「ここが“この世界”の地球か……」
一方地球付近では“ウルティメットフォースゼロ”がウルトラマンノアによる跳躍を終えて改めて地球を見る面々である。
元の世界の地球は見た事はないがウルトラマンゼロにとっては“二回目”となる地球でそんな感想を述べた。
「これが……地球……」
「すっげぇー」
「素晴らしい…」
「綺麗だ……」
一方初めて地球を見たミラーナイト、グレンファイヤー、ジャンポット、ジャンナインはその美しさに心を奪われていた。
「ゼロ、あなたのお父さんやその仲間たちが地球を守ろうとした理由が、分かったような気がします」
ミラーナイトはゼロから聞かされたウルトラ一族の戦いを思い出してその美しい星、地球を全力で守ったことへの誇りを感じていた。
「ああ、俺もこんな美しい星は俺も初めてだ」
「こんな美しい星を征服するものがいるとは……絶対悪者にわたさん!!」
グレンファイヤーもそれに同意してジャンポットも改めて決意を固めると──
「……む? ゼロ!!
あれは何だ!?」
突如、ジャンナインが何かを発見、指を指してゼロに知らせた。
「──日本に何かが発生したな。
って、日本は何かの巣窟か? 親父たちも活動地点は日本だって言っていたな……」
ジャンナインが発見したのはワープ地点で、ゼロは自分の経験と父親たちが活動した場所から日本はトラブルの発生場所なのかと頭を抱え──
「仕方ねぇ、まずは日本で何かが発生した場所へ向かうぞ。
“ウルティメイトフォースゼロ”、ReadyGo!!」
『それ、いろんな意味でやばいぞ! ゼロ!!!』
ゼロはそう言って大気圏を突入していき、他の面々もゼロが言った言葉にツッコミを入れながらも後に続いた。
そんな事が起こっているとは知らない地球(特に海鳴市)では──
「……ろ、ロボット……?」
突如上空に発生したゲート(ゼロ達が発見した異変)から地面に落下に落下した、
青色のロボットを見て、なのはは呆然とつぶやいた。もちろん『たま池』に落下した人物の事は知らずに──
「傀儡兵……?」
《けど、こんなタイプの奴は見た事はないよ》
つぶやくフェイトに子狼形態のアルフが念話で答えたのだ。そんな中──
「……う、うぅ……っ!」
「あ、動いた!」
うめくように声を発したロボットを見て、アリサは声を上げる。
「……こ、ここは……?」
「しゃべった……?」
「自我があるのか? コイツ……」
うめくロボットの言葉に女性とクロノもうめくと、
「大丈夫ですか!?」
クレーターを駆け下り、なのはがロボットに駆け寄り、声をかける。
「な、なのは、危ないよ!」
「けど、苦しそうだよ!」
慌てるアリサにそう答えると、なのはは今度はすずかに尋ねた。
「すずかちゃん、すずかちゃんって機械に強かったよね!?
何とか助けてあげないかな!?」
「え? わ、私が……?
えっと……どんなふうになっているか、一度見てからじゃないと……」
すずかが戸惑いがちにそう答えると、
「………………ん?」
何かに気がついたのか、女性が連れてきた学生服の少年がその正体を探っていると──
「……マズいな……人の気配だ。
さっきの衝撃を聞きつけたか……?」
集まってくる人の気配を感じて少年はそう言うと、
「仕方ない。
一度、みんなでアースラに移動しよう」
ため息をついて言うと、クロノはアリサとすずかを見て付け足した。
「ここまで見ちゃったい以上、彼女達にも事情の説明は必要だからね」
第1話
「ヒーロー登場! リュウケンドー来陣!!」
さて、なのはとは別の所では…
「へーくしゅん!!
まさか、修行の一環で無人島でのサバイバルがここで生きるとはな…」
そう言ってくしゃみをしながら火を起こしたたき火で体を温めているちょんまげの青年は下着はふんどしという変わりすぎる格好をしていた。
「それはそうだが剣二。
お前が言った事は本当か?」
そう言ったのは先程のスーツ姿の男で如何やら来ている服を乾かしているようである。その姿はパンツ一丁であるが。
「ああ、俺が小学生の時に武者修行で全国を回ったって前に言っていただろう?
大体の地形は覚えているがこの場所は俺の記憶にはないんだ」
「なるほどな、つまりここは我々がいた世界とは“別世界”というわけだ」
「だと……いいのだけどな」
「ん、どうしたんだ?」
赤髪の男と金髪の男が剣二といった青年に答えたが、その剣二が何やら考え事をして──
「うう、早く服乾かないのかな…?」
「そう言わないの、私達の場合は下着まで濡れてしまっているから…」
「はあ、そんな事なら剣二見たくふんどしやさらしをしていればよかったか?」
「それだけはやめた方がいいと思う…」
あっち側では女性陣が生まれたての姿でそんな会話をしていたのを聞いて今までの考え事がぶっ飛んだ。ちなみに白いネズミ(?)は剣二の頭の上で丸まっていたのは余談である。
一方、なのは達はというと──
「一応、頼まれた工具とパーツはこれで全部だよ。
作業服はどう? 大きくない?」
「うぅん、大丈夫」
工具箱を置いて尋ねるクロノに、更衣室から出てきた作業服姿のすずかは後ろ髪をまとめながらそう答える。
なのは達は結局、女性や少年と共にロボットをアースラに転送。格納庫でロボットの修理に取り掛かる事になった。
「じゃあ、始めようか、すずかちゃん」
「はい、志貴さん」
声をかける、これまた作業服に着替えた学園服の少年──遠野志貴に答え、すずかは彼と共に作業に入る。
「それにしても、いつの間にかなのはが魔法使いになっていたなんて」
「ごめんね、アリサちゃん。今まで黙ってて……」
「いいわよ。むしろ話してくれない理由も一緒に説明してもらって納得しているから。
そんな事情なら、話せなくっても当然よね。あたしだって多分話せないと思うわ」
一連の事情説明の後、つぶやいた自分に謝るなのはに、アリサはパタパタと手を振りながら答えた。
別に起こっていない様子の親友になのははようやく安心した。それをなのはの肩で見ていたユーノ(動物形態)は、志貴と共にいた女性、アルクェイド・ブリュンスタッドに尋ねた。
「それにしてアルクェイドさん、どうしてあの空間のゆがみを感知したのですか?
