魔法少女リリカルなのはvs勇者精霊伝ブレイカー 番外編クロス3次SS
 
 
はっちゃけバトルin温泉旅行(〜続・1日目〜)
 
 
 
 
園部リナ「あれ?…そういえば里美さんは?」
リディア・ティルヴェット「何か、忘れ物したらしくって来るのがちょっと遅れるってさ」
 
周囲を見渡し、知り合いが約一名足りない事に気付いたリナの疑問にリディアが答える。
湯船につかりながら先ほどから待っているためか、2人の頭はすでにゆでだこ状態。今にものぼせて倒れん勢いだ。
初めて聞く名を前に、あずさが代表してリナ達に尋ねる。
 
柾木あずさ「―――その里美さんってどんな人なの?」
園部リナ「えっとね――― 一言で言うと今男湯で黒焦げになってるであろう剛君がリンディさんの皮を被ったような感じの人
柾木あずさ「OK、要するに超が付くほどの変態さんって事ね」
 
初対面の人を使って例を出すリナもリナだが、それに輪をかけて同意するあずさもあずさである。
お陰でボロクソ言われ放題なリンディはすっかりしょげてしまっている。
 
園部リナ「うーん…それもあるんだけど...」
リディア・ティルヴェット「里美の場合、無駄に歳くってる所為か発言が非常にアブノーマr」
???『サンダーブレェェェェェクッ!!!』
 
 
どどおぉぉんっ!!!
 
 
全ての台詞を言い終える前に、リディアは突如上空から飛来した雷の直撃を受け、沈黙。そのあまりの光景に女性陣一気に固まる。
 
神崎那美「あぁっ、リディアちゃん大丈夫?!」
陣内美緒「ダメなのだ…完全に黒こげなのだ………」
ジーナ・ハイングラム「リナちゃん……リディアちゃん、大丈夫なの?」
園部リナ「えっと―――多分大丈夫かと思います。リディアちゃんも何だかんだで逸脱人の一人ですから」
 
死にかけてる人間に対してえらい云い様である。
 
???「……全く、それが年上の人に対する言葉かしら?」
園部リナ「背後から有無を言わさずに雷の法術をおみまいする人の台詞じゃないと思いますよ里美さん」
 
不気味な笑みを漏らしつつ、リナ達の元へと歩み寄ってくる女性―――綾祇里美が毒付くとリナもすかさずそれにツッコむ。
だが、里美はそんな彼女たちの思惑など知る由もなく、自慢の胸を縦横斜め縦横無尽に揺らしながらゆっくりと湯船に浸かる。
―――ついでに言うと彼女、バスタオルの類は一切身に纏っていない。完全なスッポンポンである。
 
高町美由希「……何でタオル巻かないんですか?」
綾祇里美「温泉にタオル巻いてはいるのは邪道だからよ。
―――たとえ公衆のマナーっていうポイントがあるとしても女のみのこの場所でそんなルール野暮だと思わない?
鳳蓮飛「それ里美さんだけのルールや思うんですが……」
神崎那美「とりあえず、隣が男湯だって事を考えて言える台詞じゃないですね……恥ずかしくないんですか?」
綾祇里美「子供一人生んだ母親ですから!」
高町なのは「……素っ裸で仁王立ちしないでください。―――目のやり場に困ります」
 
堂々と浴槽の中で仁王立ちする里美の裸にどうしたらいいものかと対応に困る若年層。
 
アリサ・バニングス「…まぁ、里美さんのぼやきはともかくとして―――スタイルはもの凄くいいってのは認める」
月村すずか「リンディさんや桃子さんも相当凄いと思うけど―――」
 
何気ないすずかのほめ言葉に表情が緩むリンディと桃子。
 
アリサ・バニングス「里美さんの場合、性格も相まってかリンディさん達が“キレイ”とするなら里美さんの方は“エロい”と言った所かしら」
 
瞬間、里美の表情がぴしりと固まった。
 
城島晶「あ、それ俺も同感。―――もっと言うなら“全年齢”vs“18禁”かな?」
月村忍「その程度じゃ生ぬるいわよ。端的な表現をするなら“卑猥”よ“卑猥”
綾祇里美「次、黒焦げになりたいの誰?」
 
自身の右手に“力”をこめ、威嚇する里美のプレッシャーに黙り込む一同。
 
園部リナ「……里美さん、なりふり構わずに脅さないで下さいよ。皆さん萎縮しちゃってるじゃないですか」
綾祇里美「ヒ…ヒドイわっ! リナちゃんもわたしみたいなおばさんよりも、やっぱり自分と同じ
若くてピチピチな娘達の味方に付くのねっ!!?
高町なのは「ピ、ピチピチって……」
園部リナ「と、とりあえず落ち着いてください里美さん!
―――そりゃ忍さん達に比べるとリンディさんや桃子さんと同様に歳に負けて
胸とお尻が重力に逆らえずにやや垂れちゃってますけど

