ふふふ……これはまた思わぬ手土産になりそうでおじゃる。


 何しろ、トラルー、そちのお仲間と再会できるやもしれぬのだからのぅ。








 氷像を手掛ける青年から譲ってもらったパネルを持ち帰り、ショックフリートが解析していたものに近づけてみた。


 すると、パネル同士が発光しだしたのでおじゃる。


 これが噂に聞く共鳴現象でおじゃるな…。しかし、これでもまだ覚醒せぬのか?


 私は別にかまわぬがの。「泣かぬなら泣くまで待とうホトトギス」ともいうしの。








 「そうやって、いつまで知らぬフリをしているつもりだ?」








 ぬ、ジェノスクリーム。そちも空気が読めぬのぅ。


 こういう場合、ギリギリまで焦らしに焦らしてから明かすのが定石でおじゃるよ?








 「またお得意のメタ発言か…。お前のターゲット共々、メタ発言に抵抗がなさすぎるぞ」








 そんなこと言われてものぅ。







 「いや、そんなことはどうでもいい。

  いつまで知らないフリをしているつもりなのかと聞いているんだ」





 ふむぅ…仕方ないのぅ。これ以上は他の連中もかみついてきそうでおっかないしのぅ。


 話してやるから、ひとまずそこら辺で「早く教えろ」オーラを発してる連中を黙らせてくれぬか?


 具体的には、ディセプティコン・フォワードの連中でおじゃる。







 「話してもらおうか。オレが知りたいことも大なり小なり知っているようだしな」







 マスターギガトロンも食いついてきたし……いよいよ逃げられなくなってきたぞよ。


 かいつまんで話すから、心して聞くがよいぞ。




























































 「とある魔導師と守護者と機動六課の日常」異聞録






 「とある旅人の気まぐれな日常」






  第7話:生ける伝説というものを、信じますか?























































 「大丈夫?」


 「うん、大丈夫。心配ないよ」




 イテンに答えつつ、あたしはベッドから身を起こす。


 幸い、致命的なダメージは何もなかったとのこと。でも、しばらくは安静にした方がいいというのがシャマルさんの談。


 まぁ、トランスフォーマーのミサイルの雨くらっちゃ、しょうがないか。





 「それにしてもゴメンね、あたしだけでなくあの3人まで運んでもらっちゃって」





 そうイテンに言いながら、あたしは思い出す。


 クモみたいなバイクみたいな「何か」が飛び込んで、その直後にエネルギーミサイルの雨をもらってからのこと。


 キャロちゃんの話だと、「何か」はパネルの方だけ奪って、さっさと煙に紛れて逃走。


 幸い、レリックとケースは無事に確保。それからすぐにファーブニルたちも撤収したみたいで、それ以上の被害はゼロ。


 騒ぎを聞きつけたのだろう、現場に来てくれたトラルーたちがあたしも含め動けないメンバーを六課まで運んでくれて現在に至る、と。





 「あー、私は何もしてないに等しいからいいよ。

  エリオって子はトラルーが運んだし、あずさや他2名はスターが運んでくれたしね。

  だから、お礼ならトラルーとスターにしてあげて」





 右人差し指で右のほっぺを軽くかきながら、イテンはそういうけど…ってことは…





 「スターって、貧乏くじひかされたってこと?」


 「あー、それはあるかも。3人も乗せて飛ぶのは結構こたえたみたい。

  運び終わってからの第一声が「すんません、3人いっぺんはオレでもつらいです」だったからなぁ…」








 あー、うん…あとでお礼に粗品持ってくね…?









