礼を言い、次にジャンポットとジャンナインに光を与えるとそれが全身に満ちて消えた──
今の光で君たちの体は自由に大きさを変えれるようになった 地球での活動におおいに役にたつだろう
「助かる」
「礼を言う」
同じくノアの説明を受けたジャンポットとジャンナインは同じく礼を言い──
「で、俺には何かないのか?」
「ゼロ…、あなたには一部とはいえノアの力があるではないのですか…」
今までの流れでゼロも何かあるのかと聞いてきたが、ミラーナイトはもう既に貰っているのではないのかとツッコミを入れた──
もちろんだ
『あるんかい』
ノアは如何やらゼロの分も用意していたらしく、その事にゼロ以外の全員はツッコンだ。そしてゼロの前に光が輝きそれが晴れると一体の怪獣が目の前に現れた。
「ゴ──ゴモラだって!?」
そう、その怪獣はゼロのいる世界の地球では“古代怪獣 ゴモラ”と呼ばれていてゼロも何度か共闘したこともありゼロはそれを見て仰天したのだ。
安心したまえ ウルトラマンゼロが知っているゴモラとは別の個体だ
ウルティメットブレスレットにゴモラを収納する能力も付けた
普段はそこで待機していてウルトラマンゼロの呼び声で自由に呼び出せる 戻す時も同様におこないたまえ
ノアの説明を受けた後、ゴモラは光の球に変えてウルティメットブレスレットの宝石の中に入って行った。
「な、何でもありだなあんた…」
ゼロもまさかのプレゼントに驚きを隠さないでいた。
何か起きるのかは分からない以上 戦力は多い方がいい “光の国”の方は私が連絡しよう
それと君達を“グランドブラックホール”の発生している次元の跳躍も私がやろう
私にできるのはここまでだ 後の事は頼んだぞ
そう言うとノアと彼らの周囲に光が輝いて、それが消えるとゼロたちの姿はこの世界から消えたのだ。ノアも含めて──
そんな事を露知らないなのは達のいる世界では──
明けて翌日──幸いにも土曜日で学校も休みだったため、なのはとユーノとフェイトとアルフ、そして同行を申し出たクロノを伴って町に繰り出した。もちろんユーノとアルフは動物形態のままである。
フェイトやアルフが高町家で暮らす上で必要な生活用品をそろえるためである。
「んー、まずはどこに行こうか」
「とりあえずは歯ブラシとか、小物の生活用品からかな。
服についてはフェイトはなのはのものを借りればいいし、アルフに至っては動物形態の子狼形態でいれば当面は何とかなるのだろう?
なら今はすぐに必要なものを買うべきだ」
街を歩きながら尋ねるなのはに、クロノは少し考えた末にそう答える。
そして、一同が雑貨屋へと向かうことにした、その時――
「あれ、なのはじゃない」
突然の声と共に振り向くと、そこにはなのはの学校の同級生で親友のアリサ・バニングスと月村すずかの姿があった。
二人とも書店の紙袋を持っている。本を買いに行った帰りの様だ。
「アリサちゃん、すずかちゃん」
「どうしたの? なんだか見ない顔ががいっぱいいる……けど……」
言って、フェイト達に視線を向けるアリサだったが、アルフ(子狼形態)を見た時、視線を止めた。
そして、アルフの目の前に来て持ち上げてジーと見つめて──
「ねえ、この子供の狼の飼い主ってあんた?」
「そ、そうだけど……アルフは私が子供の頃から飼っていたから……」
「ふーん、そう……ごめんね、この狼を見ていると嫌な事を思い出したから」
なのははその時になって思い出した──二人は海鳴温泉の一件で、かなり“悪い形”で面識があったことを──
だが、それよりも先にフェイトがとっさに言ったことに納得したのかアルフを地面に下ろし、
フェイトにあやまっているのを見てなのはは心の中でほっとした。が、今度はクロノの方を向き直り
「それじゃあ……あんたはなのはとどんな関係!?」
「え!? 今度はボク!?」
アリサの言葉に思わず声を上げるクロノだが、アリサはそれに構わずに続ける。
《僕も男の子なんだけどなー》
《ユーノくんの事はバレてないからね……》
