よもや、本当に再会することになるとはな。
なかなかに複雑な気分ではあるな…。
「どうした、臆したか?」
「まさか」
そうだ、ベクターメガトロンに答えたように、それこそまさかだ。
臆するワケにはいかない。今度こそキッチリと取り返して…それから考える。
彼らマイクロンを…どうやってユニクロンのしもべ共から守るか、な。
「とある魔導師と守護者と機動六課の日常」異聞録
「とある旅人の気まぐれな日常」
第9話:剣の行方、混迷せり?
むぅ……よもや、これほどの力を持っているとは…さすがだな。
いや、そうでなければ、世界の覇者となりうるこのオレの力とするには物足りない。
3体のマイクロンが変形合体したスターセイバーは、今はファーヴニルとかいう若造の手にある。
未熟者なアイツが使ってもあれほどの戦果を挙げられるのだ……オレが使えば、もっと凄まじい活躍もできるだろう。
さぁて、どうやって奪い取ってくれようか…!
「おい、ショックフリートはどうした?」
「知らねぇよ、いきなり空間に溶け込んだと思ったらどっかいっちまったみたいだしよ」
「さっき、マヌケな悲鳴が聞こえたんだが…アイツの声じゃなかったか、オイ?」
いつの間にか手柄を立てようとして、ミイラ取りがミイラになったヤツが若干1名いるようだが…気にしない。
ジェノスクリーム、ジェノスラッシャー、ブラックアウトは気にしているようだが……。
……気にしないったら気にしない。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
さぁ……次はどいつだ!?
誰でもいいぜ…?片っ端からスターセイバーのサビにしてやるからよ!
これでオレ様は無敵…!下手すりゃダークコマンダー様にさえ勝てる気がするぜ!
負ける気がしないな!!
「その大口、今からオレが黙らせてやろうか」
そう言いつつオレの前に出てきたのは……カオスプライム、だったか。
なんだ?素手でスターセイバーを持ったオレに挑むつもりか?
とんだ笑い話だな!
「カオスセイバー!」
とか思ったら、いきなり深紅の剣を出してきた。何故かスターセイバーにそっくりだが。
「そりゃそうさ、何しろ、そのスターセイバーがモチーフになっているんだからな」
なるほど、そういうことかい。
「あー、せいぜい気をつけることだねぇファーヴニル?」
あ?なんだよ、トラルー。
そういや、お前にはこの前……お前のパートナーマイクロンの件でしてやられた借りがある。
カオスプライムを倒した後でキッチリ返してやるから、覚悟しとけよ?
「覚悟するべきはお前の方なんだけどなー」
どういう意味だ?
「だって、カオスプライムはスターセイバーと最も絆を深めたトランスフォーマーだから」
……は?
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「カオスプライムは、今とは別な時代に、マッハたち3体をなんだかんだで思いやっていた。
戦いに投じてこそいたけど、戦いじゃなければ分離させて子分みたいな感じで連れまわしていたみたいだしね。
そしてマッハたちも、精神的に不安定になっていたカオスプライムを心配していたようだし、いい関係なんじゃない?」
フン、トラルー…とかいったか。アイツめ、余計なことを…。
別に驚きはしない。トラルーがそのことを知っている理由はタランスがバラしてくれたし、事実ではあったからな。
マッハ、ジェッター、シャトラー…。思えば、お前たちとはなんだかんだでいい付き合いをしていたかもな。
だが、だからこそ、お前たちはお前たちを持つ敵を倒して取り戻す。
ベクターメガトロンを相手取って、命がけでオレの想いを伝えた、あの時のようにな。
「グダグダと…!そんなもん、オレ様の知ったことかぁ!!」
業を煮やしたか、ファーヴニルがゴッドオン。ブローンとなり、改めてスターセイバーをかまえる。
同程度のサイズになって、戦いやすくしたつもりか?
そんな気遣いなど、逆にオレの方が好都合なんだがな。
「さぁ……そのスターセイバーを賭けて、オレと勝負だ!」
「ワケわかんねぇ情報なんざいらねぇ…友情ごっこでオレ様が倒せるかっ!!」
オレとファーヴニルは同時に地を蹴り……オレのカオスセイバーとヤツのスターセイバーがぶつかりあった。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
さて、どうなることやらな。
現在、スターセイバーはファーヴニルが持っている。
しかし、カオスプライムが……"スタースクリーム"が相手となると、状況は厳しいかもしれないな。
何しろ、ヤツは最もスターセイバーと相性の良い存在であったからな…。
マッハたちが何かしらのきっかけで反応したりしなければいいが。
《ところでダークコマンダー様ぁ?
