仮面ライダー電王
〜俺、疾走!〜
予告編
全米、強制終了――
あの男、再起動――
そして――
「オレ、参上!」
「アメリカで……イマジンらしい事件が?」
「なんでそんなところにイマジンが出るんだよ?」
「わからないわよ。
アメリカから日本に来てた人にイマジンが憑いたのか、イマジンに憑かれた人がアメリカに出かけてるのか……」 |
アメリカでのイマジン出現の報せを受け、デンライナーで渡米する良太郎。
「あ、あの……すみません、道に迷っちゃったんですけど……」
《――――――っ!?
危ねぇ! 代われ、良太郎!》
「え――――――?」
「やれやれ……運のないガキだ。
悪いが、目撃者は消さなきゃならないんでな――悪く思うな」 |
持ち前の運の悪さから道に迷い、テロリストの口封じの現場に鉢合わせてしまう。
そして出会う――
「ったく、なんでこんなところにいたんだ!」
「そ、それが……道に迷って……」
「おいおい……子守の相手が増えたってか……?」 |
もうひとりの“世界一運の悪い男”ジョン・マクレーン。
「ぅわぁっ! 前からも後ろからも車が!」
「くそっ、こっちの逃げ場をなくす気かよ!」
《なくす――“泣く”す……》
「泣けるでぇっ!」
《キンタロス!?》
「な、リョータロー!?」
「オレの強さにお前が泣いた!」 |
アメリカ全土を巻き込むサイバーテロ!
頼りになるのはただひとつ――
「お前らはわかってねぇよ。
良太郎の運の悪さをナメんなよ――てめぇらお得意の計算なんか通じねぇよ!」
《も、モモタロス……》
「おいおい、リョータローはお前だろうが」
「あ……いや……
そ、そうだな、オレが良太郎だよな! アハハハハ!」 |
計算を超えるもの――すなわち運!
「やれやれ……このボクを釣ろうっていうのは、正直ガマンならないね」
《ウラタロス――どうするの?》
「思い知らせてあげるのさ。
釣られる魚はどっちか――ね♪」
「おいおい、大した自信だな」
「オジサン、漁船に乗ったつもりで安心してていいよ」
「それを言うなら『大船』だろう?」
「知らない?
マグロ漁船って、けっこう安定性高いんだよ――これから釣りをするボクらには、ピッタリだと思わない?」 |
「わーい、頭ツルツル〜♪」
《り、リュウタロス! 失礼だよ!》
「えー? だって髪の毛ないし」
「あのなぁ、よく覚えとけ、リョータロー。
男の価値は髪の毛の量じゃねぇんだよ」 |
「ガブリエル……天使の名を持つか。
この私を差し置いて、頭が高いぞ!」
《じ、ジーク!》
「任せよ。
下賎の者に、身の程をわきまえさせてやるだけだ!」 |
「まったく、こんなポンコツで全米を黙らせるつもりだったのか? コイツら」
「侑斗、わかるの……?」
「オレじゃなくて、デネブがな。
ほら、デネブ、お前やれ」
《うむ!》
「この程度のコンピュータ、未来から来た我々には旧式も同然だな」 |
アメリカを舞台に続々と役者がそろう中――
「おい、良太郎!」
《モモタロス……?》
「におうぜ……イマジンのにおいだ!
この事件、イマジンが絡んでやがるぜ!」
《えぇっ!?》
「おい、リョータロー。
イマジンってのは何だよ?」 |
見え隠れするイマジンの影――
〈やれやれ、キミもよくよく運が悪いね。
首を突っ込むヒマもなく巻き込まれたワケか〉
「確かに、ボクはまったく関係ないまま、通りすがりに巻き込まれました。
けど……あなたのやってることを許せないのはマクレーンさんと同じです。
だから……トーマス・ガブリエル、あなたを止めます」 |
時の運行を守るため――
「マクレーンさん!
あのルーシーさんは……」
「オレの……娘だ……!」
《あのお姉ちゃんが!?》
「ち、ちょっ、リュウタ――」
「お姉ちゃんを助けなきゃ!
早く行こう! ツルツルのオジサン!」 |
家族の絆を守るため――
「おい、クソイマジン……
この国をかき回したコトぁどーでもいい。
けどな……良太郎をさんざんに振り回して、そのオッサンの家族まで巻き込んで……!
こんだけのことをしでかしたんだ――覚悟はできてんだろうな!」
《モモタロス! まずはマクレーンさん達を!》
「わかってる!
けどな――アイツらを逃がすより、このクソイマジンをどっかにブッ飛ばした方が早いだろうが!」 |
全米を、そして時間の狭間を駆け抜けろ!
「変身!」
《SWORD FORM!》
《ROD FORM!》
《AX FORM!》
《GUN FORM!》
《WING FORM!》
《CLIMAX FORM!》
仮面ライダー電王
〜俺、疾走!〜
時も運も乗り越えて――
『オレ達、参上!』
|
あとがき
と、ゆーワケで(どーゆーワケだ)。
夏の映画つながり。現在絶賛上映中の『ダイ・ハード4.0』を劇場版公開間近の『電王』とクロスさせてみました。
イマジンを追ってアメリカへと密航――もとい、渡米した良太郎がサイバーテロに巻き込まれてしまい、そこでマクレーンと出会うことになる、というのが大筋のお話。
かつて日誌でも語りましたが、『運の悪い男』という二つ名に関しては先輩後輩の関係にあたる良太郎とマクレーン。モモタロス達や侑斗達まで巻き込んで、イマジンを味方につけたサイバーテロ集団を相手に全米を駆け回る彼らに勝機はあるのか!?
……まぁ、そんな御託より、史上最強の不運コンビが、全米を黙らせて図に乗ってるサイバーテロ集団の余裕の笑みを引っぺがす光景の方がモリビト的には楽しそうだったりしますが(苦笑)。
(初版:2007/07/24)