8月3日 A.M.8:50 場所…海鳴市 高町家リビング
なのは達が高町家を出発してから数分後…同家に引き続き居残ることになったジーナは不安げな表情を浮かべながら
縁側に座り込み、日本茶をすすっていた。
と、そんな彼女の姿を発見した、洗濯物を両手で抱えた洗濯物のカタマリなのか、レンなんだか分からない風袋の物体がジーナに訪ねる。
「ほろ? ジーナさん、どないしたんです?」
「あ、レンちゃん………。どうもしないですよ? ちょっと空を眺めてただけですし」
「さいですか……、何やえらい沈んでるように見えたんですけど」
「え? 私そんな風に見えました?!」
「そりゃもう、見た感じはっきりと」
あっさり返される。
まぁそんな面持ちにさせている原因は、はっきりしていた。……なのは達と共に異世界へと旅立った
ジュンイチのことである。
「やっぱ、心配です? センセの事……」
「─────まぁ何だかんだ言っても私達ブレイカーズのリーダーですし。信用してないわけではないですけど、やっぱり、ね」
「お気持ち、察します」
再び表情を暗くするジーナの気持ちを汲み、同意するレン。
ぶっきらぼうで他人の心情なんて一切気にも留めない傍若無人な彼だが、何だかんだ言っても慕われている─────
そんなことを思うと、同じ『帰りを待つ者』として何となく同調する部分があったのだ。
だが、ジーナの懸念はそれとは別にもう一つ……一番大きな部分にあった。
「ジュンイチさん────向こうの世界でも無意識に(ラブコメ)フラグを立ててないか心配で心配で」
「………………そっちもですか」
─────とことん色恋沙汰に関しては信用されてないジュンイチだった。
ごく最近まで、平凡な小学3年生だったわたし『高町なのは』に訪れた小さな事件……。
未知の世界での新たなる出会い。
真っ直ぐな気持ちは、誰もが持つ未来への希望。
太陽は進むべき”将来”を照らす天の恵み。
出会ったその人は、そんな魅力を持つ素敵な女性。
今、運命の扉が開く─────
魔法少女リリカルなのはvs勇者精霊伝ブレイカー×英雄伝説 空の軌跡SCクロス小説
Triangle World 〜空を翔る英雄達〜 始まります。
第2話「紡ぐ絆、忍び寄る影」
8月3日 A.M.10:21 場所…リベール王国 メーヴェ海道南側
「とりあえずそちらさんも名乗り上げた手前、こっちの紹介しないのは不公平だな……
オレの名は柾木ジュンイチ。……強制はしないが出来ることなら呼び捨てでプリーズ」
「えと……わたし、高町なのはといいます。家族や友達はみんな、『なのは』って呼んでくれてます」
「オッケー♪ なのはちゃんにジュンイチね。……二人ともこの辺りじゃ見ない顔だけど、外国から来たの?」
「んまぁ…とびっきり遠いところから来たっつー点ではおおむね正解だが─────」
言いかけてジュンイチは思わず思いとどまる。
出会ったばかりの人間にいきなり『自分達は異世界からやってきた』などと説明したところで、まともに信じて貰えるかどうかも分からないのだ。
それでなくても、本来この世界からすれば自分達は異質な存在なのだ。下手な行動はそれこそ状況を悪化しかねない。
瞬時に脳内で結論を導き出すと、行動は早かった。
もの正直に本当の事を喋り出そうとしたなのはの口を塞ぎ、持ち前の口八丁でその場を取り繕う。
「うむっ!? む、むんむむむーんっ!!(訳:ちょ!? ジュ、ジュンイチさーんっ!!)」
「いやなぁ、オレ達家族連れでこっち(の次元世界)にやって来たはいいものの、他のメンツとはぐれちまってな……
正直困り果ててたんだが、現地の人間に出会えてラッキーだったぜ♪」
「ふぅん……─────って、なのはちゃんとあなた苗字違うじゃん。ホントに家族なの?」
(む、流石に鋭いな…さて、どうするか………)
「む、むむみぃむぅ…………(訳:く、苦しいですぅ…………)」
普通に口八丁に気付いてエステルはジュンイチの説明につっこむ。
確かに本当の家族ではないが……家族同然のつき合いをさせて貰ってるので厳密にはウソはついてない…と思う。
何にしても、このままではいつ本当のことを言及されるか分からない。現に、不審がったエステルがひっきりなしに自分達の事を観察しまくっている。
「あぁ、なのははオレの遠縁の親戚でな。他のメンツも正確には血は繋がってないが家族同然のつき合いだぞ?」
「ふぅん………………」
「エステルは…この近くに住んでるのか? もし都合がよければ街の方に案内して欲しいんだが」
またも口八丁でうまくその場を誤魔化そうとするジュンイチだったが、この状況が長く続けば
正直実力行使してでもこの場から立ち去らねばならない。
……フェイト達を探す前から不審人物として現地住民に補導なんてオチはされたくもないし、望んでもない。
そんな中、エステルはしばらくジュンイチの目をじーっと凝らすように観察すると、深くため息をついて告げた。
「────────まぁいいか。いろいろ追求したいことはあるけど、こんな所で立ち話も何だし…… いいわ。信用させて貰うわよ」
「サンキュー、あれ以上張りつめた空気のまんまだったら正直その辺のモノを巻き込んでのブチキレをかましそうだった」
「………やっぱあんた危険人物だわ」
「あ、ウソウソ。イライラしてたのは事実だが、そんなことで自分見失うほどガキじゃねぇから」
どうだか……と付け加え、再び横一線の目つきでジュンイチを見つめるエステル。
その一方で、どんどん血の気が引いていき顔面蒼白っぽくなってきたなのは。