《それを言うならアルフもだよ……なのはと最初に会った事を覚えていたし》
《しばらくこの姿にいるしかないか……》
アリサの言葉にユーノとなのはのが『念話』で話をしてそこにフェイトとアルフも加えて話をしていた。もちろんクロノのフォローを放置して。そしてアリサの話はヒートアップしていき──
「意外よねー、まさかなのはが年上趣味だったなんて」
「し、趣味って何だよ、趣味って!」
もうほとんどからかう事を目的としていてアリサの言葉にクロノの顔は真っ赤になって反論する──
と、そんな時にクロノの持っていた通信機が呼び出し音を立てた。
同時にその意味することに気がついたクロノの顔が先ほどの顔はどこへやら、仕事の顔に戻ったのだ──それが意味するもの、普通の連絡ならこの世界では珍しい通信機を使わずに念話で伝えたはず。が、実際に通信機を使ったのは早急に且つ正確に連絡を取らなければいけない、まさしく緊急事態だということなのだ。
訝るアリサとすずかにかまわず、通信機を取り出して発信者を確認するクロノ──
アースラで待機しているエイミィだと分かると音声のみで応答した。
「こちらクロノ」
〈あ、クロノくん?
緊急事態! その街の一角に、空間の歪みが発生してる!
たぶん、後5分もしない内に、別空間に通じる穴が開くよ!〉
「なんだって!?」
そのエイミィの言葉にクロノが声を上げ、なのはとフェイトは思わず顔を見合わせた。もちろん動物状態であるユーノとアルフもだ。
〈幸いっていうか、場所はクロノ達のすぐ近く!
ポイントを教えるから急行して!〉
「わかった! すぐに急行する!」
言って、クロノは通信を切り、
「なのははフェイト達と先に帰ってて!」
「クロノくん!?」
「大丈夫! たぶんボクひとりで片づくから!」
声を上げるなのはに答え、クロノはそのまま駆け出していってしまった。
「……なのはちゃん?」
「何なの? 空間の歪みとか、別空間とかって」
残されたなのはにすずかとアリサに質問をされて、その返答に困ってフェイトに念話で尋ねる。
《どうしよう、フェイトちゃん……》
《話すしか、ないと思う。
けど、今はそれよりも……》
そのフェイトの意見にはなのはも同意見だった。今の会話に立ち会われた以上、これ以上の隠し事は事実上不可能だろう。話すしかないだろうが――今はそれよりも今発生した問題への対処の方が先決だ。
「ごめん、アリサちゃん、すずかちゃん!
帰ってきてから説明するから!」
「アルフ、行こう!」
「あ、待ちなさいよ、なのは!」
「アリサちゃん、待ってよ!」
口々に言って駆け出すなのは達をアリサが追い、さらにそれを追ってすずかも駆け出した。
エイミィに教えられたポイントは公園の森の中だった。クロノは知る由もないが、かつてなのはとユーノが出会ったあの場所だ。
ともかく現場に到着し、クロノは上空に発生し始めた空間の歪みをにらみつけた。
「エイミィ、異界からの干渉か!?」
〈違うね。同一次元内でのワープゲートみたい〉
「こっちが出口ってことか……」
エイミィの答えにクロノがつぶやいた。その時、
「クロノくん!」
「なのは!? それにフェイト達も!?」
到着し、声をかけるなのはにクロノが驚き――
「――なのは!」
「アリサちゃん、すずかちゃん!?」
今度はなのはが驚く番だった。すずかと共に追ってきたアリサの声に思わず声を上げる。
「クロノ……ここなの?」
「あぁ」
そんななのはを置いといて、尋ねるフェイトにクロノが答え、二人は空間の歪みを見上げる。
と――そんな彼らに、突然声がかけられた。
「ふぅん、あたし以外にもいたんだ、コレに気づいたヤツが」
「え――――――?」
その声に、アリサとすずかの対処を考えていたなのはは思わず振り向き――傍らの木の上で、金髪の女性が枝に腰かけているのを発見した。その下には、彼女に連れてこられたのだろうか、メガネをかけた学生服姿の少年の姿もある。
「お、お姉さん達は……?」
「んー、ぶっちゃけ言えばヤジウマかな?
