みなさん初めまして、私はイテン。自分で言うのもなんだけど、剣技には自信アリな元気娘でーす♪




  外観は、水色のショートヘアーにブルーの瞳、あとアホ毛が1本。


  肩まで露出したインナーとスパッツが合体したような形状のボディスーツに、


  腰には軟質素材でできた木の葉型のフィンを左右1枚ずつ備えた腰帯を巻いてる。


  あとは手袋にブーツ、といった、結構シンプルな服装。こらこら、フィンの裏に剣みたいなのが見えるとか言っちゃダメだヨ?




  ちなみに、髪型はスカリエッティとかいうロリコンドクターんところのセインって子と似てたりします。肩ぐらいまで伸びてる後ろ髪がシャープになってるけど。










  よし、現実逃避はこれくらいにしよう。





  ……うーん、ただのお散歩のつもりが、修羅場に入っちゃったみたい…。








  だって、今、目の前で、バトル仲間おともだちのお二人さんがそれぞれで大暴れ中なんだもん。











  「ファントムリング、プラスッ!」





  その内の1人、スターはいきなり勇者王チックなシャウト1発。それと同時、背中のブースターからリングが射出される。



  これが「ファントムリング」だね。これが突き上げた右腕の少し上くらいで留まると…






  「ぉおおおおおおおっ!」




  スターが更に気合一発。すると、拳の前にエネルギー弾が生成される。ちょうど、ファントムリングの中心にエネルギー弾がきている感じ。






  「ブロウクン、ファンットムッ!!」





  右腕を正面に突き出し、その勢いでファントムリングごとエネルギー弾を飛ばす。


  見えづらいんだけど、ファントムリングとエネルギー弾は高速回転してたりする。回転してる影響で光ってる…らしいけど。




  そんなこんなで、勢いよく飛び出した「ブロウクンファントム」は、まっすぐにガジェットV型に突っ込む……って、ええええ!?






  「何してんの!?あんなのに通じるワケないじゃん!弾かれちゃうよ!」






  私は思わず叫んでた。その叫びに反応して、辺りのシャークトロンやら何やらが数体こっちを見てるけど、


  ザコだから気にしないっ!





  「おいおい、まさか忘れたワケじゃないだろ?

   何のためにファントムリングを加えてると思ってるんだ?」




  スターのその言葉に、私は思い出す。ファントムリングってのが、どういう役割を持ってるのか。







  ブロウクンファントムがガジェットV型に直撃。ほんの少し拮抗したみたいだけど、すんなりとバリアごと装甲に穴をあけ、貫いていく。


  ファントムリングには、敵のバリアを空間湾曲と高速回転で真っ向から貫く性質があるんだ。


  空間湾曲でバリアを歪めて、高速回転で歪んだ部分に穴をあける。あとはむき出しになっている本体を貫通するだけ。


  使い方次第では、これだけでトランスフォーマー級の敵を一撃K.O.することだってできる。


  オマケに、これはいわゆる誘導弾。スターからの意思伝達で、自由自在な動きを可能としてる。







  「まだまだ!」






  スターの言葉に答えるように、ブロウクンファントムが動く。


  近場にいたガジェットやシャークトロン数体に、次々と風穴をあけていく。


  誘導弾としての側面が、こういう形で活かされてる。うー、アレはアレでうらやましい…。







  「イテン!ここはもうパーティー会場だぜ!?


   どうせ巻き込まれたなら、ハデに暴れた方が有意義だと思うんだけどなぁ!?」





  むっ、それを言われちゃうと、このイテンちゃん、騒がずにはいられなくなるじゃないかぁ!


























  「とある魔導師と守護者と機動六課の日常」異聞録






  「とある旅人の気まぐれな日常」







  第4話:ノリが軽い人は、嫌いですか?





























  あーもう、本気と書いてマジでめんどくさいっ!







