サイバトロン基地、トレーニングルーム――
かつてエクシリオンのリハビリにも使われたその場では、現在ガードシェルやバックパック、そして彼らに付き添う形で真雪、アリサ、そして月村姉妹の姿があった。
「じゃ、いいわよ!」
「あぁ」
データ測定用の端末に向かう忍の言葉に答えると、バックパックとアリサは顔を見合わせ、
『フォースチップ、イグニッション!』
二人が叫ぶと同時、青色のフォースチップがバックパックの背中にあるチップスロットへと飛び込む。
とたん、チップスロットに直結した背中の武装がすべて展開し、
『グラウンド、ショット!』
放たれた砲弾の雨が、標的を粉みじんに粉砕した。
「はい、オッケー!」
「やっぱり、ガードシェルのイグニッションパートナーは、アリサちゃんが一番向いてるみたいだね」
告げる忍に言いながら、すずかは忍の手元のディスプレイに表示されたデータをのぞき込む。
と――
「では、次は我々の番だな」
「早く済ませちまおう。
ハラ減ったよ、あたしゃ」
続いて位置につき、告げるのはガードシェルと真雪だった。
フォースチップとパートナーの関係が判明した後、ギャラクシーコンボイ達は現在自分達のことを知るメンバーの中にパートナー候補がいないか、ベクタープライムの協力の元調査を行った――その結果、先日新たにバックパックとアリサ、ガードシェルと真雪の二組が最適なパートナーとなりうることが判明した。
とはいえ、彼らに関してはまだイグニッションの練度も低いため、こうして訓練に励んでいるのである。
「じゃ、いくわよー」
ともかく、ガードシェル達の言葉にそう答えると、忍は彼らの目の前に標的を配置し、準備が完了したことを伝える。
それを見て、ガードシェルと真雪は互いにうなずき、
『フォースチップ、イグニッション!』
二人が叫ぶと同時、青色のフォースチップがガードシェルの背中、そこにあるタイヤのホイールに内蔵されたチップスロットに飛び込む。
すると、ガードシェルのバックユニットが起き上がり、鋭いカッターが現れたタイヤが高速で回転を始め――
『トルネード、カッター!』
そこから放たれた竜巻が、標的をまとめて薙ぎ払った。
一方、指令室では――
「お疲れさまです、総司令官。
それになのはも」
「はぁ〜い……」
基地へと戻ったギャラクシーコンボイとなのは――二人を出迎えるドレッドロックの言葉に、なのはは疲れもあらわにし、軽く挙手して応える。
だが今回の目的はチップスクェアの探索ではない――先の戦いで乱入してきた謎のトランスフォーマー、シックスショットについての調査がその目的だった。単独で調査に出ているフェイトとアルフはまだ戻ってはいないようだ。
それに、通常通り行っているチップスクェア探索の方でも、まだ戻っていない者が若干名――
「ベクタープライムは?」
「すでに一度帰投。今度は国外への探索に向かっています。
同行しているのは秋葉と琥珀、それから……」
その『若干名』――ベクタープライムや従者のマイクロン達の行方を尋ねるギャラクシーコンボイに答え、ドレッドロックは指折り数えつつ同行者の名前を挙げた。
「耕介と愛、あとは那美と久遠ですね」
第9話
「使命と想いの交差点なの」
そのベクタープライム達は、海外のオーパーツ発掘現場をしらみつぶしにあたることにし、現在はエーゲ海を訪れていた。
「あ、どうでした?」
「地上の方は収穫なしだ。
今ルーツが海中を調べてくれている。その結果次第ということだが……」
人間メンバーの昼食としてバーベキューを用意していた耕介の問いに、戻ってきたベクタープライムはそう答える。
「プラネットフォース探索でマスターメガトロン達に先んじられている以上、せめてチップスクェアだけでも……」
「そうですね……」
焦りを隠しきれず、つぶやくベクタープライムに耕介が同意すると、
「けど、考えてみればおかしな話ですよね」
ふと何かを思い立ち、そんなことを言い出すのは愛だ。
「おかしな……?」
「えぇ」
首をかしげるホップに愛はうなずき、
「だって、アトランティスって、地球人の古代文明……のはずなんですよね?」
「たぶん……発掘されたオーパーツの大きさを考えれば、そうでしょうけど……」
耕介がうなずくと、愛は一番の疑問を口にした。
「なのに、なんでそのアトランティスに、トランスフォーマーのチップスクェアがあるんですか?」
「そういえば……
ベクタープライム、何か知ってるか?」
「それは、まだわからない……」
尋ねる耕介にベクタープライムが答えると、
「あの、ひとついいかしら?」
そんな彼らに秋葉が声をかけた。
「そもそも、チップスクェアとは何なんですか?