なんで"X"を出しちゃったんですかぁ?》
ナビ子から疑問の声。
《確かに、彼の再調整は殆どできてますけど……さすがにプラネットフォースを使ってタダで済むほどまでは…》
あぁ、それなら心配はいらない。
あれぐらいの戦力が相手なら"X"が本気を出す必要もないし、彼にもプラネットフォースだけは使わないように命じてある。
保険としてブラックアラクニアまで同行させたぐらいだ。心配することもあるまい。
そう、心配はいらない筈なのだ…。
《ダークコマンダー様?》
しかし……マイクロンだけでなく、貴様の存在まで再確認することになるとはな、トラルーよ…。
今も尚、ユニクロンに対して反抗的ではないか。
"また"裏切るのか…?
物質再構築能力の暴発によって誕生した、"あの時"のように…。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
さぁて、どうしたもんかね…。
「だよなぁ、オレたち、やることないしなー」
「稼げるイベントも、ハデに暴れられそうなイベントもないもんねー」
「ゆっくりお茶でも飲みながら見物していたいくらいでおじゃるねぇ」
でしょ?スターもイテンもビコナも、そう思うっしょ?
よし、カオスプライムとファーヴニルの決闘が終わるまで……バト○ピでもするか。
「トラルーにさんせー!」
『さんせー!』
よし、まずスターたち3人が賛同して、4人だね。タッグバトルのルールもあるし、ちょうどいいk
「遊んでんじゃねぇぇぇぇぇぇっ!!」
『ぶッヴぇあっ!?』
突然、赤いバリアジャケットに身を包んだ小さな副隊長がゴルディオンハn……もとい、巨大化させたハンマー型デバイスで僕らをブッ飛ばした。
……僕が…気づけなかっただと…!?まさか君は、かの有名な赤い彗星なのか!?
「ちげーよ。ていうか、やる気あんのかないのか、はっきりしようか?」
『途中で失せました』
「即答!?」
うんうん、僕ら4人って仲良しなんだねー。特に今日はよく声がハモるよ。うふふ。
「頼むから…頼むからマジメになってくれ…」
『あ、崩れ落ちた』
僕ら4人よくハモる〜。さて、赤い副隊長が崩れ落ちてしまったので、いい加減マジメにやろうか。
「《……えっ?》」
今ここで、忍者でもアサシンでもないくせに暗殺狙ったりして、
僕が背中を見せたままイグナイテッドで攻撃を止めたことで驚愕している(と思う)そこの"霊子生命体"もいるしね。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
よし、我々も戦闘に入るにょにゃ!
今度こそ仕留めきってみせる!
「ウヒャヒャヒャヒャヒャ!
さぁ、アタチたちもお仕事するっすよ〜!」
「アンタにいわれなくても!
ていうか"X"!ダークコマンダー様からの命令、忘れないでよ!」
「《大丈夫です…今回はいつもより慎重にいきますから》」
タランスとブラックアラクニアもそれぞれで攻撃開始。
今回こそはいける!にゃにしろ、スターセイバーがこちらの手にあるにょにゃから!
……おっと、熱くにゃって忘れるところだったにゃ。
今回は、別に反応にょあったマイクロンパネルも探さにゃければにゃらにゃいのにゃ。
「ぶぎゃっ!?」
「あ、ワリィ。それ、多分コレのことだ」
タランスをいきにゃりブロウクンファントムにょパンチでブッ飛ばしたスターが、そう言いつつ見せたにょは…。
そ、そんにゃバカにゃ…!?本当にマイクロンパネルにゃにょにゃ!
「え、うっそ!?もうとられたの!?」
ブラックアラクニアも驚いているが…私もフツーに驚いているにょにゃ。
「いやー、タランスがぶっ放したビームよけたら、えぐれた地面から出てきてさー。
クモバイクVS宇宙装備ステルス戦闘機という謎のレースの結果、オレがゲットしたってワケさ」
にゃんということだ……これでは、我々が威勢よく飛び出した意味がにゃいではにゃいか…。
「意味なら持たせてやれるぞよ」
そう言って出てきたにょは……ビコニャか。
「ビコナでおじゃる!!」
「諦めろ、アサルトジャガーは昔からナ行が人並みに話せないバグを持っているんだ」
「む…そうとも知らず、失礼したでおじゃる」
オイマテ、スター、今どこかに変にゃルビをふらにゃかったかにゃ?