だからといって無差別に脅しかかるのもどうかと思い……ま………す…………」
 
リナの悪気のない、それでいてスラッと口を滑らせて漏れてしまった一言と共に、里美…いや、彼女だけではない。
リンディや非戦闘員のはずの桃子まで体中から“ドス黒いオーラ”を放ち、あらゆる存在を威圧する。
 
園部リナ「………………ガクガクブルブル(゚д゚;)」
 
 
――――――所変わって男湯ビジョン――――――
 
『アイン・ソフ・オウルッ!!!!』
『みぎぃやぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!』
 
女湯から轟く必殺技的シャウトと、なんとも情けない断末魔が響き渡り、男湯の湯船に浸かりながら少年―――早乙女実は
身内のしでかした失態に深いため息をついた。
 
早乙女実「女湯のやつらは一体何がしたいんだ……」
ユーノ・スクライア「賑やかでいいじゃないですか。ボクはこういう雰囲気、好きですけど?」
早乙女実「さすがに限度ってモノがあるだろ…。それに、俺は静かな雰囲気が好きなんでね」
柾木ジュンイチ「それでさっきから湯船の端っこで一人黙り込んでたんだな…。少しはグループの輪に入る努力をしろよ、協調性のないヤツ」
早乙女実「性分でね。悪く思ったのなら詫びよう――――ってそれより…2人ともよく生きてられるな
 
とりあえず自分に話しかけてきたユーノとジュンイチの現状を分析し、冷静にツッコむ。
何故かというと―――ユーノ、ジュンイチ共に首が曲がっちゃいけない方向にコッキリと曲がっているからだ。
 
柾木ジュンイチ「―――悲しい話だが、この程度でいちいち死んでたらジーナ達のオシオキにはとてもじゃないが耐えられん」
ユーノ・スクライア「それに―――オシオキといえど、恭也さんやっぱり手加減してくれてるみたいですし」
 
現在の女湯…程ではないが、恭也の周りも女湯と同じような”ドス黒いオーラ”が立ちこめている。
 
高町恭也「とりあえず、次は無いと思うように」
柾木ジュンイチ「―――善処します」
クロノ・ハラオウン「それはそうと……治さなくていいんですか? アレ」
赤坂剛「……………………………」←アレ
早乙女実「構わん。―――治したらまた”覗き”に走るからなあのアホは」
高町士郎「だがしかし、流石にあの姿は見るに耐えないぞ」
 
士郎が呟くのも無理はない。何せついさっきまで痛みに悶え苦しんでいたのに、
だんだん動きが鈍くなってきて、そしてついには停止してしまったのだから。
 
柾木ジュンイチ「せっかくの温泉旅行で仏さんと遭遇―――なんて思いで笑えねぇな」
早乙女実「………違いない」
 
もの凄く納得できた。
 
早乙女実「おい、剛…いい加減目を覚ませ。丈夫なのが取り柄のお前がこの程度で死んでどうする」
赤坂剛「………んあ?」
ユーノ・スクライア「あ、起きた」
赤坂剛「――――――くぅ
早乙女実「ありきたりのボケをかますなぁぁぁぁっ!!」
 
一度は目を覚ましたものの、2度寝をかます剛に実は力の限りで叫び、彼を叩き起こした。
 
赤坂剛「……カンベンしてくれや。リナに焼かれた分の回復、まだ終わってへんのに」
早乙女実「回復程度で何をもたつく必要がある? いいからさっさと起きろ」
赤坂剛「へーへ、わぁったよ……」
高町恭也「酷く眠そうだな…。まぁこのまま放っといてそのまま仏さんにするよりは遙かにマシか」
 
恭也の言うとおり、剛の目の焦点は全くあっておらず酷く虚ろだった。
……が、それでも剛は眠い目を擦り、無理矢理に脳を起床させると目を輝かせて尋ねる。
 
赤坂剛「そーいえば、あれから女湯の方はどないなったん? 何か紫色の展開とかあった?」
柾木ジュンイチ「そんな展開あるわけねーだろ、あのメンツで」
早乙女実「強いて挙げるならば―――リナの暴言で里美さんがキレた
赤坂剛「……何もなかったら無かったの一言でええっちゅうねん」
 
