「おはようございまぁす……」
眠そうに目をこすりながら、ジーナは1階のリビングに降りてきて――
「遅いわよ、ジーナ」
「………………え?」
そこで何食わぬ顔で朝食を用意している、エプロン姿のライカの姿を見て一瞬硬直した。
「なんで、ライカさんがここにいるんですか?」
「それはジュンイチに言ってよ」
ジーナの問いに、ライカは少しムッとして言う。
「こっちは自分んトコの朝食も用意しなくちゃいけないっていうのに、いきなり夕べ電話してきて『自分の代わりにこっちの朝食に用意してくれ』だもん」
「ジュンイチさんが……?
それで……そのジュンイチさんはどこへ?」
「知らないわよ。
ったく、ホントにあたしに勉強教えてくれる気あるんでしょうね……?」
聞き返すジーナにライカが答えると、ファイと二人で配膳を手伝っていたあずさが答えた。
「バイトだよ」
『バイト?』
「うん」
声をそろえて聞き返すジーナとライカに、あずさはあっさりとうなずく。
「高校入る前から、手伝いの名目で時々働かせてもらってたところで、正式にバイトとして働くことにしたんだって」
「『高校入る前から』、って……立派な労基法違反じゃない」
「ライカさん、この家の人達に関して、そのテのツッコミはタブーですよ。
気にしてたらキリがないですから……」
あずさの答えにうめくライカに、ジーナはため息まじりに忠告する。
「それで……ジュンイチお兄ちゃん、どんな仕事してるの?」
改めてそう尋ねるファイに、あずさは答えた。
「それは、実際見た方が早いかもしれないね」
「……やれやれ、ヤツらからの催促もせわしなくなってきたな……」
例の『声』との念話を終え、シャドープリンスはため息まじりにつぶやいた。
「確かに、向こうにマスターブレイカーがひとりしかいない以上、こちらに『3人目』を引き込めれば、向こうに対して優位に立てるが……」
つぶやき、シャドープリンスはしばし考え込み、決断した。
「……こちらの狙いとしてはかなり都合が悪くなる、か……
やはり、『荒療治』に出るしかないな……」
Legend13
「離脱」
「どもー! シンシア便でーす♪」
言って、ジュンイチは元気に商店街の一角の店を訪れていた。
「あらあら、ジュンイチくん、復帰したの?」
「復帰ってゆーか、バイトとして正式採用です」
出迎えたおばちゃんに答え、ジュンイチは荷物を差し出し、
「はい、これが荷物です」
「ありがとう。
これからよろしくね」
「はーい」
おばちゃんに答え、ジュンイチは伝票にサインをもらうと笑顔で一礼し、店を出て停められた配達用の三輪バイクへと戻った。
その様子を、ジーナとライカ、ファイとあずさ、そして彼女らのプラネル達は物陰から見ていた。
「なるほど、宅配ね……」
「そういえば、前にそんなこと言ってましたね……」
「うん。
時間からして、今は一度配達終わらせてからの2号便だね」
ライカのつぶやきにジーナが納得して、あずさがうなずきながら答える。
「2号便?」
「うん。2回目の配達ってコト。
ホラ、バイクって積める量限られてるし」
ファイの問いにあずさが答え、一同は再びジュンイチの方へと視線を向ける。
一方、ジュンイチはバイクに戻ると次の配達先の荷物を確認し――ため息をついて口を開いた。
「そこでこっち見てる4人と3体。とっとと出てこい」
『あ……』
ジュンイチのその言葉に、ジーナ達は顔を見合わせ――素直に観念すると物陰から姿を現した。
「ったく、さっきから視線を感じると思ったら……」
「あはは……ゴメン」
ジュンイチに言われ、ライカはから笑い混じりながらも素直に謝罪した。
「けど、さっきジュンイチさん、お店の人とずいぶん仲よさそうでしたね」
「まぁね」
ソニックの言葉に、ジュンイチは答えて説明した。
「ここ、昔やってた頃の担当区域だったんだよ。おかげでおばちゃん達とも顔なじみでね。
ま、当事はバイクの免許持ってなかったから自転車での配達だったんだがな」
「労基法無視するクセに道交法は気にするのね」
「道交法は命かかってますから。労基法と違って」
「銃刀法……」
ライカに答えた言葉に、ファイからツッコミが入るがそんなものは無視だ。ジュンイチは何事もなかったかのようにブレイカーブレスの表示を時計に変更、現在時刻を確認する。
「うーん……そろそろ昼時だし……一旦戻るか。
お前らも来いよ。営業所の場所ぐらいは知っておいた方がいいだろうし」
「そ、そうですね……」
「じゃ、あたし達も行こうか」
同意するジーナとライカ、そんな二人を見て――ジュンイチが口元に笑みを浮かべたのに気づき、あずさはため息をついて言った。
「あたしはプラネルのみんなと帰るね。
ファイちゃんも一緒に帰ろ」
「え……?」
あずさの言葉に疑問の声を上げるファイだったが、あずさはそんな彼女の手を引き、プラネル達と共にさっさと行ってしまった。
『………………?』
顔を見合わせるジーナとライカだったが――ジュンイチはかまわず言った。
「ほら、いくぞ」
そして、ジュンイチはジーナ達と共に営業所へと戻り、昼休みとなったのだが――
「ねぇ、ジュンイチ……」
「ん?」
声をかけるライカに、ジュンイチは平然と振り向いた。
そんな彼に、今度はジーナが告げた。
「確かに『ついて行く』とは言いましたが……
なんで私達までシンシア便の制服着せられてるんですか?」
そう。今彼女達はなぜか二人そろってシンシア便の制服(もちろん女子用)を着せられているのだ。
だが、そんな彼女達の疑問にジュンイチは心の底から意外そうに答えた。
「え? そりゃ手伝ってもらうために決まってるだろ」
「何当然のように爆弾発言ブチかましてるのよ!