ひょっとして、僕達と同じ魔法使いなのですか?」
「ううん、違うわよ。
私は……」
言いかけ──アルクェイドは何かを思いつき、ニヤリを笑って言った。
「──吸血鬼よ」
『えぇっ!?』
「あはははは、冗談よ、半分だけど」
予想通り、まともに驚いているなのは達に、アルクェイドは笑って答えた。
「半分……ですか?」
「そ、半分。血を吸うっていうのは事実だからね。
私は一般に『吸血鬼』って言われている存在すべての祖──真祖のひとりなの」
「真祖……?」
「うーん、その辺りの説明をするとややこしいから後でね。
とにかく、私はその真祖としての感覚のおかげで、あの空間の歪みを感知できたの。
それで、後は興味本位。ちょうど一緒にいた志貴を連れて見に来て──後は皆も知っている通り」
そう言ったが、アルクェイドの顔は険しかった。その理由は──
(だけど、私が感知したのはもう一つ。あのロボットが通ったゲートとは違う場所で力を感じた。
それも気になったけど、それが落ちた所は後で行くとして──)
そう心の内で呟き、アルクェイドはすずかたちへと視線を戻し──その先で、すずかはライトを手に取り、ロボットへと呼び掛けた。
「それじゃあ、えっと……」
「……あぁ、名前か?
エクシリオンだ」
「エクシリオンさん、だね。
ちょっと傷口を見せてもらえませんか?」
「わかった」
すずかに答え、エクシリオンと名乗ったロボットは身を起こし、背中に受けた傷を見せた。
「えっと……ここが動力ケーブルで、こっちがシリンダーで……」
「素材はわからないけど……機械そのものの仕組みはオレ達の使ってる機械と同じみたいだな……
じゃあ、すずかちゃん、ちょっと下がって」
すずかのつぶやきに、志貴はそう言って彼女を下がらせて眼鏡を外す。
その途端──志貴の視界に無数の『線』が現れた。
これが志貴の持つ能力──生物・物質を問わず、対象を本質的なレベルから『殺す』事の出来る線、『死線』を視る事ができる眼──その名も『直死の魔眼』である。普段はある人物から貰った眼鏡でその力を抑えている。
そして、志貴は見えた線にそって愛用の小刀『七夜』を走らせ、破損したパーツを『殺し』て取り外していく。
「じゃあ、日村さん、遠野さん、ここは任せるね」
そう言うと、クロノはなのはとフェイトへと向き直り、
「ボク達はブリッジに戻ろう。
彼の抜けてきたゲートについて、何かわかっているかもしれない」
「何だって!?
彼が通ったゲート以外にもゲートがあったんですか!?」
「ええ」
しかし、ブリッチに来てみれば新たな情報にクロノは艦長であるリンディに先程の事を確認のために聞きなおし、それに答えるリンディもまた険しい顔で答えたのだ。
「しかも、その一つは地球付近の次元移動で強大な何かの干渉で飛ばされた可能性があります。
だけど、もう一つの地球で発生したゲートがただ事じゃないです」
「どういうこと?」
アースラのオペレーターであるアレックスの報告にいやな予感がするアルフ(人間形態)が聞くと同じくオペレーターのランディが代わりに答えたのだ。しかもその顔が察するに──
「次元跳躍のほかに……時空跳躍、つまり“タイムスリップ”も行っている可能性が出てきたんです」
『!!!』
その報告になのは達は息をのみ──
「それって、まずいことなんですよね……」
「ええ、三つの、それもこの地球付近で別々の跳躍が同時に起こったのは異常よ。
だけど、そのうちの一つのワープ元が分かったの」
恐る恐るユーノはリンディに質問すると、その重要性なためか表情は重く異常事態を感じさせるのだ。そしてそのうちの一つが判明したことを伝えた。
「彼──エクシリオンって言ったかしら? 彼の通ったゲートの行きつく元が“セイバートロン星”だってわかったの」
「“セイバートロン星”?」
リンディの説明に聞き返すなのはにリンディは説明して──
「あなた達の世界の、地球から遠く離れた銀河にある惑星で、
彼はその星に住む、変形能力を持つ機械生命体“トランスフォーマー”なのよ」
「じゃあ、彼はその星から……?」
「おそらく、ね。けど……」
フェイトに答え、エイミィは少し困った顔になって続けた。
「どういうわけか、セイバートロン星方面の観測が不可能になっているのよ」
「………………っつ──!」
「あ、ごめんなさい、痛かったですか?」
「いや……大丈夫だ。少し痛覚センサーに通電しただけだ」
あわてて声をかけるすずかに、エクシリオンは彼女を気遣うようにそう答える。
そして、今度は自分の装甲を開き、他に破損がないかチェックしている志貴や肩の上で装甲を磨いているアリサに尋ねた。
「だけど……キミ達は、オレが怖くないのか?」
「ぜんぜん!
そりゃ、最初は驚いたけど、困っている人──この場合はロボットだけどは放っておけないもの」
エクシリオンの問いにアリサがそれに気にせずに答えると、
「エクシリオンさん、少しよろしいですか?」
なのは、フェイト、クロノ、アルフを連れてきたリンディがエクシリオンに声をかけた。
「私は、このアースラの艦長を任されています、リンディ・ハラオウンといいます」
「あんたが艦長か。俺は──」
「いいですよ、ムリしなくて」
座ったままでは失礼だと思ったのか、立ち上がろうしたエクシリオンをリンディが制した。
「それより……少しお話を聞かせてもらえませんか?
どうして、あなたは故郷であるセイバートロン星から地球にやってきたんですか?」
「そ、それは……」
尋ねるリンディの問いに、エクシリオンは思わず言葉を濁した。
「どうしたの?
セイバートロン星で、何かあったの?」
そんなエクシリオンの態度に、不思議に思ったなのはが尋ね──エクシリオンは答えた。
「セイバートロン星は……もうない……」
「え………………?
