……また"あの夢"だ。



   ノイズメイズやサウンドウェーブ、ランページにラトラーター…もとい、ラートラータ、他えとせとらえとせとら…。



   俗に「ユニクロン軍」なんていわれてるトランスフォーマーの連中が、

   他のトランスフォーマーやら人間やらを相手取って暴れまわってる。



   けど、この夢にはある"お約束"がある。

   それは、世間からもユニクロン軍のヤツらからも「機動六課」とか言われてる連中が、最終的に勝利を収めるってこと。



   あと、この夢はまるで誰かの視点で見てるって感じ。

   なんていうか、すごく高い展望台から立体映像を見せられてる感じでもある。

   そして必ず、ある言葉が聞こえてくる。




   『命の“力”を、なめるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!』




   「命の"力"」…ね。 ユニクロンには、永遠に理解できないものだろうよ。

   少なくとも……長い歴史の間に、幾度となく「命の"力"」の前に敗れ去り、それでも懲りないあのバカ神にはさ。

   まったく、うっとうしいやら憎たらしいやらね。






















   そんなヤツが…………自分の"誕生"に関係している、だなんてさ…。





















  「とある魔導師と守護者と機動六課の日常」異聞録






  「とある旅人の気まぐれな日常」







  第1話:根無し草の旅路は欲望のままに?























  そんなことを思ってたら目が覚めた。なんだろうね、やけにまぶしい感じがするんだけど。



  《そりゃそうですよ。白いテントで朝日を真っ向から浴びれば、まぶしくもなりますって》



  あぁ、そういえばそうだよね。白いものってよく光を通すから…。

  それよかさ。



  《なんです?》


  「また…例の夢を見た」


  《性懲りもなく、またですか? ホントに飽きませんね》


  「うん、さすがに自分でもそう思うよ」





  我が相棒のデバイス「イグナイテッド」に答えながら、僕、「トラルー」という名の1人の精神生命体はあくび1発。




  《自分で精神生命体と言ってしまいますか》




  はいそこ、メタなツッコミはしないよーに。ほら、せっかく読んでくださる読者のみなさんに軽くでも紹介しないとさ。




  《メタ発言ワロスワロス》


  「うぉぉいっ!?」



  ……なんでこう、我が相棒は時々2ちゃんねる語的な言葉を口走るのだろう…。

  まぁいいや。




  「もうかれこれ、同じ夢を1ヶ月も、毎日のように見ている…。これってさ、遠回しに正夢だって言ってるよーなもんじゃない?」


  《まぁ、作為的なものを感じないワケでもありませんけど…》


  「だからね、実際に存在する現場に行って、正夢なのかどうかを確かめることにした」


  《どこに行くつもりです?》




  そりゃあ…1つしかないじゃん。









  「機動六課」












  ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

  