返ってきたのはジュンイチと実の毒づいた一言だった。案の定その毒づきをまともに受けた剛は酷くうなだれたが。と――――――
 
高町なのは『……まぁアリサちゃんじゃないですけど、リナさんやジーナさん達、みんな総じてスタイルが良いですよね』
フェイト・テスタロッサ『何か、秘訣とか……あるんですか?』
ジーナ・ハイングラム『う〜ん……私は、特にこれといって心がけてる事はないけど―――リナさんは?』
園部リナ『私も同じくですね。気が付いたら自然とこーなってたという感じかなぁ』
リディア・ティルヴェット『それはあたしに対する宣戦布告ととらえていいのかしら?』
 
何か女湯の方から非常に理不尽なツッコミが響いてきた。
 
綾祇里美『やっぱアレでしょ。好きな人に触られたり揉まれたりするとイロイロおっきくなるってヤツ』
 
瞬間、男性陣一同の視線がジュンイチに向いた。
 
柾木ジュンイチ「な…なんだよみんな?」
高町恭也「まさかジュンイチ………君ってヤツは」
クロノ・ハラオウン「身振り素振りでカモフラージュしている裏ではそんな事を……」
ユーノ・スクライア「口ではあーだこーだ言いつつも結局は……」
赤坂剛「それで―――ジーナちゃんのムネ、どないやった?
 
(一部を除いて)ほぼ全員のジュンイチを見る目が軽蔑の眼差しに変わり、同時にジュンイチは絶叫する。
 
柾木ジュンイチ「そんな恐ろしいマネできるかあぁぁぁっ!!」
高町恭也「何だ、してないのか」
柾木ジュンイチ「その前に……俺とジーナはそーゆー関係じゃ全く持ってないッスから!!」
クロノ・ハラオウン「………………」
ユーノ・スクライア「………………」
柾木ジュンイチ「な、何だよ二人共?」
クロノ&ユーノ『いえ、別に』
 
女のコとの絡みを目撃された際、どうしてジーナ達からのオシオキを食らうのか?
普通に恋愛感情に聡い人間なら容易に納得のいく問題だが、そこら辺のニブさに関しても人間やめてるジュンイチにとっては全く理解できないモノだった。
ちなみに同時にハモった後で、これまた同時にジーナに胸中で同情したユーノとクロノだったが、どうせ言ったところで絶対理解できそうも無いから黙っておく事にした。
 
柾木ジュンイチ「―――ってそのリクツでいくと忍さんや美由希ちゃんはどーなるんだよお前等?!」
クロノ・ハラオウン「いや―――あの二人に関しては……(チラリ)」
ユーノ・スクライア「言わずとも…ねぇ(チラリ)」
高町恭也「何で俺の方を見る?」
 
もの凄く納得できる反応と答えだった。
 
フェイト・テスタロッサ『そ、そーなんですか?』
高町桃子『さ、さてね〜〜………』
リンディ・ハラオウン『私は―――最初からこんな感じだったから何とも言えないけど……』
綾祇里美『何だったら試してみる?
一同『ゑ?!』
 
 
 
綾祇里美『ん〜と…それじゃなのちゃんとフェイちゃん、逝ってみよ―――♪』
城島晶『当て字危険&思いっきり同性です、里美さんっ!!』
柾木ジュンイチ「そして幼気な小学3年生に何やらせようとしてんスか?!」
 
男湯・女湯双方からツッコミの声が上がるが、里美のボルテージ既にMAX寸前。ついでに当事者2名のボルテージもMAX寸前。
 
綾祇里美『いや〜、だって二人共まだ小学生だからさすがに異性と絡むとコードに引っ掛かるじゃない?』
高町恭也「―――同性愛も十分マズいと思うんですが?」
月村忍『違うわ恭也。この場合同性愛とは言わないの……こういうのは”百合”っていうのよ! ”百”に”合”と書いて”百合”っ!!
高町恭也「ゆ、百合?!」
 
里美の一言に触発され、既に真っ赤になっている当事者2名を指さして力説する月村忍さん御歳19歳。―――どうでもいいが男湯女湯をしきってる壁の存在を無視してボケ&ツッコミしてないかこの人達……。
 
ジュンイチ「つーか止めなさいよ年長組っ!!」
高町美由希『………イイかも♪』
園部リナ『いやいやいや!! ちっとも良くないですからっ!!』
柾木ジュンイチ「ユーノ!! クロノ!! っとそれから実っ!!! お前等も黙ってないで何とか言え……」
 
言いつつジュンイチが振り向くと―――三人共鼻血をダラダラと流しながらその場に崩れ落ちていた。
 
柾木ジュンイチ「だ――――――っ、この純情ボーイズがぁぁっ!!」
赤坂剛「あ―――説明すんの忘れとったけど、実の女性免疫…ほぼ皆無やから」
柾木ジュンイチ「つーかお前も止めろよ剛っ!!」
赤坂剛「フッ……甘いわジュンイチ。俺としてはこーゆー展開、むしろ望むところ!!
柾木ジュンイチ「だーっもういいっ!! お前なんぞに期待したオレがバカだったっ!!!」
 
笑顔で親指を突っ立ててOKサインを出し、ジュンイチの問いに答える剛だったが、この場を収拾する気は皆無らしくジュンイチによって一蹴された。と……恭也の周囲に再び”感じ覚えのあるオーラ”が立ちこめる。
 
高町恭也「―――鼻血を出すって事は……想像したという事だな?」
柾木ジュンイチ「あー恭也さんっ! 死にかけの人間にオシオキ2ndかましたらダメッス!!
 