 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆








 「すまぬが、少し邪魔するぞ」




 そう言いつつ、儂は部隊長室に入る。傍らにはカオスプライムもおる。




 「どうした、ベクターメガトロン?」


 「カオスプライムまで連れてきて、何の用ですか?」


 「なに、ついさっき来た、ユニクロン関係で用があるという客に少し、な」




 ビッグコンボイやリインフォースUからの問いには、儂に代わりカオスプライムが答える。




 プレダコンズと機動六課のフォワードの一部の戦闘が終わり、何やら客人が来ているというではないか。


 しかも、その客人の内の1人が、ユニクロン絡みで用があるときた。


 少なくとも、儂らにとっては見過ごせぬことだ。


 儂らも、元はといえばユニクロン絡みでプライマスから力と体を授けられたのだからな。






 「……おやおや、君らはもしかして…いや、詳しい話は場所を変えてからしようか。

  とりあえず、無駄な動揺や疑心は招きたくないからね」


 「同感だ」


 「そうはいかへん」




 その客人からの提案にカオスプライムが乗ったところで、八神はやてから待ったをかけられた。




 「ベクターメガトロン、実は私らもそのことでトラルーから話を聞こうと思っていたところなんです。

  話題が同じなら、別に場所を変える必要はありません」


 「少なくとも、オレたちの誰も、他の誰かにその辺りの情報を漏らす気はない。

  ここで話してもらえないか」


 「リインも同意見なのです」




 八神はやて、ビッグコンボイ、リインフォースUから口々に告げられる。


 そうか、そうであったか。






 「……え、部隊長殿たちも彼らのことはご存じで…って当たり前か」


 「そうだな、合流した時点で既にある程度は教えている」


 「カオスプライムの言うとおり、儂らについては既に隊長陣はある程度知っておる」






 となると、場所を改める必要はないか。


 では、早速ではあるが始めよう。儂から切り出させてもらってかまわんか?





 「えぇ、どうぞ」


 「感謝する」






 八神はやてから了承を得たところで、儂から話を切り出す。







 「単刀直入に聞こう。

  貴様は何故ユニクロンに関する情報を欲する?

  いや、それ以前に……」













 「貴様は、何者だ?」













 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆







 さて、事情説明タイムと参ろう。まずは…パネルについてがいいかの。





 「まず、そのパネルについてじゃが……それは「マイクロンパネル」と呼ばれておる。

  その名の通り、マイクロンが休眠状態となって変化しているものでおじゃる」


 「ってことは、中にはマジでマイクロンがいるってワケか…」





 正確にはマイクロンが形状変化しているもの、なんじゃがの。


 まぁ、おおむねそんな認識でよい。要するに、パネルを手にするということは、そのままマイクロンを手にすることになるのでおじゃる。


 もっとも、休眠状態になっておるのは、極限まで反応を小さくすることで身を隠す為、と考えられるがの。






 「ほう、では、何故このパネル2枚は光るだけで覚醒しない?」


 「マイクロンパネルにもパターンがあっての。緑のパネルは単体で覚醒するタイプ。

  じゃが、そのパネルに秘められたマイクロンは特別。"3体揃って"初めて覚醒する条件が整うのでおじゃる」


 「このままでは意味がない、ということか…」





 ジェノスクリームからの問いに私が答え、その一方でショックフリートが納得。


 そう、"3枚揃わねば"パネルのままなのじゃ。






 「幸い、こちらは既に2枚確保できておる。

  何かしらの方法で3枚目を手にすれば、覚醒して、三位一体となるじゃろうな」


 「三位一体…だと?」


 「なんじゃ、知らぬのか?」







 マスターギガトロンが心底興味深そうに聞いてくるので、答えることにする。



 マイクロンと共に伝わる、"星の剣"の伝説を…。








 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆






 まぁ、多少なりともお世話になる上に、ユニクロン絡みのデータを要求するワケだし、避けては通れない道か。


 いいよ、答えてやろうじゃないの。





 「まず、僕の名はトラルー。で、精神生命体だ」


 「精神生命体、だと?」


 「そ、精神生命体。

  肉体という概念を捨て、人間のような姿をしながらも、その性質は明らかに人間とは異なる存在。精霊ともいうか」


 「どうりで、貴様から感じる力の質が人間とは違うワケだ」




 ビッグコンボイからの問いに、念を押すように説明してやる。


 一方で、なんかベクターメガトロンが納得している。僕から何か違和感を感じていたか。




 「まぁ、な。

  それと、ユニクロンの情報を求める理由についてだが」




 ベクターメガトロンからの問いは2つあったっけ。じゃあ、そっちにも答えよう。







 「出自の"手がかり"が、欲しいからさ」







 「出自の…"手がかり"、やて?」


 「もしかして、自分がどうして生まれたのか、わかってないですか?」


 「そう、その通り」






 部隊長殿が、リイン曹長が心底不思議そうな顔で見てくる。まぁ、不思議に思わない方がおかしいとは僕も思うけど。


 読者諸君には既に語っているけど、僕はどこで、どうやって生まれたのかについては、確かな情報がない。


 そのくせに、自分の誕生にはユニクロンが関係しているらしい、っていうことは分かっているのだから不思議だよね。


 で、僕は、自分が生まれた経緯っていうか、そういうのを知らなくちゃいけないとすら思う。


 だから欲しい。"手がかり"が。







 「なるほど、その"手がかり"が掴めると思って、機動六課にあるデータを欲しがっているワケか」


 「そんなとこ。多分、ユニクロン絡みの情報を最も多く保有しているのは、

  この機動六課やそれに縁の深い人たちだろうからね」


 「調べてみるには絶好の情報源、ということか」






 カオスプライムもベクターメガトロンも、理解が早くて助かるよ。


 さて、疑問には答えたんだ、今度はこっちの疑問に答えてもらおうかな?