もう、ないって……どういうこと……?」
一方、その頃──
「さっきの地震、すごかったわね」
「ああ」
翠屋の店先で臨時店員としてシュークリームを売りながら、声をかけてくるすずかの姉──月村忍に恭也は上の空といった感じで答えた。
「……どうしたの?」
「あ、いや……
地震って言うには、何か変な感じがしたんだが……」
尋ねる忍に恭也が答えると、
「地震じゃないと思いますけど……」
そんな彼らに告げたのは、恭也や忍の高校時代の後輩でありこの翠屋のヘルプ要員であり月村家の平メイドでもある、神咲那美である。彼女の腕の中には飼い狐の久遠を抱いている。
「何か知っているの?」
「はい……
偶然見たんですけど、あの地震(?)の時、何かが臨海公園に落ちるのを見たんですよ」
「何か……
隕石かな?」
「隕石ならもっと大騒ぎになってるだろ」
恭也が忍に答えると、
「それは確かなのか?」
突然の声に振り向くと、そこには1台の消防車と、なぜか戦車を伴って停車していた。
「は、はい……
何が落ちたか、まではわからないんですけど……」
「そうか。
情報、感謝する」
答える那美にそう告げると、消防車はゆっくり発車、戦車と共に走り去って行った。
「……うちの街の消防署に、あんな消防車あったか……?」
「さぁ……」
思わず尋ねる恭也に、忍もまた眉をひそめてそう答えた。
「……実は私が見たのはそれだけじゃないんです」
「何……?」
だが那美の一言が恭也が尋ねると、
「臨海公園とは別の所に別の何かが落ちてきたんです。それも複数」
「落ちた場所は?」
忍の問いに那美が答えた。
「美緒ちゃんが『たま池』って呼ばれている池なんです」
「グランド……ブラックホール?」
「そう。通常のものをはるかに上回るパワーを持った、まさに超絶的なブラックホールだ」
その名を聞かされ、聞き返すなのはに、エクシリオンが答える。
「オレ達もなんとか阻止しようとしたんだが……オレ達トランスフォーマーの科学力で求める事はできなくて、セイバートロン星は……」
「それで、仲間の人達は無事なんですか?」
「あぁ、
みんな、無事。地球に移住してきている。
地球人達に刺激しないように、地球の乗り物にトランスフォームして……」
尋ねるクロノにエクシリオンが答えると、
「はい、これでおしまい。
とりあえず応急修理だけど……」
「そうか、すまない」
告げるすずかに答え、エクシリオンは自己診断プログラムを走らせる。
──全機能、85%まで回復──
「ああ、まだ本調子とは言えないが、もう大丈夫だ」
「よかったぁ……」
エクシリオンの言葉に、涼香はようやく安堵し、微笑んだ。
「……ふぅん、もしかして“さっき落ちた”のもそれが原因かもしれないかもね」
「え? それってどういう事だ?」
が先ほど静かだったアルクェイドの一言にエクシリオンが聞いてきたのだ。
「いやね、エクシリオンが落ちた時に別の方角から別の所に落ちた何かがあったのよ、それも複数」
「それを最初に言えって……」
アルクェイドの言葉に志貴が呆れながら言ったのだが、
「ただ……」
「ただ……何だ?」
だが、アルクェイドは何か警戒しているような言葉に志貴は聞き返したのだ。
「それらが……1つ1つが“シャレにならないほどの力”を持っていたのよ」
「シャレにならないほどの力……?」
その問いにピンとこないアリサに対してアルクェイドは続けて言ったのだ。
「それが何かがわからないけど、私的にいえば私以上の力を持っている可能性があるって事」
アルクェイドの証言とエクシリオンの地球で暮らすために一番重要なトランスフォーム機能のチェックを同時に行うためにアースラから海鳴臨海公園へと転送して、まずはエクシリオンのトランスフォームのテストを行うことにした。
人目につかないよう、先のエクシリオンの落下騒ぎも収まった頃合いを見計らって転送、いよいよテスト開始である。
「それじゃあ、危ないから少し下がっていてくれ」
言って、エクシリオンはなのは達を下がらせると静かに構え、
「トランスフォーム!」
咆哮と共にその身体が変形を開始、1台のスポーツカーへと変形する。
彼が言うには、まだ地球の乗り物を『スキャニング』していないらしく、そのデザインはセイバートロン星でのものらしく、近未来的な外見であった。
「よし、トランスフォームも大丈夫だ。
本当にありがとう、すずか。感謝するよ」
「えっと……志貴さんが手伝ってくれたおかげですよ」
「そんな事はないさ。
最後の方なんて、オレの手なんかほとんど必要なかったじゃないか」
礼を言うエクシリオンにすずかが謙遜、そんなすずかに志貴が言うと、
「あら、すずか……?」
その声になのは達は振り向くと、そこには恭也と那美を伴った忍の姿があった。先ほどの翠屋でのやり取りから興味を持って訪れたのだろう。
「お姉ちゃん!?」
突然の姉の登場に驚いて声を上げるすずかだったが、忍は彼女よりもむしろ後ろのエクシリオンに興味を抱いた。
「そのスポーツカーは?
見たことないデザインだけど」
「あ、えっと……
ここに停めてあって、えっと……」
まさかエクシリオンの正体を明かすわけにもいかず、答えに困るすずかであったが、忍はかまわずにエクシリオンを調べ始める。
だが、何事も無く調べ終えたようで、エクシリオンから離れる忍を見てなのは達は胸をなで下ろし──
「……どうすれば変形するのかしら?」
ぴしっ。
その一言に、なのは達は思わず硬直した。
「な、ななな、何言っているの、忍さん!
スポーツカーが変形するワケいじゃないですか!」
何とかごまかそうとするアリサだったが──
「それがしっかりついているのよ、変形機能」
思いっきりバレていた。
《ど、どうしよう……》
《うーん……》
念話で尋ねるフェイトになのはが考え込み──
「俺も聞きたいぐらいだな」
『えっ?』
その声がした方をなのは達が振り向くとそこには先程、『タマ池』に落ちてきた人物の一人で剣道着にその身をまとってちょんまげをしている青年である。
「あ、あの……あなたは一体?」
「俺か、俺の名は剣二、鳴神剣二だ」
なのははその青年に聞いてみると、その青年、剣二は自分の名前を言い、
「そして俺の頭に乗っているのがシロンだ」
「ガガー」
そして彼は自分の頭の上に乗っている白いネズミ(?)、シロンの紹介し、シロンも手を上げて鳴いたのだ。
「……あんた……一体何者だ?」
そうアルクェイドが言うが、様子がおかしい。さっきまで黄色の目をしていたのが血の色の如く紅くなっていた。目の前にいる剣二を最大限に警戒している様子である。
「そう警戒するな──チッ、どうやら何かが近づいてようだ」
「何だって?」
剣二はそんな殺気を抑えるように言ったのだが、突然何かを感じ舌打ちをしてその方角を見て、アルクェイドもそれに感じてその方角を見たのだ。
「何アレ?」
『え………………?』
つぶやき、アルクェイドの指さした先を見ると、1機の戦闘機がこちらに向かってくる。
「何だ……?」
恭也が首をかしげると──その正体に気付いたエクシリオンは自分の事がバレるのもかまわず声を上げた。
「マズい!
