次元世界・総合戦闘技能大会「アレス」。




それは、多種多様な次元世界から数え切れぬほどの猛者が集まり、ひしめき合い、頂点を争うイベントである。




この大会に優勝した者は、全世界に対してその名を轟かせ、尊敬と恐れのまなざしを向けられることになるだろう。




そしてこの大会は、戦う者、支える者、企む者、様々な思惑が複雑に絡み合う場でもある。




人々はこの大会を経て、果たして何かを得るのだろうか。




今回の優勝商品とされた、コスモテクターの一部となるマイクロンパネル。




これが、世界に対して何をもたらすのだろうか。




それはまだ、誰にも分からないのである。













































































































 

「とある魔導師と守護者と機動六課の日常」異聞録






「とある旅人の気まぐれな日常」






第25話:六課大乱闘!気分はスマ○ラ!?










































































































 「おぉぉぉぉぉっ!!」


 「ぎにゃぁぁぁぁぁぁっ!?」



























 はい、どうも。第3クールになってもマイペース絶好調を目指す所存のトラルーです。


 現在、機動六課の訓練スペースを使って、六課関係者のチーム同士によるバトルロワイヤル的な模擬戦がおっ始まっております。


 で、いつぞやスターが模擬戦で怪獣映画さながらの大暴れを云々って話をしたと思うんだけど、


 今回もバッチリシッカリやらかしまくっております。派手すぎるわ。


















 今も、ビルの影からガトリング形態のイカヅチで狙い撃ちしようとしたあずさが、スターにビルごとブッ飛ばされた。




















 いくら勇者王譲りな防御力があるからって、弾幕気にしなさすぎでしょ…。


 え、どうやってビルごとブッ飛ばしたかって?


 方法は簡単。






































 「フォースチップ、イグニッション!」








 <ATTACK-FUNCTION BRAZING LAYZER.>


























 本日ソッコーで2回目のイグニッション。


 さっきと同様、ハンマーモードのルディンのチップスロット(ヘッド部分)に地球のフォースチップをイグニッション。


 同時に開放されたオーラの全てがヘッド部分に集中し、スターは勢いよく豪快にビルに叩きつける!


 それによって発生した衝撃波がそのビルを吹き飛ばして……今度はアリシアが犠牲になった模様。













 そう、さっきも今も、スターのアタックファンクション「ブレイジングレイザー」でビルもろともブッ飛ばしたワケだ。


 いやもう、君はビッ○オーかと言わんばかりの大粉砕っぷりです。あはははは。


 そりゃシグナルランサーに睨まれるわ。

































































 ……もっとも、日頃からそれ以前の問題で大暴れしまくってるんだけど。










 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆








 「ぎゃふん!?」


 「うぎゃーっ!」












 あ、先輩とリュウタがブッ飛ばされた。


 僕たちもバトルロワイヤル真っ最中。とりあえず僕らはおなじみメンバーでのエントリーみたい。


 で、一度のバトルでの参加人数制限である3人を選抜してーってことになったら、


 開始前の説明タイムで眠りこけちゃったキンちゃんと


 いつもどおりな王子スタイルで拒否し始めたジークは置いといて、


 先輩と僕とリュウタのトリオでバトルへ。あと、電王やゼロノスについての扱いとかの話は、特に問題にならないらしい。


 なので先輩は良太郎に憑いて、電王・ソードフォームで戦ってる。


 ただ……お相手というあの少年、ちょっと怖いくらいなんだけど。






















 「たぁぁぁぁぁぁっ!!」


 「だぁぁぁぁぁぁっ!?」


























 さっきから豪快に地面やら瓦礫やらを粉砕しながら、


 やったらめったら長いトンファー的な武器を振り回しまくって先輩に突撃。


 援護射撃してくれてるリュウタは巻き添えに近いね。


 で……
































 「ちょっとー!モモタロスさんばかり狙って、卑怯くさくないのー!?」


 「単にお前が戦いたいだけだよな!?そうだよな!?」


 《マスターの内に眠るバトルジャンキーの血が騒ぎ出して止まらないですねー!?》


 「誰がバトルジャンキーだってぇぇ!?」


 「恭文殿に決まっているでしょう!?」


 「って、うそぉぉぉ!?」


 「無茶しやがって!!」

























 いきなりそのトンファー少年に突っ込んでいった恭文。


 マスターコンボイやアルトアイゼンのツッコミを振り切りながら飛び込んだら、


 ツッコミのセリフと共に打ち下ろされたトンファーで地面に埋められた


 マスターコンボイも言うけど、いろんな意味で無茶だったよ、恭文。


 ていうか、いくら軽量級の恭文が相手とはいえ、一撃で地面に埋めるって、どんな馬鹿力なワケ!?

































 「だったら、これでどうだ!」


 《ボス、それ大人気ない気が!》


 「……なんのこれしきっ!!」


 「な、なにぃぃ!?」





























 ロボットモードになったマスターコンボイが恭文の仕返しとばかりに踏み潰そうとするけど、


 トンファー少年が真っ向から押し返…否、ブッ飛ばした。いや、だからどんだけ馬鹿力!?


 あのトンファーの頑丈さといい、普通じゃないよね!?
































 《ふっふふっのふ〜♪

  さすがはヒョウエン。これなら"アレス"でも大丈夫そうね》


 「お褒めに預かり光栄です、霞澄チーフ!」






























 ……あれ?チーフ?