「あ、街による前にあたし寄るところがあるんだけど…一緒について来る?」
「……別に構わんが、街に案内してくれるって約束忘れんじゃねぇぞ」
「大丈夫よ。そんなに手間はとらせないから………って、あれ?」
「どうした?」
突然周囲を見回しだし、何かを探し出すエステルにジュンイチが横から訪ねるが彼女はお構いなしに辺りを見回す。
やや暫くして、ハッと何かを思い出したかと思えばどんどんエステルの顔から血の気が引いていく。まるでジュンイチが未だに傍らで拘束したままの魔砲少女のように。
と、同時に突如背後からすさまじい殺気を感知したジュンイチは、本能的に距離をとり”紅夜叉丸”を構える。
その殺気の主は…ゆっくりと怒気に満ちた顔をエステルに向け、吐き出すように告げる。
「あんたって子は……騒ぎを聞きつけるなり有無を言わさず飛び出して………」
「あ、えと……シェ、シェラ姉?」
「ちょっと成長したかと見直せばすぐコレかこのトンチキ娘がぁぁぁっ!!」
「ひゃあぁぁぁっ!!!!!!」
先程までの殺気は真っ赤な怒りに変わり、その主である女性はムチを片手にエステルを追い回しだした。
もちろん置いてけぼりを喰らうジュンイチとなのは。
全く状況が飲み込めず、とりあえず彼が出来た精一杯のこと。それは──────
「あは……♪ 綺麗なお花畑ぇ〜〜………あ、あそこにいるのは見たこと無いのに知ってる気がする死んだおばあちゃんだぉ〜〜〜……………」
「とりあえず還って来い、なのはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
危篤状態に陥っていたなのはを賽の河原から引き戻すくらいであった。
数分後──────
エステルは先程の女性に程よくしばかれ、見るも無惨な姿になってジュンイチ達の元へと帰ってきた。
一方のジュンイチも、現在のエステルに負けず劣らずの無惨な姿で二人を出迎える。
「一体……あの数分の間に何があった、エステル?」
「その言葉、そっくりそのまま返すわよジュンイチ。ボロ具合じゃあんたの方がかなりヤバイじゃない」
「………お互い、苦労するわね」
「そのようですね………」
女性のうめきに思わず同意するなのは。
ちなみにジュンイチが言ってる数分の間に、エステルは女性から縦横無尽に繰り出されるムチの数々で”オシオキ”を受け、
一方のジュンイチはなのはの一斉放火を、防御の甲斐無く、これでもかと言うくらい喰らってエステルより酷いHPゲージ赤表示。
「ところで─────お姉さんはどちら様でしょうか?」
「あら、ごめんなさい。自己紹介が遅れたわね
─────あたしはシェラザード・ハーヴェイ。一応エステルの先輩正遊撃士やってるのよ。
気楽にシェラって呼んでね、お嬢ちゃん♪」
「あ、はい。……えと、すいません。何だかエステルさん絡みでいろいろとご迷惑をおかけしたみたいで」
「気にしないで。コレはこの子の自覚の問題なんだから」
そういいつつシェラザードはボロボロ状態のエステルをなのはの前に突き出す。一方のエステルは苦笑いを浮かべながらなのはに
『正遊撃士になる前は日常茶飯事だったから……』と小声で告げる。
こんなのが日常的に繰り返されててよく逃げ出さなかったなぁ……。あ、逃げても捕まえられるから逃げられなかったのか。
そんな風に結論付けて心の中で軽く手のシワとシワを合わせ、エステルに合掌。
8月3日 A.M.10:55 場所…リベール王国 マーシア孤児院
「あぁっ………」
海道をしばらく進み、脇道を入ったところに佇んでいたその一軒家を見るなり、言葉を失うエステル。
広い庭にはハーブや野菜がたくさん畑に植えられているものの、圧迫感を感じることはなくむしろ景色の一部のように自然に映えており、
そして、どこか暖かさと優しさに包まれたその家は訪れる者全てを受け入れるような、そんな雰囲気を醸し出していたのだった。
なのはは純粋に周囲の雰囲気に感動し、ジュンイチはそんな空気にリラックスしまくっており、
エステルはというと………安心感と嬉しさに満ちあふれた表情をしていた。
そんな彼女の想いを悟り、訪ねるシェラザード。
「へぇ………放火事件があって完全に焼け崩れたって聞いてたけど、全然そんな感じはしないじゃない」
「放火って……こんな綺麗な家を放火した人がいるんですか?!」
「えぇ。聞いた話によると実行犯はこの街の市長秘書。んで、真の黒幕は市長さんってワケ」
「酷い話ですよね……あ、でもでもっ! こんなに綺麗に立て直されて良かったです」
シェラザードの説明に一時憤りを隠せない様子だったなのはだが、新築となり、綺麗な状態となった建物を改めて目の当たりにして心からほっとする。
こういう自分の気持ちにウソをつかないってところがなのはの良いところなのだろう─────ジュンイチは苦笑しながらエステルに訪ねた。
「さてと─────一緒について来たはいいがここで何をするんだ? ってかここドコ?」
「ここはマーシア孤児院。10年前の戦争で身寄りのなくなった子供達が一緒に暮らしてるの。
ここには挨拶半分、仕事半分が理由かな。………殆ど前者目的だけど」
「戦争か……どこの世界でも苦しむ人間ってのは変わらないモンだな。んで、その肝心の仕事の内容は?」
「それは─────」
「エステルさん……?」
言いかけ、突如振りかけられた声にエステルは反応し、声の主を探る。
その主は、以外にすぐ近くにいた。髪を簡単に結い、エプロン姿でエステル達を出迎えた女性は、彼女の姿を確認すると駆け寄るように歩み寄る。
「テレサ先生っ!」
「お久しぶりですね、エステルさん……そちらの方々は初めて、ですよね?」