  現在、配達途中でガジェットやらクローンTFやらシャークトロンやらが大行進しているという奇怪極まりない現場に遭遇。



  しかもイグナイテッドに分析してもらったところ、どうもこれはプレダコンズの仕業で間違いないときた。



  今こうして戦ってる、アサルトジャガーの存在こそがその何よりの証拠。なんか知らないけど、ボーンレックスまでいるし。



  まぁ、ボーンレックスのいる「ガンドボーグ」、ひいては「ビーストファング」そのものが傭兵の集まりだし、


  プレダコンズのボスだっていうダークコマンダーとかいう大バカ野郎に雇われたんでしょ。


  しかし、あんな傭兵集団まで引き入れて、アイツは何を考えているやら…。









  ダークコマンダーの手元には、吹っ飛んだ筈の、ユニクロンのプラネットフォースがあるらしい。


  チップスクエアまでは分からないけど、どういうワケかジンまでプラネットフォースの力を使ったとかいうトンデモ情報まである。


  もっとも、その時は霊子融合ソウル・ユニゾンしてて、そのお相手の力の影響だったという話なんだけど、それはそれで厄介な話だね。











  っと、無駄話はここまでにしておこうか。ボーンレックスが突っ込んできたし。





  ボーンレックスのふるう大剣を左サイドステップでかわし、その勢いでターンしてレイスジャベリンで一閃。




  「なんのっ!」




  けど、向こうも結構な手練れだ。大剣を引き戻して、レイスジャベリンを受け止める。


  ボーンレックスはパワー型。受け止めて、そのまま押し返してくる。けど、こちとらパワー勝負する気なんて全くナッシング。


  レイスジャベリンを持つ右腕を左に送り、押し返される勢いを利用してターン、今度は左回し蹴り。




  「っとぉ!?」



  うーん、これにも対処するか。


  向こうはとっさに左腕を引き、左腕の上腕部分で僕の左足を止める。で、そのまま押し返す。




  「とりゃあっ!」


  「おわっ!?」



  押し返すだけじゃ勝てないよー。またまたその勢いを利用してターンして、今度は右で回し蹴り。


  受け止められてばかりなのもシャクなので、敢えて足払いの方向で使う。向こうは踏ん張って対処してたけど、不意を突かれるとアッサリだよね。


  アレだよ、よく子供のイタズラにある「ヒザかっくん」みたいなもんだよ。アレも不意打ちでこそ威力を発揮するからね。





  「相変わらずすばしっこいヤツだにゃ!」





  そう言うと、アサルトジャガーがミサイルをばらまいてきた。……ごめん、あったっけ?ソレ?








  「散々こっちを駆逐しておいて、それはにゃいんじゃにゃいかにゃ!?」






  「知らないね!駆除する害虫の細かい変化なんざ覚えてられるかい!!」







  そして敢えて言おう、覚える気なんざ、さらさらないっ!!

















  「……どっちが悪者なのか、本気で分からなくなってきたんだが」








  ボーンレックス、敢えて言おう。























  僕らの対決構図に正義も悪もないっ!!



















  ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆









  武器の調整もオッケー、コンディション問題なし。








  いざ、パーティー会場へ!







  「せぇいっ!」





  さっき私に気づいたシャークトロン1体めがけて突撃、両腕に「トレントブレード」を握りしめ、いざ突撃!



  トレントブレードは、剣と銃が一体化しているだけでなく、刀身内部に超小型のブースターまで仕込まれた特殊武装。


  このブースターを利用することで、常人離れした加速による突撃や離脱なんかも簡単にできちゃうんだ。




  「こっちこっち!」




  近くにいたクローンTFがビームを撃ってくるけど、残念♪




  だって、私はもうそいつの背後に回ってたんだから。






  「IS発動、カリーシュダイブ!」






  さぁ、エンジンもかかってきたところで、本格的に暴れようか!







  私のIS、「カリーシュダイブ」は変わり種。


  セインのIS「ディープダイバー」と似た性質を持ってる。



  つまり、地面とか壁とか、無機物をすり抜けられるってこと。ただし、カリーシュダイブにはもう1つ。


  すり抜ける前後に、周辺にかまいたちを飛ばす効果もある。


  トレントブレードと併用すれば、カリーシュダイブで出たり入ったりしてるだけで敵陣を切り刻むことだってできちゃうの。






  「場所によってはチートだよなー、お前の能力」


  「ふふん、それほどでも♪」


  「いや、ほめてないし」






  なんかスターが渋い顔してるけど、全然気にしないもーん♪


  こんなやり取りをしてる頃には、スターと私の手でスクラップに変えられたガジェットやらクローンTFやらシャークトロンやら……


  俗にいうヤラレ役な皆さんの屍が無数に転がるばかりだった。










  「パーティーはもうお開きかい。

   それはそうと、お前、戦闘機人じゃなくて精霊、オレらの仲間だろ?