「で、話を戻すがの」
そうだったにゃ。
「そちたちが出てきたこと…それ即ち、この私のかませ犬ということでおじゃる!」
ふざけるにゃ!?
……あにょ、そにょ両手に握る扇子らしきにゃにかに異様にゃオーラが宿っているように見えるにょは気にょせいかにゃ?
「いーや、気のせいじゃないでおじゃる。このオーラは、いわば私の霊力…。
そちたちをお空の星に変える、必殺の一撃のための霊力でおじゃる!」
「なんかヤバ、さっさと隠れるわよ!」
「スタコラサッサで逃げるっす!」
「冗談じゃにゃいにょにゃ!こんにゃことで、おめおめとファントムアークに帰還できるワケがにゃいにゃ!」
そうにゃ、にゃにかしらにょ戦果を持って帰らにぇば、ダークコマンダー様に合わせる顔がにゃいにょにゃ!!
「霊魂『紅蓮』『深海』解放――」
「獄炎激流乱舞!!」
彼女にょ声と共に右手にょ扇子から炎を宿すオーラが、左手にょ扇子から水を宿すオーラが現れ……
我々は、炎と水にょ"地獄"を見るハメににゃった。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
出動が少し出遅れてしまったんだけど……その"少し"の間に、僕たちにとって未知の現象が起きていた。
人間サイズのトランスフォーマー、マイクロン。彼らがパネルらしきものから突然現れて、1つの剣になった。
しかもそれは、カオスプライムの使うエナジーウェポンの1つとそっくり。
現在、カオスプライムはカオスセイバーを出して、マイクロンが合体した剣を持つファーヴニルと戦ってる。
《なぁクレア、アレってもしかして、あたしらの伝承にあった"オリハルコン"じゃないのか?》
「でも、アレは確か、どっかの星の海の底に沈んで…って…」
《でもさ、3体のロボットが合体して1つの武器になる。それに変わりはないじゃんか》
確かに、イリアスの言うとおり、変わりはないんだよね。
"オリハルコン"とは、意思を持つ人型の金属生命体のこと。
更に、特定の"オリハルコン"たちは3体で1つとなり、強大な力を持つ武器へと姿を変えるという言い伝えを聞いてる。
移民船団に伝わる伝説なんだけど、もしその"オリハルコン"という名前が昔の人たちがつけた名前で、
本当はマイクロンという名前なのだとしたら…。
「なんとか、アイツから取り上げなきゃ!」
「おっと、そうはいかないな」
カオスプライムとファーヴニルの戦いに割って入ろうとした僕を阻んだのは……ジェノスクリーム!
行かせてもらうよ…絶対に!
「いくよ、イリアス!」
《おうよ!》
『《霊騎――融合!!》』
その言葉と共に、僕とイリアスは1つになる。
相手はディセプティコンの中でもかなりの強者……でも、負けるワケにはいかない!
『《大地の守り手、グラン・ブレイダー、突貫する!!》』
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
『《はああああっ!》』
「はい残念」
『《がっ!?》』
ジンが話してくれた、ユニクロンのプラネットフォースを使うとかいうふざけたヤツを相手に、今のところ特に苦労はない。
しょせんは生まれたてホヤホヤだね。戦闘経験が致命的に欠けていると見える。
ヤツの雄たけびと共に放たれた一撃は、基本形態「ジャベリンフォルム」のイグナイテッドで受け流しつつカウンター。
この形態は、四角形の盾の角、対角線上に位置するように両刃の刀身を盾の面に水平に備えたツインランサーって感じ。
今回の場合、まず上の刃(マルチフェザー)でヤツの攻撃を軽く受け止め、加わる勢いを利用して下方向へヤツの刃をずらしていく。
そしてイグナイテッド本体のところぐらいまでずれたところで一気に右後方へはらい、そのままターンして下のマルチフェザーで突き飛ばした…と。
僕の背丈くらいあるから両手持ちでも使える形態だけど、非常に軽いので片手で振り回す方がやりやすい時もあったりもするが、それはともかく。
『《やってくれますね…。
そういえば、あなたはダークコマンダー様が何かと目をつけていたようで。
あなたはユニクロンから生まれた存在。破壊神の力を受け継いでいるのですよ?