  時は、かの有名な「JS事件」も解決し、どうにか街も平穏を取り戻しつつある頃。




  「管理局の黒き暴君」こと柾木ジュンイチがド派手に暴れた為に、

  管理局地上部隊の象徴的な建造物であった、地上本部のビルがキレイサッパリなくなっちゃったり。



  古代ベルカの遺物ともいわれる超弩級ロストロギア「聖王のゆりかご」と、

  ユニクロン軍が拠点としていた、ぶっちゃけた話ユニクロンの一部である「ユニクロンパレス」が融合したせいで余計に被害が出たり。

  そういった経緯の為に(しなくていいのに)復活しやがったユニクロンのせいで、被害がもう壊滅的なレベルになったり。



  あんな困難にもそんな困難にもくじけずに、民間業者の皆様とかが尽力してくれてるおかげでだいぶ復旧してるみたいだけど。



  そして、事件の中でもかなり面倒な意味で大立ち回りをしていたと思われる機動六課は、解体まで半年かそこらって感じ。








  ……うん、そこまで調べたのよ。突撃取材を敢行することにすらなりかねない相手なのだし、リサーチは大事でしょ。


  仮に空振りだったにせよ、せっかく高い交通費をはたいて来たんだし、観光の1つぐらいはしたいしね。





  《真っ先に調べ始めたのが食べ放題をやっているお店だったということにツッコむべきでしょうかね?》




  さりげなく覚えてやがったかい。





  《……いえ、もっと素晴らしいツッコミポイントがありますね。そもそも…》















































  《なんでミッドチルダではなく、秋○原に来ちゃってるんですかアナタわっ!?》































  その言葉と共に、僕は相棒にしばき倒された。










  ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




  えー、相棒にツッコまれた通り、現在、第97管理外世界の「オタクの聖地」こと○葉原にやってきております。


  理由はというと、貯めに貯めまくったお金で某自販機ライダーの関連グッズを買いあさる為です。


  さすがに秋葉○までくれば、殆どのアイテムは手に入るでしょ、っていうのが場所選びの根拠だったりします。


  まぁ、他にも武○神姫とかゾ○ドとかガン○ラとかダ○ボール戦記とか、諸々買いあさりたい品々もあるんだけどね。





  《まったく、別におみやげにするワケでもないのに、第一目的がそっちだとは…》



  むぅ、いいじゃないか。適度に欲望を解放し、適度に抑えつつ生きるのが1番素敵な生き方なんだしさ。



  《まるで明日のパンツをこよなく愛する風来坊みたいな言い方しますね》



  あぁ、そういう意味じゃ彼は人間の中でも特にあとくされのない生き方してると思うね、僕は。






  とまぁ、そーゆーワケで、現在はとある大型ショップの真っ只中。



  僕は水色の髪でライトグリーンな瞳だけど、この社会はかなり順応性が高いのかそれとも鈍いだけなのか、特に誰にツッコまれることもない。


  あと、ガキ大将的なコンボイみたいな身長コンプレックスはありません。むしろ、この子供体型を気に入ってるし。


  身長…というか体格は、一般的な10歳男子と同程度、かな。



  ちなみに服装は、黒の半袖インナーに黒の短パン、その上に白のベスト、首元にはやわらかな材質の緑色のマフラー。


  短パンはかなりピッチリにしてあって、はたから見るとスパッツと間違われるかも。ていうか、通りすがりの人に間違われたこともあるし。


  個人的には、パンツじゃないから恥ずかしくないもん!的なノリだから特に気にしてないけど。


  で、我が相棒はというと、うまい具合に帽子に見えるように偽装してもらいつつ頭の上にいます。








  そもそも、イグナイテッドはひし形…っていうか、四角形の本体の2つの角っこに、変幻自在で細長い五角形型の物質「マルチフェザー」を備えてる。


  このマルチフェザーを様々な形で利用することで、射撃にも格闘にも、挙句の果てには各種補助にも対応できる。


  とあるジャンク屋で出会ったんだけど、ジャンク屋のあんちゃんの話だと、デバイスではあるものの、具体的な分類はできないらしい。


  ほら、インテリジェントとかアームドとか、そーゆーの。あと、システム自体が魔法だけを補助するものじゃないから、ミッド式とかベルカ式とかの区別もない。


  もっとも、だからこそ、魔力を一切持たない僕でも、違和感も反動もなく使いこなせるんだけどね。


  ある意味、「デバイス」という単語の持つ意味により近いところにある、プロトタイプなのかも。


  そもそもデバイスって言葉は、何かを補助したり管理したりする、装置そのものを示す言葉なんだしさ。




  で、話を戻すけど、様々な"在り方"を持つのが我が相棒。


  頭に乗ってるこの状態だって、立派な"在り方"の1つ。ちなみに、この時マルチフェザーは内側が向き合うように両サイドに垂れています。


  「ヘッドウィングモード」って名づけてるんだけど、この状態でいることも実は多い。


  この形態だと飛行補助ができて、飛行する際はラクチンなんだけど、傘代わりになったり「そーゆーファッション」と認識させたりもできる。


  とどのつまり、デバイスのことを何も知らない人間たちの中に溶け込むのに、かなり都合がいいってこと。


  一応、サイズシフトとかいう技術で小さくなって、バッジみたいにもできるんだけど、人ごみの中でなくしたりしたくないので、


  敢えて大きいままのヘッドウィングモードでいてもらってる。


  もう1つ、別な理由において最も都合のいいポイントもあるんだけど……まぁ、ここでは直接関係ないから、いいや。




  ヘッドウィングモードの状態だと、10歳ぐらいの子供が大人サイズのでっかい三度笠を被ってる感じかな?


