予告編
(マスターコンボイ編)


 

10年前――オレは死んだはずだった。

 

 

《せいぜい首を洗って待っていろ。
 オレは必ずお前らの前に帰ってくる。覚悟していろ――“なのは”》

 

破壊神ユニクロンと刺し違え、消えたはずだった。

 

――マスターメガトロン――

――再び……お前の力が必要とされる時が来た――

 

そんなオレを、“ヤツ”は目覚めさせて――

 

「あ、あなたは……!?」
「しばらくぶりだな――なのは」
「マスター、メガトロンさん……!?」

 

オレは再び、“アイツ”と出会った。

 

 

 

「マスターメガトロン、か……
 聞いたことがあるぜ。
 10年前、あのユニクロンと相打った、っていう、デストロンの破壊大帝か」
「ほぉ……
 それを知っていてなお、このオレに挑むか」

 

オレ達の前に現れる新たな“敵”――ディセプティコン。

 

「緊急回線やなんて穏やかやないね。
 六課発足のお祝いじゃ、ないんやろ?」
〈あぁ。
 スカイクェイクからの報告があった――〉

〈地球に……ノイズメイズ達が現れた〉

 

再び現れる、10年来の宿敵――ユニクロン軍。

 

「10年前、貴様はオレに対して示したはずだ。
 どんな強大な力も、技も、戦い方も――そのままではいつかは破られる。
 貴様のやり方が――通用しなくなる時が来たんだ」

 

10年という時がもたらす、停滞の代償――

 

「カイザーコンボイ……!?」
「世界なんか、関係ない……!
 私達はただ、身近な人達を守りたいだけ……
 もし、またこの星に戦いを持ち込むのなら――」

「キミ達も、私達の敵だよ」

 

“守るための道”を異とする、もうひとりのコンボイ――

 

「……どういうつもりですか? マスターコンボイさん」
「これが……オレのやり方だ」

 

すれ違う想いが衝突を生み――

 

「逃げるのか、マスターメガトロン!?」
「逃げる? 違うな。
 アイツらを――機動六課の仲間を、守りに行くんだよ!」
 

「“守る者コンボイ”としてな!」

 

新たな絆へとつながっていく。

 

 


2008年4月――Stand by Ready.

 

 

 

――「進むべき道」が、貴様にあるか?――


 

(初版:2007/12/01)