 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆











 トランスフォーマーをも容易く吹き飛ばしてしまうほどの馬鹿力をその小さな体に秘めた男、ヒョウエン。


 彼は地球において誕生した機獣の一人であるが、


 世界に対応するべく設定したヒューマンフォームが何故か解除不能となり、人の姿のまま世に溶け込む。


 日本のとある場所のレスキュー隊に所属した彼であったが、ある日、柾木霞澄にスカウトされる。


 レスキュー隊員として精を出す一方で、機械技術にも精通していることを知ったからである。









 スカウトされたヒョウエンは、ブレイカーベースの技術スタッフとして柾木一門に加担する。


 また、その優れたスタミナとパワーを活かし、数々の試作品のテスターを買って出る。


 かつてJS事件で幾度か披露された各種爆裂武装も、


 密かに彼がマグナブレイカーを操縦し、主に耐久性と稼動効率のテストを担当していたという。









 戦闘時は、両手に握るトンファー型デバイス「ミハシラ」を利用してのパワーファイトを得意としている。


 そのパワーがどれほどのものであるかは、先ほどの攻防を見ていただければお分かりであろう。


 単純な馬力勝負であれば、その能力は大帝クラスにも匹敵する。


 そしてこのデバイスは、トンファーとしてだけでなく、多種多様な使い方ができるよう、ある人物によって改良が繰り返されているようである。








 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆







 勇者王でおなじみの某ナレーションさんが介入してきたけど、まぁそんな感じ。


 見た目からは全く想像できないけれど、実は機獣。


 本人いわく、ロボットモードの姿は超○神によく似ている…とのこと。









 ……まぁ、デバイスの元ネタが超○神だっていうんだから、まぁ納得です。













 さて、そんな彼の外観だけど。


 髪は明るいシルバー。丸めなショートヘアーだね。


 瞳は鮮やかな赤、その身を包むのは柔道着のような装飾がある半袖インナーとショートパンツ。どちらも黒。


 腰には黄色の長い帯を巻き、形状記憶合金の如く左右に開いて浮いている。


 膝にはサポーターと逆五角形の黄色のプロテクター。黒の手袋とシルバーのブーツ。





 ミハシラについては、四角形のシリンダーがそのままトンファーになった感じ。


 ただし、先端部にある銃口らしき物体とか、いかにも割れそうな雰囲気を醸し出すラインとか、気になる部分は多々あります。ハイ。


 持ち手と基部が右手側は青、左手側は赤。銃身が黒で残りは丸ごとシルバーという配色。


 ……伸びるのか。アレは元ネタに相応しく伸びるのか。
























 「遠距離からの弾幕でけん制を!」


 「けん制どころか、そのままブレイクオーバーさせてやるわよ!」

















 ティアナとかがみがそれぞれのデバイスを構え、雨あられといわんばかりの弾幕で集中砲火。


 怒涛の弾幕がヒョウエンに迫る――けど。




















 「はぁぁっ!」


 『いっ!?』


 「霊力ビーム、全斉射!!」





















 <ATTACK-FUNCTION SQUALL SOLID.>
























 結論から言おう、アレは伸びるぞ。








 まず一部の弾をガードし、その爆煙に紛れて元ネタ通りな伸縮機能を利用して大ジャンプ。


 ジャンプの頂点のところでミハシラの基部を両腰に当て、空いた両手を開いて前方へ。


 同時に手のひらのところでチャージされた精霊力の弾が膨れ上がり――炸裂。


 腰に接続後基本の長さに戻したミハシラも銃身を前方に向け、エネルギー弾を連射。


 やはりアレはダブル○ンファーでありダブル○イフルであったか。








 ともかく、見た目以上に密度の高い大火力一斉掃射の雨にさらされ、ティアナとかがみが返り討ちでブレイクオーバー。


 ……秒殺ですか。恐るべしスコールソリッド。恐るべし"小さな鉄人"






 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆







 ……さて。


 こんな感じであちらこちらでSHURABAオンパレードになってるワケなんだけど。


 自他共に認めるメカオタクな貴女ならどう見るかしら?ヒルメ。













 「その前に、"あちらこちらで"って言う割に描写された場面がやたら少ない気がするんだけど」


 「気にしては負けだよ、ヒルメ?」


 「そこは暗黙の了解でスルーしてしまうのが得策です、ヒルメさん」


 「あー…」

















 あらあら、呼んでもいないのにお仲間さんがぞろぞろと。


















 「呼んでるから。

  スリーマンセルのスタッフチームとしてバッチリ呼ばれてここにいるんだからな?」


 「やだねぇ、冗談よ冗談」



















 そう、冗談。


 今ウィンドウに映っているヒョウエンの他にも、ブレイカーベースのスタッフとしてスカウトした人材はいる。


 もっとも、人材情報をトラルー君たちに求めてみたら、スター君から心当たりを教えられて行き着いたんだけどね?