   なんでISなんか持ってるんだよ?」





  あー、やっぱスターも気になっちゃうよね?



  ちょっと、話すと長くなるんだけど…やっぱ、話さないとダメ?






  「そうしてもらえないかなー?

   話してくれないと、お兄さんがタイホしちゃうぞ?」





  ……とりあえず、最後のその一言だけは問題発言だと思うんだよね。ほら、男と女の子だからさ、あらぬ誤解受けるよ?




  周りが屍ばかりだから別にいいんだけど…。










  ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆









  事は今から数年前、まだ私が"生まれて"1ヶ月が経とうかってところ。


  場所は、今でいう戦闘機人の研究プラント。私は、その中の研究室にある培養カプセルの中にいた。





  そう、私は"元々は"戦闘機人。しかも、後で調べてみたら、私はセインのような事例の研究の結果生まれたらしい。


  レアスキルに値してもおかしくない「ディープダイバー」を、もっと普遍的な能力にできないか、という研究だったみたい。



  戦闘機人が持つIS、正式名称インヒューレントスキルは、訳すると「先天的固有技能」とのこと。


  で、セインはクローンとかではない「純粋培養」で誕生し、ディープダイバーは突然変異で発生した珍しいタイプ。


  無機物をすり抜け、ほぼ自在に移動できるってことから、この能力は一部の科学者たちから注目を浴びた。


  この能力を、突然変異ではなく、ある程度意図的に持たせることはできないか。


  ひいては、その辺のノウハウを利用して、自分たちが使えるようにならないか。


  そんな研究をしてたらしいのだけど、正直よく分からないのでIS関係の説明は終了。






  で、その研究プラントが、ある日いきなり崩壊することになった。


  今みたいに、クローンTF関係のプラントを潰して回ってるトラルーが、この研究プラントのことを突き止めたんだ。


  そのパーティーのどさくさでトラルーと出会い、たまたま通りがかったスターともほどなくバトル仲間になった。


  実は既に基本的な調整は終わってて、トレントブレードも完成してたから、脱走ついでにバトってみた。


  最初は、研究員たちの混乱もあって特にダメージもなく暴れてたんだけど、クローンTFの流れ弾で吹き飛んだ床に奇妙なパネルがあった。


  ひし形になってはいるけど、アレには「M」って刻まれてた。形は五角形、色は…メタリックブルーだった覚えがある。


  パネルから発せられる音波みたいなものに、トラルーが飛びついたのは驚いたなぁ。アレ、彼にはとっても覚えのあるものだったみたい。


  トラルーがパネルに触れると、すごい光を放って……光の中から、人間の子供くらい、私たちと同じくらいの身長のロボットが現れた。


  クローンTFが、いきなり放火をそのロボット…マイクロンとトラルーに向けた。私は、とっさにその前に割って入って……放火の直撃を受けた。










  その時は、死んだかと思った。痛みがひどすぎて、意識が遠くなってたのを覚えてる。


  それに、トラルーが泣きながら「死ぬな」って叫んでたのも。


  不思議だったのは、その叫びに応えるかのように、ううん、実際に応えて、マイクロンが光を放ったこと。


  そして、光が収まると、私は"生まれ変わっていた"んだ。





  傷はなくなり、服までチェンジ。今こうして身に纏っているのと同じものに。


  更に、その光のせいなのか、私は戦闘機人ではなくなり、精霊になっていた。精神生命体の類に昇華したらしいんだけど。


  後で詳しく確認したところ、トラルーの叫びに呼応したあのマイクロン、「バグジェネラル」が球体状に変形して彼に直接合体。


  俗にいう「エヴォリューション」によって解放されたパワーと、バグジェネラルが持つ特別な力によって精霊へと転生したんだとか。








  更に、トラルーが自白してくれた情報と推察から察すると、かの有名なユニクロン的な力も作用してるかもしれない、とのこと。


  あー、なんか宇宙には、ユニクロンの力で生まれ変わったトランスフォーマーとかもいるらしいしねー。


  それに、下手するとトラルーも実は…なんてことも考えたけど、私は敢えて気にしないことにした。





  こんなうれしい奇跡も起こしてくれるなら、ユニクロンの力もそんなに悪いようには思えなくなったから。



  あくまでも、力を使うユニクロン自身が悪者なのであって。







  あと、個人的にはトラルーにちょっとときめいちゃったりとかしてるんだけど…



  ……これは別にいいよね。








  ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆







