現在、時刻は朝の6時半ぐらい。場所は、バイト先の運送会社の事務室。


  ここにいるのは、僕と、イグナイテッドと、我が戦友こと「スター」。



  彼は……まず、見た目は某ピンクの悪魔が白くなって、赤い手袋はめて、某ステルスガオーUを背負ってるっていえばわかると思う。

  いや、マジメにこれぐらいしか表現方法が見つからない。

  声も某勇者王とか某嵐を呼ぶナイスガイとかとそっくりだしさ。

  もうね、生々しい話をすると、これだけ言えば既に元ネタ的なものはバレバレだと僕は思う。うん。







  「よう、いつも出社するときは早いな」




  うん、そんな僕よりも更に早く出社してる君にいわれても、ちっとも説得力はないよ。





  「そんな堅いこというなよ、1週間ぶりなんだし






  すんませんっしたーっ!!







  《いきなり土下座!?》


  「あー、自覚はあったんだな、うん」

















  「とある魔導師と守護者と機動六課の日常」異聞録






  「とある旅人の気まぐれな日常」







  第2話:モノホンとパチモンについてどう思いますか?  


















  すんません、マジですんません。バイトだからある程度はサボれるんだけど、それをいいことに1週間も欠勤してました。

  ちなみに、欠勤している間は秋○原とか某ビッ○サイトとかで遊びほうけてました。冗談抜きで殴られてもおかしくないレベルだと反省してます。




  「ま、まぁ、お前の放浪癖は今に始まったことじゃないし、そもそも"そういう契約"だったんだろ?

   別にそこまで気にしなくてもいい…っていうか、むしろ気にしちゃダメな気もするけどな」



  《欲望に半分溺れかけて暴走してたおバカなマスターはともかく》



  しくしくしくしく……



  《……言い過ぎました。

   気分転換…といってはなんですが、スターさんは何を読んでるんですか?》



  「最近、巷で話題の「IS」ってヤツだよ」



  ……ほほう、インフィ○ット・スト○トスときましたか。

  しかも小説版とは、さすがは我が戦友、凝ってらっしゃる。


  ちなみに、僕が彼を「我が戦友」って呼んでるのは、まだ地球文化を勉強中で、この運送会社で働き始めてた頃に出会ったんだけど、

  想像を絶するオタク文化の知識量に感服したから。




  伊達や酔狂で某エキセントリックなOPとか某勇者王の神話ヴァージョンとかをコラボで歌ったりしてませんよ、ええ。




  いや、彼限定でいってしまうと、伊達や酔狂で某勇者王の背中のアレ(宇宙装備)を背負ってるワケじゃないです。いやホントに。






  ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆





  「トランスフォーマー級の戦力との戦闘を想定した模擬戦…ですか?」


  「そ。模擬戦自体は恒例行事だし、元からトランスフォーマーを相手取った戦いもしてるけど、

   今回はよりトランスフォーマー…というより、相手もトランステクターを使えた場合に備えて、って意味合いが強い」




  私からの問いに、ジュンイチさんはそう返してきた。


  スバルたちの訓練の内、模擬戦についてのテーマをどうしようかと考えていたところにジュンイチさんが通りかかってきたのが事の始まり。

  何かいいアイディアはないかと尋ねてみたら、思いのほかすぐに答えを出してくれた。

  つまり、今言った「トランスフォーマー級の戦力との戦闘を想定した模擬戦」。確かに、基本的には人間サイズの人との手合せが多いから、懸念事項ではある。



  でも、スバルたちフォワードだけでも結構な人数。それで更にトランステクターが使える相手、つまりゴッドマスターとなると…。



  「心配するな。その辺のアテはとっくに考えてある。

   なのははいつも通り、訓練スケジュールの調整をしてくれればいいんだ。

   ただ…」


  「ただ?」


  「ちょいと、模擬戦の会場を広めにとれないか?」




  続けて出てきたジュンイチさんからの提案には、ちょっと疑問が残る。


  いつもの訓練スペースじゃ足りないんですか?