それに、そのチップスクェアに収めるという、プラネットフォースというのは……?」
「あぁ、そういえば、前に説明してもらった時には、秋葉さん達はいなかったんですよね」
秋葉の問いに久遠を抱えた那美が納得すると、ベクタープライムは軽くうなずいて説明を始めた。
「それは、本来ならば『スペースブリッジ計画』のために使われるはずだったものだ」
「スペースブリッジ……?
『宇宙の橋』、ですか……?」
「そうだ」
琥珀に答えると、ベクタープライムはエネルギーを放射し、周囲にスクリーンスペースを作り出すと立体映像を投影した。
浮かび上がった宇宙空間の中、ベクタープライムが説明を始める。
「宇宙の端から端まで、さらに近隣の次元世界をもスペースブリッジで結び、簡単に行き来できるようにする、という、遠大な計画だ」
「そんなことが可能なんですか?」
「プラネットフォースの力があれば、それも可能となる」
「何といっても、創造主プライマスのスパークで作られたものですから。
その力は我々の想像を遥かに超えています」
聞き返す琥珀にベクタープライムが答えると、ホップがその足元で補足する。
そんなホップから秋葉達へと視線を戻し、ベクタープライムは説明を続ける。
「私の仮説だが……プラネットフォースを収める台座であるチップスクェアは、スペースブリッジ計画の完成予定図を模したものだと見ている。
五つのプラネットフォースを、どの次元世界のどの星に設置するのか……」
「だから、フェイクのチップスクェアから私達にもスピーディアの位置がわかったのですよ」
そう告げるベクタープライムとホップの眼前で、立体映像の中に五色の光球が現れる。
色は青、赤、緑、紫、そして黄色――おそらくはこれがプラネットフォースのイメージなのだろう。
「つまり……マスターメガトロンに奪われたっていうマップと、実質的に同じもの……?」
確認する耕介に、ベクタープライムはうなずき、
「しかし、解析にはマップとは比べ物にならないほどの時間がかかる……
こうしている間にも、マスターメガトロンは……!」
その頃、スタースクリームとサンダークラッカーはアフリカ、ギニア海岸でチップスクェアの探索を行っていた。
〈あーあー、こちらラナバウト〉
そこへラナバウトから通信が入り――すかさずスタースクリームは尋ねた。
「チップスクェアは見つかったか?」
〈いーや。こっちはぜんぜん進展なし。単なる定時報告だよ。
ユーラシアなんて地球最大の大陸なんだぜ。広いんだぜ。そう簡単に見つかるかよ〉
「うるさい。
『飛べないんだから』と駄々をこねるから大陸の探索を任せてやったんだ。さっさと探せ」
〈へいへい〉
うめいてラナバウトは通信を切り――スタースクリームは何かに気づいた。
前方に何か青く輝くものがある。
すぐに降下し、その正体を確かめるスタースクリームだったが、それはただの青いコンテナだった。日光の照り返しで輝いていただけのようだ。
だが、それを見てサンダークラッカーは眉をひそめた。
「また、青いの……?」
そう。スタースクリームはこれまでにも何度か青色の物体に目を留め、足を止めていた。
「そーいや、オレのフォースチップも青いけど……
チップスクェアって青いのか?」
「うるさい。
貴様は知らなくてもいいことだ」
あっさりとサンダークラッカーに答えると、スタースクリームは再び大空へと飛び立った。
「そういえば……ベクタープライムは“時空の番人”だ、って前にホップが言ってたけど……」
「そうだ。
この世界であってこの世界ではない場所――時空管理局の概念で言うならば、『次元世界と時空間の境界』のさらに内部にあたる時空だが……そこから過去と未来、時間と空間を見通し、すべてが正しく流れていることを監視する者――それが“時空の番人”だ」
ふと思い出し、尋ねる耕介にベクタープライムはうなずき、逆に聞き返した。
「それが何か……?」
「いや……時空の番人なら、タイムスリップくらいできないのかな、って……
そうすれば、過去の地球でアトランティスのことを確認できるだろ?」
「あぁ、なるほど……」
耕介の言葉に納得する秋葉だったが、
「それはできない」
ベクタープライムの言葉は彼らの案を否定するものだった。
「時空の番人は、本来ならば時間や世界そのものとは切り離された存在――だからこそ、あらゆる時の流れを見通すことができるのだ。
しかし、今度の件で、世界に干渉してしまったから……」
「“じくうのばんにん”じゃなくなっちゃったの?」
「そういうことだ」
足元で人間形態となり、尋ねる久遠の頭を、ベクタープライムは人差し指で優しく撫でてやりながら答える。
その光景を微笑ましく思って見ていた愛だったが――ふと気づいた。
“時空の番人”であり、世界とは切り離された存在だったベクタープライム――その彼が干渉しなければならないほど、グランドブラックホールの出現は危険な存在なのだ。