 特に、ベクターメガトロンとカオスプライムには…ね。








 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆






 「3つの"進化を促す力"が重なる時、それは1つの偉大なる武器へと姿を変える。

  "星の剣"……正式名称「スターセイバー」とは、特定のマイクロン3体が合体した武器のことなのでおじゃる。

  今でも一部のルートで伝説として伝えられておる、宇宙最強ともいわれる剣ぞよ」





 「宇宙最強」か。いつか世界の覇者となるオレに相応しい。それに、マイクロン自体に秘められた性質もだ。


 よもや、マイクロンにあのような性質があったとはな。


 「エボリューション」によって、合体した相手に更なる力を与える。即ち"進化を促す力"というワケだ。


 マイクロン同士が合体するのも、その性質の副作用みたいなものだろう。




 なんにせよ、そのスターセイバーとやらを手にできれば、ますます戦力が増強できるな。




 「……なぁ」


 「どうしたぞよ?」


 「本当にその剣の名前は「スターセイバー」なんだな?」


 「そうでおじゃるが?」


 「……機動六課のトランスフォーマーに、同じ名前のヤツがいるんだが…」


 「え……」






 ブラックアウトの言葉に、彼女は固まる。


 そういえばそうだったな。ここ一番しかロクに出番がなくて、失念してしまっていたが。







 「…………別によいのではないか?

  トランスフォーマーについては、同じ名前の別人の存在とて珍しくあるまい?」


 「十分に珍しいがな?」




 ブラックアウトじゃないが、オレも正直そう思う。


 オレたちだって、まったく同じ名前のヤツが別にいるなんてこと、信じたくもないからな?





 「しかし、伝説にはそう伝わっておるからのぅ…今更変えるワケにもいかんと思うが」




 収拾がつかないな、この問題は。








 「マスターギガトロン様、まもなく指定ポイントに到着します。

  準備の方を」





 ショックフリートの声に、少々脱線しかけていた思考を元に戻す。


 オレたちは今、機動六課に向けて移動中だ。転送魔法を応用したゲートを使ってな。


 久々だな…機動六課とまみえるのは。蒼凪恭文とのリベンジとしゃれ込むとしようか?






 「待っておれよ、トラルー……今すぐ、この私がそちに会いに行くぞよ!」





 ……そっちはそっちで"お目当て"の方に気持ちが切り替わったか。


 しかし、何故そこまで執着するのやら。


 まぁいいか、オレたちはオレたちで、ヤツらとまみえる。そして…勝つ。







 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆







 っ!?






 《どうしましたか、マスター?》


 「なんか、ずいぶんと身に覚えのある魂が近づいてきてるね…。

  それも、機動六課にご執心なヤツらみたいだ」


 「なんやて!?」





 相棒からの問いに対する答えにまず反応したのが部隊長殿。


 ということは、心当たりが見つかった、とみていいかな?