どーしてあたし達が手伝わなきゃいけないワケ!?」
「人手足りないから」
「あずさちゃんがいきなり『帰る』って言い出したの、コレを読んでたからだったのね……」
またもあっさりと即答され、ライカは思わず脱力してその場に崩れ落ちる。
「あー、もうここまで準備させられたら手伝うしかありませんから手伝いますけど……」
対して、すでにあきらめモードのジーナはため息混じりにジュンイチに言い、あらためて尋ねた。
「ここ、そんなに人手が足りないんですか?」
「んー、普段通りのシフトなら十分なんだけどな」
ジーナの問いに、ジュンイチは肩をすくめてそう答え、告げた。
「今日、いるはずだった青木ちゃんが急に休んじゃったから」
………………
一瞬、場の空気が止まり――
「青木さんの職場ってここだったの!?」
「あ、そーいやこれも言ってなかったっけな」
驚いて声を上げるライカに、ジュンイチはようやくそのことに思い至った。
「私達の旅についてきてくれたから、てっきりフリーターか何かだと……」
「んにゃ。青木ちゃんはここの正職員。こないだまでオレ達の旅に同行してくれてたのは有休をまとめてとってたから。
オレが以前ここで働いてたのだって、青木ちゃんが原因だしな」
ジーナに答え、ジュンイチはMyマグカップに注がれたホットココアをすする。
「けど、なんで青木くんは今日休んじゃったのよ? サボリ?」
「んー、オレも又聞きなんだけどな」
ライカに答えるとジュンイチは口元に人差し指を当てて考えるそぶりを見せ、
「ジーナは知ってるんだよな? 和兄――神威和馬さんのこと」
「え? はい……
確か、青木さんの自衛官時代の同僚だったんですよね?」
ジーナの答えにうなずき、ジュンイチは続けた。
「どうも今朝、その和兄から急に呼び出されたらしいんだよ」
「和馬さんから……?」
「あぁ。
オレも呼ばれてたらしいんだけど、さすがに二人も抜けたらそれこそ手が回らなくなるからな、青木ちゃんだけってことになったんだってさ」
そうジュンイチが答えると、ライカが口を挟んできた。
「ちょっと、二人だけで納得しないでよ。
誰なのよ、その和馬って人は」
「神威和馬。青木ちゃんの元同僚で、日本が世界に誇るトップレベルのF-15ドライバー。
でもって――」
そこまで言うと、ジュンイチはジーナ達にとって衝撃の事実を口にした。
「翼姉とはバカップル」
『……えぇぇぇぇぇっ!?』
「〜〜♪〜〜〜♪♪〜」
「……ずいぶんとゴキゲンだな」
いつものクールな雰囲気はどこへやら。目の前でやたらと上機嫌な様子の和馬に言い、青木はコーヒーをすすった。
ここは駅前にある喫茶店『GB』の一角である。
それはともかく、和馬は笑顔で青木に答えた。
「そりゃそうだろう。
なんたってうちのマイハニーが帰ってきてるんだから」
「相変わらず、親バカならぬ彼バカ全開だなお前。
ってーか『うちの』と『マイ』がかぶってるし」
うめいて――それでも青木は気を取り直して尋ねた。
「で? 呼び出した用件は?」
「あぁ、そうだな。
これを見てくれ」
青木の問いに我に返ると、和馬は彼に一通の書類を見せた。
それを受け取り、青木は表題を読み上げ――眉をひそめた。
「……『対瘴魔合同対策本部』……?」
「あぁ。
龍牙博士の調査によって、例のUCは『瘴魔』というらしいことがわかっている。それに対抗するために、自衛隊と警視庁が合同で設立した組織だ。
両組織からだけじゃない。民間からも各分野におけるエキスパートを呼び集めているところだ。
オレも、自衛隊から実働部隊に召集された」
「ふーん……」
和馬の言葉に、青木はとりあえず瘴魔のことは知らないフリをしてそう答え、