 彼からの人脈なせいか、この3人は揃いに揃って彼と似た体型。つまり本体は某星の戦士のホワイト版ね。


 ……寧ろ、「ヤタノカガミ」のマスターであるカナヤゴさんの方に似ていると言うべきらしいのだけど。






















 「まぁ、それはそれとして……全チームいずれも装備やデバイスに異常ナシ。

  新調したアタックファンクションも正常に発動してるし……"アレス"に送り出すには十分だと思うよ」















 さっき言った自他共に認めるメカオタクことヒルメ。男の子みたいな喋り方だけど、女の子らしいわ。


 彼女は左右に長方形プレートを備えたタガネのような形状の帽子を被ってる。


 足はオレンジね。手は手袋つけてるけど、これは白。配色以外はカナヤゴさんやスター君と同様みたいね。


 しかし彼女の風貌で最も目を引くのは、あの丸い体を三次元的に取り囲む4つの楕円形長方体のユニット。


 背中の基部に繋がって前方に伸びているのだけど、必要に応じてサイズシフトの応用で伸縮できるという便利仕様。


 実はコレ、様々なメカが内臓されているツールボックスらしいわ。4つ全部。



























 「しかしながら、その性能を発揮しきる前にブレイクオーバーしてしまった人たちについては、

  "アレス"予選から本戦でないとデータはとれそうにないかぁ?」


















 そう言って先ほどから分析データをリアルタイムで編集しているのはタケハヤ。


 彼は両肩に当たる部分にL字型のウイングを思わせるバインダーを備えているのと、頭部の小型飛行メカのような形の帽子が特徴。


 パーソナルカラーは紫といったところかしら。足がちょうど紫だし。


 バインダーに備えられている機能についてはまた後ほど触れるとして、帽子は一種のスーパーコンピューター。


 様々なデータを随時収集、管理しているだけでなく、今やっているように超高速分析や演算処理も可能。


 口調はどこか間が抜けている感じもしなくはないけれど、かなりやり手のシステムエンジニアよ。





















 「フィールド全体で魔力濃度増加中。

  皆さん、かなり盛大に盛り上がっているようですね」
















 最後に一際大人しい印象を与える声色のツクヨミ。


 彼女の両肩には何かの羽を思わせるような形状のバインダー。背中にはU字型のプレート、頭部には横長の半円型の帽子。


 足が赤だから、パーソナルカラーも赤でしょうね。彼女やタケハヤもヒルメと同様に手袋をつけているわ。


 バインダーにはある機能が隠されているのだけれど、それはまた今度。ヒルメと違ってこの二人は戦場向けのギミックだから。


 そんな彼女は、各種オペレートも得意だけど、本業は薬物学者なんだとか。


 自身も、暇を見てはたまに薬物のサンプル採取や調合実験なんかをしているらしいわ。
























 「この模擬戦から得られたデータが、あの子たちの新しい"力"になるかもしれないわ。

  その為にも、こっちでちゃんと記録して、反映できるようにしないとね」


 『了解』





















 戦場向けのギミックを持つ者もいるとはいえ、彼らはバックアップに適している。


 そのバックアップにおいても万全を期さないと、ネガショッカーやディセプティコンには対抗できないかも。


 特にネガショッカーね。なんだかユーリプテルスみたいなヤバイ子まで連れてるみたいだし…。


 アストラルって子の入れ知恵次第では、まだまだ奥の手を隠しているかもしれないし。


 前線メンバーはもちろんだけど、支援要員も充実させるに越したことは無いわよね。







 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆






 センサー系統に異常なし、視界良好、出力面も大丈夫。


 そして今、近くに誰かが隠れてるとか、そんな感じはしない。


 接近する存在もない。













 《でも、舞台は廃墟。隠れる場所なんていくらでもある。

  センサーだけじゃ探しきれないわ》


 《確かにな。ただ、スタート直後の転送位置がアレだったせいで、他の相手は1キロ先だ。

  試しにオレがチョッカイ出してみるか?》















 パンドラは今も周辺を見回してる。理由は自分で言ったとおり。


 センサーだけで全部見れないのは事実だし、たとえ見つけても対処しきれるとは限らない。


 だから、俺たちだって他の人たちと戦闘感覚は変わらない。


















 《でもフェンリル、1キロ先となると、いきなりホークアイドライブを?》


 《いや、単純に射程距離と精度のテストがしたいんだ。

  ヒルメさんがなんか改良加えたらしいからさ》


 《え、ギガントボムさんやプロト姉さんとかじゃなくて?》


 《オレらがフルメンテしてる間に試験的に預かってたらしい。

  あ、ホープ・エッジとリタリエイターもそうらしいし、何よりオーディーン、"ビームガーター"あるんだろ?》



















 俺の問いに対するフェンリルの答えにまた疑問。


 ヒルメさんって確か、ブレイカーベースのメカニックスタッフだよね。


 あの人がやってたんだ、ウェポンメンテ…。パンドラと同じこと思っちゃった。









 それと、今フェンリルが言ったビームガーター。これもそういえばヒルメさんお手製だっけ。


 今、左手に持っている小型の円盤型の盾。これが基本状態のビームガーター。


 なんでも、衝撃吸収性と耐久性に優れた特殊物質を粒子状にしてビームシールドとして展開する……らしい。
















 《……そろそろ構えた方が良さそうよ?

  何チームかこっちに気づいたみたい。接近してくるわ》



















 パンドラからの警告に、俺もフェンリルも構える。



















 《動いてるターゲットか、丁度いいぜ。

  新型ドミニオンライフルの性能、試させてもらうとすっか!》



















 その言葉と同時、フェンリルがドミニオンライフルの引き金を引いた。


 青いエネルギー弾がまっすぐに飛んでいって……どう?





















 《とりあえず足止めはできたな。

  局所的なダメージで動きに制限ができてる》


 《もしかして、足とかに当たった?》


 《まぁ、狙ったとはいえマジで綺麗に命中するとまでは踏んでなかったけどな。

  それと、当たったのはフェイトさんの左足だったって言っとく》























 ……フェンリル……後で恭文に切り倒されても知らないよ…?





















 《え、こーゆーフェアプレイな状況下でもフェイトさん狙ったらダメなのか!?

  過保護とか傲慢とかそーゆーレベルじゃないだろ!》


















 まぁ、確かにそうなんだけど…。






 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆





 《大丈夫ですか?》


 「うん、問題ない…と思う。ズキズキするけど」


 《高密度圧縮弾……ドミニオンライフルによるものです。

  おそらく、フェンリルもこちらの接近を察知したのでしょう》









 私の身を案じてくれるバルディッシュに答え、ジンジャーからの言葉に耳を貸す。


 さすがに狙撃を得意とするだけあって、センサーの有効範囲もかなり広いみたい。


 それに、こんなピンポイントで当てるなんて、照準の精度もかなり高められているんだ。


 射撃型まではよく見るけど、考えてみたら狙撃型っていう魔導師ってあまり見たことない。


 六課ではヴァイス陸曹くらい。ティアナもファントムブレイザーぐらいまでいけば狙撃並みの射程にはなるけど…。











 「フェイトさん、僕とフリードがフェンリルを抑えますから、

  その隙にキャロと一緒に後退を」


 「ううん、落ち着いて。フェンリルがいるってことは、きっとオーディーンとパンドラも近くにいる。

  迂闊に突撃したら、まずあの2人の連携攻撃で撃墜される」


 「でも、それじゃあ…」














 確かに、フェンリルにライフルを構える暇さえ与えなければ狙撃される心配はないと思う。


 けど、彼のチームメイトはオーディーンにパンドラという近接戦闘のエキスパート。


 特にパンドラのスピードに捕まったら、エリオや私でも逃げ切るのは難しい。

















 「それに、私なら大丈夫。

  あれくらいなら、ジンジャーのスケイルフェザーで十分防げるし、

  寧ろ私がオトリになって、エリオとキャロがこっそりと奇襲かけてみたらどうかな」


 『え…』






 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆







 「ぐぬぬ、サジタリウスよりも長い射程距離とは、

  やってくれるッスね電影の狙撃主!」


 「攻撃力と防御力のバランスが良いオーディーンに、機動力でかく乱も得意とするパンドラ。

  抜かりなしのチームメイトだからこそ、あぁして連続狙撃に出ているワケですか…!」


 「離れればドミニオンライフルで、近づけばリタリエイターやホープ・エッジで落とすってハラか。

  役割がハッキリしてる分、攻め崩すには骨が折れる布陣だね…!」









 私の言葉に続くディードやセインの言葉に同意。


 だって、ありえないくらい近づけないッスよ!?ドミニオンライフルの射程が長すぎて!