  そういえば、「機動六課」にはそれぐらいの年齢の子供まで入隊してるって話だね…。





  《ある意味で雪崩式な入隊経緯ではありますけどね。

   それを抜きにしても、天下の時空管理局とやらも組織としては情けない部類ですよね》





  あー、それはいえてるかも。いくら本人が志願したからって、子供を戦地に投げ入れるようなマネしてるワケだしね。


  万年人手不足だって話だけど、そもそも求める人材の基礎レベルが高すぎるのが原因だろうし。





  ……だからといって、レベルを下げすぎて「寄せ集めの軍隊」になられても、それはそれで困るけど。









  《で、今回は何がお目当てなんです?》





  うむ、よくぞ聞いてくれた。服装関係を丸ごとスルーしたのは相棒だからだと納得しておくけど。




  で、今回のターゲットは、ズバリ「DXメダジャリバー」と「DXメダガブリュー」だね。


  特にメダジャリバーは割と重要だったりする。理由は……以前手に入れた「DXオーズドライバー」との連動サウンド。


  あの「トリプル!スキャニングチャージ!」はメダジャリバーを使わないと聞けないらしいからねー。

  どうしようか割と本気でまいっちんぐ。



  ただし……問題がないワケでもない。理由は簡単。実は別な店でメダガブリューは手に入れたんだけど。












  その際に諸々別なターゲットも買いあさってきたので、思いっきりお財布にブリザードが吹き荒れているワケなんです。













  くっそぅ、コ○ブ○ヤめぇ…! クオリティやラインナップには素直に関心するけど、いかんせんお高いんじゃああああああ。







  某「紅の魔装竜」と「CAS持ちのライオン型」を購入したらあっという間に万札が天使のわっかと羽をつけて飛んでったよ!!






  さり気なく武装○姫もお高いんだよねぇ…。


  ちょっと欲張って4体ぐらいまとめ買いしたら、












  あっという間に万札2枚が消し飛んだ、とだけ言っておくよ!! はっはー!!!












  《涙目になるぐらいなら、控えればいいでしょうに…。貪欲なマスターですね》



  うぐぅっ、事実なだけに反論できん! 僕にとって、秋○原は、自動で作動する欲望の起爆装置であるとみたっ!!!



  ……と、そんなことを言ってる間に、東映ヒーロー関係の商品がズラリと並ぶコーナーに行き着いた。





  あー、どうしよ。本題といえば本題な品なんだけどさぁ……買っちゃうと明日のパンt…もとい、明日のごはんが…。





  《その欲望、解放しろ》



  ちょっ、まさかのそのセリフ!?

  しかも、何故にボイスが昆虫系でクールガイなあの人!?



  《その欲望、解放しろ》



  無視で繰り返すのやめてー! 地味にそのセリフは効いてくるから!



  《その欲望、解放しろ》



  だからやめてー!?

  アレか!? 君は僕に破産しろと!?



  《その欲望、解放しろ》



  いや、だから、地味に効いてくるんだってばそのセリフっ!?



  《その欲望、解放しろ》


  ちゃりーんっ


  えっ、まさかのメダル投入!?



  《その欲望、解放しろ》


  ちゃりーんっ


  まさかの2枚目!?

  ていうかアレか、もう買えってか!?



  《その欲望、解放しろ》


  ちゃりーんっ



  某ヤミーでも3枚投入はいらないよ!? ていうか1枚で既に生まれて動いてるよ!?











  《トリプル! スキャニングチャージ!》








































  結論。

  相棒から聞こえてくる昆虫系でクールガイなグリードの言葉のままに欲望を解放し、

  ジャリバーも購入しました。




  3枚も投入されたら拒否のしようがないよ!

  アレってトリプルやったら百発百中の必殺技になるんだよ!? 逃げられないんだよ!?