デストロンだ!」
「え……?
デストロン……?」
エクシリオンの言葉になのはが声を上げると──こちらに向けて戦闘機がミサイルが放つ!
驚き、各々にデバイスを構えるなのは達だが、発動させるよりも早くミサイルが迫り──爆発した。
しかし、巻き起こった爆発ははのは達を襲いはしなかった。
防いだのははのは達でも、とっさに変形し、彼女達をかばったエクシリオンでもない。
1台の消防車だった。
「な、何……?」
思わず声を上げる忍だったが、恭也はその消防車に見覚えがある事に気がついた。
そうだ──ここに来る前、翠屋で見かけたあの消防車だ。
と──その消防車が声を発し、エクシリオンに問いかけた。
「大丈夫か? エクシリオン」
「は、はい、ギャラクシーコンボイ総司令官」
「ギャラクシー、コンボイ……」
「総司令官……?」
答えるエクシリオンの言葉に志貴とアリサが声を上げると、消防車のトラック部分が分離し、
「ギャラクシーコンボイ、トランスフォーム!」
咆哮と共に、人型ロボットへと変形する。
一方、ミサイルを放った戦闘機も、彼らの無事とギャラクシーコンボイの登場に気づいた。
「クソッ、だったら!
サンダークラッカー、トランスフォーム!」
叫んで、戦闘機──サンダークラッカーも人型へと変形、着地すると同時に左手と一体なったビーム砲をギャラクシーコンボイに向けて──
「ちょっと待て!!」
その言葉にその場にいた全員が声の方向を見ると、その手に両刃の剣を握っている剣二の姿があった。
「おい、戦闘機変形野郎。てめぇに聞きたいことがある」
「何だ、この野郎が」
剣二が握った剣先の方向──サンダークラッカーに問いただしたが、だれから聞いてもその声には怒りが込められていた。
サンダークラッカーはそんな事は気にせずにビーム砲を剣二の方に向ける。
「なぜ、ミサイルを撃った?
エクシリオン、って言ったか? そいつを狙うのにそのビーム砲を撃てばよかったのを広範囲に被害が出るミサイルで撃った。
その周りにいる彼女たちの命は関係ないのか?」
「へっ! 冥土の土産に教えてやる」
剣二の問いにサンダークラッカーは不敵の笑いをとり、
「そんな事は関係ないんだよ!!」
それと同時にビーム砲を撃ち、剣二のいる方に直撃、爆発と煙と共に剣二の姿が見えなくなった。
「剣二さん!!」
「へっ、オレに指図するからだ」
なのはが叫び、サンダークラッカーはやったと確信し口元が笑う──その瞬間!
「うぉぉぉぉぉぉりゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」
煙から何かが飛び出し、サンダークラッカーの右側を通過した。
「何!? っぅ!、何だと!?」
サンダークラッカーはそれに驚き、そして自身に襲う痛みにその原因を探り、驚愕の声を上げたのだ。
それは先ほど、何かが通り過ぎた時に右腕に横一文字に切り裂いた後だったのだ!!
「て、てめぇ! 一体何者だ!!」
先ほどのすれ違いのまでの斬撃を繰り出したのはさっき自分が仕留めたと思った人間だと気付いたサンダークラッカーは彼に言ったのだ。
その姿は青きスーツの上に白く龍の装飾がある鎧を身にまとった龍騎士
その手には剣二が握っていた龍の顔がある剣を
そして……
「ガガー!」
彼の肩にはシロンの姿がありゆっくりと、サンダークラッカーの方へと向きを変えたのだ。
「剣二さん、無事だったんだ!」
「ああ、だが、この姿の時は別の名だ」
なのはの問いに答え、剣二は名乗った。この姿の名を──
「地球と共に生れし龍が!
闇に蠢く魔を砕く!!
リュウケンドー!
来・陣!!」
名乗りがらポーズをとる剣二否、リュウケンドーはそう名乗りその剣の切っ先を太陽に向けた。
「たとえお天道様が許しても、このリュウケンドー──
許しはしない! この激龍剣でぶった斬る!!」
そう言いながら手に持っていた剣、激龍剣の切っ先を太陽からサンダークラッカーに向け直した。
「やってみるならやってみやがれ!!」
サンダークラッカーはそう言いながらミサイルをリュウケンドーに向かって発射したが──
「おりゃあ!!」
サンダークラッカーに向かって跳躍、自分に向かってきたミサイルを気合い一閃、激龍剣で全てを叩き斬ったのだ。
「だったら!!」
それを見たサンダークラッカーはビーム砲をリュウケンドーに向けたが──
「今だ、ギャラクシーコンボイ!!」
叫び、着地と同時に右へ転がりながらサンダークラッカーのビーム砲の射線から回避するリュウケンドー。
「わかった!!」
今まで沈黙を守っていたギャラクシーコンボイが動いた、手に持っていたビームガンでサンダークラッカーの後ろに射撃。
リュウケンドーの事に気を取られたサンダークラッカーは回避はできずそれらすべてが命中しサンダークラッカーのバランスが崩れた。その隙を──
「はぁぁぁぁぁぁ!!」
リュウケンドーは斬り込んだ。踏ん張りを利かせているサンダークラッカーの右足に激龍剣を一閃、横一文字に斬り裂いた。
「ぐぅ! このぉ!!」
しかし、サンダークラッカーは痛む右足で跳躍、リュウケンドーやギャラクシーコンボイに向かってビーム砲を乱射した。
と──その一発が一本の木を直撃、木は炎に包まれながらなのは達の方へと倒れてくる!
