特報


 

あれから――10年経ちました。

 

「あれが、はやての見つけてきた子達?」
「せや。
 二人とも伸びしろのある、えぇ素材や♪」

 

出会うのは、無限の可能性を秘めた幼き翼――

 

「ティア……
 昔、師匠が言ってたことがあるんだ……
 『どれだけ打ちのめされても、結果がハッキリと出るまでは心だけは折るんじゃない。
 あきらめずその場に立ち続けている限り、打つ手は無数にあるんだから』って……
 だからあたしはあきらめない。
 時間切れでも、ティアを背負ってでも――ゴールするまでは、絶対に」

 

折れることなき、強い想い。

 

 

 

「絶対に……ユニクロン様は甦らせてみせる」

 

目覚めるのは、10年来の因縁と――

 

「お前ら……オレ達と来てもらおうか。
 我ら“ディセプティコン”の元にな」

 

新たな、邪悪。

 

 

「機動、六課……?」
「せや。
 ロストロギアを探し、回収することに特化させた、即応性に優れた実働部隊……
 迅速にみんなを守る、そのための、私達の新部隊――それが、機動六課や」

 

立ち向かうのは、みんなの想いが集まった、“守るための力”――

 

 

「決めたんだ……
 “あの人”みたいに……強くなるって!
 誰かを、何かを――守れる自分になるって!
 だからあたしは守るんだ――
 自分の夢を――ティアの夢を!」

 

スバル・ナカジマ

 

「あたしにだって、意地がある……!
 自分の力で飛ぶその日まで、あきらめるワケには、いかないのよ!」

 

ティアナ・ランスター

 

「人間だから、とか、トランスフォーマーだから、とか……そんなの関係ないよ。
 大切な仲間だから、守るんだ!」

 

エリオ・モンディアル

 

「もう――逃げたりしない……!
 わたしも、自分の力と向き合って……この力で、大切な人達を守りたい!」

 

キャロ・ル・ルシエ

 

 

「ギャラクシーコンボイさんもいないのに……!」
「こんな時に、新しい敵が出てくるなんて……」

 

大きな不安を前にして――

 

「何を言っている……?
 オレが『必要ない』と言ったのはランスターじゃない。
 …………お前だ、高町なのは」

 

時には壁にぶつかって――

 

「あきらめない……!
 あの子達の道は、これからなんだから……!
 その道を、こんなところで閉ざさせたりしない!」

 

だけど、私達は前を見て、進んでいく。

 

 

 

そして――

 

「10年、か……
 しばらく寝ている間に、ずいぶんと楽しそうなことになっているな」
「あ、あなたは……!?」

 

“あの人”が、私達の前に帰ってくる。

 

 


始まります。

 

 

 

――更なる高みを、みんなで目指して――


 

(初版:2007/09/29)