「で? それとオレやジュンイチと、どういう関係があるんだ?」
その問いに、和馬は答えた。
「オレからの推薦者リストにお前とジュンイチの名前も書いておいた」
「………………はぁ?」
思わず間の抜けた声を上げる青木に、和馬は続けた。
「協力を頼んでるんだ、お前達に。
今の対策本部は、発足したてで人材が不足しているのが現状だ。お前達の力があれば……」
しかし、
「興味ないね」
言って、青木はコーヒーを飲み干し、カップを下ろした。
「確かに、あのバケモノどもに対抗するには、警察や自衛隊がそれぞれに相対してちゃ歯が立たないだろうな。
だが――それは合同になっても変わらないと思うぜ。今までバラバラだったもんがいきなり手を取り合ったって、互いの呼吸がすぐに合うワケない。
ま、それはオレよりもお前らの方が思い知ってるんじゃないか? 一度米軍に横槍入れられてるんだし。
でもって、それは――『オレ達』と『対策本部』にも当てはまる」
青木の言葉に――和馬は青木を正面から見据え、言った。
「だが……それでもお前達の力が必要なんだ」
しかし、青木の答えは――
「……断る」
言って、青木は席を立ち、会計をすべくレジへと向かう。
「青木!」
「確かにヤツらに対抗する力は必要だよ。
けど、それとオレ達を結びつけるのはやめろ。
それに……」
声を上げる和馬に答え、青木は和馬へと振り向いて告げる。
「ジュンイチにこれ以上の重荷は背負わせられないだろ。
お前だってわかってるはずだ。お前も……『8年前』の関係者なんだから」
「それは……!」
反論しかける和馬だったがそれ以上言葉を続けることができず――そんな和馬を残して青木は店を後にした。
「………………」
店を出てから、街を歩いている間中青木は無言だった。
和馬には悪いが、対策本部が瘴魔に対抗できるとは思えない。が――力を貸す気にもなれなかった。中途半端に力を得られて前線に出てこられるぐらいなら、素直に後方でおとなしくしていてほしいのが本音だ。
それに、ジュンイチの力を欲しているのも気に入らない。
翼は「秘密だ」と言われたことには恐ろしく口が堅い。それ故に恋人である和馬にも話していないだろうから、和馬がジュンイチがブレイカーであることを知っているとは思えない。おそらくはブレイカーとしての力ではなく元傭兵としての戦闘技術が欲しいのだろう。が――
「8年前、ジュンイチがどうなったか……お前も知ってるだろうが……!」
喫茶店に残してきた和馬に向け、青木は静かに毒づき――
「………………」
そこで足を止めた。
ため息をつき、口を開く。
「見事なもんだな。
そこまで気配を断たれちゃ、一般人にとっちゃ路傍の電信柱と変わらないよな」
「貴様以外には用はないからな。余計なヤツに興味を持たれたくない」
青木に答え、コンビニの壁に寄りかかっていたシャドープリンスは姿勢を正した。
「で――何の用だ?
戦いに来たってワケじゃないんだろう? 殺気がないからそれはわかるさ」
「あぁ。
貴様に、ちょっと耳寄りな情報をくれてやろうと思ってな」
「耳寄りな情報、だと……?」
怪訝な顔で聞き返す青木にうなずき、シャドープリンスは言った。
「京都へ行け」
「京都へ……?
どういうことだ?」
「いずれわかるさ」
青木に答え、シャドープリンスはその口元に笑みを浮かべ、
「貴様にとって損じゃない。今言えるのはそれだけだ」
そう言って、シャドープリンスは跳躍し、コンビニの上に跳び上がるとそのままビルの屋上へと跳び去っていった。
「あの野郎……どういうつもりだ……?」
青木と出会った場からかなり離れ――シャドープリンスは足を止めた。
ふと振り返り、先ほど偶然耳にした青木のつぶやきを反芻する。
「……『8年前』……?