「初めましてテレサ先生。この子の先輩で遊撃士のシェラザードです。
院長先生の事は色々と伺わせていただきました。お茶を煎れる達人でみんなのお母さんだとか♪」
「あら、照れてしまいますね」
やや照れた様子でシェラザードの言葉に答えるテレサと呼ばれた女性。
だが、その一方でエステルは複雑そうな表情を浮かべながらテレサに訪ねる。
「あの、孤児院再建おめでとうございますっ! 前のまんまだからちょっとびっくりしちゃった」
「えぇ、マノリアや業者の方々のご厚意でそうさせて頂きました。やはりこの雰囲気がマーシア孤児院だと思いますから」
「あはは、ホントにそうですね」
「ところでそちらの方達は?」
「あ、紹介しますね。こっちの男の子は柾木ジュンイチ。んで女の子の方が高町なのはちゃん。
何か、リーベルの方には最近来たらしくて物見遊山しながら迷子になった知り合いを捜してるらしいの」
軽く紹介されたジュンイチは右手をしゅぱっとかざし、一方のなのはは深々と頭を下げて挨拶した。
この時点で二人の性格の差が顕著に伺える。
挨拶もほどほどに済ませ、握手をするジュンイチ達3人の姿を見て、エステルは意を決したように言葉を紡ぎ、テレサに尋ねる。
「テレサ先生、────ヨシュアの事、聞かないんですね」
「ん?」
「エステル……さん?」
突然エステルの口から発せられる見知らぬ人物の名、そしてその名を口にすることの辛さを表すエステルの様子に違和感を感じたジュンイチとなのは。
先程までの明るい表情は消え去り、曇った顔をしていた。
テレサもまた、そんな彼女の心境を悟ってゆっくりと告げた。
「……クローゼから、聞かせてもらいました。
あの子があまりにも悩むから、相談に乗ってあげる形で─────エステルさん、色々と大変でしたね」
悲しみと、包み込むような優しさ。
そんな笑顔を浮かべるテレサが目に入り、思わず目頭が熱くなるのをエステルは感じた。
そして気付けば─────頬をつたう一筋の光が。
「あ……あはは、やだな。─────テレサ先生みたいな人に慰められたら、あたし…………ガマンできなくなっちゃう」
「エステル………」
我慢しなければ。堪えなければ。
自分は以前の自分とは違う。強く、逞しくなって帰ってきた────その姿を見て貰う為にもここに来たというのに……
だが、テレサの表情(かお)を見ると、どうにも止められない熱い想いが込み上げてくる。
そんなエステルの心情を察したのか、何も言わず、優しく彼女を抱きしめるテレサ。
「我慢する必要なんてありません。大切な人が、自分の側から居なくなってしまったのですから」
「あ………」
「何も言わないで─────
あなたのお母様の代わりにはならないかもしれませんけど…しばらくこのまま、抱きしめさせて下さいね」
「─────っ!」
もう駄目だ。
そう思ったときにはもういろんな感情がぐちゃぐちゃになって……恥も躊躇いもなく、思い切り泣いた。
溢れる涙は幾度と無く頬を濡らし、瞳が熱くなる。
その中、うずめたテレサの胸は暖かで、お日様の匂いがして……とても心地が良かった様に思えた。
「やぁやぁずいぶんと号泣したモンだな。しばらくの間オレどーしたらいいものか真剣に悩んだし」
「うぅ………よりにもよってジュンイチにまでみっともない姿を見られるなんてぇ………。
せっかくテレサ先生に正遊撃士になった姿を見て貰おうと思ってたのに」
「ふふ…そういえば正遊撃士になったんですよね。おめでとうございます、エステルさん」
「あはは────ありがとう。といってもまだ新米だけど」
はにかんだ笑顔を浮かべ、テレサの労いの言葉に感謝するエステル。
一方のジュンイチはこれ以上にないくらいの不敵な笑みを浮かべ、『後からどうやって弄り倒してやろうか♪』といったイヂメっ子モードに
入っていたのは秘密だ。
「ところで、あの子達は今どこに行ってるんですか? 挨拶がてら、あの子達から話を聞こうと思ってたけど……」
「”話”────ひょっとしてポーリィが見た『白いオジチャン』の事かしら?」
「あ、多分それです! そっか…目撃者はポーリィちゃんだったんだ。確かにあの子、妙にカンが鋭かったし」
「『白いオジチャン』? 何者だそりゃ?」
エステルとテレサ、二人の会話から聞こえる不思議な単語に疑問を持ったジュンイチが尋ねる。
一方のなのはも同様の感想らしく、エステルの答えを待っている形で彼女の事をじーっと見つめていた。
「ここ最近、このルーアン地方に奇妙な噂が流れてて…あたしとシェラ姉が今聞き込みで調べてる所なの」
「噂、ですか。ただの噂話ならそこまでいきり立てる必要もないのでは?」
「それが普通の噂ならね」
エステルの説明に異を唱え、疑問の声を上げるなのはだがそんな彼女をシェラザードがたしなめる。
と────何だがエステルの顔が見る見るうちに青ざめていき、身体も大袈裟なくらいにガタガタと震え始める。
………何だかどこかで見たことのあるリアクションだなぁ。自分にも思いっきり当てはまる節がある為、嫌な予感がしたジュンイチは思わず身構える。
と……そんなジュンイチの行動にイタズラ心がときめき、面白くなったシェラザードは、静かにうつむき、声のトーンを落として静かに告げた。
「最近……出るらしいのよ。このルーアン地方で────”亡霊”が」
間。
しばし思考が停止し、固まるジュンイチ。そして露骨にギギィと言わんばかりの擬音を立てながら、
席を立ち、右向け右をしたかと思えば………
「さらばっ!!」
「だぁめ、逃がさない♪」
すぱちんっ!!