「危ない!」
とっさに叫び、那美をかばって小太刀をかまえる恭也だったが──
「レイジングハート、お願い!」
「バルディッシュ!」
叫んで、なのはとフェイトはラウンドシールドで倒れてきた木を受け止める。状況が状況だ。もう恭也達に正体がバレるから、などと言ってはいられない。
そして、
「このっ!」
跳躍し、志貴が『七夜』を振るい、『死線』をなぞって倒木を解体する。
「わー、志貴、相変わらずすっごぉい!」
「言ってる場合か!」
のんきに拍手するアルクェイドに言い返し、着地した志貴やなのは達の目の前にサンダークラッカーが放ったミサイルが迫るが──
「やらせん!!」
この場にいない、だれかの声がした瞬間、ミサイルが勝手に爆発し、残りのミサイルも何者かの斬撃で切り裂かれて爆発した。
「おっさん! ナイスタイミング!!」
「おっさん言うな! 剣二、この辺を偵察すると言っていきなりトラブルに巻き込んでいるじゃない!!」
「仕方ないだろ! 文句があるならこの戦闘機変形野郎に言え!!」
リュウケンドーにおっさんと呼ばれた人物もリュウケンドーと同じく龍の装飾の鎧を身にまとってその手には龍の形の銃を握っていた。
おそらくさっきのミサイルの自爆も銃で撃って破壊したのだろう。
そして彼の付近にも龍の装飾の鎧、だが女性が着ていそうな形状の四人の姿もあり、それぞれ龍の形の槍、日本刀、両刃剣、双剣を握っていることから、さっきの斬撃も彼女達がやったようである。ちなみに槍と日本刀を持っている女性の姿は耳の所にヘッドフォンの形をしたヘルメット上に背中には飛行ユニットが装備している。両刃剣と双剣を持っている女性は、巫子服に近い鎧を纏っている。
一方、サンダークラッカーも増援とリュウケンドーの強さにこのままではラチがあかないと判断したのか、跳躍すると戦闘機へとトランスフォームする。
「やっぱ地上戦はガラじゃねぇや!
ここは空中から!」
言って、上昇するサンダークラッカーだったが、
「逃がさん!」
ギャラクシーコンボイはビークルモードに変形、飛行ユニットに変形したキャリア部と合体すると急上昇し、体当たりでサンダークラッカーを弾き飛ばす!
「すごい!
あの消防車、空飛んでいるよ!」
「ひゃあ〜、私も初めて見たな。空飛ぶ消防車」
空中戦に転じたギャラクシーコンボイを見て、両刃剣を持った龍戦士の女性が興奮したように言い、槍をもった龍戦士の女性も感心した様子で言った。
「2人とも、『消防車』じゃないでしょう?」
「剣二なら知っているよね?」
そんな彼女たちに双剣を持った龍戦士の女性、日本刀を持った龍戦士の女性はリュウケンドーの方に向いて聞いてきたのを、リュウケンドーはエクシリオンに視線を向いて、
「ああ、ギャラクシーコンボイ総司令官、だよな?」
「あぁ」
そうエクシリオンがうなずくと──
「空中戦ならお前の出番だ! シロン!!」
リュウケンドーは肩にしがみついていたシロンを手に乗せると、
「我が声に答え その真の姿を現世に具現せよ!!」
リュウケンドーは呪文をとなれるとシロンがリュウケンドーの手の上から浮いてその背中から体の倍以上の天使の様な翼が生えてシロンの体を包みこんだ。
「シロン! リボーン!!」
叫ぶと、包みこまれたシロンの体が輝きその翼が開くと──
『り、龍うううううううう!?』
その姿は龍そのもので頭に飛行機帽子、手にグローブとファッションがあるのだがなのは達はもちろん、クロノや志貴、アルクェイドまでもが仰天の声を上げたのだ。
「やっと出番が来たみたいだな」
「しかも喋った!? 小さい時には喋れなかったのに!?」
「それを話すると時間がかかるが?」
「すいません」
シロンが喋るのを見た忍は仰天して、シロンがそれを聞いていたのか聞き返してきたのを忍はいろいろと謝ったのだ。
「話は後だ! あの飛行機変形野郎をぶった斬ろうぜ!!」
「あいよ!」
リュウケンドーはいつの間にかシロンの背中に乗って言い、シロンもそれに同意して急上昇、空中戦にギャラクシーコンボイの援軍に飛んで行ったのだ。
「何かすごいねー」
「って那美さん!? 目が虚ろになっているんですけど!?」
で、話の展開についてこれなかった那美の状態にアリサが突っ込んでいると──
「そんなのどうでもいいわよ」
告げるアルクェイドの表情は──かなりコワイ。どう見ても怒っている。
「あたしに向けてあんなものをブッ放したむくいは、受けさせてやるんだから!」
「……手加減してやれよー」
止めてもムダだと悟っているのか、志貴の制止は投げやりだ。だが──
「それがいいがお嬢さん」
「何よおっさん」
「……一応言っておくが俺はこれでも25才だ。どうやって上空に行く? 見た感じ、飛行能力は皆無だが?」
銃を持つ戦士はアルクェイドの言葉に怒りを覚えながらもその指摘を的確に言い彼女もそれに考えているのか頭を抱えていたのだ。
そんな彼らの傍らで、なのはとフェイトは顔を見合わせ──互いにうなずいた。
「ギャラクシーコンボイ、スーパーモード!」
咆哮し、ギャラクシーコンボイは分離したキャリア部との合体体勢に入る。
展開された両足にレッグパーツが、背中にウィングパーツが合体し、それぞれがしっかりと固定される。
最後にフェイスガードが閉じ、スーパーモードにパワーアップしたギャラクシーコンボイは峡谷の壁際に追い詰められたサンダークラッカーへと両腰の砲を向ける。その横ではシロンに乗ったリュウケンドーも激龍剣を向けている。
「今度は相手の強さを考えて行動するんだな。で、尻尾を巻いて逃げるんなら今のうちだぜ?
このまま戦ってもボロボロに負けるのが関の山だからな」
「逃げるのなら撃たない。どうする!?」
「くっ……くっそぉっ!」
サンダークラッカーの体はあちこちに切り裂かれた跡があり、あの後リュウケンドーの斬撃を浴び続けた結果でリュウケンドー本人も弱い者いじめをするわけでもなく撤退を勧め、ギャラクシーコンボイもそれに同意したのだが、ヤケになったサンダークラッカーは左手の砲を構え──突然、その周囲にいくつもの魔法陣が出現する。
なのはやフェイトが作り出した、足場用の魔法陣“フローターフィールド”である。
そして──
「殺す──!」
フローターフィールドを駆け上がった志貴が“直死の魔眼”を全開。破壊衝動のままに『七夜』を振るい、サンダークラッカーの砲を解体し、
「肉片も……残さないから!」
ズガガガガァッ!
アルクェイドが作り出した鎖の渦が、サンダークラッカーを壁際に激突させた!
切り札が破壊され、さらに上空にはフローターフィールドで志貴とアルクェイドを運んだなのはとフェイトとクロノが控えていて、彼らの後から恭也やリュウケンドーの仲間達がフローターフィールドで彼らと合流、それぞれの得物を持ってサンダークラッカーに向けている。 その上目の前にはシロンに乗っているリュウケンドーとスーパーモードのギャラクシーコンボイ──さすがにこれ以上の戦闘継続は不可能と判断し、壁際から離れたサンダークラッカー──その時!