と、そこへ海中の探索に出ていたルーツが戻ってきた。
「どうだ?」
尋ねるベクタープライムに、ルーツは結果を報告する。
ブリット、バンパーと同じく電子音による言語のため耕介達には理解できないが、彼らの様子から不発に終わったことだけはなんとなくわかった。
「そうか……ありがとう」
ベクタープライムが礼を言うと、ルーツはビークルモードに変形、ベクタープライムの左腕に合体する。
「気を落としちゃダメですよ」
そんなベクタープライムに告げたのは愛だ。
「まだ調べる場所は残ってるんです。
希望を捨てずに、がんばりましょう!」
「……そうだな」
自分を励まそうとしてくれている――そんな愛の気遣いを察し、ベクタープライムはうなずいて立ち上がり、
「ありがとう、愛。
では私はこの星の通信回線から次の探索地を検索してみる。
キミ達は昼食を済ませ、出発の準備を整えておくといい」
「はい。ありがとうございます♪」
笑顔でうなずく愛に、ベクタープライムもまたうなずき返し、彼らのジャマにならぬようその場から立ち去った。
「電気系の作動状況はどうじゃ?」
「うん、大丈夫なのだ」
尋ねるオートランダーに、コンソールをのぞき込んでいる美緒がそう答える。
スピーディアでは、対ニトロコンボイのレーサーをエクシリオンひとりに絞り込み、彼のダメージを治療しつつ再度のカスタマイズを行っていた。
ブラーもこの決定には素直に従った。単純なレースではエクシリオンに引けを取るつもりはないが、相手はあのニトロコンボイなのだ。自分のエヴォリューショナルブースターよりもエクシリオンのアクセルウィングの方がレース向きのイグニッション能力であり、よって対ニトロコンボイにはエクシリオンの方が適任だと判断したからだ。
と――
「おやおや、何の用事かな?」
そこに姿を現したのはクロノやシオンを連れたファストエイドだった――エクシリオンは皮肉まじりにそう尋ねる。
「まだ、目が覚めないのか?」
対するファストエイドも皮肉を返し、エクシリオンはカスタマイズを中断するとファストエイドとにらみ合う。
「お節介も、そこまでいくと迷惑だぜ」
「ずいぶんな言い方だな。
キミの身勝手な行動で、プラネットフォースがマスターメガトロンに奪われたらどうするつもりだ?」
「ファストエイド、そんな言い方は……」
彼らしくない、感情的で一方的な発言――さすがにシオンがたしなめようと口を開くが、それよりも早くエクシリオンが言い返す。
「そうならないために、カスタマイズして、ニトロコンボイに勝つんだ!」
だが、そんな彼にファストエイドは尋ねた。
「それだけかな?」
「どういう意味だ!?」
「スピードなら誰にも負けない。自分達が一番速いと思っていたところに、自分達よりも速いヤツがいると知って、自制心を失った――そうじゃないのかな?」
「な、なに……!?」
その言葉にエクシリオンは思わず言葉に詰まった。
彼の言葉に言い返せない自分を自覚していた――痛烈な言い回しでは合ったが、一面の真実をつくものだったからだ。
しかし――度重なる衝突を経た後では、そんな言葉に素直に従えるエクシリオンではない。
「い、言わせておけば!」
激昂し、思わず殴りかかろうとするエクシリオンだったが――
「エクシリオン!」
「いいかげんにせんか!」
そんなエクシリオンを止めたのはブラーとオートランダーだった。
「ぶ、ブラー……!?」
「今はここでモメてる場合じゃないだろ。
マスターメガトロンに奪われる前に、ニトロコンボイに勝ってプラネットフォースを手に入れる。それが本題だろ!」
まさかブラーに止められるとは思っていなかった――戸惑いを隠しきれず、うめくエクシリオンにブラーは諭すように告げる。
確かに、ファストエイドの言葉は事実だろう。少なくとも自分は心の底からニトロコンボイに勝ちたいと思った。プラネットフォース云々とは関係ないところで――
しかし、エクシリオンの執着にはプライドだけではないものが感じられた。彼はニトロコンボイに勝つことしか考えられなかった自分と違い、レースの勝利とプラネットフォースを手に入れることをイコールで結びつけている――だからこそ、スピーディアのフォースチップは彼にアクセルウィングを与えたのだろう。
同じレーサーとしてそのことを感じたからこそ、ブラーはエクシリオンにニトロコンボイ打倒を託す気になれたのだ。
そして、オートランダーもファストエイドへと向き直り、
「あんたもじゃ。
挑発が目的なら、出て行ってくれ!」
「べ、別に挑発のつもりは……」
オートランダーの言葉に、ファストエイドは反論しようとする――が、そこから言葉が続かない。
確かにオートランダーの言う通りだ。あんな直接的な言い方をすれば、感情的なエクシリオンが激昂するのは目に見えているではないか。