 防御はセインのアストライアがガッチリしてくれてるからまだいいものを、


 これで魔法とかに任せきりだったりしたらと思うとゾッとするッスよ。


 ていうか今してるッスね。







 1発1発は大したこと無いだろうと思って魔力障壁だけで強行突破の1つでもしてみようとしたら、


 全く同じ一点に3連続で打ち込まれて障壁貫通されたッスから。


 ちなみに、同じことを考えて強行突破しようとしたノーヴェは既に2発の直撃弾受けて、退避中みたいッスね。


 ていうか、ノーヴェという生贄…もとい、見せしめのおかげで分かったんスけど。









 「しかしどうしますか?

  アストライアのシールドも、いつまでも持ちこたえられるワケではありませんから」


 「困ったッスねー、迂闊に動けないッスよ」


 「そうだね……ん?アレって…」











 ……?


 セイン、どうかしたッスか?





 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆







 フェンリルに狙撃ポイントをとられているというのがここまで苦しくなるなんて…。


 こっちばかりに向けられていないとはいえ、かといって迂闊に動けない。


 多分、照準をより近づいている人に随時切り替えてるんだと思う。












 「対してこっちは近接型3人……不安で不安で」


 「かちーん」


 「……ひより…」


 「……あ」


 「だったら見せてやりますぁ……このオレの実力というものをっ!!」

















 ひよりの不安なコメントで火がついてしまったあの子、名前はスピア。


 オレンジのショートカットで、オレンジのラインで縁取られた赤いパーカーを身にまとう。


 下はスパッツで、あとはオレンジの手袋に赤の靴。


 そして両手には、彼が使うデバイス「シャマシュ」。


 ところどころ言葉を間延びさせるクセがあるみたいだけど、悪い子じゃない。で、私とひよりのチームメイト。


 彼が何故私たちのチームメイトになったのか、そもそもなんで六課に来てるのか、まだ聞かされてないんだけど…。


















 「アルテミスさんっているっしょ?

  あの人に突拍子も無くスカウトされたんでさぁ。

  なんか珍しいデバイス使ってるみたいだからデータとらせてくれーってぇ」



















 なるほど、なんとなく分かった。



















 「いや、もう100メートル先で念話じゃないのにキッチリ返答してきたっスよ!?

  地獄耳!?」




















 そういえば、確かに。








 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆








 「スターと別チーム……スターと別チーム……スターと別チーム……」










 えーっと、こればっかりは私たちはどうしようもないでおじゃるよ?


 ほ…ほら!戦場で巡り会ってしまった愛し愛される男と女、なんてラブロマンス的演出だと思えば…!














 「そこの緑のお嬢ちゃん、ボサッとしてるとあっという間に撃墜だぜ!?」


 「悪いけど先手打たせてもらうんだな〜」


 「これも勝負だ、悪く思うなよ?」


















 っと、こっちにきたのはブレイク、ハインラッド、コラーダのトリオ。彼らはこの組み合わせで出場だそうで。


 それはともかく、迎撃しようと私と月影丸も構えt















 「邪魔ぁっ!!」






 <ATTACK-FUNCTION CONSTELLATION GODDESS.>



















































 ……そんなにスター殿と合流したいでおじゃるか?


 さっさと模擬戦を終わらせることで。


 問答無用で放たれたコンステレーションガッデスがブレイクたちに直撃。


 登場早々にブレイクオーバーとなられました。


 えっと……多分、動画だったら10秒足らずで出番終了とゆー、あまりにもぞんざいな扱いだと思われますが、どうなんですか偉い人作者














 「姫様、誰に向かってしゃべっているのでござるか?」


 「強いて言えば……天?」

















 まぁ、あまり触れなくていいでおじゃるよ?







 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆






 さーて、みんな方々でドンパチ始めてるみたいだし、そろそろ僕らもいきますかねぇ?