「むっ! 全員後退! 何かが来るぞ!!」
それに気がついた銃を持つ龍戦士が全員に後退を指示しそれに従い離れるとサンダークラッカーの激突した所が崩れ、それが出てきた。
『か、怪獣ううう!?』
それを見た時、その場にいた全員が驚愕の声を上げてそれを見た。
それは“別の地球”では『凶暴怪獣アーストロン』と呼ばれている怪獣である。そのアーストロンが自分の近くにいたサンダークラッカーを発見、それ目掛けて口から『マグマ光線』を吐いてサンダークラッカーに直撃した!
「何でこぉなるのぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
サンダークラッカーは捨て台詞と共に空の彼方に飛んで行き、星になった。
「ちぃ、あの戦闘機変形野郎の次は怪獣退治かよ!?」
「くっ、そのようだが……さっき飛ばされたのはサンダークラッカーだ」
リュウケンドーとギャラクシーコンボイはそう言いながらも目の前にいるアーストロンを最大限に警戒していた時──
「みんな、気をつけて! 何かが来るよ!!」
クロノの警戒と共にそれが来た。
「でぇいやぁぁぁ!!」
突如飛来した何かがアーストロンに激突、アーストロンは地面に倒れてそれが地面に着地して、
『きょ、巨人〜〜〜〜〜!?』
もはや何度目となる絶叫に全員が言いその巨人、ウルトラマンゼロを見た。
「ったく、日本に来てみたら怪獣がいるとはな……
ん、これって……!」
ゼロはやれやれといった感じにアーストロンを見て、それを見た時アーストロンのそばに近づいた。
「なぁ……この怪獣さん、酷い怪我……!」
それを見たなのはは口を押させ、他の全員もそれに驚愕していた。それは尻尾の所から背中にかけて何かに引きちぎられた跡がありおびただしい血が出ていた。
「あ、あの巨人さん! この怪獣さんを助けてはくれませんか!?」
「なのは!?」
「だってかわいそうだよ、怪獣さんだって生きているし!」
なのはがゼロに向かって言ったのをユーノが驚愕してそれをなのはが答えると、
「わかった、任せてくれ」
ゼロはそう言い、ウルティメイトブレスレットが光りそれが青色の光に変わりゼロを包みこみ、
「ルナミラクル、ゼロ!」
ゼロの姿は濃淡の差があるが全身が青一色で、頭部にある“ゼロスラッガー”や胸のカラータイマーの内側も青に変わり、口調は冷静に変わっていた。またどこからかハーブの音色も聞こえてきた。
この姿は『ルナミラクルゼロ』。かつてある事件で合体した別のウルトラマンの力を一部解放した姿である。と
「ゼロ! 一体どうしたんです!?」
「やっと追い付いたぜ、って、何だ、この怪獣は?」
「ひどい怪我だ……」
「ゼロ、一応この怪獣の怪我を記録した。調査に使うかもしれない」
「また増えたよ……」
そこにミラーナイト、グレンファイヤー、ジャンポット、ジャンナインがその場に到着。ゼロと同じ大きさにクロノは頭を抱えて言った。
「よし、始めるぞ」
ルナミラクルゼロはそう言うと両掌から光の光線がアーストロンを包みこみそれが全身に包みこみ光輝くと……
「……すごい」
なのははルナミラクルゼロが起こした奇跡を目の前にしてつぶやいた、アーストロンの怪我が何事のなかったのように完治していたのだ。そのアーストロンはルナミラクルゼロに向かってありがとうと言っているかのように礼をいていたのだ。
「ゼロ、この怪獣は如何するんです?」
「そうだな……どうやらこれもノアからの力かもな」
ミラーナイトがアーストロンをどうするのかと聞いてきた時、ウルティメイトブレスレットの蒼い宝石が輝き、それを感じたルナミラクルゼロはそれを知り──
「俺達と共に来るか?」
その問いにアーストロンは力づよく咆哮すると、ウルティメイトブレスレットの蒼い宝石から光がアーストロンを包みこみ光の球に姿を変えるとウルティメイトブレスレットの蒼い宝石の中へと入って行った。
その後、公園の火災を消火したなのはやギャラクシーコンボイ、リュウケンドーにウルトラマンゼロ達は、忍やすずかの提案で月村邸の敷地内に存在する森の中にその身を隠していた。
その場にはギャラクシーコンボイやエクシリオンだけではなく、彼らの仲間のトランスフォーマーも呼び集められた。
輸送機に変形するドレッドロック。
ブルドーザーに変形するガードシェル。
ジープに変形するジャックショット。
バギータイプの半軌道車に変形するバックパック。
ただひとりだけ地球の乗り物に変形しない、宇宙船に変形するベクタープライムと、彼の従者である4体のマイクロン、ホップ、バンパー、ブリット、ルーツ。
そして、リュウケンドー、剣二の仲間達も合流した。ちなみにシロンは小型形態のチビシロンになっている。
銃の龍戦士、リュウガンオーに変身したスーツ男の不動銃四朗。
槍の龍戦士、リュウショウドーに変身した赤髪のロングヘヤーの女性、天羽奏。
日本刀の龍戦士、リュウトウドーに変身した青髪のサイドポニーの女性、風鳴翼。
両刃剣の龍戦士、リュウヨウドーに変身した金髪のロングヘヤーの女性、来栖川姫子。
双剣の龍戦士、リュウインドーに変身した青髪のロングヘヤーの女性、姫宮千歌音。
先ほどの戦闘に参加していない金髪の男性白波鋼一と、赤短髪の男性風鳴弦十郎。
さらにゼロ達も目立たなくように姿を変えていた。
ジャンポットとジャンナインはトランスフォーマーサイズに縮小している。
グレンファイヤーは赤髪の熱血漢あふれる青年、「ダイスケ・ミサキ」に姿を変えていた。
ミラーナイトは緑髪に紳士的な姿の青年、「キョウタロウ・カガミ」に姿を変えていた。
ウルトラマンゼロはかつて体を一体化していた人物「タイガ・ノゾム」に姿を変えていた。
「はぁ!? 俺達が10年後から来た未来人だって!?」
そしてベクタープライムの調査で剣二達の通ったゲートから“10年後”から来た未来人だと判明したことで剣二は驚きの声を上げた。
「そうだ、おそらく君達が持っていた“魔弾龍”が原因だ。
彼らの力が君達とそれに近しい人物を原因となったこの次元を飛ばしたのだ」
「確かに……魔弾龍には俺達の知らないブラックボックスがある。
おそらくそれが原因だと思うが……」
「それが本当なら、“グランドブラックホール”を消滅させないと大変なことになるぞ!」
ベクタープライムの説明を受けた鋼一はそう言うのだが銃四朗の言葉にうなずいた。
「そして……私が、サイバトロン軍総司令官、ギャラクシーコンボイだ」
「高町なのはです。
よろしくお願いします。それから……」