どうやら柾木の過去がらみらしいが……」
そのまま少し考え――シャドープリンスはつぶやいた。
「少しばかり、調べてみる必要がありそうだな」
「ただいまー」
言って、その日の配達を終えたジュンイチは営業所へと戻ってきた。
そのままバイクを駐車場に片付けると所内に入り――
「よっ。お疲れさん」
真っ白に燃え尽きているジーナとライカに声をかけた。
「仕分けご苦労様、二人とも」
「『ご苦労様』じゃないわよ……」
ジュンイチの言葉に、すっかり疲れきっているライカは顔も上げずにそう答える。
「そりゃ、この街の地理に詳しくないから配達じゃなくて仕分けに回されるのはわかるけどさ……」
「考えようによっては、配達よりも厳しいですよ、コレ……」
「今日の到着分、特に重い荷物多かったからなー」
やはり顔を上げないライカとジーナの言葉に、ジュンイチは本日届いた荷物の内容を思い返してそうつぶやく。
「ま、その内慣れるって。
なぁに、キツいのは最初の内だけさ」
「明日以降もやらせるつもり? これ……
アンタってやっぱ極悪非道ね……」
ジュンイチの言葉にうめくと、ライカはようやく顔を上げ――
「……あれ?」
目の前に置かれた、淹れられたばかりのコーヒーに気づいた。
見ると、ジーナの目の前にも同様にコーヒーが用意されている。
現在、営業所には自分達以外には誰もいない。しかも自分とジーナは動けない。動けるのは――ライカの視線の先で飲み終えたホットココアを淹れ直しているジュンイチしかいない。
つまり――
「……なんだ、いいトコあるじゃない……」
「ん? どうした?」
「ううん、なんでも」
自分のつぶやきがよく聞こえなかったか、振り向いて聞き返すジュンイチに答え、ライカはのろのろとコーヒーの入ったマグカップへと手を伸ばし――ふと気になって尋ねた。
「ねぇ、ジュンイチ」
「ん?」
「このマグカップ……誰の?」
「オレの予備」
伸ばした手を戻した。
その晩――夜の高速道路を、彼はひとりで車を走らせていた。
現在速度は制限速度ギリギリ。本当はもっと急ぎたいのだが、高機に見つかるとうっとうしいのでこのスピードに抑えている。
そして、運転席でハンドルを握り、彼は――青木はひとりつぶやいた。
「京都、か……」
昼間、突然現れて自分に京都に向かうように告げたシャドープリンス。
正直なところ、青木は彼の目的をはかりかねていた。最初は自分をジュンイチ達から引き離そうとしているのかとも思ったが、自分の力にうぬぼれるつもりはない。自分がいなくなったところで、ジュンイチ達に戦力的なダメージが与えられるとは思えない。
ならば、何が目的なのか――
それを確かめるためにも、青木は京都へ向かうことにした。少なくとも、今回に限ってはシャドープリンスの目的に悪意はないように思えた。口車に乗っておくのも悪くなかろう。
「さぁて……鬼が出るか蛇が出るか……」
「はぁ!?」
ブレイカーベースでその話を聞き、ジュンイチは思わず声を上げた。
そして、その声にクロノスが答えた。
〈はい。
青木さんは昨日から京都に出かけています〉
「まぁ、今日オフだったからいいけどさ……」
ため息をつき、ジュンイチは頭をかき、
「けど……何しに行ったんだ? 青木ちゃん……」
〈私には何も知らされておりません。
ただ、『京都へ行く』としか……〉
「知ってたら絶対教えてくれるもんな、お前」
答えるクロノスに、ジュンイチは答えて肩をすくめて見せる。
人格を得たことで妙に人間味のあるクロノスだったが、こういう隠し事ができないあたりはまだまだ彼がプログラムでしかないことを思い知らされる。ずっとその成長にかかわってきたことから彼を『プログラム』ではなく『家族』として見ているジュンイチにしてみれば、もっと自分を大切にしてもらいたいところだった。
と、そこへ――
「あ、ジュンイチ、ここにいたんだ」
言って、翼が司令室に現れた。
「げっ、翼姉……」
「何が『げっ』よ、何が」
ロコツにイヤな顔をするジュンイチに、翼は肩をすくめて言う。
「そんなコト言うと、いいニュース教えてあげないよ」
「いいニュース?」
怪訝な顔で尋ねるジュンイチだったが、翼は笑みを浮かべて『いいニュース』を教えてやった。
「ゴッドドラゴン、復活だってさ。ブイリュウくんもね」
「ホントか!?」
「そ。
で、再生したパーツの慣らしも兼ねて、ライカが模擬戦の相手してくれるって言ってるけど?」
「模擬戦の、ね……」
翼の言葉に、ジュンイチは少し考え込み――その口元に笑みを浮かべて答えた。
「……いいぜ、相手してやろうじゃねぇの」
――ズンッ!
合身を完了し、ゴッドブレイカーがすでに準備を終えていたカイザーブレイカーの前に着地する。
現在彼らがいるのは、柾木コンツェルンが所有する領海内の無人島である。
「調子はどうだ? ブイリュウ」
「うん、大丈夫。
ゴッドドラゴンもオイラも、ぜんぜん絶好調!」
自身の身体――ゴッドブレイカーの調子を確かめながら尋ねるジュンイチに、ゴッドドラゴンのコックピットに座るブイリュウが答える。
「そうか。ならいいな。
それじゃあ始めようか、ライカ」
「そうね」
ジュンイチの言葉にライカが答え、二人が対峙し――
〈あのー……〉
そんなジュンイチに、ジーナが声をかけてきた。
彼女達は現在、島の外れに設営された仮設テントで模擬戦の記録準備を完了していた。
そして、ジーナは手にしたメモを見て眉をひそめ、マイクに向かっている。
「模擬戦の開始号令……ホントにコレでいくんですか?