そして神器となるマイクロンたちは、"ユニクロンの覚醒キー"となる。
その絶大な力を難なく使いこなせるのは、紛れもなくユニクロンと同一の存z》』
「黙れ」
なんかムカつくことをほざきだしたあの野郎に踏み込み、イグナイテッドを一瞬で射撃形態「シュートフォルム」に変形。
シュートフォルムは、マルチフェザーを前側に倒し、分割した銃身のようにした状態。
形状的には、出演したてホヤホヤな豪獣神の右腕のドリル。アレのランサーモードみたいな感じ。
話を戻す。
変形するだけでなく、ゼロ距離射撃の体勢への移行も一瞬。つまり一瞬の間に、踏み込んで、変形させて、あの野郎の腹をイグナイテッドでとらえた。
間髪入れずに引き金を引き、変形と同時にチャージしたエネルギーを光弾として放ち、ヤツをブッ飛ばす。
一瞬のことにはさすがに対応できないか、ヤツはモロに直撃をくらい、ぶっ飛んだ先で放物線を描いて地面に落ちる。
身を起こそうとするあの野郎に、僕は言い放つ。
「こちとらユニクロンと一緒にされるのはね、殺したくなるくらいムカつくのよ。
あんなバカ神のしもべなんかじゃない。ちゃんと自己を、意思を持って、自分として生きてるんだ。
ユニクロンと一緒にするような言い草、やめてもらえる?」
「でないと……ブッ殺すよ?」
残念ながら、命の尊さってヤツにはまだ疎いみたい。
命の尊さを知らぬ悲しみ、こんな僕にもあると信じたいところだけどね。
何しろ、平気で殺人宣言できちゃうような鬼畜だからねー、僕。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
『《っ!?》』
トラルーのその言葉に、敵も味方もなく、他の誰もが驚愕した。
違うわね、恐れをなしたというべきかしら。
今の彼の言葉には……凄まじすぎる憎悪と殺気がこもっていたのだから、無理もないわね。
面識はあまり深くないのだけど、それでも少しは分かってたつもりだった。
彼は、少なくとも自分から誰かを潰しにいくようなタイプではないと。
でも、相手の言動次第で、それはいともたやすくひっくり返ってしまうものだと、思い知った。
とりあえず、今の彼を刺激するのは極めて危険ね。
下手をすれば、少しのちょっかいでも即死につながりかねないほどに危険だわ。
……そう思わせるには十分すぎるほどの憎悪と殺気を、今の彼からは感じる。
「ヴェルヌスお姉様が闇属性で、ユニクロンのプラネットフォースまで使えるほどの力を持っているのは分かるのだけど、
それでそこまで詳しく分かるものなの?」
「私も、正直そこは疑わしいのだが」
まぁ、レヴィアタンやハルピュイアがそう言うのも無理ないわね。
正直、私だってたまに疑わしく思えるし。
けど、ハッキリ言ってしまうと、今のトラルーは私でも怖いわ。
「そういえば、憎悪と殺気…と言っていたが。
いったい、誰に対してだ?まさか、"X"に対してか?」
表面的に言えばそうでしょうけど、もっと根本的なところにあるような…。
「へぇ、ヴェルヌス…だっけ。いいトコつくな」
「スターか。タランスの相手をしていたのではなかったか?」
「ウヒャヒャ蜘蛛なら、ジャガーやクモ女共々ビコナが始末してくれたよ。
親切に3人まとめて」
こっちの話に食いついてきたのは、ハルピュイアの言うとおりタランスと戦闘中だった筈のスター。
でも、どうやらアイツは退場したみたいね。
にしても、そのビコナって人、ずいぶんと強いのね。アイツら、割と結構な手練れなのだけど。
「まぁ、それはそれとして、だ。
トラルーの憎悪と殺気の矛先についてだけど」
「心当たりでもあるの?」
「あぁ。オレが聞いた時と今でも変わってないなら、
その矛先は、"自分をユニクロンと同一視するヤツ全員"ってことになる」
……それはまた、ずいぶんと見境ないわね。
「オレやイテン、ビコナと出会う前……数百年前になるけど、
その頃の単身放浪時代はそういうヤツが多くて、意味もなく蔑まされることも多かったそうだ。