自分もまた冷静さを欠いていた――オートランダーの言葉にそれを自覚したファストエイドは何も言い返すことができずにいた。そのまま彼らに背を向け、その場から立ち去る。
「……言わなくてよかったのか?」
「今は、言える空気じゃないさ……」
オートランダーに一礼した後に追いつき、尋ねるクロノにファストエイドはそう答えた。
彼らのピットを訪れたのは、本来はエクシリオンを挑発するためではなかった。もっと重要なことを伝えるためだったはずなのだが――あんなやり取りの後では、ブラーはともかくエクシリオンが素直に聞いてくれるとも思えなかった。
それに、今の自分も何がきっかけになって感情的になってしまうかわからない。お互いに頭を冷やす時間が必要なようだ。
昼食を終え、耕介達とベクタープライムは次なる目的地へと向かった。
そしてたどり着いたのはアフリカ大陸北部――サハラ砂漠である。
エジプト文明はアトランティスから伝えられたものである――その説を頼りに探索することにしたのだ。
しかし、彼らは知らない。
そこには、同じくチップスクェアを探すスタースクリームとサンダークラッカーも向かっていたことを――
「どうですか?」
「何かあるのは確かなようだが……」
尋ねる秋葉に、足の裏のバーニアを利用して砂を吹き飛ばしていたベクタープライムは作業を中断してそう答え、
「まだ下層のようだ。掘り返すのにはまだ時間がかかる」
「そうですか……」
ベクタープライムの言葉に那美がうなずくと、
「あ、だったら……」
琥珀がポンと手を叩き、告げた。
「みんなに応援を頼んだらどうですか?」
「なんだって!?」
その通信を受け、バックパックは思わず声を上げた。
「『応援を頼む』って……アフリカのサハラ砂漠に?」
〈えぇ。
地面を掘り返しますから、できればガードシェルさんに!〉
聞き返すバックパックに、琥珀は笑顔でそう答える。
「しかし、海を渡るとなると……」
だが、琥珀の要望に応えるには、ひとつの障害があった。
以前のアイルランド行きの際にはリンディの計らいがあった。転送魔法でアースラを経由することで海を渡ったのだ。
だが今回は――
「リンディ提督は今、管理局の本局に戻っているんだったな?」
「はい。
グランドブラックホールのことについての経過報告で……」
尋ねるドレッドロックにフェイトが答えるのを聞きながら、ギャラクシーコンボイは琥珀に答えた。
「聞いての通りだ。
ガードシェルはムリだが、私とドレッドロックでなんとかしてみよう」
と、いうワケで、ギャラクシーコンボイとドレッドロックはなのはとユーノ、志貴、そしてフェイト、アルフを連れてサハラ砂漠へと向かうことにした。
なのはとユーノはギャラクシーコンボイに乗って地上ゲートへのエレベータを下り、他のメンバーはドレッドロックと共に上部カタパルトへと送られる。
〈各ゲート、発進準備完了!〉
指令室のバックパックの言葉に、ギャラクシーコンボイとドレッドロックはそれぞれに発進。地上から発進したギャラクシーコンボイもフライトモードへと変形して先行するドレッドロックを追っていく。
その光景を、静かに監視する者がいた。
シックスショットである。
「今度の探索先はサハラ砂漠でござるか……」
すでに通信を傍受し、目的地は把握している――シックスショットがそうつぶやくと、突然通信が入った。
「こちらシックスショット」
すぐに応答するシックスショットだが、通信の主は彼のパートナーではなかった。
〈私だ〉
「あぁ、兄者でござるか。
こちらは順調でござる。チップスクェアの探索はまだ進んでおらぬでござるが、サイバトロンもデストロンも、拙者達を警戒して大きな動きは控えているようでござる」
〈そうか。それは何よりだ。
私も現在日本にいる。ようやく、ちょうどいいパートナーを見つけてな〉
こちらの近況報告にそう答え――『兄者』と呼ばれた彼は本題に入った。
〈それで……両軍のチップスクェアの探索状況はどうだ?〉
「デストロンは現在プラネットフォースを優先しているようで、こちらにはあまりメンバーを割いておらぬ。スタースクリームが仕切っているのが現状でござるな。
サイバトロンは、今ちょうど動きがあったところでござる。
どうやら、サハラ砂漠に向かうようでござるが……」
その言葉に、彼は通信の向こうでしばし考え、
〈……わかった。今回は私が赴こう〉
「兄者が……でござるか?」
その言葉に、相手は笑って告げた。
〈私とて騎士だ。たまには剣を交えねばカンが鈍る〉
「左様でござるか」
“兄者”の言葉に肩をすくめてそう答え、シックスショットは告げた。
「では、拙者は相方と共にラナバウトを探してみるでござる。最近どうも見かけないのが、少々気になるでござる故……」
〈わかった〉
「………………ん?」