  「にゃははは、今回ばかりは返り討ちにさせてもらうにゃ」


  「そうそう何度も出鼻をくじかれるワケにもいかないんでな」





  その言葉と共に、どこからか無数のクローンTFが湧き出てきた。


  ゴキブリかお前ら。








  「待て待て待て待て待てぇぇ!」



  と、そんな雄たけびと共にやってきた無数の光弾が、クローンTFをまとめてブッ飛ばしていた。






  「ルディン、ライフルモード!」






  ルディンっていうのは、スターが普段ブリッツスカイに格納している武器。


  ライフルモードは、本体から四角形の銃身が展開された射撃形態だね。連射性が高いみたいなんだ。


  で、その連射力をいきなり披露。早撃ちガンマン顔負けな勢いで放たれたエネルギー弾の雨が、クローンTFに降り注ぐ。


  さっきの光弾も、このルディンから放たれたもの。








  「こいつぁ、オマケだ!」







  オマケと称された2発の光弾が、アサルトジャガーとボーンレックスの脳天を狙う…って、何気にエグいねソレ。









  「カリーシュダイブ!アンド、ブレイドツイスター!!」



  「おわあっ!?」


  「にゃんだと!?」




  更に、突如地面からかまいたちと共にイテンが飛び出し、トレントブレードを左右に水平に構えて高速回転。


  そのままアサルトジャガーとボーンレックスに突撃し、無数の斬撃を叩きこむ


  これがイテンの必殺技「ブレイドツイスター」。発動中はまるで青い竜巻。ぶっちゃけ、アレに近づく勇気は僕にはありません。





  なんて思ってる内に、スターとイテンが僕の両隣に降り立つ。


  時空を旅するさすらいのバトル旅人トリオの揃い踏みだね。これで僕がヘッドオンしてなければ完璧だったんだけど。









  「この天空の騎士・スター様を置き去りにしてパーティー続けようなんざ、100万年早いぜ!」


  「ていうか、私も混ぜろぉ!」







  …………………………………………………………








  今、場は妙な沈黙に支配されている。


  原因は、言うまでもなくこの二人なんだけど。













  ………………………………………………………………よし。












  「フォースチップ、イグニッション!


   レイス、フィニィィィッシュ!!」











  「何もかもすっ飛ばしただとぉぉ!?」



  「空気を読む気もにゃいのにゃねー!!」










  スターとイテンのおかげで完璧にボーゼンとしてたアイツらにレイスフィニッシュをぶちこみ…退場してもらいました、まる。


















  ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆









  「出番とるな」と猛抗議してきたスターとイテンを適当にあしらいつつ、本来の目的であった宅配もちゃんと済ませて会社に戻ってビックリ。





  ビックリした理由は……我らがマッチョ参謀チックな上長さんが僕らに持ってきた……















  管理局の地上本部のサインが入った大きめの封筒にあった。

























  (第5話に続く)
























  あとがき




  DarkMoonNightさんの方でめでたくトラルー&レイスカイザーが出演したことをお祝いしての第4話となりました。


  ひとまず、アサルトジャガーとボーンレックスは、そこらのザコと一緒にお掃除されるハメになりましたが、別に反省はしていない(マテ)



  またも新キャラ・イテンが登場。敢えてセインと似た感じのキャラにしてるのは、ひとえにセインが大好きだからだ!(オイ)

  武装の元ネタは、ゾイドのブレードライガーだったり。



  バグジェネラルについてはもう少し後の話で詳しく。エヴォリューションしたことから推察できるかもですが、トラルーのパートナーマイクロンになります。

  もちろん、トランスフォーマーでもないのにマイクロンと合体するのには…ワケがございます。



  そしてスターですが…声は某勇者王ですが、性格やノリはマイクロン伝説の副指令のソレに近いです。

  とりあえず、戦闘をパーティー呼ばわりするところとか(ぁ)

  それと、「タイホしちゃうぞ?」は、歴代のTF作品において屈指の名言(迷言?)だと思っています(ぇ)


管理人感想

 放浪人テンクウさんからいただきました!

 いきなり登場の新キャラ・イテンちゃん。セインに似た感じということは………………ぺたんこk(斬殺)

 そしてこちらでもブッ飛ばされたプレダコンズ。
 ウチでは軽くタランスをブッ飛ばしただけだし……一度ウチでも大規模にブッ飛ばしてやった方がいいかな?(酷)