男湯・女湯ともに修羅場確定。
 
フェイト・テスタロッサ『な……なのは………(赤面)』
高町なのは『だ……大丈夫だよフェイトちゃん………痛くしないから(照)』
綾祇里美『そーよ♪ 分かんなくなったらいつでもおばさんに聞きなさい……手取り足取り、教えて、ア・ゲ・ル………(はぁと)』
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
………(;´Д`)ハァハァ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
柾木ジュンイチ「っていつまで百合っとんじゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!」
 
 
ちゅどかぁぁぁぁんっ!!
 
 
 
―――数分後―――
 
ジュンイチの全力全開のツッコミによって二人の百合キャラの絡みは強制停止。ついでに周囲にいた(首謀者含む)
無関係な女性をも黒焦げにした―――まではまぁ良いのだが一緒に水道管まで破壊。
―――温泉の泉源と汲み上げポンプまで破壊されなかったのが不幸中の幸いだったが、お陰で女将さんに
こっぴどく絞られてジュンイチの気力は一気に50に低下。
………一方、風呂からあがってきた若干名は気力300だったのには男性陣びっくし。
よく見たら何か緑色のオーラが立ちこめてるし。
 
高町なのは「はわぁ〜…なんか温泉に長く浸かってたせいか、ちょっとのぼせたかも……」
フェイト・テスタロッサ「のぼせたっていうよりは―――何か、体が火照って…あつい」
柾木ジュンイチ「十中百九温泉のせいじゃないぞソレは」
 
二人の周囲から放たれる”苺の匂い”に圧倒されつつも、しっかりツッコむジュンイチ。
―――何はともあれ、あの数分の間になのは達が何をしていたのかについては賢明な読者諸君は察して下さい。てーか察しろ。
 
綾祇里美「いや〜堪能したわ〜♪ たまには『すとろべりぃ』な空気も悪くないわね」
柾木ジュンイチ「とうっ!!」
 
たんっ―――
バキッ!!
 
柾木ジュンイチ「小学生に何やらせてんスか、この淫乱中年主婦!!!」
綾祇里美「あら意外ね。男の子だったらああいう展開はむしろ大歓迎じゃなかった?」
クロノ・ハラオウン「とりあえず………対象者の歳を考えて下さいよ」
ユーノ・スクライア「そうですよ。壊小説だからいいものの、ヘタしたらこの小説即刻削除の対象ですよ
 
里美と若干名の暴走が原因で本日一番の被害を被った人間代表として、クロノとユーノがツッコむ。
―――とりあえず、普通につっこんでいるように見えるが二人共顔中血だらけ。
 
高町なのは「きゃあっ!! ユーノ君、クロノ君っ! どうしたのそのケガ?!」
クロノ・ハラオウン「いや……これは、その―――」
ユーノ・スクライア「気絶から回復した直後に恭也さんから”薙旋”でオシオキされた」
高町なのは「薙っ?! お兄ちゃん、何してるの―――!!」
 
真剣な眼差しで兄を問いただすなのはだが、恭也も…そしてオシオキを受けたユーノもクロノも
オシオキの理由が理由な為、どうにも答えられずにいた。
 
 
 
―――そんなこんなで夕食―――
 
アルフ「そういや晩メシは大丈夫なのかい? ジュンイチのツッコミのせいで水が出ないんだろ?」
園部リナ「……アルフさん、あまり追い打ちをかけない方が」
エイミィ・リミエッタ「その点なら心配いらないよ。料理だけは水が止まる前に出来上がったらしいからね」
アルフ「肉あるかなぁ…骨付きのでっかいヤツ♪」
 
ジュルリと流れ落ちる涎を手の甲で拭い、夕食のメニューに期待するアルフ。……彼女の場合、色気よ
り食い気といった言葉がよく似合う―――などと口が裂けても云えない。
 
月村すずか「お肉はないかもしれないけど……替わりに『フグ』が出るかもしれないですよ?」
柾木あずさ「うっそ?! マジで!?」
アルフ「―――フグって、何だい?」
園部リナ「鯛と同格、若しくはそれ以上の高級魚で刺身ではコリコリした食感がウリの白身魚ですよ。
――――今は、旬からは外れてるから……冷凍物かと思いますけど」
 