 「私たち2人だけで……くっ、これはなんという私得なイベントっ!」


 《マスター、イテンさんがまたも熱暴走しかけておりますが》


 「模擬戦だってこと忘れるなー」


 「もうちょっとくらい悦に浸らせてくれてもいーじゃん、ぶーぶー」
















 なんかやけに小学生チックな駄々をこね始めたイテンをたしなめるのも僕の仕事だとしておこう。原因は僕の存在だけど。


 それに、僕とイテンにも、もう1人チームメイトがいる。


 しかしそれはスターにあらず。ふてくされまくってるノーザンいわく、なんとあのカナヤゴさんとの2人エントリーとのこと。


 実は傭兵時代には師弟関係でもあったというあの2人。


 カナヤゴさんが"アレス"に興味を持ったので、ならば組もうとスターが独自に申し込んだそうな。


 尚、僕を混ぜなかったのは他でもないイテンへの配慮なんだけど、それなら寧ろノーザンに配慮してやった方が良かったんじゃ。


 若干3名、登場した途端に八つ当たりで瞬殺されたんですけど。


 で、空いた1人分には代役を用意していた。












 生々しい話をすると、スターの人脈としては珍しく勇○王パロではありません。













 「な、なんだ、こいつの攻撃は…!」


 「あたしらと互角だって…!?」

















 現在、イチャラブモードが抜けきれないイテンを僕に任せるという女子の気持ちを理解してそうな気遣いをしつつ、


 シグナムとヴィータの二人をまとめて相手にしている少年。


 彼こそがスターがよこした代役。



















































 「やいやいやいやい!古代ベルカだかなんだか知らないが、ちったぁ刮目しな!」

















 そう大見得を切って二人を威圧する少年は、高らかに名乗りを上げる。





















 「地球古来の剣豪、塚原卜伝ぼくでんが子孫、塚原真希鍍まきとが、尋常にお相手するぜぃ!」























 盛大に大見得を切ってくれたこの少年、真希鍍。周りは気軽にマキトと表記する。


 自称「塚原卜伝の子孫」ということなのだけど、僕は語られずとも分かる。彼は精霊。さすがに実年齢までは分からないけど。


 卜伝亡き今、一人旅をしている最中なのだという。





 水色の直線系ショートヘアー、パッチリ開いた鮮やかなオレンジの瞳。


 法被は半袖仕様で、オレンジを主体として帯やラインは白。その下は黒い短パン。


 手袋と靴は黒で統一されている。


 そして彼の愛刀は……って、肝心の刀はどうしたよ?




















 「いや、スターさんから急に誘われたもんだから、うっかり置いてきちゃったんだぜ♪」


 「剣豪が刀を忘れてどーする」

















 僕は包み隠さず、本音でツッコんだ。







 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆








 六課の方、盛り上がってるわねー。


 現在、パーツ買い出しに向かったヒロさんやサリさんとは別に、六課の総当り模擬戦のライブ中継を見てる。


 尚、あの2人が完成させた2体は、デスクぐらいの大きさの特設訓練スペースでガチンコ中。


 しかし、よくもまぁビームチェーンソーとマジカル鈍器をぶつけ合うことに抵抗を感じないわね、アイツら。


 一方で模擬戦の方はアリシアやあずさにちょっとふがいなさを覚えるけども、それはともかく。








 じっくり考えているようだけど……なんだかんだで楽しみにもしているわよね?












 《まぁね、初めての晴れ舞台でもあるし、戦績を残して喜ばせてあげたい人もいるし…》












 あと、何だかんだでアンタも戦士として生み出されたワケだしね。


 なんていうか、こう、戦士の血みたいな。自分自身、バトルに大なり小なり楽しみはあるんでしょ?














 《そうだね、ないといえば嘘になるし、否定する気もない。

  AIを起動した時から、今もずっと、その気持ちは変わらない》
















 そうでもなけりゃ、ちょっと名前倒れになっちゃうわよね。


 私もヒロさんやサリさんと一緒に応援するし、バックアップはドーンと任せていいから、


 胸張ってバトってきなさいよ……"リュウビ"







 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆







 「揃いに揃って派手にやらかしてくれるな」


 《そうでもないと張り合いがないのですよ》


 「いや、あんましアクティブにこられてもちと困るんやけどなー…」














 はい、私らもちゃんと"アレス"に出ます。ちなみに私はリインともう1人とでチーム。


 なのはちゃんはスバルとティアナ、フェイトちゃんはエリオとキャロにくっつけてるし、


 シグナムとヴィータはザフィーラを加えて、ホシケンはビクトリーレオやアトラスと組ませとる。


 で、私やリインと組むもう1人っていうのは……

















 「久しぶりだな、外界で直接戦闘するのは」

















 リティから特別にレクセを貸してもらいました。


 主であるリティからの頼みならとすんなり引き受けてくれまして、大変ありがたいです。


 え、ビッグ?ビッグはグリフィスと一緒に六課のお留守番や♪




















 「心底部下から恨まれそうな上司だな」


 《何を言うですか?ビッグコンボイも既に立派なお留守番ポジションです》


 「つくづく恨まれそうなコンビだな」






















 ちょっとレクセ、それってどーゆー意味や?
























 「非殺傷設定を加えられるなら、いつビッグキャノンでオシオキされるかもしれないということだ」


 「えーっ!?」























 う、うそや、ビッグがそないなことするはずあらへん…!



























 「貴様ら八神家の絆については周りから聞いている。単なる冗談だ」






















 ……コイツ…っ!


 外見や声はお子ちゃまな割に、随分と腹が立つこと…!






















 「大体、リティ共々居候の扱いだというのに態度がいちいちデカいとちゃうん!?」


 《そうです、はやてちゃんは夜天の主で、この機動六課の長なのですよー!?》


















 ちっとも改まる様子のないレクセにちょっとカチンときた私とリインは猛抗議。


 アレやね、ちょいとばかし居候の心構えっちゅーもんを教えてやらn
























 「人間年齢800万歳なめるな」


 《「ごめんなさい」》

























 メダガブリュー突きつけながらの説教は堪忍やー!













 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆












 「へぇ、案外他の連中もやるね」


 「油断していると痛い目に遭う。本当に単独エントリーでいいのか?」
















 現在、僕とスティアがモニター越しに見ているのは、"アレス"開幕を目前にして企画された機動六課の模擬戦。


 ツクヨミ、タケハヤ、ヒルメが合同で開発した大規模訓練用の特設スペースで、機動六課関係者の全チームが入り乱れてバトルしている。


 随分と広く作られている。モニターはいくつも展開しているが、それでも戦いの模様の全ては映しきれていない。










 で、僕はスティアの言葉に若干の心配を覚え、声をかける。


















 「あぁ、かまわない。それにエントリーは終わらせてるし、手遅れだろ。

  せいぜい連中の対抗馬になりそうなヤツらを落とさせてもらうさ、予選の内にな」



















 確かにエントリーは済ませてしまっている。登録後のメンバーの変更は、アーツバトル連盟の規則で原則禁じられている。


 しかし、他のチームにも猛者は多い。1人で本戦まで勝ちあがれるのか…?



