  逃げようとしても「セイヤー!」の掛け声と共に衝撃波でブッタ斬られるんだよ!? チェックメイトでしょこれ!?




  《いいじゃないですか。アレって某ドーパントすらも倒せるんですし、もはや次元を超えた破壊力かと》




  いやいや、何故にいきなり破壊力の話に!?




  《物心ついたばかりの子供たちと盛大な取り合いを演じた挙句、

   DXオーズドライバーをしっかりとゲットして某マッサルさんの如く勝ち誇った人が何を今更》


















  …………我が相棒に、返す言葉が何1つなくなった僕って、ボウヤ扱いされても仕方ないのかなぁ?





  ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



  ひとまず、運送会社のバイトで貯めに貯めたお金をナイアガラの滝ぐらいの勢いで手放してまで手に入れた戦利品たちは、

  我が相棒の「圧縮収納機能」で亜空間ポケットとでもいうべき僕専用スペースに保管。

  そのまま一度駅近くのホテルに撤退して、一息ついてます。



  一応、ホテルで寝泊まりするためのお金は別にしてたから、予算全額つぎ込んでも野宿だけは回避できるようになってたの。

  まぁ、明日のパンツばりに最低限な金額だから、しばらくは"稼ぎ"に専念しないといけないけど。





  《それで? 結局、肝心の機動六課へ行くのはいつになるんです?》




  あー、こりゃ当分は無理だねー。


  今回でお金は殆ど使い切っちゃったし、地球からミッドへの移動って実はかーなーりお金かかるし。


  