玄関に動きがあったのを気配で感じ取り、美沙斗は顔を上げ、尋ねた。
「美由希、出かけるのかい?」
「うん。友達から電話があって……
ちょっと出てくるね!」
顔を出し、尋ねる美沙斗にそう答えると、美由希はあたふたと玄関を出て――門のところで蹴つまづきながら出かけていった。
「まったく、あわてん坊は誰に似たのか……」
微笑ましくもあるその光景に、美沙斗は思わずつぶやき――突然、彼女の携帯が鳴った。
この着メロは――
「……ちょうどよかったみたいだね」
相手の正体を確信し、美沙斗はそうつぶやきながら携帯を取り出し、通話ボタンを押した。
「状況はどうだ?」
「見ての通りだ」
到着したギャラクシーコンボイの問いに、ベクタープライムは自分の掘り返した跡――そこからわずかに見える遺跡の片鱗を示してそう答える。
「さて、どうしたものか……」
「ディバインバスターをかすめて、衝撃で吹き飛ばしてみましょうか?」
「けど、まだそれほど遺跡の全体図が見えてるワケじゃないから、間違ってチップスクェアを傷つけちゃうかも……」
ギャラクシーコンボイに提案するなのはにフェイトが言うと、
「下がっていろ。
『吹き飛ばす』というのなら、私にいい考えがある」
そんな彼らの前に出て、ドレッドロックは遺跡を見下ろし、
「ジェットストリーム!」
肩のタービンから放った竜巻で、砂を一気に吹き飛ばす。
そして、砂煙が晴れた後、そこには遺跡がその全貌を現していた。
「思ったより広いですね……」
「昔は水とかもあって、にぎわったんだろうね」
遺跡へと足を踏み入れ、つぶやく秋葉にアルフが言うと、
「………………ん?」
ふと周囲を見回した那美の視界に、あるものが映った。
天井がほとんど崩れ落ち、内部が露出した神殿跡、その中央に安置されているのは――
「もしかして……あれがチップスクェアかも!」
「持ち上げてみるぞ」
「慎重にな」
ベクタープライムの言葉にうなずき、ギャラクシーコンボイは彼と二人でチップスクェアに手をかける。
そして、いざ持ち上げようと力を込め――そこに彼らが飛来した。
スタースクリームと、サンダークラッカーである。
「アイツら!
志貴!」
「あぁ!」
ドレッドロックの言葉に志貴がうなずき、二人はスタースクリームを追って飛び立つが、
「貴様ごとき!」
対して、スタースクリームはエネルギーミサイルで応戦。ドレッドロックの死角からその背中を狙い――
「させない!」
もう何度も見ている攻撃だ。対処できないワケではない――志貴はドレッドロックの背から跳躍し、“直死の魔眼”でエネルギーミサイルを殺してみせる。
「大したものだな。まさかエネルギー体まで殺せるとは」
「たとえエネルギー体でも、形があるなら殺せるんだよ、オレの“眼”は」
落下したところをドレッドロックに回収してもらい、志貴は苦笑しながらそう答える。
「オラオラ、いくぜぇっ!」
一方、サンダークラッカーは一直線にギャラクシーコンボイへと襲いかかるが――
「いっけぇっ!」
〈Divine Buster!〉
「バルディッシュ!」
〈Photon Lancer!〉
「わぁっ! またやられたぁっ!」
なのはとフェイトがこれに応戦。二人の攻撃であっという間に撃ち落される。
「よぅし、私も!」
これで後はスタースクリームのみ。ベクタープライムがビークルモードへとトランスフォームして上空へと飛び立ち――それを見てあわてたのが耕介だ。
「ま、まさか……チップスクェアはオレ達に全面委任ですか!?」
「頼む!」
「即答ですか!」
思わず叫ぶが、もう声の届く距離ではない。
「……あぁ、もう!
“御架月”!」
《はい!》
相棒が同意するのを確認し、耕介は“御架月”を抜き放った。
「ゆくぞ!」
上空でロボットモードへとトランスフォームし、ベクタープライムはスタースクリームに向けて剣を抜き放つ。
だが――そんな彼の行く手を突然の雷撃がさえぎった。
その正体は――
「マスターメガトロン!」
その姿を見た瞬間、ベクタープライムの胸中をよぎった感情は怒りだった。
マスターメガトロンにマップを奪われたために、現在もチップスクェア探しは遅々として進まない――現状への焦りが、その元凶たるマスターメガトロンへの怒りとなって現れていた。
「マップを返せ、マスターメガトロン!」
怒りに我を忘れ、ベクタープライムはマスターメガトロンへと襲いかかるが、
「そんな動きで!」
怒りで冷静さを見失ったベクタープライムの動きなど、マスターメガトロンには手に取るように読むことができた。あっさりと雷撃を放ってベクタープライムを迎撃する。
続けてエネルギーミサイルを放ってスタースクリームを追っていたギャラクシーコンボイを撃墜。ドレッドロックはスタースクリームに任せ、墜落するギャラクシーコンボイを追って降下する。
「く………………っ!