叫ばされるこっちはものすごく恥ずかしいんですけど」
〈それじゃなきゃヤ〉
尋ねるジーナに、ジュンイチは子供っぽい口調で答える。
〈ささ、お前も自分を捨てて、恥を忍んでレッツ・シャウト!〉
「完全に人事ですね……!」
平然とけしかけてくるジュンイチに、ジーナは思わずうめき――
「貸しなさい」
言って、翼がジーナの手からメモを取り上げ目を通す。
「……なるほど。アニオタなアイツらしいわね。あんたが恥ずかしがるのもわかるわ。
いいわ。代わりにあたしがやってあげる」
そう言うと、翼はマイクを片手に高らかに宣言した。
「ブレイカー・ファィトぉっ!
レディー、ゴォォォォォッ!」
すっかりノリノリな翼のその言葉にジーナ達が脱力すると同時――2体のブレイカーロボが地を蹴った。
最初に仕掛けたのはジュンイチだった。
右手に精霊力を集中、燃焼させて火炎を作り出すなり、ライカの駆るカイザーブレイカーへと撃ち放つ。
が――相手は元々高機動を誇るカイザーブレイカーだ。真っ向からの攻撃にそうそう当たってやるワケにはいかない。ライカは身を翻してジュンイチの火炎をあっさりとかわすと上空へと退避し、カイザーショットで反撃を試みる。
対して、ジュンイチは脚部のバーニアを駆使してホバリング走行。すべるようにライカの射撃をかわし、両者は再び地上と空中で対峙する。
「やるじゃねぇの」
「そっちこそ!
じゃ、こっちも本気でいかせてもらうわよ!」
「カイザーブレイカー、モード・エヴォリューション!」
ライカが叫び、カイザーブレイカーが勢いよく大地に降り立ち、その機体に変化が現れた。
脚部のカイザーミサイルポッドが展開され、翼の周囲にメーザースコール用の空間レンズが作り出される。
そして、胸部の鳳凰の嘴も開き、内部の火炎噴射システムも起動する。
最後に両肩に二丁のカイザーショットが合体し、ライカが高らかに名乗りを上げた。
「カイザーブレイカー、ライトニング・モード!」
「やれやれ、合身のエネルギー反応を感じて来てみれば……」
はるか上空に佇むソウルドラゴンのコックピットで、シャドープリンスはその様子を望遠映像で眺めながらつぶやいた。
「まったく、模擬戦とはのんきな事だな。
まぁ、オレとしてはそちらの方がありがたいが……」
つぶやき、シャドープリンスは背後の席に座るメギドに声をかけた。
「メギド、『結界』だ」
「はいはーい!」
シャドープリンスの言葉に答え、メギドが手元のコンソールを操作し――ソウルドラゴンから放たれたエネルギーが結界となり、ジュンイチ達が模擬戦を繰り広げる無人島を包み込んだ。
「影竜結界陣、展開完了!」
「これで、この中にいる限りアイツらは外で瘴魔が現れても気づかないし、通信も届かない……ようやく行動を開始できるな」
メギドの答えにつぶやき、シャドープリンスはレーダー画像に視線を移した。
映像の中には日本地図が投影されていたが、不意に京都にあたる位置に光点が表示された。
そしてその色は、それが彼の仲間――瘴魔であることを示していた。
「シャドープリンスのヤツ、一体何が言いたかったんだ……?」
京都の町を歩きながら、青木はひとりつぶやいた。
シャドープリンスの言葉によって京都へと出向き、一通り調べてはみたものの――未だ有力な情報を得られずにいた。
「ったく、京都についても何も起きないじゃ――」
ため息まじりに青木がうめき――
ドォォォォォンッ!
何かが起きた。突然青木の前方で爆発が巻き起こる!
「な、何だ!?」
爆風に驚きながらもなんとか踏みとどまって青木がうめき――爆煙の向こうからそれは現れた。
瘴魔獣である。
「いっけぇっ!
カイザー、スパルタン!」
ライカの咆哮と同時、カイザーブレイカーの全身から放たれた砲火が一斉にジュンイチへと降り注ぐ。
「――だったら!」
対して、ジュンイチはバックステップで距離を取り、
「畳返しならぬ――岩盤返し!」
叫ぶと同時に大地を思い切り叩き、その衝撃で跳ね上がった岩盤がビームを防ぎ、巻き起こった爆発でミサイルも次々に誘爆する。
「へっ、どうした、その程度か!?」
「なんの! あたしのカイザースパルタンをナメないでよ!」
挑発するジュンイチに言い返し、ライカは再びカイザースパルタンを放つ。
「何度やっても同じだっての!」
言って、ジュンイチが再び岩盤を跳ね上げるが、
ズドドドドッ!
「げげっ!?」
今度は易々と貫通され、ジュンイチはなんとかゴッドプロテクトで防御する。普段は「だいたい同じ位置に」しか収束させていない狙いを「より精密な一点に」収束されたことで貫通力が上がっていたのだ。
「くっそー、そーきやがったか……」
「カイザースパルタンはね、ただの一点集中砲火じゃないのよ!」
うめくジュンイチに対して、ライカはそう言うなり再びカイザースパルタンを放つ!