  「まぁな。

   今回はこなたたちカイザーズからも、可能な限りのメンツを集めて参加してもらおうと思ってるんだけど」



  地球でも、決して事件が起こらないって保障はありませんからね。

  あっちはスカイクェイクさん辺りも注意してくれているとは思いますけど。



  「それでも、たまには合同訓練も必要だろ?アイツらもゴッドマスターだし、ちょうどいいと思ってな。

   話を戻すけど、今回のプランだとあの訓練スペースだけじゃ足りないんだ。

   広範囲の戦場での連携も磨いてもらいたいってのもあるからな」



  あぁ、そういうことでしたか。


  だとすると、問題はどこなら模擬戦許可が下りるか、ってことになりますね…。







  ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




  現在、仕事でオレとトラルーの担当になってる上長さんから、本日のお仕事の説明を受けてる。


  まぁ、お仕事っていっても宅配業なワケだから、大方どこへ何を送るのかとか、そーゆー話なんだけどな。


  一応、メモとかはもらってるぞ?

  でもさ、やっぱり事前検討とかって大事だろ?



  ちなみに、声とガタイが妙に元ID5のマッチョ参謀によく似てるけど、そこらへんはオレもトラルーも気にしないことにしてる。

  うん、気にしちゃ負けなんだよ、きっと。





  「……以上が、本日の配達スケジュールだ。まぁ、お前らなら余裕でこなしてヒマになるだろうが、あまり寄り道するなよ?」


  「了解です。まぁ、寄り道しようにもするお金がないですけどねー」






  念入りに話す上長さんに対し、トラルーは文字通り余裕の声で返す。


  ていうか、そこまでなるまで職場復帰しなかったことの方をツッコみたいんだけどなー、オレ。






  「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」




  すまん、オレが悪かった。




  とりあえず上長さん、さっきの話は本気ですか?



  「あぁ、本気だ」


  「……某鳥のグリードのなりきりアイテムをバッチリ確保するんですか」


  「…………そうだ」




  上長さんが言葉に詰まったのは、きっと目の前で水色の髪の精霊がライトグリーンの瞳をキラキラさせながら見上げているからだろうけど気にしない。


  そんなに欲しいのか、アレ。



  「おうともよ!」





  分かった。分かったからそんな場違いな明るい声で答えないでくれ。


  なんか知らないが心が痛いんだ。





  「い、イタイイタイ!なんで引っ張るの!?」


  「いい加減出発だ!もう始業時刻から3時間過ぎてるんだからな!?」





  オレの身長がわずか30cmぐらいなので、引っ張れば必然的に相手は引きずられていくことになるが気にしない。


  引きずられて涙目で抗議してくるトラルーにはマジメなことを言って返しておく。






  本気と書いてマジで昼飯近いのに、1件も配達しないまま終われるかっての!!







  ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


  「ジュンイチさん……」


  「おう」


  「……よくもまぁ、作れましたね……コレ」


  「まぁ、資材については問題ないし、

   出力面の調整さえできていれば、模造自体は割と簡単なんだ」




  なのはを唖然とさせているのは、オレたちの目の前で異様な存在感を放つ巨体。


  決して完全オリジナルではないが、それ故に基礎的なレベルの向上は割と簡単だった。戦闘技術のフィードバックも既に終わっている。



  尚、元となった戦闘技術などのデータは、母さんとシャーリーから確保済み。

  なぜシャーリーだけでなく母さんからもデータをもらっているのかについては…まぁ、目の前のアレの"オリジナル"に関係してるから、とだけ言っておく。





  あとは、適当に相手をぶつけてやれば…。





  「ところで、ジュンイチさんは何を着始めているんですか?」


  「ん?コレか?コレはな…」













  ちょっとしたコスプレってヤツだよ。





  ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




  相棒と戦友にしばき倒されたので、駆け足で配達開始。


  スターは背中のブースターをふかして飛行、僕もヘッドウィングモードかつ出力高めでブッ飛んで、

  僅か1時間で14件終了。


  ノルマの残りは2件…ちょっと飛ばしすぎたかな?昼過ぎがヒマになっちゃう。




  「まぁな。でも、お前にしたらずいぶんとラッキーなモンじゃないか?」




  はて? 何のことかな。




  「今回の配達先、全部ミッドチルダじゃんか。


   しかも、その内の1つは、例の機動六課宛てになってるときた。そのままヤツらと合流してしまえば…」





  確かにね。一応時空をも超えた宅配業であるとは聞いていたけど、よもやミッドチルダにも手を伸ばしていたとは。


  おかげで、転送ポートの1つの場所もハッキリした。





  《しかし、だからといってすぐに行けるワケでもないですよ。

   例の"契約"のことも忘れないでください。我々のポテンシャルの確保は、"契約"を守ることでなされているのですから》


  「そうなのか?」




  そう、僕が、いや、僕とイグナイテッドが上長さん…というかあの会社と交わしている"契約"には、そういう一面もある。



  僕は能力的に極端なまでに"速さ"に特化してる。だから、少ない時間でも多くの配達場所を回ることもできる。


  その気になれば、1日で40件以上を回ることだってできないワケじゃない。


  そこらへんをあの上長さんに見込まれてスカウトされて、バイトという形ではあるけど仕事を引き受けた。


  だけど、こんな異能な存在を、おいそれと世に知らしめるのはリスクがある。


  特に、業務エリア周辺の紛争地域には、すぐに目をつけられる。


  こちとら、紛争をする為に力を持ってるワケじゃないのだから、そんなの問答無用でお断り。


  だけど、宅配業ってのは世間をまたにかけるお仕事だ。結構な範囲でお仕事するから、必然的にいろんなところに顔を見せることになる。


  でも、能力的な意味では会社としても手放したくないみたい。だから、"契約"を結んだ。






  "業務において能力を大いに発揮してノルマを果たす代わりに、任意での一時的な休暇を認める"





  それが、僕らと会社との"契約"だ。




  課せられるノルマは、僕の能力に合わせてなのか、他の社員たちの2倍から3倍はある。


  まぁ、倍はあるっていっても、1ヶ月単位でのノルマだから、小分けにすればそれほど苦にはならない。


  もっとも、その「小分け」ってヤツはあの上長さんがやってるから、本当は昨日までみたいなサボり方は迂闊にできないんだけどね。






  「その迂闊にできないことを平然とやって、財布空っぽにしてきたヤツが何を…」


  《マスターってのはしょせんそんなものですよ》









  しくしくしくしく……





  …………っ!?







  「どうした?」


  「なんだろ、郊外の方で強い力を持つ魂が密集し始めてるんだけど…」


  「どんな霊的な感知だよ」


  「仕方ないじゃない。そーゆー能力なんだから」





  僕には、誰かの位置っていうのを、その体に宿る「魂」から察知することができるという、実にスピリチュアルな能力もある。


  もっとも、その魂が誰のものかまでは、実際に面識がないと分からないんだけどね。





  《どうします?

   本日のノルマは、既に残り2件だけですから、寄り道も余裕でできますけど…》


  「なぁ、郊外になんか得体のしれないロボットがいて、それと機動六課の連中が交戦中だってニュースがいきなり飛び込んできたんだけど」




  おーおー、さすが、スターの「ブリッツスカイ」は情報が早いねー。

  あ、ブリッツスカイっていうのは、彼が背中につけてる、某ステルスガオーUなアレね。レーダー機能の高さがそこでも発揮されるとは、素晴らしいことで。

  合体方式は勇者王のアレまんまです。つまり、合体時は機首が地面を、尾翼部分が上を向いてるってことね。



  なるほど、機動六課の人たちがねぇ…。



























































  ぬぅぁにぃぃ!?























  「お前、誰?」


  《1人だけゴルゴな作画にチェンジしないでくださいよ、怖いですから》








  なんか隣と頭の上からツッコミっぽい声が聞こえるけど、気にしてるヒマはないっ!





  機動六課が交戦中だってぇぇ!?







  ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆







  ……正直、屈辱としか言いようがない光景を目の当たりにしている。





  現在、突然ミッド郊外の一角に出現した無人ロボットと、スバルとゴッドオンしたマスターコンボイが交戦中。

  なんか無人ロボットがハニワ顔なのと、コックピットと思われる部分に王様チックな服を身に纏ったジュンイチさんらしき人影があるのが気になるけど。



  ただ、その相手が…ねぇ…。





  《なんで、よりにもよってこちらの巨大戦力の模造品が相手なんですかね》



  そう、アルトの言うとおり、目の前にあるロボットは、マスターコンボイとそっくりな外観を持つ。


  いや、外観だけじゃない。能力もそうだし、どうやら稼働データまでフィードバックされてるっぽい。


  どうやってそんなデータを手に入れたかは知らないけど…。




  《しかし、所詮は偽物。本物が相手となれば勝つのは本物…の筈なのですが…》





  目の前の光景を屈辱と評したのは、そこにある。




  目の前でマスターコンボイが、



  同じくアームブレードを装備したマスターコンボイの偽物に殴り飛ばされた。




  偽物のクセに……偽物のクセに……本物を圧倒してるって、どういうことさっ!?






  ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆





  「うりゃああああああっ!」



  スバルの声と共に、向こうが突っ込んでくるが……こちらのマスターコンボイもとい「マスターソドラボイ」が真っ向から迎え撃つ。

  繰り出された右ストレートをかいくぐり、右アッパーで思いっきり斜め上へ殴り飛ばす。

  更にジャンプして追撃、今度は右ハンマーパンチで地面に叩き落とす。



  思いきり地面にたたきつけられ、起き上がろうとしているマスターコンボイに向けて、言い放つ。







  「ふふふ、無駄だ。何しろ、このマスターソドラボイは……」










  「お前たちよりも、22%強く作ったのだぁ!!」









  《に、22%だと…?》


  「22%だ!」









  うめくマスターコンボイに対し、そう宣言してやる。


  さぁ、このまま終わるワケがないよなぁ…2人とも!






  ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




  えー、ただいま、僕の頭にはお花が咲いてるような気がします。



  単刀直入に言う、何アレ。





  「えっと、ハニワ顔したロボットが、六課のトランスフォーマーを蹂躙してる…ってとこか?」


  《ハニワ顔といい、色といい……ミッドチルダにソ○ラ王でも紛れ込んでたんでしょうか?》






  うん、正直、僕もアレのネタはきっとソド○王だと思うんだけど……実現させる酔狂なヤツがいたんだねぇ…。






  《おや、もう一方では、六課のフォワードと……アレはカイザーズですか。

   電磁フィールドに閉じ込められているようですね》





  なんだって?


  ……ねぇ、今僕は、颯爽と参上したいんですけど、ダメですか?




  「あー、トラルーのハートに火がついちまったみたいだ」


  《こうなると、逆に止める方が愚かでしょうね》


  「よっし、トラルー!ファイナルフュー……もとい、ヘッドオン、承認ッ!!」




  やっほーい! 承認降りたぜーい!






  《今、勇者王ネタに走りましたね?》


  「いいじゃないか。向こうも勇者ネタで来ちゃってるし」





  イグナイテッドのツッコミにスターが反論してる。うん、僕もそう思う。


  さーて、ひと暴れしますかねぇ!





  ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




  まいったねぇ…。みんなー、大丈夫?



  「なんとかね…」

  「でも、外には出られないみたい…」

  「周辺に電磁エネルギーを感知しました。おそらく、私たちは閉じ込められているのでしょう」




  かがみん、つかさ、みゆきさんの順に答える。


  うーん、模擬戦相手だっていうガジェットたちを追っかけまわしてたら、こんなことになるなんて…。



  「物理的な攻撃は、発生装置が遠すぎてアウト…」


  「かといって、射撃とかは全部こっちに弾かれちゃうし…」


  「難しいわね」





  キャロもエリオもティアにゃんもお手上げに近いみたい。そうなんだよねー。





  電磁フィールドとかいうのかな、それに阻まれて、まず発生装置まで動けない。

  かといって、射撃すれば、どこぞのギガ・ラ・セウシルみたいにこっちに弾かれるし…。




  どういうワケか、ゴッドオンまではできるけど、合体まではできないみたい。

  多分、そーゆーのを妨害する効果もあるんだ、このフィールド。






  「グラップライナーになれれば、力づくで突破できるんスけどねぇ…」






  なんかひよりんが、女の子としてはちょっと問題な発言してるけど…まぁいいや。







  「……?」


  「みなみちゃん、どうかしたッスか?」


  「上」



  ひよりんからの問いに対する答えと共に、みんなして上を見上げて…………





  なんか来る!?






  ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




  「カモンッ、ティレイスタ!!」



  ロボットの絵柄が描かれているカードをかざして叫んだ僕の声に反応、上空からシャトル的な形状をした機体が飛来する。


  これこそが「ティレイスタ」。僕のもう1つの相棒。その正体は、なんでもセイバートロンの遺跡から発掘された古代のトランステクターなんだとか。


  諸事情によって僕の専用機となった。その証こそ、呼ぶ時にかざすこのカード。実は、カードに描かれているのは変形した姿。


  それと、このカードにはもう1つの特徴がある。




  「メイルオン!」



  イグナイテッドが露出させたスロットにカードを入れ、コールすることで、僕は光に包まれて特別なアーマーが装着される。

  つまり、カードはティレイスタを呼ぶのと、アーマーを装備するのに必要なワケだ。

  で、このアーマーにも、特別な力がある。



  跳躍して、空中で回転しながら、その特別な力を引き出す為の言葉を叫ぶ。





  「ヘッド、オン!」




  言葉を叫び終える頃には、僕は変身していた。


  ロボットの頭部に。




  「ティレイスタ、トランスフォーム!」




  その言葉と共に、ティレイスタも変形開始。



  まず、機首、船体後部に装備されているブースターユニット、後部にある尾翼がそれぞれ分離。

  船体中部の後ろ半分が90度開き、付け根が船体中部の前半分の両サイドに固定される。

  続いて船体後部をまるごとカバーしていた部分と内部に隠されていた腕部が90度倒れ、両肩と両腕、そして両肩から下に伸びる翼になる。

  船体中部に隠されていたエンジンユニットに、先ほど分離したブースターユニットが表と裏を反転させ、分割して連結。

  ブースターユニットが変形してヒザから下を作り、エンジンユニットが腰と太ももを構成する下半身となる。

  下半身の完成と同時に両腕も下にスライド、二の腕と拳が露出する。

  船体前部が表と裏とで分割して倒れ、胸部と背中をそれぞれカバー。

  そして、僕がアーマーの力で変身した頭部が、分割によって露出したジョイントに合体して変形完了。


  機首パーツが左右に分割、内臓されていた柄を展開して連結、更にそれぞれの先端部に尾翼が合体し、

  柄の前と後ろの両方に刃を持つツインランサー風の固有武装「レイスジャベリン」となる。


  レイスジャベリンの柄を掴み、高らかに雄たけびを上げる。





  「レイスカイザー、ミッションスタート!!」





  「トレース、イグナイテッド! てぇいっ!」





  イグナイテッドをレイスジャベリンにトレースして、勢いよく投げつける!


  イグナイテッドのコントロールを得たレイスジャベリンは、高速回転しつつ飛翔、電磁フィールドの発生装置を薙ぎ払った。


  戻ってきたレイスジャベリンをキャッチし、フィールドに閉じ込められていた面々の前に着地。





  ……よし、決まった。








  「キミは…レイスカイザー!?」




  いかにもっ!レイスカイザーだよこなた!




  「こなた、知ってるの!?」


  「まぁねー。ちなみに、中身は私のオタク仲間」




  そう、その通り!


  こなたとは、別な件でコミケの波に飛び込んでた時に出会ってたりします。

  いや、ガ○ダムの話をしてたから、僕の方から話に混ざってったのが始まりなんだけどね?

  他の話題でも話が合うし、今ではよきオタク仲間となっているワケです、はい。



  っと、そんなことを思い返している場合じゃなかった。



  「大丈夫かい、皆さん方!」

  「どこの馬の骨とも知らないけど、助かったわ」

  「詳しい話を聞く前に、お礼は言っておくわ」



  僕からの問いに、オレンジツインテールと紫ツインテールから答えが返ってくる。うん、大丈夫みたいだ。






  「なぁに、礼には及ばないよ。

   それよか、そちらのお仲間さんが……って!?」




  言いつつ突然気配を感じ、思わず後ろを振り向いた僕の目の前で、いきなり地面が吹き飛んだ。


  その下から出てきたのは……















  マスターコンボイとかいうヤツのパチモンと同様、ハニワチックな顔と色を持つヘンテコなロボットたちだった。














  (第3話に続く)





















  あとがき


  やっちめぇました第2弾。


  今回はアイツに某○ドラ王みたいなことをしでかしてもらいました。

  さすがに「勝手に冒険を始めるな!」までは組み込めませんでした、無念。

  ぶっちゃけ、やってみたかったネタではあったので、個人的には結構いい感じ。


  第3話はその解決編、いきなり登場となったレイスカイザーの勇士もそちらで。


  戦友ことスターには、もう少し後でぞんぶんに勇者王チックな(ぁ)活躍をしてもらう予定です。


管理人感想

 放浪人テンクウさんからいただきました!

 ジュンイチめ。やってくれおった(爆笑)。
 しかし違和感がまったくないのがまたスゴイ。普段から好き放題やってるからなぁ。

 そして満を持してのレイスカイザー登場。
 アレが相手では戦闘力とは違う意味で大変な戦いになりそうですけど、次回の大暴れ、期待しておりますよ(ワクワク)。