Fortune Breaker
〜アルチェとファイの大冒険〜
(ウソ)予告編
あの日あの時………
ジュンイチが触れた青い結晶体によって放たれた光は
ブレイカーベースすべてを包み込み────
近くでスカイホークに搭乗して待機していた彼女……
ファイ・エアルソウルも例外ではなく────
閃光の彼方へ、その身と共に意識も沈んでいった。
そして再びその目を見開いた時には………
「なんじゃこりゃぁぁぁぁっ!!」
空跳ぶウサギ(?)へと姿を変えて、見知らぬ少女2人の前と対面していた。
「わぁぁぁっ、一体どうしたの!?
何か、突然叫びだしたんだけどこの子!」
「あ、あのー……と、とりあえず落ち着いて………」
『そうでヒュ! ボクの体を勝手に使って叫ばないでくだヒャい!!』
「しかも頭の中から声が聞こえるぅぅぅっ!!」
結局、ファイが落ち着いたのはそんなやりとりから数分後……
少女達が差し出したお菓子で何とか落ち着いた次第であった。
「じゃあ、今あたしの精神は……」
『どうやら、何かの拍子にボクのからだと
一つになっちゃったみたいでヒュね』
「うにゅぅ……なんだか落ち着かないなぁ────
頭の中から声がする感覚って」
気がつけば自分の精神は風の精霊の体に融合し、
主人格である彼の精神はファイの裏に追いやられた様子。
だが………
「────よーし、こうなったら!」
身の丈と同じくらいの剣を背負った少女が拳を握りしめ
「私達でファイ達の体を元に戻してあげよう!!」
これ以上にないくらいの笑顔で、少女は意気揚々と宣言した。
しかし………
これがすべての、始まりであった。
「アルチェちゃん剣の腕前すごいねー。大人の剣士顔負けだよ〜」
「えへへ、そうでしょ♪ 昔警備隊(ガーディアン)だった
お父さんから教えてもらったんだよ!
だからホラ、スライムだってお茶の子さいさい♪」
『その代わりアルチェしゃん、スライムまみれになってるでヒュ』
家族、友達、そして自らの幸せを願い、
天真爛漫に生きる少女、アルチェ・プラムフィールド
………と、彼女が手に入れた精霊石から出てきたという
現在ファイに体を乗っ取られてる(自称)風の精霊《シフォン》
「アルチェちゃん、ファイちゃん大丈夫?!」
「たはは……ちょっと無茶しすぎちゃった」
「今回復してあげるからね……ヒールウォーター!!」
「ふみゃぁ〜〜効く効くぅ〜〜〜、
サナちゃんの魔法は効果抜群だね」
心優しき魔法少女。水属性の精霊石「エオラメスト」を手に
回復にサポートに大活躍────サナ・ポアネット
「全く、この程度のモンスターにてこずるなんて……
ミナサラティス魔法学校の生徒として恥ずかしいと思わないの?」
「とは言ってもねぇ……回復魔法がメインのサナちゃんと
剣術バカのアルチェちゃんの二人と完璧・魔砲少女な
ステラちゃんとを比べること自体お門違いな気がする」
「魔砲って言わないの!!」
「あとファイちゃん……地味にアルチェちゃんのこと貶してるよ?」
メイベルク家の一人娘にして類い希な才能を持つ美少女。
精霊石「ロイヤルスカーレッド」を手に
強力な攻撃魔砲を得意とする、ステラ・メイベルク
アルチェ達の住む国…スコティッシュホルムでは
生活にも、そして護身にも欠かせない精霊の力を秘めた『精霊石』────
それは300年前、この地で活躍した大魔法使い・ミナサラティスによって発明され
数多の魔法使いが愛用するに至った。
しかしアルチェが手に入れた精霊石……の精霊である
シフォンの体はファイに乗っ取られ、また、
そのシフォン自身も記憶の大半を失っていた。
失われた記憶を取り戻すため……
そしてファイを元に戻すため………
アルチェ達の冒険が幕を開ける!
「私のせいだ……私が────
無理矢理サナちゃんを冒険に連れて行ったから」
「アルチェちゃんだけのせいじゃないよ。
あたしだってこういうのには鋭いんだから
気付いてあげなきゃいけなかったのに」
『アルチェしゃん、ファイしゃん! らしくないでヒュ!!