剣二達は互いに自己紹介をしているギャラクシーコンボイとなのはの会話を見て決意した。
「地球へ、ようこそ♪」
そして、互いに自己紹介を済ませ、今度のことを話し合うことになった。自己紹介で剣二達が未来から来た事やゼロ達が宇宙人だってことで色々あったのだが……
「これからどうします? ギャラクシーコンボイ総司令官」
「ファストエイドに一任している現状だが、“グランドブラックホール”をどうにかしないと……」
ドレットロックの問いにそうつぶやき、ギャラクシーコンボイはしばし考え、
「それから、移住してきている仲間達の現状を確認しよう」
「それには基地がいりますね」
「うむ」
バックパックの言葉にギャラクシーコンボイがうなずくと、
「それだったら、ボクらのアースラを基地にしたらどうでしょう?」
そう提案するクロノだったが、ギャラクシーコンボイは首を左右に振った。
「エクシリオンの話では、キミ達の艦は時空間航行船らしいが、基地は行動の迅速性を考えた場合、できれば現地であるこの星に建造したい。
それに、キミ達にこれ以上世話になるワケには……」
クロノに告げるギャラクシーコンボイだったが、
「そんな事はないぜ、ギャラクシーコンボイ総司令官」
そう告げたのはタイガであった。
「俺達はノアに頼まれてきた、それだけじゃない、このままいけば全次元が危機にさらされる。
それを阻止するために来たんだ。この次元の住人と協力してな」
ギャラクシーコンボイに向かって歩きながら話すタイガ。それと、
「世話になるワケには? ふざけんじゃねぇ…、俺達の未来がかかっているんだ。
それでもし失敗して閉ざされてたまるか! そうだろ! 激龍剣!!」
『そうだ、ギャラクシーコンボイ。これはお前達の問題ではない。
この世界、そしてこの事実を知った者たちであたらなくては超えられない壁なのだ』
剣二の言葉には答える謎の声、その声に何かとギャラクシーコンボイやなのは達が辺りを見渡した。その正体は──
『申し遅れた、我が名は激龍剣。
今までは剣二やその仲間にしか聞こえなくてすまない』
そう、剣二の腰に小さくなっていた激龍剣であった。
「タイガ君や剣二君、それに激龍剣の言う通り、今さらそんなこと、言いっこなしですよ」
さらに答えたのは──なのは達ではなかった。
アースラからこの場に転移してきたのだろう。一同が振り向いたその先にはリンディの姿があった。
「セイバートロン星の科学力ですら止められない──それだけの規模のブラックホールなんでしょう?
タイガ君の言う通り、そんなものがそれ以上この宇宙を飲み込みつづけたら、いずれは近隣の次元世界まで影響が出ます」
そう告げるリンディの表情に迷いはない──アースラの艦長としての、そして時空管理局の一員としての顔だった。
「激龍剣の言った通り、事はこの世界だけの問題ではありません。
私達時空管理局も、お手伝いさせていただきます」
「しかし……」
リンディに言いかけるギャラクシーコンボイだが、なおも決意証明が上がった。
「このまま“グランドブラックホール”とかいうのが成長したら、その内この星も巻き込まれるのよね?
別に人間達がどうなってもかまわないけど……志貴と一緒にいられなくなるのは困るのよね」
「んー、オレにできることなんか限られてると思うけど……ほっとけないよ。他人事じゃないしね」
アルクェイドと志貴である。
「ギャラクシーコンボイさん、みんなにとって“グランドブラックホール”は大問題なんです。何とかしないといけないって思うのは、みんな同じですよ」
そう告げる恭也のとなりでうなずき──なのはもまた、ギャラクシーコンボイに告げた。
「えっと……志貴さんも言ったみたいに、できることは少ないかもしれないけど……私達にも、きっとできることがあるはずです。
だから、私にも……お手伝いさせてください!」
「むぅ……」
なのはの言葉に、ギャラクシーコンボイは一同を見渡した。
説得は──できそうになかった。
「……わかった。
協力を、お願いしよう」
あきらめてギャラクシーコンボイはそう告げた。
「……よし、そうときまったら部隊名を考えないとな」
「部隊名?」
「ああ、俺達も部隊名があるけど、どうせだったら新しい名前でこの大事件を解決しようじゃないか」
尋ねるフェイトに剣二は答えたのだ。それに同意してかギャラクシーコンボイは頷き、
「では、決まっているのか?」
「ああ、“Galaxy・Guardian”、意味は“宇宙の守護者”。通称“GG”だ!」
「へえ、剣二君。なかなかいいセンスしているじゃない?」
ギャラクシーコンボイに答えた剣二はその部隊名を言いリンディはそれに頷き、
「では我々は今から“ギャラクシー・ガーディアン”として改めてキミ達に協力を頼もう」
ギャラクシーコンボイはそう宣言しなのは達に尋ねた。
「では、さっそくですまないが……この近辺で基地にできそうな場所はないだろうか?」
「この近くに基地を作るの?」
「そうだ。
我々が目立たないためにも、これ以上移動せずに基地をかまえたい」
「あ、そうか。さっきのサンダークラッカーっていうトランスフォーマーが襲ってくる可能性があるから?」
「それもあるな」
聞き返すアリサにギャラクシーコンボイは答え、すずかはそれ以外の理由も言ったので頷いた。と──
「だったら、いい場所があるわよ」
ギャラクシーコンボイにそう告げるのは忍だ。
その真意が読めず、顔を見合わせるなのは達だったが──恭也は気づいた。
「ひょっとして……国守山か?」
「正解。
愛さんやさざなみのみんななら、事情を話せばわかってもらえるわよ」
「確かに山なら天然の城だからな。その中で作れば敵の目を欺きやすい」
恭也の問いに忍が答え、弦十郎がうなずきながら言い──
「それに……国守山には『あれ』もあるし」
「ちょっと待て。国守山に何を作った、お前は」
最後にポツリと付け加えた忍のつぶやきを、恭也は聞き逃してはいなかった。
「……ギャラクシーコンボイ総司令官、私は早くも心配になってきました……」
「そう言うな、ドレットロック。もしかしたら我々はより多く何かを学べるかもしれないぞ」
ドレットロックもそれを聞いて頭を抱えるが、ギャラクシーコンボイは彼らに目を向けた。
なのは達と楽しく会話する剣二とタイガの姿を──
次元を超えてきたもの……
時間を超えてきたもの……
彼らの出会いがギャラクシーコンボイやなのは達にどのような影響を生むのか……
それはまだ知らない
次回に続く!!