すずかの一言でミッド出身のメンバーを除いて賑わう一同。その一方で先述のメンバーはどんな食材なのか分からず”?”マークを連呼してたが、
リナの解説もあってか何とかイメージの補完はできたらしい。……流石に捌く前の姿と
史上最強の毒保有の事実を目の当たりにしたら正直面食らうと思われるが。
 
アリサ・バニングス「何だつまんないの―――どうせなら冬に来た方が良かったんじゃない?」
久遠「くおん……も、ふぐ、たべたい」
ライカ・グラン・光鳳院「久遠ちゃんもこう言ってるし、この際ゼータクは言ってらんないと思うわよ。
あたし等みたいな一般人は滅多に食べられないんだし」
高町美由希「……それ、ライカちゃんのセリフじゃないと思う」
 
―――忘れちゃならないが、現在ここにいる6割近くの女性は良家出身である。
などと談笑しつつ、用意された宴会場に到着。そこには―――――
 
綾祇里美「ぷっはぁ〜〜っ! 17杯目っ!!」
レティ・ロウラン「ぐ…う、じゅ、16杯目………」
赤坂剛「あぐぁ……13杯目ぇ(゚д゚;)」
綾祇里美「ふふふ……二人共やるじゃない。このわたしにしっかりついてくるなんて♪」
 
 
―――――呑み比べしてた。
ちなみに二人が呑んでるのはテキーラ。外国産のキッツいお酒である。
なお、読者の方々は既にお気付きだろうと思われるがこの場に絶対居ちゃいけないヤツが居たりする。
 
神咲那美「ちょ、何してるんですかお二人とも?!」
アルフ「ってーか、レティ提督いつの間にこっちに来たんだい?」
レティ・ロウラン「ん〜〜〜……ついさっき。んで、軽く一杯やろうと思ったら里美がしょーぶふっかけて来てさぁ」
赤坂剛「勢いで便乗したはええけど………あかん、俺そろそろダメっぽい」
園部リナ「一番いちゃいけない男の子が自分から自爆してたら世話無いわね」
 
人それを、『自業自得』もしくは『身から出たサビ』と言う。
 
高町美由希「うっわ〜お酒臭いなぁ………」
アリサ・バニングス「レティさん、大丈夫ですか?」
レティ・ロウラン「――――あんまり…大丈夫じゃな………うぉえっ!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
そのまましばらくお待ち下さい...。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
リンディ・ハラオウン「底なしのレティをここまで沈ませるなんて……発言だけじゃなくて酒グセの方も要注意ね、里美は」
綾祇里美「あら、失礼しちゃうわ。こんなんみたいなモンでしょ?」
リディア・ティルヴェット「逸脱人にそんな事言われたくないわよ」
 
コップに並々と注ぎ、まだテキーラを食前酒代わりにぐびっと呑み干す里美にリディアが毒づく。
ちなみにレティがリバースした物体は、ライカが再構成(リメイク)で水と二酸化炭素に分解し、
何とか女将さんからの2度目のお叱りを受ける事はなかった。
 
柾木ジュンイチ「ったく…これなら大人達も酒類無しで進めた方が良いかもな」
綾祇里美「ゑっ?! ちょ、そんなんカンベンしてよぉジュン君〜!!」
柾木ジュンイチ「誰が『ジュン君』ですかっ!! っつーか一番の原因作った女性(ひと)が何ゼータクこいてんすか?!」
綾祇里美「うわぁんっ! 実君お願いっ、可愛想なおばさんをフォローしてぇっ!!」
早乙女実「お断りさせて頂きます」
綾祇里美「早ッ!!」
 
滝のように目からウルウルと涙を流しつつ、実に泣き寝入りする里美だったがあっさりと拒否られた。
直後、本日まだ酒を一滴も飲んでいない高町夫妻とようやく復活した青木達から一斉に白い目で見られる里美。
 
綾祇里美「えうぅ……リナちゃーん! なのちゃん、フェイちゃーん!! お願い、おばさんを慰めてぇ〜(T_T)」
園部リナ「剛君と同じく自業自得ですよ里美さん」
高町なのは「えっと……さすがにわたし達では決定を覆すのは難しいです」
フェイト・テスタロッサ「大丈夫ですよ里美さん。お酒飲めなくてもきっと楽しいですよ」
 
孤立無援。
 
という訳で、自爆の結果気力が300から50にガタ落ちした里美を放置して、皆それぞれの席に着く。
………本来なら一緒のグループじゃないはずのリナ達までちゃっかり同席してるが。
ちなみに席順は左から次の順に並んでいる。
 