ギャラクシーコンボイ、スーパーモード!」
対して、ギャラクシーコンボイはスーパーモードとなり、追撃してきたマスターメガトロンの拳を受け止め、逆に弾き返す。
そのまま、マスターメガトロンを追撃するギャラクシーコンボイだが、
「させん!」
それにはドレッドロックを翻弄していたスタースクリームが反応した。体当たりでギャラクシーコンボイを弾き飛ばす。
「ギャラクシーコンボイさん!」
「あいつら――!」
それを見て、なのはとユーノが思わず声を上げ――
「オレだって、やられてばっかりじゃないんだぜ!」
撃墜されて素直に終わるサンダークラッカーではなかった。なのは達やフェイトのすぐ脇を駆け抜け、巻き起こった衝撃波が彼女達を吹き飛ばす!
「フンッ、他愛のないヤツらよ」
悠々とサイバトロンやなのは達を翻弄し、マスターメガトロンが余裕でつぶやくと、
「マスターメガトロン様!
あそこにチップスクェアが!」
神殿跡のチップスクェアを発見し、サンダークラッカーが声を上げる。
「私とサンダークラッカーでサイバトロンどもを牽制していますので、マスターメガトロン様はそのスキにチップスクェアを」
「うむ」
スタースクリームの言葉にうなずき、マスターメガトロンはチップスクェアに向けて移動を開始した。
「き、来た!」
こちらに向かってくるマスターメガトロンを前に、チップスクェアを守っていたアルフが声を上げる。
すでにこちらの戦闘準備は万全。久遠も大人バージョンで雷をたくわえ、秋葉も“力”を発現。その髪を真紅に変えている。
愛や琥珀、マイクロン達はあえて避難させなかった。どうせチップスクェアを守らなければならないのだ。チップスクェアと一緒にいてもらった方がむしろ守りやすい。
だが――よりにもよってマスターメガトロンが来るとは思っていなかった。このメンバーでどこまで戦えるか――
「けど、やるしかない……!」
チップスクェアをマスターメガトロンに渡すワケにはいかない。耕介は“御架月”を握りしめ、
「さぁ、来るならきてみろ、マスターメガトロン!」
「フンッ、貴様らごときが!
一瞬で蹴散らしてくれる!」
なのは達ならばともかく、彼らが自分達に対抗できるとは思えない――マスターメガトロンは耕介の言葉を軽く笑い飛ばし、襲いかかるが、
「神咲楓月流――」
告げる耕介の手の中で、“御架月”がその“力”を高め、刀身が輝きを放つ。
そして、耕介は“御架月”を振りかぶり、
「真威・楓陣刃ぁっ!」
そこから放たれた霊力の波動が、油断していたマスターメガトロンを直撃する!
「何っ!?」
予想外の威力にマスターメガトロンが戸惑い、着地し――
「そこっ!」
「いっけぇっ!」
すでに秋葉とアルフが動いていた。マスターメガトロンの眼前に飛び出し、その顔面に一撃を叩き込む。
さらに、
「久遠!」
「うん!」
那美の指示に久遠がうなずき、放たれた雷撃がマスターメガトロンへと追い討ちをかける!
「く………………っ!
ザコどもが、いい気になりおって!」
決して決定打にはならないが、それでも無視できないダメージ――だがそれは、マスターメガトロンを怒らせる結果となった。怒りもあらわにマスターメガトロンは“力”を解放し、
「それほど抵抗するのなら、望み通り死ぬがいい!」
全身を炎に包むと、耕介達に向けて突撃する!
「させるか!」
それに対し、阻止すべく立ちふさがった者がいた。
ベクタープライムだ――手にした剣でマスターメガトロンに斬りかかるが、あっさりと弾き飛ばされる。
耕介達も各々の手段で攻撃するが、マスターメガトロンの周囲の炎に阻まれて止めることができない。
そして――マスターメガトロンの攻撃が、大爆発を巻き起こした。
「みんな!」
その光景は、弾き飛ばされたベクタープライムも目撃していた。思わず声を上げる。
爆発は遺跡全体を粉みじんに吹き飛ばした。彼らが難を逃れている可能性は――
(私のせいだ……!
私が、遺跡を離れたからだ……!)
自分が先走らず、遺跡の防衛に専念していたら、こうはならなかったかもしれない――
(私のせいで、耕介達が……ホップ達が……久遠や、愛が……!)
エーゲ海で自分になついてくれた久遠の姿が、励ましてくれた愛の姿が脳裏をよぎる。
(死なせはせん……!
絶対に――死なせはしない!)
「タイム、リバース!」
「さぁ、来るならきてみろ、マスターメガトロン!」
咆哮し、耕介は“御架月”をかまえ――気づいた。
「あ、あれ……?