 「見つかったも何も、現時点でこの六課にご執心な勢力なんて1つしかあらへん…」


 「ディセプティコンか!」





 ビッグコンボイ、ご名答。


 感じられた魂については、身に覚えがある。リーダーのマスターギガトロンを初め、ヤツらとは一度だけ派手に暴れたことがあるからね。


 最近は鳴りを潜めていたみたいだけど、ついに動き出したってワケか。


 でも、なんで今になって……と思ったけど、少なくとも僕はこの疑問に対する答えが出た。






 「分かるですか?」


 「まぁ、これは僕個人に対するものだから、六課に来た根本的な理由にはならないけど」


 「どういうことだ?」






 リイン曹長からの問いについてはそんなとこ。


 で、ビッグコンボイの疑問なんだけど……うん、これは僕個人に対してしか当てはまらない。











 「ちょいと、僕狙いの"追っかけ"が紛れ込んでるんだ」











 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆







 さて、ここが機動六課というところかの。なかなかいい場所に構えておるのぅ。




 ここに、トラルーもおるのじゃな…。





 「ヤツらも、多少なりともマイクロンの情報を得ているだろう…。

  "星の剣"は確実に完成させる為にも、向こうにマイクロンがいるなら奪う」





 なるほど、マスターギガトロンが今になって機動六課へ攻め込もうと思ったのはそれがキッカケであったか。


 マイクロンという存在は、戦場において少なからず影響を及ぼすもの……独占してしまえば、それだけ優位に立てるということにもなる。


 特に、もし機動六課に3枚目があるとしたら……向こうもこちらにある2枚を狙ってくる可能性は十分にあるというもの。


 見境なしというのはちとどうかとも思うが、まぁそれはマスターギガトロンたちの問題。私にとってはある意味で無関係ぞよ。


 もっとも、トラルーが率先してマイクロンの情報を広めるようにも思えぬ…。


 可能性があるとすれば、先ほどマスターギガトロンが話したベクターメガトロンとかいう輩であろう。






 っと、そんなこんな考えておったら、向こうからお出ましでおじゃる。


 接近してくる機影は……ざっと数えて8つかの。


 その内の1つ、昔の地球の軍隊でよく見られたタイプの戦車がいち早く変形する。






 「ベクターメガトロン、トランスフォーム!」


 『トランスフォーム!』





 その掛け声に続く形で、他の面々もトランスフォーム。


 さて、あやつがベクターメガトロンでおじゃるな。


 ふ〜む…。





 「ぬ?どうした小娘?」




 いや、そちを見ておると、なんか……こう……。


 クワガタムシみたいな頭に、戦車型のビークルモード……敢えて言うなら……












 クワガ・タンク?































































 轟音&爆発





































































 「口のきき方に気をつけるのだな、小娘」








 ちょちょちょっ、いくらなんでもあんまりなのじゃ!


 このうら若き乙女に問答無用で砲撃とは、あんまりなのじゃ!


 割と本気で撃ったじゃろう!?そうでおじゃろう!?


 それに小娘小娘って、私にはちゃんと名前があるでおじゃる!






 「ほう、では、その名前とh」


 「ビコナ?ビコナじゃないか!」






 そ、その声は……!


 間違うはずもない…トラルー!トラルーではないか!会いたかったぞよ〜!!






 「あぶねっ」


 「って、ふみゃあああああ!?」





 飛びつこうとしたら虚しく空振り、そのままヘッドスライディング。


 よけなくてもよいではないかぁ〜。






 「ファーストコンタクトの時に飛びつかれて、

  その後に見事すぎるくらい"あぁるじゅうはち"な展開に持ち込まれたこっちの身にもなってよ」


 「あー、そりゃ警戒せずにはいられないな…」


 「ていうか、それってどういうこと!?

  ねぇどういうこと!?」


 「うん、スターは何を他人事な目で見てるのかな?

  そしてイテンにはまだ早い話だよ」


 「どういうことぉ〜!?」





 む、スター殿も来ておったのか。


 隣にいる水色の女の子は……なるほど、そちがイテン殿でおじゃるな。





 「お供が増えておるようだし、改めて自己紹介を。

  私の名前はビコナ。トラルーとは、今から10年ほど前に出会っておる」


 「なるほど、迷うことなく好意的な眼差しと共にダイブしてきたのはそのせいか」


 「じゃあ、トラルーとはお友達ってこと?」


 「そういうことぞよ」




 スター殿もイテン殿も、特に敵意を持たないでいてくれて何よりでおじゃる。


 私としても、そち達と争う気は毛頭ないからの。





 「……一応聞くけど、じゃあなんで来たん…?」


 「決まっておろう。

  トラルー、そちに会う為でおじゃるっ!!」






 それ以外に、わざわざミッドチルダまで来る理由など、私にはないぞよ!






 「うん、そうだね、君ってそーゆー人だったよね…。

  君が精霊で、僕がそれに近しい存在だって分かった途端に追っかけになったもんね」






 そういえばそうだったかの?




 そもそも、私とトラルーは、今から10年ほど前に、地球のとある国のとある山村で出会ったのじゃ。


 地球での旅が初めてであったというトラルーは、しばらく山のふもとで彷徨う内にばたんきゅーしてしまったのじゃ。


 とどのつまり「行き倒れ」とかいうヤツなのでほっとくこともできず、ひとまず第一発見者になった私が村の空き家に運んで少しばかしお世話してたのでおじゃる。


 少しずつ話す内に仲良くなっていったのじゃが、彼が私と同等の存在、つまり精霊ないし精神生命体であると教えてくれた時、私の心に電撃が走った。


 今でいう「胸キュン」とか、そういうヤツでおじゃる。


 それからグランドブラックホールのどさくさでお互いに音信不通になってしまっておったのじゃが、ついに感動の再会じゃ!