恭也→なのは→忍→晶→美由希→レン→那美(+久遠)→アリサ→すずか→フェイト→ユーノ→クロノ
→アルフ→リンディ→エイミィ→美緒→ジュンイチ→ジーナ→あずさ→ライカ→青木
→リナ→剛→実→リディア→里美
 
柾木ジュンイチ「どっかで聞いた事のある席順だな」
ライカ・グラン・光鳳院「どーでもいいけどさっさと座わんなさいよジュンイチ。
こちとら目の前のフグ料理おあずけ食ってる状態でウズウズしてんだから」
柾木ジュンイチ「…………………」
 
一瞬ライカへの殺意を覚えた。
……まぁ無意識でのツッコミだったので、この程度でいちいち殺意を抱いていてはキリがないとジュンイチは自分に言い聞かせ、納得する。
そして、台上に美由希とエイミィの仕切組(幹事)が上がり、一同に挨拶する。
 
エイミィ・リミエッタ「それでは皆さんっ! おっ待たせしました〜〜♪ 毎度おなじみ、時空管理局執務官補佐のエイミィちゃんと――――」
高町美由希「なのはの姉をしてます、高町美由希の仲良しコンビでーす♪」
赤坂剛「―――あの二人、仲良しさんやったんか?」
アルフ「んまぁ…なのはとフェイトが仲良しだからさ、その絡みであの二人も仲良しになったみたいだよ」
 
そんな中、楽しそうに台上で司会進行を行う二人の姿を、(原作での)美由希の友人・那美が羨ましそうな眼差しで見つめていたとかいなかったとか。
 
エイミィ・リミエッタ「それではっ、今回偶然とは言え親睦を深める事になりました方々にも参加して頂きましてっ!!」
高町美由希「みんなで仲良く飲んで食べて大いに盛り上がっちゃいましょ〜〜♪」
 
挨拶が終わると同時に拍手と歓声が上がり、一斉に盛り上がり始める一同。
そんな中、見慣れぬメンツの中でどう盛り上がればよいのか分からず、しどろもどろなヤツらの姿が。
 
園部リナ「――――えっと...私達、ほんとに同席して良かったの……かな?」
柾木ジュンイチ「元々大所帯だったんだ。今更4・5人増えたところで対して変わんねーよ」
高町なのは「それに、せっかくお友達になれたんですし、みんなで一緒にいた方が楽しいですよ」
 
不安そうに尋ねるリナに対し、ジュンイチ・なのは共にそれぞれの言葉でフォローする。
 
赤坂剛「まぁアレや。俺としちゃなのはちゃん達みたいなカワエエ娘等と知り合えてホンマにラッキーやがな!!」
高町なのは「えっと―――その(照)」
赤坂剛「今から知り合いになっとけば、二人が性徴してからすぐさま――――グフフ”がすっ!”ぅ痛ッ?
早乙女実「子供相手に欲情するなこのエロガッパ。褒めるなら普通に褒めて終わっておけ」
赤坂剛「褒めとるわぃっ!!なのはちゃんとフェイトちゃんのしょーらいのムチムチボディを!
早乙女実「そこが既に大問題だと言っている」
 
なのはやジュンイチ達の存在を完全に無視し、ボケとツッコミの世界に突入二人を前に、あっけにとられる一同。
 
園部リナ「――――すいません、うるさくって……」
ライカ・グラン・光閤院「あの二人はいつもあんな感じなの?」
園部リナ「恥ずかしながら………あ、そういえば私達ちゃんとした自己紹介してませんでしたね」
柾木ジュンイチ「そういやそーだな。人となりは何となく風呂で察する事が出来たが、肝心の”力”の説明をまだ受けてない」
 
直後、リナの表情が強ばる。ついさっきまで見せていた少女としての顔は既にそこにはなく、
瘴魔に立ち向かうときのジュンイチ達のそれと同質のモノだった。
二人の間に訪れた静寂を前に、どうすればいいのかオロオロするなのは達。
 
高町なのは「えっと…その……っ!」
フェイト・テスタロッサ「ジュンイチさんっ! …リナさん…!!」
リディア・ティルヴェット「あ―――…ゴメン。リナ、ちょっとばかり”力”の事に触れられるの慣れてないからさ。代わりにあたしが説明するわね」
アリサ・バニングス「えっと――――いいんですか? リディアさんはそーゆーの気にしてたりとかは…」
リディア・ティルヴェット「何いってんの。覚醒したのはあたし達全員つい最近だけど、この”力”のお陰で今まで命拾いしてきたんだから。
あたしは感謝こそすれ、恨んだ事はナイわよ?」
 