直後、亜光速で逃亡しようとするジュンイチの首根っこを、いつの間に取り出したのか、ムチで
絡め取ると、ずるずると引き戻す。
そんな彼の表情は完全に『恐』の一文字に染まっており、普段のおちゃらけた姿はどこへやらといった感じである。
「うぅ〜〜いややぁ〜〜〜幽霊キライやぁ〜〜〜〜!! オバケ怖いぃぃぃぃぃっ!!!!」
「────こうしてる分にはジュンイチさんも年相応の男の子さんなんですが」
「気持ちは判るからあえて追求しないわ」
「助かります……」
未だ往生際が悪く、ムチで絡め取られたジュンイチはジタバタと藻掻いて脱出しようと試みる。
しかもどこかで聞いたことのある絶叫の声である。動けば動くほど、藻掻けば藻掻くほどムチは絡み付き、状況は悪化────
どうしてこの男はこうもギャップが激しいのだろうかと完全に第三者ななのはとエステルがつぶやく。
かくいうエステルもこのテの仕事というか怪談話はあまり得意な方ではなく、むしろ苦手とする所である。
今のジュンイチにあえて五月蠅く言わないのはそこから来ているのだ。
「こういうのって…何だっけ? 『人の振り見て我が振り直せ』ってヤツ?」
「あら? よく分かってんじゃないのエステル」
「と、とにかく…人の心的外傷(トラウマ)というのはそう簡単に治せるモノではないので────こういうジュンイチさんもアリなんじゃないかと────────」
言いながら、藻掻くのを止めてブルブルと震え出すジュンイチの方をチラ見し、精一杯のフォローを入れるなのは。
とりあえずこのままでは一向に話が進まない。そう判断してなのははエステルに切り出す。
「ところで、そのポーリィちゃんという子は今どちらに?」
「日曜学校でマノリアの方にみんな揃って行ってますよ。何でも巡回の神父さんがとても子供好きな方だとかで」
「エステルさん、ただ待ってるのもアレですし…ポーリィちゃん達を迎えに行きますか?」
「えっ? うーん……あたしとしては願ったり叶ったりだけど、なのはちゃん達の都合は大丈夫なの?」
「あ、はい。特に急ぎの用事でもないので─────」
……本当はすぐにでもフェイト達の安否を確認し、会いに行きたい所だがそこはグッと我慢。
何というか─────直感的にエステルの事を放ってはおけないと感じたのだ。
その理由は言うまでもなく、先程初めてテレサと出会ったときのエステルの言葉……『ヨシュアの事』である。
あの時、エステルは本当に寂しそうな目をしていた。孤独とかそういうのではなく、突然目の前にあった大切な物が壊れてしまったときの、
そういう感じの瞳。─────半年前、似たような目をした少女に出会っていたから、放ってはおけないと思ったのだ。
「────ありがと、なのはちゃん。……それじゃ院長先生、あたし、あの子達を迎えに行ってきます」
「あらまぁ……いいんですか?」
「えへへ…気にしないでください。あの子達にもなのはちゃんを紹介したいし……それに、美味しいお茶とお菓子のお礼です♪」
「それからギュッと抱きしめて貰ったお礼もね(はぁと)」
「シェ、シェラ姉っ!!」
冗談半分、微笑ましさ半分で自らに告げるシェラザードに対し、顔を真っ赤にして抗議の声を上げるエステル。
笑顔でそんな彼女達を見守っていたテレサは『それでは、お願いします』と快く承諾。
改めて3人(+怯えきったジュンイチ)は笑顔で見送るテレサに手を振って、すぐ近くにあるマノリア村へと向かう。
と、その道中でシェラザードはふと立ち止まり、エステルに尋ねる。
「うーん……素敵な女の人だったわね。タイプは全然違うけど、レナさんと雰囲気が似てたかも」
「レナさん? その人ってひょっとして………」
「えぇ、エステルのお母さんよ」
「へぇぇ……エステルさんのお母さんかぁ。わたしも一度でいいから逢ってみたいです。お母さんは今どちらに?」
「─────10年前の戦争で、亡くなったわ」
やや躊躇いがちにエステルがなのはの問いに答えると、瞬間、ものすごい勢いで頭を下げて謝罪するなのは。
だが、一方のエステルは構わないと言わんばかりに笑顔で手をかざして制する。
「─────────────!!! ご、ごめんなさい!! わたし……その………」
「いいのいいの。言わなかったんだからなのはちゃんが知らなくて当然よ。
─────でも、あたしもお母さんにって思ったけど、女王様にも似てるって思ったのよね。雰囲気もそうだけど……胸があったかくなる感じとか特に」
「結局のところ、その辺りが女の包容力なのかもしれないわね。ふぅ……あたしもまだまだだわ」
などと言いつつ、ややしょげるシェラザード。
見た感じ頼りになる姉御肌な気質な為、同じ様なものでは? と心中でツッコむなのはだが、テレサやエステルの母親、そして(逢った事はないが)女王様のそれはあくまで
”母性本能”によるものに近い。
実質的な違いが大きいと判断し、あえて口には出さないでおく。
「うーん、あたしが思うにシェラ姉は結構いい線行ってると思うわよ? より高みを目指すなら酒グセが問題になりそうだけど」
顔立ちも整っており、スタイルも抜群で面倒見の良いシェラザード。当然言い寄ってくる男も相当数である。