「二度も同じ手を!」
対して、ジュンイチは岩盤を跳ね上げた上でゴッドプロテクトを展開、防御体勢をとるが――その瞬間、気づいた。
(ビームの方が速い!?)
次の瞬間、光の雨が岩盤を粉砕し、爆発の収まった頃合を見計らったミサイルがゴッドプロテクトの力場に叩きつけられる!
「なるほど……今度は着弾タイミングにズレを生じさせたワケね……」
その様子をモニターで見ながら、翼は思わず感嘆の声を上げる。
「けど、最初のカイザースパルタンじゃビームが岩盤に当たった爆発でミサイルも爆発しちゃったよね?
なのに、どうして今度のは爆発せずにゴッドブレイカーを狙えたの?」
そんな翼にファイが尋ねると、鈴香が説明を始めた。
「最初のカイザースパルタンは、ビームもミサイルもまったく同時のタイミングで着弾するように放つ通常のものでした。
けどそれは、当然のことながら『照準を合わせた時点でゴッドブレイカーのいた地点』に同時に着弾するように計算されていますから、それ以外の地点に移動されてはそのタイミングは簡単に覆されてしまいます。
だからジュンイチさんは、最初の一撃は距離を取ることで速度の速いビームが先に自分に届くようタイミングをずらし、さらに岩盤に着弾させることで、起きた爆発でミサイルを誘爆させました。
この時、ジュンイチさんはビームの爆発が最大の時にミサイルが巻き込まれるようにタイミングを調整していたと思われます」
「ふんふん」
「対して、今のカイザースパルタンは最初からミサイルがかなり後に着弾するように発射の時点でライカさんがタイミングをずらしていたんです。
結果、岩盤の防御はビームしか防ぐことができず、結果として実弾兵器に対する防御性の低いゴッドプロテクトにミサイルが降り注ぐ結果となったワケです」
「え、えーっと……」
鈴香の説明に、ファイは周囲に疑問符を大量にまき散らすが――そんな彼女にあずさが助け舟を出した。
「要するに、ビームの爆発でミサイルが止められちゃうから、その爆発が終わった後に届くようにタイミングを調整したってこと。
そうだよね? 鈴香さん」
「はい、その通りです」
「ま、何にせよゴッドブレイカーは遠中近、あらゆる距離に対応できる万能型。あらゆる局面で安定した能力を発揮できるのが強みなんだけど、逆に言えばどの局面でも一定の能力しか出せないってことでもあるわ。
対してカイザーブレイカーは距離をとって、必要に応じて素早く詰めて攻撃、離脱する戦いを得意としている、一撃離脱の高機動戦に特化した機体――なんとかして距離を詰めない限り、ジュンイチは依然不利なままね……」
うなずく鈴香のとなりで翼がつぶやき――それを聞いたジーナはふと気づいた。
「翼さん。それって……カイザーブレイカーはソウルブレイカーと特性が似てるってことになりません?」
「似てるわよ」
あっさりと翼はうなずいた。
「ただし、あなた達と戦った時のデータを見た限りソウルブレイカーは強襲戦、ないしは後方からの砲撃戦を想定した機体と見ていいわ。カイザーブレイカーと比べると火力は上だけど手数と機動性は劣ってるわね。
まぁ、それを抜きにしたって、今のあたし達の保有機の中で仮想ソウルブレイカーの役をこなすには、カイザーブレイカーが最適の機体であることはゆるぎない事実ね」
その翼の言葉を聞き、ジーナはモニターへと視線を戻した。
「じゃあ、ライカさんがジュンイチさんを模擬戦に誘ったのって……」
なぜか、釈然としない感情が胸中によぎった。
「このぉっ!」
咆哮と共に、青木の放ったグレネードが、投げつけた手榴弾が、次々に瘴魔獣の周囲で爆発を巻き起こす。
が――やはり瘴魔獣にはまったく通じない。爆煙の中から青木の姿を見つけ、かざした右手から伸びた触手がムチとなって襲いかかる。
ムチにはトゲがビッシリとついている。さらに緑色の体表や花びらを思わせる深紅の生体装甲から、ムチをかわした青木はこの瘴魔獣の媒介をバラだろうと見当をつけていた。
「ったく! ジュンイチ達もいないってのに!」
さらに襲い来るムチをかわし、青木は至近距離からの攻撃を狙って地を蹴る。
とにかく、今はこいつの注意を引きつけておくことが先決だ。
警察や自衛隊――瘴魔対策本部には任せて置けない。犠牲者が『一般人』から『対策本部の人間』に変わるだけだ。なんとしても、ジュンイチ達が駆けつけてくるまでこの場をつながなければならない。
そのためにも、まずはこいつを人のいないエリアにおびき出さなければ――!