意外にすっぱりと答えた。
 
リディア・ティルヴェット「んまぁ堅苦しい会話はこのくらいにして…改めて自己紹介するわね。この子は園部リナ。
属性は――――プラズマ系エネルギーを基本とした”炎”属性の能力者よ」
柾木ジュンイチ「ん? じゃあお前も炎使いなのか?」
園部リナ「えっ………って事は、ジュンイチさんも?!」
 
リディアの紹介と共に、互いに目をキョトンと丸くするジュンイチとリナ。先程の張りつめた空気がウソのように張れていく。
 
リディア・ティルヴェット「んで、あたしは”木”属性の能力者――――リディア・ティルヴェット。そこにいる早乙女実くんの恋人で―――――――っす♪
早乙女実「そーゆー事をデカイ声で言うな、恥ずかしいっ!!」
 
若干のろけ気味にリディアが実の紹介をすると同時に周囲の物好き達がはやし立て始めた。
 
月村忍「ねーねー、二人はキスとかもうした?」
早乙女実「ゑっ?!……それは…その………」
リディア・ティルヴェット「そりゃもうしましたよ〜〜♪ それはもう濃厚なヤ・ツ・を――――きゃ
早乙女実「いらん事を言うな貴様はっ!! ―――コホンッ! 話が逸れたが、自己紹介する。早乙女実
――――”水”を初めとする液体を操る能力者だ」
城島晶「あ、話逸らした」
早乙女実「逸らしたのはお前等だらうにっ!!」
高町なのは「ま、まぁまぁ実さん」
 
どんどん伝染する実への質問攻め――――だが、一つの疑問が浮かぶ。その問題について、代表してユーノが尋ねる。
 
ユーノ・スクライア「あれ? ――――確か実さんって女性の色香に対する免疫ってゼロじゃありませんでしたっけ?」
赤坂剛「あ――――それはアレや」
一同『――――?』
赤坂剛「リディアの色香は実がギリギリ許容できるボーダーラインやっちゅうこっちゃ」
一同『あぁ、なるほど』
リディア・ティルヴェット「納得するなぁぁぁぁぁぁっ!!!」
 
またも性徴ネタでいびられ、絶叫するリディア。もはや慣れた反応だ。
 
赤坂剛「んでもって次が俺様! 赤坂剛!! ”風”属性の能力者で人並み外れたタフさがウリの伊達男!!」
柾木ジュンイチ「エロ男の間違いじゃねー?」
赤坂剛「聞こえない聞こえな――――い」
 
ジュンイチからの冷ややかなツッコミを「聞か猿」状態でシャットアウトする剛。
 
園部リナ「んで――――最後になりましたがあそこでしめじの苗床のなっちゃってるのが綾祇里美さん。霊媒師『綾祇家』出身の霊能力者です」
神咲那美「『綾祇家』……あまり聞いた事のない名前ですね」
リディア・ティルヴェット(立ち直った)「そりゃそーでしょ。あんた達”神咲”の人間を”表”とするなら―――里美の一族は”裏”の中の”裏”。
…つまり歴史の表舞台には殆ど出てきてない一族なのよ」
青木啓二「――――あれ? オレら、那美ちゃん家の事、リディアちゃん達に話したっけか?」
リディア・ティルヴェット「聞いてもないし話して貰ってもないわよ。この一件は里美から聞いたんだから」
高町なのは「えっ…里美さん、那美さんの家の事ご存じだったんですか?」
綾祇里美「――――ん…まぁね。那美ちゃんの実家はわたしン家にとっても雲の上の存在だったしぃ……」
 
未だに凹み状態である里美が低いトーンでなのは達の問いに答えると、意外そうな表情を浮かべる一同。
 
鳳蓮飛「はわぁ――――見かけはただのおバカさんな女性(ひと)かと思いきや、ごっつ凄い人やったんですね〜〜…」
綾祇里美「ケンカ売ってる?」
高町美由希「いや…だって……ねぇ?」
神咲那美「浴場での絡みを考えると……さすがに」
エイミィ・リミエッタ「とりあえず、シリアスとギャグのギャップが激しすぎるかな――――っと」
綾祇里美「仕事とプライベートの切り替えはきっちり明確にしないとネッ♪」
ジーナ・ハイングラム「何か違う気がします」
 
とりあえず一通り自己紹介が終わったので、更に盛り上がったジュンイチ達は本日のメインディッシュであるフグ料理に箸をのばす。
 
アリサ・バニングス「――――んーっ!! おいひぃ〜〜っ!!」
アルフ「ちょっと物足りないけど…まぁ結構イケるじゃん、このサカナ」
フェイト・テスタロッサ「フグだってば…アルフ」
園部リナ「あ、そうだ……忘れるところだった。――――はい、なのはちゃん、フェイトちゃん。プレゼント♪」
高町なのは「えっ………と、あ、ありがとうございま、す?」
フェイト・テスタロッサ「えっと――――何のプレゼントなんです、コレ?」
園部リナ「えとね…なんかうちの筆者(takku)さんが二人に『2位オメデトウ!! って伝えてコレ渡してくれ』って言ってきたの」
柾木ジュンイチ「捨てちまえそんなモン」
 