パッと見は滅多にいない美女なのだが、彼女の唯一の弱点。それは相当の酒乱であること。
いくら呑んでも潰れない、極度の底ナシで、実際彼女と飲み明かしてホスピタルインした男は数知れず、である。
……まぁ一応顔も赤くなるし、言動も酔っ払いのそれになるので幾分かはマシであるが。
「うぐっ……痛い所をついてくるわね。────所で、なのはちゃんのお母さんはどんな感じ?」
「えっとですね─────テレサ院長先生をもうちょっと明るくした感じで、とっても元気で美人の、自慢のお母さんです♪」
「……そか。なのはちゃんってひょっとしてお母さん似?」
「えへへ……そうらしいです。この前、髪を下ろした姿を友達やジュンイチさんに見せたらそっくりだって言ってくれました♪」
「やっぱりね〜。んで、ジュンイチのお母さんってどんな感じ?」
「…………………………………………………………忘れた」
「へ?」
一瞬間抜けな声を上げてしまうエステルだったが、ジュンイチは未だ幽霊に対する恐怖心が抜けきらないのだろう。
全身をガクガクと震わせながらはっきりと言い放った。
「最近逢ってないからどんな顔だったか、どんな親だったか忘却の彼方」
『最悪だこの男!』
女性陣のツッコミが唱和する。
8月3日 P.M.0:04 場所…リベール王国 マノリア村
「ところでエステル」
「ん、なぁに?」
「今現在の状況をこのオレの脳味噌でも理解できるように簡潔明瞭に説明してくれないか?」
などと、自分の今置かれている状況に思わずため息を漏らしたくなってくるジュンイチ。
どんな状態かというと………彼の両手両足に子供達が抱きつく感じでまとわりついているのだ。
当然、そんな状態でまともな歩行など出来るはずもなく、自然とガニ股歩行となる。その姿が実に滑稽で、さっきからエステルとなのはは込み上げてくる笑いを堪えるのに精一杯の状態である。
「なぁ〜〜、ジュンイチ兄ちゃん遊ぼうぜ〜〜」
「でぇいっ!! オレはガキンチョと遊ぶ程お子様じゃないし、そんな暇もないっ!
つーか離れやがれ、うっとおしいっ!!!」
「うわぁ……かっちょいい木刀だなぁ」
「なのちゃん、ジュンイチさんと一緒に遊ぶなのー」
「大人しく遊んであげなさいよジュンイチ。出会った直後にいきなりその子達に懐かれるってある意味名誉なんだから」
「だぁかぁらぁ……オレはガキと戯れる趣味はねーっつーの!!」
エステルに対して抗議の声を上げるジュンイチだが、当の子供達は一向に離れる気配がない。むしろイタズラ心を刺激されたのか
ジュンイチの右足に絡みついているニット帽をかぶった男の子……クラムがジュンイチの脇に手を伸ばす。
直後全身を駆けめぐる不快感に顔をゆがめ、全身の力が抜けていくのを感じるジュンイチ。全身のツボというツボを擽られまくられ、
何とも間抜けな笑い声が村中にこだまする。
「わひゃひゃひゃ! ちょ、く、クラムっ!! は、ひぃっ、ま、まひぇ・・っ、はははひゃはははふぇ&☆%$※※@」
「……幽霊に怯えまくってたかと思ったら、今度は狂い笑い─────大丈夫なの、ジュンイチくんは?」
「わたしにも答えかねる所です……」
もはや自我など存在せず、完全に理性ぶっちぎりの笑い声を上げるジュンイチの姿に一抹の不安を感じるシェラザードが
なのはに尋ねる。
しかし、なのはもフォローの言葉が見あたらず、ただただジュンイチが笑い死にしないよう切に願うのみだった。
「ところで……そちらのお兄さんはどちら様でしょうか?」
「おぉっ! その言葉を待っとったで、嬢ちゃん!! 何を隠そう…オレは七耀協会の巡回神父にして『エステルちゃんの運命の男』、ケビン・グラハムやで!!」
「えぇっ、そ、そーなんですかエステルさん?!」
「小さい子に誤解を招くような自己紹介はやめい」
いいつつ、エステルは緑髪ツンツン頭の青年…ケビンの頭を(常時携帯の)ツッコミ用スリッパでひっぱたく。
一方のなのはは顔を主に染めて、エステルとケビンの顔を交互に見返していた。……半分以上信じてたなこの様子だと。
そんななのはの行動を見て、冷静に釘を刺しておく事にした。
「冗談だからね? あたしとケビン神父は何でもないからね? 本気にしちゃダメよ?」
「あはは………どうやらその様子で」
あっさりボケを真顔で潰されたケビンはやや悲しそうだった。
8月3日 P.M.12:49 場所…リベール王国 マーシア孤児院
「そうでしたか…神父さんとエステルさんがお知り合い────ふふっ、世界は狭いものですね」
「しっかしびっくりしましたよ〜。まさか本当にこんな格好で神父さんなんてやってるとは思わなかったし」
「どーゆー意味やねん。
それにしても────オレまで一緒にお昼をご馳走になってしもて、エライすみませんでしたわ」
「いえいえ、ついでですし子供達に勉強を教えて頂いてるお礼ですわ」
申し訳なさそうにケビンが謝ると、対するテレサは全く顔色一つ変えることなく、笑顔で答えた。
…本当にこの子供達の事が大好きなんだろうなぁと感動するなのはをよそに、再びジュンイチの態度が一変。
一気にビビリモードに突入する。