もう、何度目だろうか。
ライカのカイザースパルタンをかわし、ジュンイチは大地に着地した。
「どうしたの、ジュンイチ!
さっきから逃げてばっかりじゃない!」
「やかましいっ!」
上空で告げるライカに、ジュンイチは力いっぱい言い返す。
だが、ジュンイチに有効な手立てがないのは彼自身もすでに気づいていた。
ゴッドブレイカーは距離を問わずに戦うことができる機体だが、逆にそれが災いし、その武装を距離毎に分類した場合それぞれの間合いで使える武装の数は意外と少ない。
とりわけ、遠距離戦で使える武装はゴッドキャノンとウィングキャノン、フェザーファンネルの3つのみ。しかもそのひとつは飛行時には使用できないという欠点まである。
対して、ライカのカイザーブレイカーは火器中心の武装が施されており、本来の用途である高機動戦闘の他にも、ソウルブレイカー同様の砲戦にも対応できる。つまり、ゴッドブレイカーと遠距離戦を行えば、明らかにカイザーブレイカーに分があるのだ。
ジュンイチが勝つには、相手の砲撃をかいくぐって接近戦に持ち込むしかない。だが、どうやって――
「くっそぉ……どうする……!?
ゴッドウィングは上空に飛ばなきゃならんから使えない。せめて飛行機能を維持したまま攻撃できる技がギガフレア以外にあれば――」
つぶやき――ジュンイチの脳裏である閃きがよぎった。
「――よっしゃ、試してみっか!」
言って、ジュンイチは唐突にゴッドウィングを展開し――その周囲の空間が歪んだ。
だが、ゴッドウィングの形状は変化していない。ギガフレアを撃つつもりでもないようだし、一体何をするつもりなのか――?
「………………?」
そのジュンイチの行動に、ライカは眉をひそめ――
「――――――あれ?」
右手のカイザーショットに、うっすらと影が落ちていることに気づいた。
一瞬雲かとも思ったが、それにしては何か違和感がある。
さらに上に何かいる?――そんな疑問を抱き、ライカは上空を見上げ――
「――あれは!?」
はるか上空――太陽の逆光の中滞空する、ソウルドラゴンの姿を見つけた。
「意外と早く気づいたな……」
こちらに気づき、戦闘態勢に入るカイザーブレイカーとゴッドブレイカーを見下ろし、シャドープリンスは静かにつぶやいた。
少し早かったが――これも彼の計画の内だった。ならば、後は次のステップに進むだけだ。
だが――
「この賭け、果たして吉と出るか凶と出るか……!」
つぶやき、シャドープリンスは続けて叫んだ。
「エヴォリューション、ブレイク!」
「あいつ! 性懲りもなく!」
上空で合身するソウルブレイカーを見据え、ライカは叫んでカイザーブロウニングを作り出し――
「――待て!」
そんな彼女をジュンイチが制した。
「何よ?」
尋ねるライカに、ジュンイチは周囲に視線を向け、答えた。
「……閉じ込められてるぜ」
「えぇっ!?」
「間違いない。エネルギー反応がまったくないところを見るとレーダー波を吸収されたのかもしれない。
ってことは、どうやらエネルギーそのものを吸収しちまう特性があると考えられるけど……」
声を上げるライカに告げ、ジュンイチはソウルブレイカーを見上げる。
(だが――なぜだ?
閉鎖空間は、距離をとって戦うのに向いたソウルブレイカーにとってはむしろ悪条件。
それにこの結界……ただ閉じ込めるだけなら、エネルギー吸収能力なんて付けるよりも普通に強固な結界を張った方がよほど効率的だ。
それをあえて作り出すことに、何の意味が……?)
つぶやき――ジュンイチは気づいた。
「――そうか! しまった!
ライカ! ヤツにかまうな! すぐに結界から出ろ!
こいつに、オレ達を拘束する力はない!」
「え――?」
状況の飲み込めないライカに、ジュンイチはさらに叫ぶ。
「こいつはオレ達を閉じ込めるための結界じゃない!
瘴魔獣の波動を吸収して――中にいるオレ達に瘴魔の出現を悟らせないためのものだったんだ!」
ジュンイチの言葉に、シャドープリンスの意図に気づいたライカはあわてて結界を脱出しようとするが、
「させるか!」
そんなジュンイチ達に向けて、シャドープリンスが全身の武装で爆撃を仕掛ける!
「くそっ!」
うめいて、ジュンイチはゴッドプロテクトでシャドープリンスの攻撃を反射し、跳ね返されたビームが後続の攻撃とぶつかり合い、両者の間に大爆発を巻き起こす。
「ライカ、今だ!」
「了解っ!」
ジュンイチに答え、ライカは結界を飛び出し、瘴魔獣の気配を感じ取って現場へ――京都へと向かう。
「……逃がしたか……」
爆発が収まり、そこにカイザーブレイカーの姿がないのを見て、シャドープリンスはつぶやき――だがすぐにジュンイチへと鋭い視線を向けた。
「まぁいい。
オレにとってはむしろ好都合だ」
ドガオォォォォォンッ!