有無を言わさず、二人のプレゼントをつかみ取ってポイ捨ての体勢をとるジュンイチ。
 
高町なのは「え…っと……とりあえず中身も確認しないままポイはさすがに拙いかと」
フェイト・テスタロッサ「そもそもポイ捨て自体問題がある行為だと思うんですが――――」
柾木ジュンイチ「……見て公開すんなよ?」
 
言ってプレゼントの包み紙を破り捨て、箱を開けるジュンイチ。その箱の中身とは――――?
 
なのは&フェイト『…………………………(゚д゚;A)』
 
伝説の戦士の変身コスチューム(Max.Ver)が黒と白両方入ってた。
 
…………………
 
 
 
プレゼントはジュンイチとリナの手によって焼却された。
 
 
 
柾木ジュンイチ「言った通りだろ?」
高町なのは「…さすがに、コメントに困りますよね、アレは………」
フェイト・テスタロッサ「ジュンイチさん、よく分かりましたね――――」
柾木あずさ「一応4度目だから。筆者(takku)さんの理不尽なギャグに付き合わされるの」
 
自分達に用意されたフグ料理をつまみつつ、未だにメラメラと燃え続けるコスチュームに対するコメントを述べるジュンイチ達。
さすがに4度目の執筆被害に遭うとコメントも慣れたモノだ。あずさが手慣れた感じで毒付くと、ジュンイチは気付いた。
さっきまでガヤガヤと騒いでいた他のメンバーがやけに大人しい――――
よく見ると全員白い泡を吹いて意識を手放しかけていた。しかも痙攣付きで。
 
柾木ジュンイチ「なっ?! ど、どうしたんだよみんな―――――――ってあぁっ!! なのは! フェイト!! あずさ、ジーナ、リナ、アルフ!!!」
 
まさにBGMが『BEATING WITH PERIL』もしくは『MAKE HASTE SLOWLY!』にでも変わったかのような勢いで、
ジュンイチの周りにいたなのは達も同様の症状に――――これは、もしかして………
 
赤坂剛「――――フグ毒にあたったか」
柾木ジュンイチ「そのようだな――――」
 
間――――――――。
 
…………………………
……………
………
……
 
 
剛&ジュンイチ『何でお前平気なんだよ(やねんっ)!!?』
 
互いに互いの人外っぷりをツッコむジュンイチと剛。と、突如宴会場のふすまがすらりと開き、二人の女性が仁王立ちして構えていた。
                     
触覚のはえた外人女性「天知る地知る…人が知る! この世にファンが居続ける限り、力の限り歌い続けますっ!!!」
関西風な女性「ぴちぴちヴォイスで――――私らの歌聞け――――――――!!」
フィアッセ・クリステラ「皆さん、おまっとさんですっ! フィアッセ・クリステラと椎名ゆうひ、只今到着しました――――…って、あれ?」
 
柾木ジュンイチ「………………」
赤坂剛「………………」
 
周囲を見渡し、一言呟く。
 
フィアッセ&ゆうひ『殺人事件?』
ジュンイチ&剛『違っが――――――――――――うっ!!!』
 
 
 
 
続くよ...
 
 
 
 
あとがき
 
どうも、前回に引き続き「なのブレ」にてはっちゃけさせて頂きました筆者のtakkuです。
前に書いた一日目でなのはちゃんとフェイトちゃんのちちくり合いを(執筆時間の都合上)書けなかったのと(←ウソつけ)、
モリビトさんの承認が頂けたのでウチのバカ主婦、里美と一緒に(;´Д`)ハァハァ してもらいました。
あ、一応補足しておきますが里美…登場作であるFGBRでもあんなんです。
そしてそんな展開を平気で書く私も終わってますorz
 
――――あれ? 耕介さんやリスティさん達はドコイッタ?!

 


管理人感想

 takkuさんからいただきました!
 いやー、今回もまたまたオイシイ話を。
 桃色な空気については言えることはひとつだけ。
 ……自分にゃ刺激が強すぎましたわ(爆笑)。

 ってゆーか、前回「オシオキ決定だろうなぁ」とか書いたら、ホントにオシオキされとるやん、ジュンイチ&ユーノ(笑)。

 そして、最後に一言。

>そしてそんな展開を平気で書く私も終わってますorz
 ご心配なく。
 終わってるのはオレもですよtakkuさんっ!(笑)