その心情を知ってか知らずか、クラムがジュンイチをからかい始める。
「ジュンイチ兄ちゃん、急にガクガク震え始めてどうしたの? もしかしてエステル姉ちゃんが怖いとか?」
「何・か・言・っ・た・?」
「……………………………………………」
「エステルさんっ、墓穴! 墓穴っ!」
顔はこれ以上にないくらいの笑顔だが、発せられる”気”は夜叉か閻魔大王か。
とにかく強烈なそれをエステルは放ち、クラムをビビらせるとそれをなのはが宥めた。
「はぁ……全く。あたしだってこの話聞き出すの気が進まないんだからしゃきっとしてよジュンイチ」
「………助けてください……誰か…………助けてください………………………」
「ダメだこりゃ」
「まぁこの際意気地なしは放っといて……早速例の話を聞かせて貰えるかしら?」
「ポーリィが見たという、『白いオジチャン』の話ですね」
完全にリビングの隅っこで自分の殻に閉じこもってしまったジュンイチに呆れ、溜息を漏らすエステル。
まあ暴れる訳じゃないし、とりあえず放って置いても害はないからとりあえずこのままで話を進めるかと決め込み、シェラザードは
テレサに、そして当事者の少女、ポーリィに切り出す。
「ポーリィちゃん、お願いね。出来るだけ詳しく」
「白いオジチャンは白いオジチャンなの。くるくる回っていてとっても楽しそうだったのー」
「………随分と楽しそうな幽霊さんですね」
「うーん……困ったわね」
「あたしが、説明します。
あれは4日前だったんですけど……この子、夕食の後一人外でボーっとしてたんです。そしたら空に、白い男の人が浮かんでるのを見たらしくて」
「そうなのー。嬉しそうに飛び跳ねながらお空をくるくる踊ってたのー。で、ポーリィがお話ししたらペコリってお辞儀して飛んでっちゃったのー」
「ああぁぁぁぁぁっ!!!!」
まだ幼いポーリィに『詳しく』といっても無理な話で。
大雑把にしか返ってこない返答に正直困り果てるエステルとなのは。
すると、そんなポーリィを見かねてか、先程ジュンイチにマノリア村でくっついて遊んでいた少女、マリィが替わりに答える。
本来ならば怪談話にしても差し支えないような内容を、ポーリィはさも楽しそうに話すモンだから、リアルで想像してしまったジュンイチは奇声を発してさらに震え上がる。
…とりあえず無視して話を続ける事にした。
「あと、その幽霊…ポーリィにお辞儀した後東の方にビューって飛んでっちゃったんだ」
「ふむふむ、成る程ね。他の2カ所との目撃情報とも内容が一致してるし、信憑性もかなり高くなったわね」
「他に何か特徴は無かった? どんな顔をしてたとか、背丈はどのくらいあったとか」
「お顔は知らないのー。だってオジチャン、変なマスクを付けてたんだもん」
続いて新たな情報をもたらしたのはジュンイチにとりついていた子供その3、ダニエルである。
ダニエルの証言を確認すると、エステルは他の地点での聞き込み内容を整理し、この幽霊騒動が見間違いや冗談の類ではない事を痛感する。
そして最後にポーリィが話した証言には、エステルもシェラザードもびっくりした。
「ま、マスクって……」
「随分と奇天烈な幽霊じゃないの」
「まぁマスクの件はともかく、夢ではないようでしたので……念のため遊撃士協会にお知らせした次第なんです。
それ以来注意してましたけど……再び現れるような気配は無いようです」
「────状況は分かりました、色々と掴めたと思います。ご協力、感謝いたします♪」
テレサの一言を自前のメモ帳にチェックすると、パタンとそれを閉じて感謝の意を述べるシェラザード。
あらかた自分達の必要とする情報は手に入ったと決断し、彼女達は孤児院を出発することにした。───無論ちゃんとテレサとその子供達の見送り付きで。
「エステルさん、シェラザードさん…それからジュンイチさんとなのはさんも、ルーアンに滞在されてる間はまた遊びに来てくださいね
神父様も、授業があったときはいつでもいらっしゃってください」
「うん、そうさせて貰うわ」
「いや〜、機会があったら是非寄らせて貰いますわ」
「クラム君も、今度逢えたら一緒に遊ぼうね♪」
テレサの好意に、心から甘えさせて貰う旨を伝えると、未だ復活し切れてないジュンイチをシェラザードが引きずりながら、
一行はテレサ達に手を振りながら孤児院を後にした─────
「いや〜、ホンマ元気なガキ共やったわ。
しっかし、院長先生の人徳かな? どいつも真っ直ぐで気持ちのええ性格しとったわ」
「わたしも、それ同感ですね。……初対面でジュンイチさんに懐くって普通じゃあり得ないですし」
「普段どんな人間関係築いてんのよコイツわ」
なのはがケビンのぼやきに付け加えると、まだビビリモード中のジュンイチに視線を移し、毒づくエステル。
彼女は知らない。なのはもまた、ある意味でジュンイチの性格の被害者なのだから。
本人は差し当たり無いように気を遣って言ったつもりなんだろうが、誤解を招くような”守ってやる宣言”は勘弁して欲しい。
そう心中でうめくと、なのははエステルに尋ねる。
「ところでエステルさん、この後の予定は?」
「ん? そうね……こっち方面での聞き込みも終わったし、ルーアンのギルドに戻る?