ウルトラマンゼロ先生の解説コーナー♪
ゼロ先生「って、何なんだ! このコーナーは!?」
(とゼロ先生は床に落ちていた紙を発見。それを手に取りそこに書かれていたのを読む)
ゼロ先生「なになに? 『このコーナーは、本編に書かれなかった単語をウルトラマンゼロが先生として解説するコーナーである。毎回お題に関した単語を生徒達と共に学んでくれ』だってぇぇ!?」
剣二「ああ、だから俺達が学ラン着ているのはそのためか…」
なのは「ええっと、よろしくお願いします」
(そこにはなのは、フェイト、アリサ、すずか、剣二、奏、翼、姫子、千歌音、ポップ、バンパー、ブリット、ミラーナイト、グレンファイヤー、ジャンポット、ジャンナインが制服を着ていたのだ)
ゼロ先生「お前らまで……ええっと今回のお題は『マルチバース』か」
ミラーナイト「他世界宇宙ですね。確かにまずこれを理解しないと我々は兎も角、他のみなさんはわかりませんね」
ゼロ先生「そうだな。では解説しよう。なのは達や俺達、それに読者のみんなが暮らす宇宙を含む、多数の別宇宙が集まった超空間、それが『マルチバース』だ。これはキミ達読者側の仮説としてだが、俺達やなのは達が一貫して経験している歴史的な宇宙に加え、空間、時間、物質、およびエネルギーの全体、そして、それらを記述する物理法則および物理定数なども含まれていて、多元世界を含むそれぞれの宇宙は、並行世界と呼ばれることがある」
フェイト「ミッドチルダもその一つなんですよね」
ゼロ先生「そうだ、けど『マルチバース』にたどり着くには俺の故郷の“光の国”の全エネルギーをもってしても一人って事だし、時空管理局でも次元を超えるのに色々と手間がかかるだろう。それくらい次元を超えるのがどれだけ危険だっていうことがわかってくれ」
剣二「けど、ゼロ達もなんか簡単に次元を超えたけどな」
ゼロ先生「ああ、それはウルトラマンノアから力を一部だけど俺が受けついたからだ」
すずか「ウルトラマンノア?」
アリサ「そう言えば私たちにも知らない名前よね?」
ゼロ先生「せっかくだ。ウルトラマンノアについても説明したいんだが……」
ポップ「どうしたんですか?」
ゼロ先生「いやな、実は“光の国”でも言い伝えで知らされている程度で“ウルトラマンキング”と同様伝説の巨人で、その力はとんでもなく凄くてな。簡単に時空跳躍ができるし戦闘力も凄くて怪獣軍団1万を相手にたった一人で壊滅するって分かっているだけでチートラマンなんだ」
剣二「うわぁ、聞いただけで本当にチートラマンだな」
ゼロ先生「だけど、その力を使う行動として『希望を諦めない者への支援』という姿勢で、俺がミラーナイト、グレンファイヤー、ジャンポットが出会う事件で俺達を“諦めない者”として俺に自身の力の一部を貸し与えたんだ。もしかしたらこの事件でウルトラマンノアに出会うかもしれないかもな」
はのは「はい、私も会いたいです!」
ゼロ先生「よし、今回の講義はここまで!」
ゼロ先生以外『ありがとうございました!!』
次回予告!
俺の名は鳴神剣二
ギャラクシー・ガーディアンの基地を建設することになった俺達
色々あって完成の一歩手前になったのだが……
そんな中デストロンのリーダーとその側近が地球に来襲
しかもその先には基地が!
こうなったら俺達で時間稼ぎをしようぜギャラクシーコンボイ!!
次回!
魔法少女リリカルなのは
〜Galaxy Moon〜
新章龍魔光伝
第2話
「秘密基地、防衛線150q!!」
次回もこの小説で突っ走ろうぜ!!
後書き
どうもセイワです。
今回の話は第1話に沿った話で合流話となりました。
オリジナルな展開として剣二達は未来から来た、ゼロ達は次元を超えてこの世界に来たって事になりました。
また「シンフォギア」と「神無月の巫子」の登場人物達は「リュウケンドー」と同じく「魔弾戦士」なのですが……これは「ウルトラマンゼロ先生の解説コーナー」で解説しようと思います。
それで提案ですが、「勇者精霊伝ブレイカー」の登場人物を登場したいのですがいいでしょうか?
それでは感想の返答行きたいと思います。
まずは予告編です。
大歓迎……有難うございます。色々ネタとか突っ込みたいです。
「シンフォギア」は歌が、「とあるシリーズ」は主人公が好きなために突っ込んだですが、盛り上がり立っていきたいです。
そしてプロローグですが……
好調の様です。よかったです。
差別化全開でないとパクリって呼ばれてしまいますからね(笑)。
最初の犠牲者は第1話で見ればわかります(苦笑い)。
それではまた……
管理人感想
セイワさんからいただきました!
ウルティメイトフォースゼロと魔弾戦士組が合流……『シンフォギア』組や『神無月』組は魔弾戦士枠ですか。しかも未来からとは……響やクリスは現代人として登場かな? それとも追いかけてくる?
『神無月の巫女』も放映当時好きな作品のひとつでしたね……しかし、一番印象に残ったのは本編よりもOP主題歌のフルバージョンにおける前奏のすさまじい長さという(笑)。自分に「KOTOKOさんの歌は前奏が長い」というイメージを植え付けたのは間違いなくコイツです(再笑)。
そして合流した面々によって本家以上にフルボッコの憂き目にあったサンダークラッカーに合掌。
そうだよなぁ、この頃はコイツも“飛び要員”のひとりだったんだよな。それがまさか後半あんなに活躍することになるとは、当時の自分もまったく予想しておりませんでした。二次創作のキャラ改変効果ってスゴイ。
あと、『ブレイカー』の参戦、了解です。
本家では『異聞』で陰ながら参戦していたジュンイチ達が正式参戦。これが後のストーリーにどんな影響を及ぼすか、今から楽しみです。
>って、日本は何かの巣窟か?
この一言に、何ひとつ言い返せない自分がいる……(苦笑)