新シリーズ
恋姫†殷周伝
〜ドキッ★乙女だらけの太公望伝奇〜

予告編


気がつけばなぜか水の中。
水面に出て見回すと、目の前には一面の森と大きな滝。そして――

 

「ワシの名前か?
 姓は姜、名は呂尚。字は子牙――ま、姜子牙とでも呼べ」

 

そう名乗り、釣りを楽しむ少女の姿だった。

 

 

 

ひょんなことから迷い込んだのは
封神演義のパラレルワールド。
後の太公望、姜子牙(♀)に出会ったことで、
殷周革命に巻き込まれるハメに!

 

「いたた……最近肩が上がらなくてのぉ……」
「何歳なんだよ肉体年齢」
「17歳」
「…………ウソつけ」
「ホントじゃよ!」

見た目は美少女、中身は(心身共に)初老!
ポンコツ乙女な性悪軍師――太公望・姜子牙!

 

「ねー、あれブッ飛ばしちゃっていいの?」
「アイツだけじゃ! 周りはブッ飛ばすなよ!」
「ムリ♪」
「満面の笑顔で答えるなぁっ!」

その辞書に『手加減』の文字無し!
万物粉砕、人間砲台――宝貝人間三姉妹が末妹・那咤なた

 

「へっ! ウチら黄一家に出会ったのは不運じゃったのぉ!」
「のぉ……あ奴の隊の戦車、黒塗りなのは何か意味があるのかのぉ?」
「えっと……あまり考えたくないんだけど……」

体現するは『仁義なき戦い』!
ヤクザな忠臣――開国武成王・黄飛虎!

 

「あたしの雷撃から、逃げられると思うなよ!」
「わーっ! 待て待て!」
「ワシらも巻き込むつもりか!?」
「あ、そっか。
 だったら竜巻!」
『同じだバカタレぇっ!』

唸れ疾風 轟け雷光! そして放て、双○龍!
歩く天災――姫昌の第百子・雷震子!

 

「変化の術を使う天才道士……
 そうか、お主が楊殲ようぜんか」
「あら、見破られちゃいましたか。
 じゃあ、化けていても仕方がありませんし、元の姿に戻りますね♪」
「ブッ!? は、裸!?」
「あ!? いや、コレはまだ変化の途中で……
 み、見ないでくださぁぁぁぁぁいっ!」

変身ヒロインのお約束! 変身中は素っ裸!
万人に望まれる天然要員――天才道士・楊殲!

 

 

数多の仲間と力を合わせ、少年は周を興すべく立ち上がる。

討ち果たすべき敵は未だ強大なる恐怖の王朝・殷!

 

「貴方に少し興味がわいたわ。
 私と一曲、舞ってみない?」

舞い踊るのは死を呼ぶ舞!
歌い上げる死の楽曲――琵琶精・王貴人!

 

「殷は終わらない……
 そう、殷は何度でも甦る……!
 この私が、甦らせてみせる!
 たとえ貴方が相手でも――絶対にジャマはさせない!」

解き放つは強大なる原初の宝貝!
涙を封じた悲恋の太師・聞仲!

 

そして、最後に立ちはだかる最大の障害――


 

「私の望み――遂げるその日まで!
 たとえ幾万の屍を積み上げようと、私は止められないわ!」

最強の妖怪仙女――妖狐・妲己!

 

「お主には、本当にすまないと思っている……
 だが……もしお主が望んでくれるなら……この戦いの後も、ずっとそばにいたい……!」

 

「ウチらは負けない。
 お前さん達を――ううん、お前さんを守るって決めたから」

 

「ナタは負けないもん!
 お兄ちゃん達といるとドキドキする……ワクワクする……楽しくってしょうがないんだもん!
 そんなドキドキを、ワクワクを……無くしたり、したくない!」

 

「あたしは誓ったんだ……アイツを守るって!
 アイツへのこの想いが――この翼に宿る限り、あたしは負けねぇ!」

 

「あの人は、妖怪の血を引く私も受け入れてくれた……
 そんな私だからこそ、妖怪と人間をつなぐ橋渡しになれるって!」

 

想いを力に変えて、少女達は戦う――

 

「私は殷の太師……殷に害成す者は討ち果たさなければなりません。
 それがたとえ、抑えられぬ想いを抱いた相手だったとしても……!」
「他に……道は選べないのかよ!」
「できれば……貴方とは、同じ側に立つ者として出会いたかった……!」

 

「何も知らないくせに……!
 お姉様がどんな想いでいるのかも知らないで、勝手なことばかり言わないでよ!」

 

それぞれの、譲れない願いと共に――

 

「全部あの女の筋書き通りってワケだ。
 元始天尊のババアが姜子牙を人間界に差し向けたことも、この殷周革命もな」
「王天君、貴様……!」

 

そして明かされる、すべての真実。

 

「まさか……妲己の狙いって……!」
「けど、それじゃあ妲己は……!」

 

「あの女狐の好きにさせるものか!」

 

《愚かな……
 私に逆らう者には永遠の苦しみを!》

 

「もう誰も犠牲になんかしたくない!
 そのために――ワシらがこの手でお前を倒す!」

 

生き残るのは――誰だ!?

 

恋姫†殷周伝
〜ドキッ★乙女だらけの太公望伝奇〜

 

想いは今、運命を越えて……


あとがき
 と、ゆーワケで。やってみましたパートU。
 きっとすでにどこかで誰かがやってそうな『恋姫†無双』in『封神演義』ネタ。
 『封神演義』側は一応は横山版準拠……のつもりなのになぜか考えれば考えるほど藤崎版のネタがしゃしゃり出てくる。あなどりがたし藤崎先生。
 結果、せめてもの抵抗がタイトルに……(横山版のタイトルは『封神演義』ではなく『殷周伝説〜太公望伝奇〜』なのデス)
 おかげで語呂が悪いったらありゃしない(笑)。 誰かもっと語呂のいいタイトル考えてください(←他力本願)。


 

(初版:2007/05/31)