  ……実は機動六課のみなさん辺りが御用達だという、転送ポートの場所がわかんないのが根本的な原因だったりするんだけど。

















  転送ポートの技術は、管理局でいうところの管理外世界ではイレギュラーな存在。


  特に、トランスフォーマーの存在がようやく一般的なところになったばかりな地球とかは、まだまだそーゆーサイバーチックな技術は確立してないんだよね。


  だからこその、かの有名なギャラクシーコンボイ総司令官が筆頭となって推し進めている「新スペースブリッジ計画」なワケなんだけど。






  ……アレはアレで、実は興味がなかったワケじゃない。必然的に長い旅路になるワケだし、訪れた先はきっと未知の発見ばかりだろうし。


  もしかしたら、その発見の中に、僕の誕生の経緯を知るための"手がかり"があるかも、とか考えたりもした。


  ただ、アレは移動範囲があまりにも広すぎて、下手するとかえって"手がかり"から遠のく可能性すらある。













  今のうちに白状しちゃうと、機動六課へ行くのは、そこにあるデータベースや関係者各位からいろいろ調べるのが目的。


  特に、ユニクロンや配下だったノイズメイズたち、更にその関係者や勢力についても情報が欲しい。


  そして、その情報から"手がかり"が得られたなら、きっとそれは今までで得られた"手がかり"の中でもかなり信憑性の高いものになる筈だ。







  …………僕は、自分がどうして生まれたのかが分からない。分からないままより、残酷なものであっても分かった方がいい。


  というより、何故かはわからないけど、知らなくちゃいけない気さえする。うん、知りたいんだ。


  だから、"手がかり"が欲しいんだ。





  ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



  現時点で確かなのは、僕が何らかの要因で突発的に誕生した精神生命体、或いは精霊の類であること。


  それと、誕生の経緯には、あのユニクロンが関係しているってこと。





  僕は、姿こそ子供だけど、記憶で換算すると既に千年以上はこの姿で生きている。それはまず確か。


  それに、例の"夢"をはじめ、僕が今までに蓄積している記憶の中には、妙にユニクロンと深い接点を感じるものがいくつかある。


  具体的には、ユニクロンが何年前にどの辺で大暴れしていたか、とか、どんな星を食らっていたのか、とか。


  ひどいものになってくると、星ごと飲み込まれて、ユニクロンの内部で改めて取り込まれた連中の断末魔の叫びすら思い出せる。





  アレってグロテスクだと思うんだよねー。


  何しろ、分子レベルでユニクロンの一部に変質しちゃって、食虫植物に溶かされかけてる虫みたいな外観に変貌しちゃうんだもん。


  某変異性金属体みたいに、有機物・無機物を問わずに同化するってのもグロいというか怖いというか。


  うん、アレは生物の垣根を越えた恐怖を与える光景だと思うんだ。


  ……それこそ、トランスフォーマーやら人間やら何やら…。文字通り何でもかんでも同化してしまう。


  同化してしまう刹那に断末魔の叫び声。気持ちはわかる。すっごいわかる。


  ある者は壁から伸びた触手に捕まって、またある者は引きずり込まれた先で壁に触れてしまって。


  大半は前者だけど、ケースバイケースみたいな感じで、とにかく壁に触れたら最後、ほぼ確実に同化という末路をたどる。


  正直、やめてほしいと思う。そこまでして、自分の腹を満たしたいのかと。






  「星帝」なんてたいそうな肩書き持ってるけど、その実は己の欲望のままに星を、命を食らうだけの大バカ野郎。


  対となる存在であるプライマスとは根本的に違う。野放しにしておけば、確実にいわれなき犠牲が出る。ヤツの存在は、無関係な犠牲なしには成り立たない。


  だから、復活を企むであろうノイズメイズたちが結果的に根絶やし状態になったのは、正直ありがたかった。


  近年、一部のテロリストどもが妙な行動に出てるらしいけど、


  まぁ、復活に最低限必要であろう、ユニクロンのプラネットフォースとチップスクウェアは吹き飛んでるはずだし、どうにもならないでしょ。


  それに、万が一にも復活させたところで、ソレが制御不能なバケモノだってことぐらいは分かる筈。


  分からないで、とか、分かった上で、とかいうパターンなら、きっと復活させた矢先に食われる、要するに死亡フラグ確定だろうけどね。




  《妙な行動、といえば、ディセプティコンや瘴魔軍もそうなのでは?

   彼ら、機動六課とは因縁深い相手らしいですし》



  そいつらは除外でいいでしょ。


  そもそも瘴魔軍は別問題で根絶やし状態だし、ディセプティコンに至ってはユニクロンに牙をむける側だったっていうし。


  それに、瘴魔は負の感情の発生源がなければ生きられない。そういう意味でも、どのみちユニクロン復活には否定的になると思うけど…。











  《しかし、かの事件の最終決戦時、ユニクロンは瘴魔力を取り込んだことで暴走した、とのことですが》

















  …………マジっすか?





  ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



  ……どうにもマジだった。


  イグナイテッドの機能の1つ、「多次元ライブラリ」という、いつでもどこでもネットを通じて膨大な情報を収集・閲覧できる機能を使ってみた。


  勿論、調べたのは「JS事件」のクライマックス、ユニクロンが大暴れした辺りの情報。


  ノイズメイズたちが、自分たちの出番を大幅に犠牲にしてまで仕組んだ作戦が大成功して、ユニクロンパレスとゆりかごが融合。


  そっから、徐々に人型への再生・再構築が始まって…某デビルガンダム的な風貌になってきた辺りで、異常が起きた。





  飛び出した触手は、迷うことなくノイズメイズたち、つまりアイツの配下たちを貫き、取り込んだ。


  ただ血迷っただけなら、それはそれでまだマシな方だったかもしれない。ただ、そうでもなかった。





  なんでも、その時からユニクロンは瘴魔力を放っていたらしい。





  本来、瘴魔ではないヤツが瘴魔力を放つなんてありえない。だが、現場では確かに、ヤツから瘴魔力が放たれていた。


  「JS事件」で瘴魔力となると主にザインとかいうヤツのせいではあるけど、ミッドにもいくらか瘴魔の残党とかが流れ込んでいたりしたってのも知っている。


  でも、最終決戦時やその少し前、現場にいた瘴魔はザインのみらしい。で、ザインは管理局の脳みそどもが蘇生させた、瘴魔神将の1人だった、らしい。


  瘴魔神将は他の瘴魔を率いる者。つまり、単純に考えても、カリスマ性にすり替えられるだけの瘴魔力は持っていたはず。





  …………そういえば、"夢"の中に、黒ずくめの服とメガネが印象的で、見た目が妙に某ファンガイアなビショップにそっくりなヤツがいた。

  そいつ、確か"夢"の途中でチラリと見たけど、さっさとユニクロンに取り込まれた。

  で、ザインの資料映像を見てみると、外観がモロにソイツだった。つまり、ザインの姿と末路を"夢"の中で既に見てたってワケかい。







  …………あー、大体分かった。

  つまり、ユニクロンは再生のどさくさでザインを取り込んで……食中毒みたいな状態になっちゃった。

  で、一緒に取り込んだ瘴魔力に適合できなかったのか、暴走しちゃったっていうことか…。

  ノイズメイズたちを見境なく取り込んだのも、暴走して眷属けんぞく以外の敵味方の区別がつかなくなったから、かも。







  《そもそも、あのバカ神に敵味方の概念なんてあったと、本当に思えます?》








  …………………………………………………………………………………………………………………………………………

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  ……………………………………………………………………………………………………

  …………………………………………………………………………………

  …………………………………………………………………

  ……………………………………………ある、多分。







  一応、自分自身で生み出したヘッドマスターチックな頭脳細胞ぐらいはマトモに味方扱いしてたよ、多分。




  《その長い長い「……」が、果てしない微妙っぷりを裏付けしているようにしか見えませんが》



  ごめん、正直微妙すぎた。


  そういえば、どの記録を見ても、ユニクロンって基本的に1対多の戦闘しかしてないからなー。


  あんなに眷属ばら撒いて戦ったことなんて、「GBH事件」と「JS事件」ぐらいしかないよ。


  もいちど言っておくと、アイツって一応「星帝」っていう、いわゆる支配者的な立場なんだよね。


  でも、引き連れてるのは眷属とか洗脳したTFぐらいで、どっちかっていうと生きた兵器生産工場だから、あの肩書きには違和感を覚える。


  ていうか、統べる対象である天体を食ってるんだから、支配者というには違う気がするんだけど、どうなんでしょどっかの偉い人。





  …………頼むから、ユニクロンはいい加減これで根絶やしになっててほしいんだけどなぁ…。





  ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



  ひとまず、そのまま予約してたホテルで一泊して翌日の朝。


  とにもかくにも、お財布のブリザードをどうにかしないとお話にならないので、とっととバイト先のとある運送会社に出社することに。

  くっ、よりにもよって運送会社から距離がありすぎる秋○原で金欠を起こしてしまうとは…っ!



  《ただの自滅じゃないですか》




  ぐはぁっ!?




  《いくら万年独身野郎でありホームレスだからって、後先考えずに使いすぎなんですよ》





  …………ごめんなさい。






  しっかりと相棒に説教されつつ、会社入口に到着。


  所詮バイト野郎なので、正式な証明証みたいなのはない。臨時で手配してもらった、簡易型であろうIDカードで出社したことを受付システムに認証してもらう。


  朝礼前なので、控室でもある事務室に入ってみると……






















  既に「我が戦友」が、ヒマそーに本を読んでいた。










  
  (第2話に続く)











  あとがき


  というワケで、やっちめぇました。


  時間軸は「とまコン」を基準にしているので、第1話の時点では第1期の10話辺りになります。

  ……その割には無関係な話題ばかりだったことは自負しております(ぇ)


  トラルーの情報はモリビトさんには既に送ってある通りですが、イグナイテッドについてはかなり追加・変更要素が多くなってます(苦笑)


  戦闘パートは次回以降に持ち越し、最後に触れた「我が戦友」についても書いていく予定です。



  ネタの割合がオーズにかなり偏っていますが、気にしちゃ負けです(何)


管理人感想

 放浪人テンクウさんからいただきました!

 あー、なんか他人とは思えない主人公が来ちゃったなー(笑)。特に旅路がホントに欲望のままなところとか(再笑)。
 現在大絶賛寄り道中のトラルーですが、今後どう恭文達に絡んでくるのか? というかそもそも合流するのか?(ヲイヲイ)

 ともあれ、続きを楽しみにさせていただきます。