これって、さっきのやり取りじゃ……」
「夢でも、見てたの……!?」
同じく呆然とし、秋葉がつぶやくが、
「夢ではありませんよ」
答えたのはホップだった。
「“時間が戻った”んです。
それより、今のうちに逃げましょう! ここで抵抗しても、さっきの繰り返しです!」
「あ、あぁ!
行こう、耕介!」
「わかった!」
ホップに同意するアルフに答え、耕介は愛達と共にその場を離れる。
「な、何だと……!?」
一方、“戻った”のはマスターメガトロンも同じだった。事態を呑み込めずにしばし戸惑うが、おかげでチップスクェアを守るものがいなくなった。悠々とチップスクェアを回収し、離脱していく。
「な、何が起きたんだ!?」
「おそらく、ベクタープライムが何か……」
同じく事態についていけず、戸惑うギャラクシーコンボイにドレッドロックが答えると、遺跡の方で轟音が響いた。
“力”を使い果たしたベクタープライムが墜落したのだ。
「大丈夫か、ベクタープライム!?」
思わずギャラクシーコンボイが声を上げると、
「ぎ、ギャラクシーコンボイさん!」
「チップスクェアが、マスターメガトロンに!」
スタースクリームと共に離脱しようとするマスターメガトロン――彼が持つチップスクェアに気づいたなのはとフェイトが声を上げる。
「しまった!」
あわてて追おうとするギャラクシーコンボイだが、ベクタープライムのことも気にかかる。思わず一瞬躊躇して――
「チップスクェアは、私に任せてもらおうか!」
その言葉と同時、彼らの頭上を駆け抜けたのは、1機のジェット機だった。
シックスショット――ではない。まったく別のトランスフォーマーだ。
そしてそれは、マスターメガトロン達を一気に追い抜き、
「シックスナイト、トランスフォーム!」
咆哮し、シックスナイトと名乗ったトランスフォーマーはジェット機からロボットモードにトランスフォーム。マスターメガトロン達の前に立ちふさがる。
「貴様……何奴!?」
突然の襲来に、警戒もあらわにマスターメガトロンが叫ぶと、シックスナイトは堂々と名乗りを上げた。
「我が名は隠密騎士シックスナイト!
マスターメガトロン! 貴様にそのチップスクェアは渡さん!」
「ならば――力ずくで奪ってみろ!」
言い返すなり、マスターメガトロンはシックスナイトに向けて雷撃を放つが、
「まったく……シックスショットの報告どおり、短気な主君だな!」
言いつつ、シックスナイトは両肩の装甲を展開し――マスターメガトロンの雷撃が彼の身体をすり抜ける!
「何だと!?」
直撃すると思っていた攻撃を予想もしない形でかわされ、驚くマスターメガトロンの前でシックスナイトの姿が消え――マスターメガトロンの背後にその姿を現す!
「何っ!?」
驚き、振り向くマスターメガトロンだが、シックスナイトはそんな彼を思い切り蹴飛ばし、
「ホログラム・フェイク――シックスショット曰く『空蝉の術』、というヤツだ!」
そう。シックスナイトは展開した両肩から自身の立体映像を投影。それを変わり身としてマスターメガトロンの背後に回り込んだのだ。
思わぬ反撃を受け、マスターメガトロンは思わずよろめき――
「今だ!
フォースチップ、イグニッション!」
その好機を逃す理由などない――シックスナイトはフォースチップを背中のチップスロットへとイグニッションした。
シックスショットのそれと同じ、黄色のフォースチップを。
と、彼の背中、バックユニットの両側から二振りの剣が射出され、シックスナイトはそれをキャッチすると刃を背中合わせに合体させ、一振りの大剣へと変形させる。
「ナイト、キャリヴァー!」
叫んで、シックスナイトは大剣――ナイトキャリヴァーをかまえ、
「そのスキを――逃さない!」
叫ぶと同時、マスターメガトロンへと――いや、その手の中にあるチップスクェアへと突っ込み、
「スパイラル――クラッシュ!」
繰り出した刺突がチップスクェアをとらえ、粉々に破壊する!
「何だと!?」
あっけなく破壊されてしまったチップスクェア――驚き、声を上げるマスターメガロトンだが、すぐに思い直した。
(プライマスから作られたプラネットフォースの受け皿が、この程度で砕けるか……?
だとすると、これはニセモノと考えておくべきか……)
「……まぁいい。
こうなればここには用はない。第2のプラネットフォースを手に入れるまで」
「何っ!?
もう次の惑星を見つけたのか!?」
驚くシックスナイトだったが、マスターメガトロンはかまうことなく、スタースクリームと共にワープゲートの向こうに消えていった。
「どういうつもりだ!」
戦闘が終わるなり、ドレッドロックはシックスナイトにくってかかった。
「チップスクェアを破壊するなど……自分が何をしたか、わかっているのか!」
「あぁ。心得ている」
しかし、ドレッドロックの怒りにもシックスナイトはあっさりと答えた。
「私はただ、紛らわしい贋作を破壊した。それだけだ」
「贋作……?