 「言ったハズだ、勝ちあがれるだけのモノと力はある」


















 そう言って見せつけるのは、プレダコンズの連中を退ける際にも起動した特務デバイス"キルスティル"。


 それの機能は既に把握している。フル活用すれば、単身で魔導師部隊の数個中隊とも互角以上に渡り合えることも理解している。


 ゲンヤさんいわく、彼との模擬戦や訓練はジュンイチさん仕込みの108部隊からしても十分すぎる手ごたえがあるという。


 それらの情報で裏づけされているからこそ、単独エントリーを容認したワケではあるが…。



















 「まぁアンタは、その提督の椅子から高みの見物と洒落込んでいればいい」





















 そう言って一旦切り、改めて僕の方を向いたスティアは、実に不敵な笑みを浮かべながらこう言った。























 「そんじょそこらの一流気取りな小物ファイターなんざ、まとめて叩き落としてやるからよ」








 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆









 「はっ!」


 「ぐっ!」


 「はあああああっ!」


 「ぉおおおっ!?」




















 現在、俺はヒョウエンに地面に埋められた恭文を救助している最中。


 一応装備は基本状態のままだけど…って、メダルチェンジまでは無理だよなぁ〜。


 せめてゴリラメダルを使えたら、もう少し作業もはかどるのに…。


 読者の皆さんのために説明しておくと、恭文、マスターコンボイ、そしてこのリティでチームを組んでる。


 対するヒョウエンは2人エントリーなんだけど、相方が諸事情で模擬戦には参加できず単独でバトル。


 それでもミッド・デンライナー署の主だった戦力の一部をまとめて相手にしても圧倒する辺り、鉄人って異名は伊達じゃない。









 そのヒョウエンは、ヒューマンフォームに戻ったマスターコンボイからミハシラでオメガを叩き落し、


 流れるようにミハシラを両腰にセット。正面に突き出してマスターコンボイを狙う。


 マスターコンボイは回避しきれずにやむなく両手で左右のミハシラを掴む。けど、それがまずかった。


 伸縮機能を利用して押し出しながら、自身も踏ん張りをきかせつつ踏み込む。


 突き出したミハシラが腕になって、マスターコンボイと相撲をしてるような構図だ。




















 「ダブルバレット!」


 「ハウンドシューター!」





















 "ダブルバレット"と称された追撃の霊力ビームはなんとかハウンドシューターで対処。


 けど、多少のヒットではヒョウエンはびくともしない。完全にパワーでマスターコンボイを圧倒してる。


 霊力ビームは連射もきくのか、次第にハウンドシューターをかいくぐられてマスターコンボイに当たり始める。


 あのパワーで押し倒されたらほぼ確実に追撃でK.O.になるし、かといって迂闊に動けない。


 このままじゃ、その内マスターコンボイのライフは…
























 「だらっしゃぁぁぁぁ!!」


 「うわっ!?」


 「何故主役の僕が地面に埋められたまま終わりそうになってる!?」


 《それはマスターがふがいないからですよ》


 「アルトうっさい!」


 「や、恭文!?」


 「ともかく、さっきのお返しはさせてもらう!」























 いきなり起き上がったかと思うと、アルトアイゼンと少し口ゲンカしてから一気に突撃。


 アルトアイゼンをかまえ、真っ直ぐにヒョウエンに向かっていって――























 「いきなりのぉ――鉄輝一閃ッ!!」


 「ぐあぁっ!?」



























 ヒョウエンの背中めがけて鉄騎一閃。アレって確か、恭文のメインの必殺技だよね。


 しかも問題なしの直撃。即撃墜とまではいかなくても、結構ごっそりとライフ削れたんじゃ。


 それに、いきなり背中から切りつけられたことでパワーバランスを保てなくなったのか、


 マスターコンボイに押し返される形になった。



























 「ナイスだ恭文!先ほどのお返しをさせてもらうぞ!」


 「うぉぉっ!?」























 ミハシラを両脇に抱え込んで、マスターコンボイはそのままコマのように大回転。


 一種のジャイアントスイング状態になり、10秒くらい振り回してから思いっきり放り投げた。


 遠心力だけでなく伸ばしっぱなしだったミハシラによる重心変化も加わって、きりもみ回転しながら吹っ飛んでいくヒョウエン。


























 「ボサッとしてないで、さっさと追撃しろ!

  あの馬鹿力だ……防御力もそれなりに高いハズだ!」


 「わ、分かった!」


 <スキャニングチャージ!!>






















 <ATTACK-FUNCTION CORE CHAREGE DIVE.>























 右の腰に装填されてる"オースキャナー"を取り、すかさずベルトに右上から左下へ流すようにセタッチ。


 音声アナウンスと共にベルトに装填されてる3枚のメダルが右から順に一瞬飛び出してまた戻るエフェクト。


 更にアタックファンクションの発動をアナウンスが知らせる中、俺の両足のブーツが変形。"バッタレッグ"の真の姿を見せる。


 同時に両足に力が流れ込んで、大ジャンプ。


 ヒョウエンよりも高く飛び上がると、俺の目の前に赤、黄、緑のエネルギーリングが出現。


 それを突き抜けながらヒョウエンに向けて急降下ドロップキックを――
































 「っ……まだ、まだぁぁ!!」


 『!?』


















 その瞬間、ヒョウエンが空中で体勢を立て直してきた。


 うそ、あの遠心力で振り回されても平行感覚を維持してる!?


 でも、スキャニングチャージで発動した"コアチャージダイブ"は止まらない。


 キックが近づいていく中、ヒョウエンはミハシラを腰から外して、またトンファーみたいに持ち直す。


 そして見るのは……俺!?










 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆










 「フォースチップ、イグニッション!!」




 <ATTACK-FUNCTION PRESSURE BREAK.>






















 イグニッションと同時に、基本の長さに戻ったミハシラの持ち手も含めた基部、青や赤に染められたそれではない部分がラインに沿ってモナカ割りに。


 その内部には、円柱型だけどシリンダー…かな?シリンダーの中にシリンダーって、マトリョーシカじゃないんだから。


 ともかく、展開されたことで露出した内部シリンダーは、ミハシラの通常の長さと変わらない。寧ろ、あれを四角形の外部シリンダーで隠してるんだ。


 その外部シリンダーがクレーンのアームみたいに伸びていたワケだけど……内部シリンダーも伸びた。というより、せり出した?


 そのまま、リティのドロップキックに向けて右ストレートを放って――




















 「セイヤーッ!!」




 「ぅおおおおおおおおっ!!」




















 激突。右のミハシラの基部がリティのドロップキックとぶつかる。























 ドォォン!!




