瘴魔獣がムチでつかんで投げつけた車がガソリンスタンドへと突っ込み、大爆発を巻き起こす。
その中で、青木は瘴魔獣へと銃撃を仕掛けるがやはり通じない。
「クソッ、どうする……!」
うめく青木に向けて、瘴魔獣は両手のムチをかまえ――
――ドォンッ!
突然、瘴魔獣に光球が直撃、爆発を巻き起こした。
「ジュンイチか――!?」
それを見て、青木は思わず光球の飛来した先へと振り向き――
――次の瞬間、爆発の中から飛び出してきた瘴魔獣のムチが青木の脇腹を貫いた。
「くらえっ!」
「ヤなこった!」
シャドープリンスの言葉にジュンイチが言い返し、二人の放ったビームと炎が両者のちょうど中間で激突する。
そして、上空からスカイブレイカーに合身したファイが強襲、間合いに入られたシャドープリンスはファイの蹴りをかわして降下する。
着地すると同時、ジュンイチとファイに狙いを向けるシャドープリンスだったが、すでにジュンイチが追撃に入っていた。シャドープリンスを囲むように配置したフェザーファンネルが一斉に攻撃を開始、シャドープリンスは周囲全体にソウルフィールドを展開してそれを防ぐが、
「ランドカリバー!」
ファイはジーナと交代、スカイブレイカーはランドブレイカーへと合身し直し、ランドカリバーをソウルフィールドへと叩きつける!
「くっ……!
なめるなぁっ!」
うめいて、シャドープリンスが両肩のソウルスマッシャーでランドブレイカーを吹き飛ばすと、
「もらったぁっ!」
攻撃のためにソウルフィールドを解いたシャドープリンスへと、ジュンイチが一気に間合いを詰める!
「これで終わりだぁっ!」
咆哮し、ジュンイチが拳を繰り出し――
――グンッ!
突然、繰り出そうとした拳が何かによって引き止められた。
見ると、右腕に漆黒のエネルギー帯が絡みつき、その動きを封じている。
その出所は自分の影――ゴッドブレイカーの影の一部がシャドープリンスに操られ、触手となって右腕に絡みついたのだ。
しかも、同様に伸びた新たな影の触手がジュンイチの左腕に、両足に、ボディに、翼に――全身に絡みつき、その身体から自由を奪い去る。
「な、何だ!?」
漆黒の――影の帯に絡めとられ、動きを封じられたジュンイチが声を上げると、周囲に魔法陣を思わせる図形が浮かび上がる。
「こ、こいつぁ――」
拘束から逃れようとジュンイチがもがくと、シャドープリンスの口から呪文らしきものが紡がれる。
――光と影のその狭間
時の流れの渦巻く中に
我らが敵を押し流せ!
その呪文を聞き――ジュンイチはその正体に気づいた。
「――“精霊術”か!?」
「正解だ。
だが……貴様にそれを理解する時間をくれてやるワケにはいかん」
シャドープリンスがジュンイチに答え、ジュンイチの周囲の図形の内部で強大なエネルギーが発生する!
「因果地平のかなたへ――消え去るがいい!」
叫んで、シャドープリンスが手を頭上に掲げ、
「影龍抹消陣!」
『術』を解放すると同時にその手を振り下ろした瞬間――
――ドガォオォォォォォンッ!
発生したエネルギーが爆裂した。
「ジュンイチさん!」
ジーナが声を上げ、煙が晴れていき――そこにはジュンイチの姿はなかった。
「――くっ、シャドープリンス!」
なんとか立ち上がり、ジーナはシャドープリンスをにらみつけ、
「よくも……よくも、ジュンイチさんを!」
ランドカリバーを生み出し、シャドープリンスに向けて構える。
対して、シャドープリンスもソウルサイズを生み出し――
――ドゴォッ!
背後から放たれた閃光が、シャドープリンスの胸部を貫いていた。
ジュンイチ | 「ん? なんか今回の予告、今までと違うことないか?」 |
青木 | 「あぁ、なんでも次回からはいろいろ一新するらしくてな、その一環でサブタイトルの様式も変わるらしいんだ。 で、今までの予告で新しい様式のサブタイトル使うと不自然極まりないってことで……」 |
ジュンイチ | 「それでこーゆーことになった、と…… ……って、それどころじゃねぇって! オレって一体どーなったんだよ!?」 |
青木 | 「そんなのオレだって聞きたいぜ! オレなんて腹ブチ抜かれてんだぞ!」 |
ライカ | 「はーい、そんな二人がどーなったかは、次回のお話を見ればわかるわよ♪ ってなワケで次回、勇者精霊伝ブレイカー、 Legend14『激闘の聖獣合身!』 そして、伝説は紡がれる!」 |
ジュンイチ | 「あぁっ! サブタイ言われたぁっ!」 |
(初版:2005/06/12)