変な空間の歪みができたみたいだから、見に来たんだけど……」
尋ねるなのはに女性が答えた、その時――空間の歪みが活性化、数メートルに及ぶ円形の穴が開く。
そして――
その中から何かが飛び出してきた。
飛び出してきた飛来物は彼女達の頭上を駆け抜け、近くの地面に突っ込んだ。轟音と共に、もうもうと土煙が巻き起こる。
「あっちか!」
それを見て、クロノが真っ先に落下地点へと走り、なのは達や女性もその後を追う。
そして、彼女達の到着から間をおいて、徐々に煙が晴れていき――
「……ロボット……?」
落下点にできたクレーターの中央に倒れる、スカイブルーに染め抜かれた装甲を持った人型ロボットを前に、なのはは呆然とそうつぶやいていた。
だが、彼女たちは気づいていなかった…
人型ロボットに気を取られ、別方向にゲートが開き
別方向に流れる飛行物体の存在を…
その飛行物体の数は8、それらすべてはある人物が『たま池』と呼ばれる池に突っ込んだ。派手な水しぶきや音が起きたが先程の落下音で幸か不幸かそれらは消されたのだ。しばらくすると──
「がはっ! し、死ぬかと思った……」
最初に池から現れたのは頭はちょんまげでまとめていて、さらに来ている服が剣道着という変わった格好をした青年。そして、それにしがみついて気絶している一匹の白いネズミ(?)。
「た、確かにこの高さからだと死ぬな……」
続いて現れたのは赤髪の短髪な男でその両手には片や赤髪のロングヘヤー、もう片方は青髪のサイドポニーの女性二人。
2人とも気絶している様子である。
「それはお前達だけだろうが…」
「同感だな」
そして後からスーツ姿をした男と金髪でコートを着た男も出てきた。スーツ男には金髪のロングヘアーの、金髪の方は青髪でロングヘヤーの女性をそれぞれおんぶしていた。もちろん気絶している。
彼らに共通しているのは服がびしょぬれになったいる事と──
「なあ──疑問に思ったんだけどさぁ──」
「ここ、どこだ?」
突如現れた彼らの正体……
それは次回で明らかになる
次回に続く!!
次回予告!!
こんにちは、高町なのはです
突如落ちてきたロボット、トランスフォーマーのエクシリオンと出会った私達
そんな中、別のトランスフォーマーが私達に襲いかかってきたの
その時、私達の前に現れたのは…
ええー! 本物なの!?
次回!
魔法少女リリカルなのは
〜Galaxy Moon〜
新章龍魔光伝
第1話
「ヒーロー登場! リュウケンドー来陣!!」
次回も全力全開で突っ走ります!!
後書き
どうもセイワです。
今回の話は原作のプロローグに沿った話ですが…、色々と突っ込んでよかったのでしょうかね…?
色んな事が起きつつある海鳴市の明日はどっちだ!? っていう感じになりました。
次回は短いですが戦闘シーンを始めとしたものを描きたいと思います。だがタイトルがネタばれ(笑)…それではまた…
管理人感想
セイワさんからいただきました!
登場人物増えたーっ! ウルティメイトフォースゼロ来たァーッ!
のっけから差別化全開で期待が持てます。
次回はいよいよリュウケンドー参戦。最初の犠牲者は果たして誰だ!?