 その瞬間、右手の…青のミハシラの内部シリンダーが元の長さに縮……ちょっと!?


 アレってシリンダーなんてチャチなモンじゃないよ!?






















 「まさか……パイルバンカー!?」


 「寧ろアレはサド○イ○パクトじゃないか!?あのロボットアニメの!!」
























 え、マスターコンボイってばいつの間にビッ○オー見てたの……ってそうじゃなくて!!


 もし本当にイグニッションしたミハシラがパイルバンカー、いや、パイルドライバーの一種なのだとしたら…!!


 "プレッシャーブレイク"のプレッシャーって、まさかこのこと!?
























 「だぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


 「うっ、うぁあああぁぁっ!?」























 パワー勝負は完全にヒョウエンのプレッシャーブレイクに軍配。


 激突したときの衝撃まで加わって、逆にリティがとんでもないダメージ受けたみたい。


 凄い勢いでぶっ飛んで、ちょっと遠目のビルに突っ込んで……って、ヒョウエンがこっちに突っ込んできた!?

























 「もう一発……いかせてもらいます!!」


 「うわぁっ!?」


 「どわぁぁぁぁっ!?」





















 そうだ、色が違うとはいえ基本構造は同じ――左手の、赤のミハシラもパイルドライバー展開してるんだったぁぁ!!


 一気に僕とマスターコンボイの間に割って入ってきて、右のミハシラで僕を殴り飛ばし、左のミハシラの基部をマスターコンボイに叩きつける。


 もちろん、そういう風にトリガーが設定されているのか、叩きつけた瞬間にパイルドライバー作動。


 マスターコンボイを真っ向から大地に沈める!

























 「目標――撃破!!」
























 ヒョウエンの決めゼリフが響き渡ると共に、リティが埋まっていると思われる瓦礫から、


 更にマスターコンボイの体からブレイクオーバーの光が見えた。


 ちょっ、一撃っ!?


 ノーダメだったリティすら即撃墜って、いくらなんでもやりすぎでしょ、そのパワー!?







 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆





 プレッシャーブレイク。






 それは、トンファー時にミハシラの内部フレームでもあるストライクパイルを展開。


 展開することで周辺から内部に膨大な空気を急速蓄積・圧縮し、固定。


 持ち手を兼用している基部の後部、即ちトンファーとして用いる際の拳側の部分を叩きつけることで、


 パイルドライバーさながらのギミックが作動。


 その瞬間に圧縮空気のみならずイグニッションによるエネルギーをも開放、打点となる一点に放出する。


 圧縮空気とフォースチップのエネルギーの相乗効果により、通常のイグニッション技を遥かに凌ぐ破壊力を実現させた、


 近接格闘系の技の中でもトップクラスの威力を誇る技である。







 余談であるが、この技はマスターコンボイが指摘した通り、ビッグ○ーのサ○ンインパク○を元にしているようである。






 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆






 またどこからともなく某勇者王のナレーションが入ってきた。


 第3クール中はずっとこのノリのつもりか?偉い人作者め。


 まぁいい、それでオレの出番が減るワケでもないしな。









 「で、結局どー仕掛けるんだよオレら」


 「出る幕がなくなりかけてる気がするんだけど…」










 ブライもルアクも分かってないな、漁夫の利って言葉を知ってるか?











 『……』











 揃って首をフルフルするな。知らないのか。


 かいつまんで言えば、他の連中が潰し合ってるところに途中から割り込んで共倒れさせるってことだ。バトルでいうならな。


 もっと広く言うと、共倒れさせるというよりは何かを横取りするってことを意味するようだがな。













 『なるほど』


 「で、だ。オレはその漁夫の利ってヤツを狙ってる。

  考えてもみろ、フォワードの連中も相当なモンだが、閃光の女神だの白い魔王だのと当たりたくないだろうが」


 「確かに…」


 「ていうかスバルとリベンジしてぇなー」


 「それを言うなら僕はティアナと…」


 「ティアナは冒頭からすぐ後ぐらいにヒョウエンとかいうヤツに撃墜されただろうが」


 「ガーン!」















 まぁ、さっき言った女神と魔王以外にも、警戒するべきヤツなんざいくらでもいるがな。


 たとえば、今ルアクに現実を突きつける為に出した、ヒョウエンとかな。


 しかもアイツ、ついさっきリティを撃墜したらしい。馬鹿力が。


 違う方はフェンリルが支配権握ってるようだし、あまり相手にしたくないな。


 となれば、最も得策なのはこうして敵が減るのを隠れながら待つってことだ。


 ……あの柾木ジュンイチも(魔王からの拒否を振り切って)参加しているようだが、未だに姿を見せないのが妙だな…。
















 「おぉっと!?こんなところにライバルチーム発見なんだな!」


 「おっ!?これで見せ場ナシだけは勘弁してもらえるぜ!」


 「反応が3つ、固まったまま動かないと思っていたが…キミたちだったか」

















 チッ、バレたか。






 アームバレット、ガスケット、シグナルランサー。


 交通機動班とかいうメンツらしいが、お前らよく"アレス"に出られたな。


 いや、職務的な意味で。


















 「はやて嬢の差し金だ。我々すらも投入するとは、一体どういうつもりなのやら」


 「シグナルランサーたちまで出てきたら、誰が六課の留守番してるの?」


 「そーいやそうだな。あの部隊長さんも出るっていうし」


 「僕たちは知らないぞ?」


 「聞いてないんだな」




















 シグナルランサーからの言葉にルアクとブライも食いつき、ガスケットとアームバレットはマジメに知らないようだな。


 ……オレも知らないし、知ったことじゃないがな。






 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆






 ―機動六課、司令室―









 「はやて……リインは出しても、オレは出さないのか……」


 「今更拗ねてるんですか…?」














 違うぞグリフィス、決して拗ねてなどいない。拗ねてなど…!













 拗ねてなど、いないんだ…!




