 「ついでに言うと、彼女は地球において有名な「トクガワ・イエヤス」の家系に伝わる精霊らしい。

  来ている服の袖とかに家紋があるのはそのせいだよ」


 「つまり、お姫様ってことか?」


 「変わったお姫様なんだな」


 「暴走コンビの指摘は、まぁ正解。

  本人の話によれば、実質それに近い待遇とお役目はあったらしいから」






 しかしトラルーよ、いくら褒めてくれても、残念ながら手土産のシュークリームとマイクロンパネルしか出ないぞよ?







 「手土産、あるんだ…………って、ちょっと待てぇい!?」







 そう、それじゃ!その反応を待っておったのじゃ!







 「いやいや、「待っておった」じゃないからっ!

  何トンデモナイものここに持ち込んできてる!?管理局を戦乱の象徴にでもしたいのか君はっ!?」


 「何をそんなに慌ててるのさ、めんどくさい」


 「あぁそうだね、アレを管理局に調べられると非常にめんどくさいんだよね」


 「どういうことか理解できない。説明を求める」


 「ジェットガンナーじゃないけど、確かに説明はしてもらいたいわね」







 ふむぅ?何やら、機動六課の連中まで食いついてきてしまったようじゃの。


 言っておくが、このマイクロンパネルとシュークリームはそち達にはやらぬぞ?あくまでトラルーのみじゃ。


 あ、お供だから、スター殿とイテン殿にならよいかの。






 「待て。マイクロンパネルを、あんな得体のしれない風来坊に渡すつもりか?」


 「冗談じゃねぇ!六課のパネルを奪うどころじゃなくなるだろうが!」


 「しかし、六課の連中はまだマイクロンパネルのことを知らないと見える」


 「今なら特に問題にはならないか」






 ジェノスクリームから詰め寄られるが、特に気にしない。その一方でジェノスラッシャーの頭に血が上ったかの。


 ショックフリートは冷静なものじゃ。確かに、まだ六課の者たちはパネルのことを詳しく知らないようじゃ。


 詳細説明はまだしておらなかったということかの。


 で、マスターギガトロン?そちは何を楽しそうな顔をしておる?






 「いやなに、マイクロンという要素で単独で優位に立てると思うと、少し、な」






 そういうことか。知られさえしなければ、マイクロンの数さえあれば、エボリューションで一気に優勢になれるからの。


 しかし……マイクロンのことを周知しておるのは、何も私たちだけでもなさそうぞよ。トラルーだって、かなり深いところまで知っておるし。


 それに……








 「パラリラパラリラ〜!

  タランス、ただいま参上っす!」


 「こら、抜け駆けするんじゃねぇよ!」


 「最大にょ手柄を立てるにょは、こにょ俺様にゃにょにゃ!」


 《まぁまぁ、落ち着いて…》








 こうして突然割り込んできた、プレダコンズとか。























 (第8話に続く)





























 あとがき


 さて、前回から登場していた和風女は追っかけ精霊ビコナだったということで今回。



 誰かしらの手に収まることになった、"星の剣"をなす3枚のマイクロンパネル。

 次回、いよいよ覚醒……するのですが、本編中でツッコんだ通り、現在名前の方をどうしようかと本気で苦悩中。

 このままだと名前がアイツとモロかぶりなので、何かしら処置をしたいところですが…。



 ちなみに、ベクターメガトロンがなぜに「クワガ・タンク」と呼ばれるハメになったのかは……イカトンボに聞けっ!(ぇ

 (詳しくは「マイクロン伝説」第39話をチェキラー!)


管理人感想

 放浪人テンクウさんからいただきました!

 “三種の武器”が出る時点で避けられなかった“星の剣”の名前ネタに『クワガタンク』発言。
 どっちも『マイ伝』世代にはたまらないネタすぎる。実にファンの喜ぶツボをわかってらっしゃる(苦笑)。

 そして『とま休』時の話ということで借りを返す相手が不在と未だ知らぬマスターギガトロン。
 見事な肩すかし御苦労さまでした(爆)。