「お願いします……
私の代わりに、織田信長になってください」 |
気弱な少女のその言葉が、すべての発端だった。
タイムスリップだけならまだ良かった。
けれど、そこは自分の知ってる歴史と違いすぎ!
何しろ――
出会う武将は、そろいもそろって女の子!
「あうぅ〜……よ、鎧が重いよぉ……」
「ちゃんと自分に合った鎧を着ろよ!」
「で、でも、これは織田家に代々伝わる……はわわぁっ!」
「……それでコケてたら世話ねぇよ……」 |
未来の魔王はおチビなドジっ子!?
尾張のうつけ天然、織田信長!
「戦なんかくだらへん! ウチらの漫才を聞けぇっ!」
「え!? ちょっ、秀吉様、もしかして私が相方ですか!?」
「せやで、みっちゃん!
ウチらは笑いで天下を取るんや!」 |
天下統一そっちのけ! 目指すはひとつ、吉本の星!
笑いの軍神、豊臣秀吉!……とその被害者、石田三成!
「鳴かぬなら、鳴くまで待とうホトトギス〜♪」
「……だからって、そーやってゴロゴロしてると太るぞ」
「全軍進撃ぃ〜っ!」
「極端だなオイっ!」 |
苦難に耐えて天下を狙う! 目下の敵は皮下脂肪!
ダイエットに励む忍耐の将、徳川家康!
天下を狙い群雄割拠!
三強の台頭と共に、数多の英傑が名乗りを上げる!
「天下を取るのは、あたしら“封麟禍斬”だ!」
「はんっ、バカ言うのもたいがいにしとき!
天下取るんはウチら“火射悶天”や!」
「…………レディース?」
『そんなワケで、夜露死苦!』 |
天下取りも、彼女達にとっては族の抗争!
特服なびかせ今日も往く――武田信玄、上杉謙信!
「天下御免の傾奇者!
前田慶次、いざ参る!」
「って、慶ちゃん! まだ早いって!
今出られたら釣り野伏が! あぁ〜っ!」 |
天下無双の凸凹コンビ!
天才軍師、島左近と無敵のお荷物、前田慶次!
「奥州の独眼竜! ここに見参!
ジャマするヤツは、伊達の鉄砲隊がバンバン撃っちゃうよぉっ!」 |
誰もが恐れる奥州の竜!
無邪気な猛将、伊達政宗!
「尾張の天然っ子なんかに負けるもんか!
勝つのは私達、今川家だって決まってるんだから!
……だ、だからって、別にあの子が嫌いってワケじゃないんだからね!」 |
果たしてツンデレは天然に勝てるのか!?
史実の汚名、返上なるか!? 今川義元!
「この雨に乗じて、今川の本陣を強襲するんだ」
「こ、この雨の中を……ですか?
濡れちゃうと髪のお手入れ、大変なんですけど……」
「……あのね、ホントならお前が言い出すはずなんだけど。この奇襲……」 |
桶狭間の戦いからすべてが始まり――
「今日こそ決着をつけるよ!
上杉の“火射悶天”、この川中島に沈める!」
「武田のアバズレなんかに負けんじゃないよ!
今日を“封麟禍斬”最期の日にしたるんや!」 |
川中島の戦いを経て――
「家ちゃん……秀ちゃん……
どうしても戦わないといけないの……?」
「当然や。
ウチらは天下を狙う敵同士……戦いは避けられへん!」
「最後に勝つのはあたし達徳川家よ!
あたしの皮下脂肪と一緒に、この関ヶ原で散りなさい!」 |
天下を決める、関ヶ原の戦いへと至る――
「半蔵……風魔とつるんで、何企んでやがる!」
「いずれわかる……」
「天下は、収まるべき者の元に収まる。
そしてそれは……織田家ではない」 |
その裏でうごめく、悪しき陰謀。
「天下を統べるのは武士のような野蛮人どもじゃない……
正当なる征夷大将軍たる、我が足利家よ!」
「そんな……!
足利幕府は滅んだはずなのに!」 |
台頭する、歴史から消えたはずの将軍家。
「私達は、二人で織田信長なんだよ……!
どっちが欠けてもダメ……だから、一緒に勝って帰ろう……!」 |
「ようやく気づいた……
ウチが笑わせたかったのは……いつの間にか、たったひとりになってたんやな……」 |
「この天下……取れたらあなたにあげる。
その代わり……鳴いたホトトギスを、そばに置いてくれる?」 |
それぞれの想いを抱き――
その手に、天下をつかめ!
恋姫†戦国
〜ドキッ★乙女だらけの戦国伝〜
今こそ語ろう。
闇に消えた本当の歴史を――
|