"自分はユニクロンじゃない"と、"自分は自分だ"と、自分自身に言い聞かせる毎日を過ごしていたらしい」
「蔑まされる……疫病神のような扱いだったということか」
「ハルピュイアの言ったような感じだ。
しかも、"ただユニクロンから生まれただけで"ってところがアイツにとって非常に腹立たしいことみたいでな。
アイツもアイツでずいぶんと我慢してはいるみたいだけど、それでも堪忍袋には限界がある」
そこで一旦切って、異様なオーラを放ち始めたトラルーへと視線を向けながら続ける。
「オレがアイツと出会って、数か月ってところで、"事件"が起きた。
妙な連中に絡まれたことがあってな、ソイツらはユニクロンの力を利用して世界征服しようとか考えていたらしい」
「それって、プラネットフォースを狙って…ってこと?」
「いや、その当時は、プラネットフォースじゃなく、アンゴルモアエネルゴンが主なターゲットだったみたいだ。
で、オレたちもたまたまそれを確保しようと動いてたところでその連中とバッタリ」
それで戦いが起きた…ってことでいいかしら?
「いや……アレは戦いなんてもんじゃない。"殺戮"だな、"殺戮"」
『!?』
「まず、トラルーがアンゴルモアエネルゴンを難なく扱えたことで、連中も感づいたみたいでさ。
その当時にはトラルーも気づいてたんだ、体のことでユニクロンが絡んでるんじゃないか、ってな。
で、その後の発言がマズかった」
「というと…」
「事もあろうに連中、トラルーはユニクロンの分身だー、なんて言いだしたもんだからさぁ大変。
どこぞの暴れん坊将軍も真っ青になって逃げだすんじゃないかってくらいの大暴れ。
結局、堪忍袋の緒が切れるキッカケになった連中の方に生存者はゼロ。一人残らずトラルーに殺されたってワケだ」
おそらく気づいたのだろう、恐る恐るハルピュイアが結果を聞いてみれば、結構ひどかった。
つまり、トラルーは相手側を皆殺しにしちゃったってことね。まさか、いとも簡単に感情が天元突破するNGワードがあったとは…。
光景を少し想像しただけでも、スターがそのことを"殺戮"と表現したのは間違いではないと確信したわ。
「連中が揃いに揃って同じこというから、弁護する気にもなれなかったけどな」ってスターはいうけど、普通にただ事じゃないわよ。
一歩間違えば、今ここで、その"殺戮"が繰り広げられることさえ考えられるのだから。
"X"がその引き金を引いてしまったようだし。
……ジン、こっちはこっちで、ずいぶんと厄介なことになりそうよ。
(第10話に続く)
あとがき
さて、スターセイバーはどうなるのってことが後半から放置されてる気がしないでもない第9話でした。
そうだと知らなかったとはいえ、"X"の発言によってトラルーがいきなり殺戮の修羅に変貌。
とりあえず、変貌する原因となってしまった"X"がまず危ない。
いくらお留守とはいえ、いずれは「外典」でジュンイチか恭文辺りとぶつかることになるだろうに…。
一方で、スターがマイクロンパネルを手に入れたり、ビコナが技を披露したり。
クレアにジェノスクリームとぶつかってもらったり、と、要素自体は盛りだくさんで書いたつもりです。
ちなみに、クレアやイリアスが持ち出した伝説については、マイ伝の第13話が元になっています。
(スターセイバーを初めとする神器の存在が明確になった話ですね)
というワケで(?)、次回の第10話は、某暴れん坊将軍のBGMを用意してお待ちください(ぇ)
管理人感想
放浪人テンクウさんからいただきました!
スターセイバー(剣)を救うためファーヴニルに立ち向かうカオスプライムですが、両者の戦いは“X”がトラルーを怒らせたことであっという間に空気化。悪いのは“X”ですからねー(笑)。
クレアもジェノスクリームと対峙してバトルは目前。
ディセプティコン四大幹部の筆頭、なんだかんだで(苦笑)なのは達と同格の彼らを相手に、クレアはどこまで戦えるのか!?