落ち込むよりも行動でヒュ!“れっつ・あくしょん”でヒュよ!!』
「じょ、冗談じゃないわ! こんな片田舎まで足を伸ばしたのに……」
「────ステラちゃん?」
「なのに……温泉のお湯がないとはどういう事なのかしら!!
この私にいつまでも汗くさいままでいろと?!
冗談じゃないわ!!」
『……ステラしゃんは温泉好きなんでヒュかね?』
「………こうなったら意地でも原因を突き止めてみせるわ!
アルチェ、ファイ、手伝いなさい!!」
「そこであたし達に矛先が向く意味が分からなーい!!」
「ファイちゃんのそれ……魔法じゃ、ないよね?」
「あ、そういえばアルチェちゃん達にあたしの
『力』の事────まだ説明してなかったね。
シフォンに『憑依合体』してから使えるかどうかも
分からなかったし、すっかり忘れてた」
「忘れてどうするの、自分のコト。シフォンじゃあるまいし」
紡いでいく、4人(+一匹)の絆。
その中で異端となりつつあるファイの存在。
そして事態は動き出す。
最悪の
もっとも最低なタイミングで
「な、何このモンスター達!?」
「やっつけてもやっつけても何度も復活するよ!?」
新たな驚異に驚きを隠せないアルチェ達。
だがその一方で、ファイは
(な、何で?! どうしてこの世界で『瘴魔』が出てくるの!?)
3人とは異なる戦慄を覚えていた。
「っ! ソフィア先生! ハーネル先生!!」
「石化魔法(ブレイクスペル)……しかもただの魔法じゃない。
────ほんの僅かだけど『精霊力』が混じってる」
「それって、ファイちゃん達『ブレイカー』が使える“力”の事だよね?
それが何でソフィア先生達にかかった魔法から感じられるの?」
「………『精霊力』を“力”として使えるのはあたし達ブレイカーだけじゃない。
あたし達の敵である『瘴魔神将』も同じように『精霊力』を使うことができる」
見え隠れする、自分の世界の影。
そう。
スコティッシュホルムに『飛ばされた』のは
ファイ達ブレイカーズだけではなかった。
時同じくして、攻勢のチャンスを伺うため
一人府中市を散策していた水の瘴魔神将……
『幻水のザイン』もまた、スコティッシュホルムへと飛ばされ……
出会っていた。災いを呼ばんとしている『闇の魔女』の元へ
「セレーネ女史、こちらの仕込みは万端です。
あとは私の生み出した下級瘴魔達が彼女達を導いてくれますよ」
「そう……」
「なにやら不服そうですね?」
(どこの馬の骨か知らないけど……
こんな裏で何考えてるか分からない輩と連むことになるなんて────。
でも、私には目的がある。そっちが私を利用する気なら、
こっちも存分に利用させてもらうわ!)
「くうっ!!」
「さしもの天才少女達も、この物量の前では無力ですね────
どれ……いにしえの精霊石の力、私に譲ってもらいましょうか」
「だ……だめぇっ!!」
『ファイしゃん……どうするんでヒュか?!』
(何で……どうしてこんな時まであたしこんな姿なの?!
守らなきゃいけないのに────守らなきゃ──────!!)
「あたしの友達に、何しようと……
してんのよぉぉっ、この変態(サド)神将!!」
咆吼する時、目覚める力。
それは、偶然であり、必然。
『風』のブレイカー、ファイと『風の精霊』シフォンが一つになったのは────
「舞い踊れ風よ! 我が身を包み、力となれ────
融合・装重甲(ユニゾン・アップ)!!」
大切な……新たな友を、護るため!!
「アルチェちゃん、融合(ユニゾン)しよう!」
「へっ?」
「それがあたし……ううん、シフォンの本来の力。
それにあたしの力を合わせれば、ザインにだって絶対に負けない!!」
「言ってくれますね……女子供の悪あがきに私の策が破れるとでも?!」
「破ってみせる……あたしは────」
「救ってみせる……私は────」
「「護るんだ! 大切な人たちを!!」」
二人は力の限り咆吼し、唱える!
『風よ我が力となれ─────超融合(デュアル・ユニゾン)!!』
新たに紡がれる絆は力となり、冒険の風を呼び起こす。
Fortune Breaker
〜アルチェとファイの大冒険〜
いつか気が向けば、連載します(汗)。
−あとがき(という名の懺悔)−
ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイorz
自分でも分かっているんです……『TW』の執筆をさしおいてなにやってんだ、と。
でも……でもぉ………
ネタ神が降臨されたのですよ! 私に書けと命じたのですよ!!