 (第27話へ続く)







 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

















 ―ステンスの「知識はあるに越したことはない」―












 ステンス「さて、第3クールでも通常営業なこのコーナーだが」


 リティ「俺……こんなになっても出るの?」(ところどころ包帯を巻いている)


 ステンス「安心しろ、どうせ次回かその次ぐらいにはキレイに復活してるだろうさ」


 リティ「そういう問題!?」


 ステンス「今回は"マイクロンパネル"について、作中で語られていたよりももう少し詳しく教えてやる」


 リティ「無視っ!?」







 ステンス「マイクロンパネルってのは、人間サイズのトランスフォーマー・マイクロンの休眠状態だってことは話されたな。

      この状態になるには専用の装置を使うらしく、マイクロン自身が持つ能力によるものではないらしい。

      古の大戦中、今のカオスプライムやベクターメガトロンが現役で戦争してた頃の時代、

      マイクロンはスペースシップで長距離ワープし、地球に流れ着いた。

      しかしスペースシップは月付近で失速したのか、不時着して大破したと記録にある。

      中にいたマイクロンは全員パネルに変換された……かどうかは定かじゃないが、

      少なくとも変換済みだった連中は全員太陽系に散らばっていたようだ。

      大半はサイバトロンとデストロンの新たな戦場となった地球に落下したみたいだが、

      過去の記録によれば、火星で発見されたマイクロンもいるらしい。

      パネルから覚醒するパターンは、"自力で覚醒"、"共鳴して覚醒"、"外部からデータを送られスキャンして覚醒"、の3つ。

      色が他とは違う、神器のマイクロンだけは、外部からという手は使えない。

      また、リーダー格の1体だけは自力で覚醒することもあるが、残り2体はまず共鳴しないと覚醒しないそうだ。

      あともう1つ、マイクロンは覚醒した時にいた勢力を親のように思うようだ。

      ……というのが過去の発言記録から拾えた情報だが、同じ時代にデストロンが奇襲攻撃を受けた時、

      割とアッサリとデストロンからサイバトロンへ流れたところを見ると、微妙なところだな。

      おそらく、その法則が完全に適用されるのは、俗に言う"パートナーマイクロン"だけだろうな。

      第一、神器のマイクロンは他の勢力にわたっても力を発揮しなくなるとかそういうことはなかったようだしな。

      そして更に気になるのが、新天地へと旅立ったはずのマイクロンが、何故か地球でも発見されたことだ。

      六課にあった細かい報告データによると、一部過去大戦でも見かけたマイクロンも混ざっている。

      ノーザンのパートナーマイクロンであるサンダーもその1人だな。かつては"冷徹軍師"とかいうヤツのパートナーだったらしいが。

      それに、神器の連中が再びパネルになって、ミッドに流れ着いていたことも、トラルーとかは気にしてるようだな」










 リティ「それに、マイクロンパネルのことを少しでも知ってるところを見ると、

     "アレス"の運営部も只者じゃないってことに…」


 ステンス「時代が離れすぎていて、一部で過去の遺産扱いになってる程度だからな」


 リティ「ではまた次回!……痛い…」





 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆





 <次回の「とたきま」は!>






 恭文「なんだかんだで"アレス"開催まであと1日!……な続き、だよね?」


 トラルー「だね。模擬戦については流し程度らしいよー」


 リティ「アレだけ派手にやって!?……いだだだ!?」


 シャマル「大丈夫よー、ブレイクオーバーしちゃったみんなはシャマル先生がちゃーんと直してあげるから」


 恭文「(笑顔がそこはかとなく怖い)」


 トラルー「(リティ……南無)」


 オーディーン「それはいいんだけど……なんか、若干名大変なことになり始めてるんだけど」





 ?????《ガルルルル〜!!》


 ジュンイチ「ぎぃやあああああ殺されるぅ!!」






 トラルー「……いい気味だなーって思うのは僕だけ?」


 恭文「いや、それ言っちゃダメでしょ……多分」
















 第26話:キカイでもケモノ 〜猛獣警報発令中!?〜

















 ???「面白いことになる……気がする」






































































 あとがき








 さて、第3クール開幕となる第25話です。


 レルネ担当のオープニングコーナーが不在なのは、今回だけは仕様です。次回以降は通常営業です。




 総当たり模擬戦の光景がメインテーマなワケですが、後方組でも新キャラ出たりなんやかんやあったりなお話です。


 今回の新キャラは半分勇者王祭り。さて、誰がどれを元ネタにしてるか……バレバレやっちゅーねん(マテ)


 ヒョウエンなんて作中で堂々語ってるし、他の若干名も名前でバレバレだし(オイ)


 とりあえず某FINALの第7話ぐらいを見れば大体分かるかと。




 一部ではありますが明かされた、"アレス"におけるチーム分け。狸隊長もちゃっかり出ます。そしてビッグに南無(お前のせいだろ)


 前回は完全に名前が伏せられていたヒロサリコンビ&イレインからの刺客、1人だけ名前が判明。


 元ネタさえ知っていれば、あとの2体も予想できるだろうなぁ。使用武器もアレンジなしでの登場なので(ぇ)


 ちなみに各アタックファンクションの表記も、元ネタの方で新調されたのでそれに便乗。翻訳ソフト大活躍です(ぁ)





 そして次回、"アレス"から少しだけ離れての裏話的なお話。


 ジュンイチが予告通り……否、予告以上の惨劇に見舞われるとだけ言っておきましょう(マテ)


管理人感想

 放浪人テンクウさんからいただきました!

 いつの間にかヒョウエンその他数名をスカウトしていた霞澄ママ。何やってるのあーた(苦笑)。
 つかトラルーもスターも、よりにもよってガッツィでギャラクシーでガードなヤツらなんか紹介しやがって(再苦笑)。
 別系統の人脈から出てきた子も登場早々ボケ倒してくれたし、彼らの人脈は良くも悪くもアレだなぁ、ホント。

 一方で模擬戦は佳境。本番も間近だし、盛り上がってきそうですねー。
 今回の模擬戦では本家主役の恭文まで墜とされてるし、誰が勝つのか読めないだけに楽しみです。みんながんばれー♪

 

 ……あー、ついでにはやてもがんばれー(←超ついでモード)。