シェラ姉?」
「そうね……ケビンさんはどうする?」
「いや〜丁度オレもルーアンに戻ろうってな所やったんですわ」
「なら、旅は道連れ世は情け…ね。なのはちゃん達も問題ないでしょ?」
「そうですね、ケビンさん面白いし何だか街に着くまでが楽しみです♪」
シェラザードに尋ねられたなのはも乗り気だ。反対意見も出なかった為、ケビンもエステル達と共にこの地方での中心都市にして
漁業と海運業の街、ルーアンへと意気揚々と進み出した────
8月3日 A.M.10:17 場所…???
「特定検知……対象、レヴェル3─────
検知終了後、直ちに拘束及び封印開始。……通信及び転送ジャマー展開」
「相も変わらず、仕事熱心だな」
「それが私の…今の存在意義です」
遙か地下に眠る古代遺跡。その一室で奇天烈な仮面を付けた男が、黙々と自身の作業を進める女性に対して問いかける。
一方の女性は応答しながら術式を組み上げ、それを発動させる。彼女の足下に広がるのは…円と正方形を基調とした見覚えのある図式。
─────コバルトブルーに光るミッドチルダ式魔法の魔法陣だった。
「だが、本業を差し置いて副業に徹するとは……実験の方には支障は無いのか?」
「ご安心を。既に所要スペックの87%は基準値に達しています。……貴方こそ、趣味に囚われて目的を逸する事のないようにお気をつけ下さい」
「フッ……言ってくれる。─────だが、私も貴女の働きには感謝しているよ。」
言いつつ男は自慢の仮面をクイッと人差し指で微調整。一方の女性は、”力”を周囲に飛散させるとそれは瞬く間に周囲にとけ込み、一体化する。
それを確認した男は女性の肩を軽くたたき、告げた。
「恩寵と奇跡をもたらす我らが天使、ヴァーチ君」
「はい……盟主が僕にして『執行者』が一人─────『怪盗紳士』ブルブラン様」
to be continued...
次回予告
徐々に明らかになる、亡霊の正体!
あんまり乗り気じゃなかったけど、ここまでバカにされたまま終われるかってんだ!!
そして新たに加わる、エステルさんのお友達。
一人は(自称)演奏家の変人……もう一人は…………お姫様ぁ?!
何だかとっても賑やかになりそうですね♪
……本題、忘れてないか、なのは?
次回、魔法少女リリカルなのはvs勇者精霊伝ブレイカー×英雄伝説 空の軌跡SCクロス小説
Triangle World 〜空を翔る英雄達〜 第3話『ラブ・イズ・エターナル』
リリカル・マジカル!
はてさて、どうなる事やら………
−リリなの連合緊急特別集会(兼あとがき)−
ジュンイチ「桜塚やっくんかぃ」
エステル「それはそうと何であたしまで……リリなの系列と関係ないじゃん」
takku「細かい話は抜きですっ! なのブレとクロスしたもののついでというヤツでご一緒していただきます」
もののついでという理由だけで巻き込まれた方はたまったモノでないと思われるが、この際気にしちゃダメだっ!!
ジュンイチ「まぁ筆者(takku)の横暴ぶりは今に始まった事じゃないからあえて言及はせんが………むしろ横っちょの2人の存在にツッコミ入れたいし」
スバル「────────え? あたし達のこと??」
ジュンイチ「他に誰が居る?」
ティアナ「……あたし達だって訳分かんないのは一緒よ。寮で一休みしてたら
突然この男が襲撃してきて怪しげな薬を嗅がせ、気がつけばこの部屋に投げ込まれてたんだから」
スバル「そしていつの間にやらティアとお揃いのタキシード姿だったし」
ジュンイチ「一体何をした、この存在自体犯罪者!!」
takku「普通に招待しても来てくれそうにもなかったら拉致った」
エステル&ジュンイチ「拉致被害者の方々に謝れこのバカチョンがっ!!」
バカチョンとはインスタントカメラを宣伝する際に戦後一時的に使われた、朝鮮半島住の方々(=バカ)でもチョンと押せば使える簡単なカメラ
という意味合いでの俗称である。……今では国際問題上全く使われてないですけど、ネタとしてならいいよね別に?
いつもながらのことですが、こういうやり取りを書く度にどんどん自分がバカになっていくのを感じます。
と、閑話休題した所で本題に入る為、今回のメインパーソナリティー達にブツを引き渡す。
それは──────クラッカー。
なのは「……これは?」
takku「細かいことは気にしないで、合図をしたら全員一斉にひもを引っ張れ!」
ジュンイチ「何かの祝い事か?」
エステル「何だかよく分からないけど────チャチャっとやっちゃいますか」
takku「そんじゃ、行くぞっ! せぇーのっ……………」
『祝! 水樹奈々さんNewSingle「SECRET AMBITION」オリコン初登場第2位獲得〜〜〜〜〜♪♪』
ぱぱっぱぱぱぱんっ!!!