だったら書くしかないではないですか!!!←大バカ
というわけで、当分『TW』の執筆再会のメドが立たぬまま、ウソ予告ネタ・その1を投下いたします。
今回はやや趣向を変えてCross Dimension(ファイちゃん編)と
今月18日にパッケージ版となって発売される元・同人ゲーム
『フォーチューンサモナーズ 〜アルチェの精霊石〜Deluxe』とのクロスウソ予告です。
同じ子供同士(殴)ということもあってファイちゃんが主人公となったのですが………
プロットの段階ではセレーネ戦でジュンイチ君やソニック達とも合流させる算段だったのです。
しかしジュンイチ君が出てきた時点でストーリーぶち壊しになる上、アルチェちゃん達純朴な子供達に悪影響を及ぼしかねなかったので辞退してもらいました(爆)。
まあ彼の場合、むしろそんなファイちゃん達を遠くから面白可笑しく見守ってることでしょうがw←新手のストーカーか
あとCross Dimensionシリーズでは『MS』を除いて唯一であろう神将の出番。
それもあのザイン。
そもそも“瘴魔神将”であって“魔法使い”ではないザインが何で属性の違う魔法を使っとんねんとかツッコミ所が満載。
まあ今回に限って言えば、『精霊石という未知の力を手に入れるために無理矢理呪文魔法を習得した』……というムチャ設定をねじ込んでやってます(汗)
結晶体の放った光に巻き込まれ、意識を失ったファイちゃんが再び目を醒ました時には何故かシフォンの体に乗り移っているという驚愕の事実。
そのままなし崩し的にシフォンの記憶とファイちゃんの体を元に戻すための手がかりを求めて冒険の旅に繰り出すアルチェちゃん達。
その一方で同じくスコティッシュホルムへと飛ばされていたザインと協同体勢を強いた『闇の魔女』ことセレーネ。
やや天然掛ったアルチェちゃん、臆病だけど健気なサナちゃん、完全無敵のツンデレステラちゃん+中盤やや影が薄くなるシフォン達に加わったブレイカーの面々。
果たして一同の運命や如何に?! ……てな感じで進んでいくと思われます。
元々このゲーム、サナちゃんの中の人繋がりで知ったのですが……
(↑DL版でサナちゃんの声を担当されてる草乃さちかさんはMBAでレイジングハートの声を当ててらっしゃいます)
プレイして早々システムやイラスト(←主にサナちゃんw)に一目惚れし、のめり込んでいきました。
通常の操作用COMとは全く異なる独自の人工知能『FOR−D System』や
レベル・所持金・アイテムの所持容量の上限を上げる『勇気の証』。
さらに、天下のスクエニが誇る某・国民的RPGゲームをも上回るAIへのコマンドの充実。
挿入される武田みかさんが描いたCGイラストが物語を、そして戦闘を大いに盛り上げます。
さらに驚くべきは……イラストを除いた全システムを4年弱とはいえたった一人で作り上げられた作者さんの技量。
プレイしてみれば分かると思いますが、今までにないRPGなので是非お手にすることをおすすめします!
追伸。
本SS内のシフォンはともかくとして、原作の彼は完全に淫獣確定です。
男の子人格のくせして何の躊躇いもなく普通にアルチェちゃん達と寝泊まりしたり温泉に一緒に入ったり………
ユーノ以上にいけないコ!!
管理人感想
takkuさんからいただきました!
うむむ、まさか『Cross Dimension』でネタ投稿が来るとは……
「そーいや未だに“ジュンイチ編”しかないんだよなー」とか思ったりもしますがそれはさておき。
トリップ+憑依という二次創作業界御用達要素の2段コンボによって風の精霊シフォンと同化してしまったファイ。
いろいろと苦労しそうですが……読者的には楽しければオッケイ。というワケで存分に苦労してもらいましょう(笑)。
>しかしジュンイチ君が出てきた時点でストーリーぶち壊しになる上、アルチェちゃん達純朴な子供達に悪影響を及ぼしかねなかったので辞退してもらいました(爆)。
うん。
何ひとつとして否定できないな(爆)。