あれもフェイクだったのか?」
「その通り」
聞き返すギャラクシーコンボイに、シックスナイトはうなずき、
「歴史的観点から見れば貴重な文化遺産ではあるだろうが、フェイクであってもプラネットフォースの情報を得るには十分だ。
すでにマップを持っているマスターメガトロンにこれ以上の情報を与えるワケにはいかん――マップの精度がどのくらいかはわからないが、フェイクのチップスクェアから得た情報でその誤差を修正されてはかなわんからな。
それ故、破壊させてもらったワケだ」
「そうだったんだ……」
「よかった……」
安心し、胸を撫で下ろすなのはとフェイトの前で、シックスナイトはギャラクシーコンボイへと向き直り、
「それより、マスターメガトロン達は第2の惑星を発見したようだぞ」
「何だと!?」
「確かに、伝えたからな」
驚くギャラクシーコンボイに告げると、シックスナイトはジェット機にトランスフォームし、飛び去っていった。
「ま、待て!
貴様は何者だ!? 先日のヤツの仲間か!?」
あわててそれを追おうとするドレッドロックだったが、
「ストップ」
それを止めたのは志貴だった。
「それよりも、ベクタープライムの方が心配だ」
「シックスショットの報告の通り――こちらからは信頼のおける相手のようだな。
もっとも、向こうからは信用してはくれないだろうが……」
ジェット機形態で飛行しながら、つぶやくシックスナイトに、その中のライドスペースに座るパートナーは無言でうなずいた。
だが――その様子にシックスナイトは疑問を抱いた。停止し、ロボットモードにトランスフォームするとパートナーに尋ねる。
「……どうした? さっきからずっと黙っているが」
その問いに、パートナーはようやく応じた。
「……次からは、もう少し……穏やかな飛行を心がけて……」
要するにシックスナイトの機動に酔っていたらしい。
「何だ、情けない。
それでも私のパートナーか?」
「たぶん、それ以前の問題……
行きも帰りも、国境を突破する度にアクロバットなんかされれば、誰だって……」
自分の知る普段の姿からは今の状態など想像もできない。そんなパートナーの弱りように、シックスナイトはため息をつき、
「ではキミは、国境を守る各国の空軍に撃ち落されてもいいというのか?」
「そうは、言わないけど……」
「では、観念して耐えたまえ。
トランスフォーム!」
パートナーにあっさりと答えると、シックスナイトは再びジェット機へとトランスフォーム。飛行を再開し――思い出した。
「そういえば、シックスショットも、パートナーが酔うから飛行には気を使っていると言っていたな……」
「誰かは知らないけど……多分、そのパートナーとは気が合うと思う……」
「ベクタープライム!」
「ベクタープライムさん!」
ギャラクシーコンボイとなのはの問いかけに、ようやくベクタープライムは意識を取り戻した。
「すみません。ベクタープライムさん。
私達を助けるために……」
「いや。元はと言えば私のせいだ。キミが気にすることはない」
自分達を救うために大きな“力”を使わせてしまった――代表して謝罪する秋葉に、ベクタープライムはうなずいてそう答える。
「しかし、驚いたな。時間を逆戻りさせるなんて」
「戻せるといってもせいぜい1、2分程度だ。
それに本来は使ってはならぬ技。時空のゆがみを増大させてしまう危険がある」
「そ、それは大変ですね……」
感心するドレッドロックに答えたベクタープライムの言葉に、このメンバーの中でもっとも時空間の知識に精通しているフェイトは思わず苦笑いを浮かべる。
「それより、マスターメガトロンはプラネットフォースのある第2の惑星を見つけたらしい」
「先を越されたか……無念」
ギャラクシーコンボイの言葉にうめくベクタープライムだったが、
「そうでもないですよ」
彼らにそう答えたのは愛だった。
「確かにプラネットフォースではそうかもしれませんけど、チップスクェアを手に入れちゃえば、すぐに遅れは取り返せますよ。
それに、マスターメガトロンさんもスタースクリームさんもいない今が、チップスクェアを手に入れるチャンスじゃないですか」
さりげにサンダークラッカーとラナバウトをカウントから外している――従姉妹の意外なしたたかさに、耕介は思わず苦笑する。
「……その通りだな。
建設的な意見をありがとう、愛」
「どういたしまして♪」
礼を言うベクタープライムに愛は笑顔でうなずき――そんな二人を見ながら、ギャラクシーコンボイとなのはは一同に告げた。
「何としてもチップスクェアは獲得する」
「そのためにも、アトランティス探し、がんばろー!」
『おーっ!』
(初版:2006/02/26)