一斉に室内へ響き渡る火薬の炸裂音。
同時に発せられる企画発案者の雄叫びに反応し、この企画の意図を察するジュンイチ。
ジュンイチ「なるほど……最近水樹さんの曲に傾倒してるお前としては確かに大事件だよな」
エステル「そんなに凄いことなの?」
なのは「えと………『A's』のOPだった『ETERNAL BLAZE』に引き続いての第2位獲得ですし、ユニットとしてではなく、あくまで水樹奈々さん一個人でのシングルで第2位獲得なので結構な偉業かと思われます
(そもそも声優さんが単独でオリコンベスト10入りする事自体希な方なんですけどね)」
スバル「ってことは…え!? あたし等が呼ばれた理由ってそれだけ?!!」
takku「それ以上でも以下でもない。……まぁ別にエリオとキャロのちびっこカップルでも良かったんだけど、トークの場合二人の存在感ははっきり言ってビミョーだし、
何よりリリなのの男性陣(士郎さんと恭也さん除く)はみんなムカツクので却下した。←理不尽
安心しろ、二人にもバッチこの後のあとがきトークに参加して貰うから」
ティアナ「何か……すっごく理不尽な気がする」
ジュンイチ「ま、それも最初の内さ。慣れたら冷ややかにツッコミ入れられるから」
慣れられて貰うのも困りものだが……まぁいいか。てなワケで、レッツH・O・N・D・A・I!!
スバル「ところで……管理人さん(モリビトさん)もそうですけど、この小説読んでる大部分の読者さんが
『何で「FC」すっ飛ばして「SC」とのクロス?!』な感想をお持ちになってると思われるんですが」
ティアナ「そこら辺どーなのよ、バカ筆者?」
takku「バカとは何だバカとは………まぁいっか。とりあえずそこら辺の理由については3つあります。
一つ目は……『全ストーリーを理解して貰う為にFCから書いていったらこの小説は軽く100話以上──────「GM」すら軽く凌駕する規模のご長寿小説になってしまう』ってコト」
ジュンイチ「無駄に長っ!!!」
エステル「確かに………本編だけでもかなりのボリュームだし、サブクエストまで書くとなると相当なテキスト量になるもんね」
takku「そゆこと。投稿用の小説でそんな超長編になると中盤辺りでモリビトさんを始め、皆飽きてくるだろうし、何より書いてるこっちがしんどい。←大問題
しかもFC世界内の期間としては大体1ヶ月近く、FCとSCの間隔としては大体2・3ヶ月くらい開くしで、結局全部書こうとするとジュンイチ君達にはリベールの方に半年近く居て貰わなきゃならなくなる。
そんな感じでダラダラ書くくらいだったらいっその事事態の動きまくってるSCから書いていった方がしっくりくると感じたんだよ」
なのは「でも、お陰で事件背景とか人物関係とか、FCをプレイしてない方々は結構キツいんじゃないですか?」
takku「その辺は、本編内で軽く説明の会話や文章を挿入する事で何とか遣り繰りしようと思ってるが、最悪の場合は用語辞典を作らにゃならないなぁと思ってたり」
ティアナ「つくづく行き当たりばったりな筆者ねぇ──────」
takku「さて、理由その2。はっちゃけバトルin温泉旅行で語ったけど『導力器(オーブメント)とミッドのデバイスの共通点』
双方とも、魔法は超常的現象ではなくあくまで科学技術の一端としての設定なのでコレは色々と伏線が張れるなぁと睨んでたり」
スバル「ってことは……導力器でレイジングハートやバルディッシュがドカーンっとパワーアップとか?!」
エステル「えっ、マジで?!」
takku「一応案はあるけど、生半可なパワーアップはしたくないのが本音。『GM』ではカードリッジシステムに加え、
プリムラやジンジャーっていうパワードデバイスまで加えてのパワーアップを果たしてるからねぇ二機とも。
ってな訳でアイディアはあるけど、その詳細についてはまだ未定といった所──────事後の展開に期待してください」
takku「最後になりました3つ目の理由。───────それは、『双方作品の登場キャラクター同士の触れ合い』
ご存じの通り、英雄伝説シリーズに登場する主要キャラクターはとかく”濃い”のが多い。
とりわけ空の軌跡SCについてはかなーり個性的な方々が揃い踏みしてる為、海鳴メンバーやブレイカーの面々とも楽しくやってけるのではないかなとw」
エステル「ジュンイチと平然と付き合えるくらいだもんね」
ジュンイチ「ケンカ売ってんのかコラ」
takku「個人的に一番書きたい組み合わせがオリビエ氏×聖祥付属の3年娘達。
幅広い恋愛対象層を誇るオリビエ氏がなのはちゃん達に対してどんなセクハラ発言をするのか………
筆者自身予想もつきませんwwww」
エステル「大丈夫よ、なのはちゃん! マチガイが起きないようにあたしが守ってあげるからねっ!!」
ティアナ「っていうか………、あの高町一等空尉にもこんなかわいい時代があった事を考えると無理もないと思うけど」
ジュンイチ「さりげなく未来の上司に真っ向からケンカ売ってんなティア」
takku「というわけで、お送りしましたリリなの連合緊急特別集会(兼あとがき)。次回はいよいよあの二人の登場ですっ!!」
ジュンイチ「誰か一人でも合流できたらいいな」
なのは「出来れば全員」
takku「いきなし全員は無理よ」
管理人感想
takkuさんからいただきました!
亡霊にビビりガキには振り回され、本当にジュンイチは書いてても見てても退屈しません(苦笑)。
そして敵(?)の方も少しずつその片鱗が見え始めているようで。
今後の動きに要注目です。
>「あ、ウソウソ。イライラしてたのは事実だが、そんなことで自分見失うほどガキじゃねぇから」
ウソをつけ(笑)。
>「最近逢ってないからどんな顔だったか、どんな親だったか忘却の彼方」
>『最悪だこの男!』
一番最悪なのは母上のことを本編で口の端にも上らせないモリビトだったりして(笑)。