予告編
(第3のフォワードチーム編)


 

「あ、アリシアちゃん!?
 なんか、今回の予告、あたし達がやれって話なんだけど!?」
「そーだよ?」
「そ、『そーだよ』じゃなくて!
 3月だよ? スタートまで一月切ってるんだよ!? これが最後の事前予告になるんだよ!?」
「そーだね」
「なのに、まだ一切名前の出てきてないあたしが出てきちゃってもいいの!?」
「んー、いいんじゃない? 『やれ』って言われた以上。
 それじゃさっそく、逝ってみよう♪」
「殺ってみよう♪

 ……って、いきなり当て字が危険だぁっ!」

 


 

やりたいことがそこにあって――

 

「はやてがそういうコト考えてるんなら……あたしも、ちょっとやってみたいことがあるんだ」

 

大事な人達がそこにいて――

 

「…………『アスカ・アサギ研究員を、遺失物管理部機動六課スタッフとして採用する』ですか……」

 

そして重なる――

 

「現場と後方を橋渡しする、現場でのデータ収集のプロフェッショナルチーム――
 これなら、はやての考えてる新部隊の活動とも連携していけると思うんだけど」

 

それぞれの運命。

 

「機動六課、前線アナライズチーム“ゴッドアイズ”所属。
 チーフアナライザーを任されることになった、アスカ・アサギです♪」
「“ゴッドアイズ”……
 ……なるほど。アリシア・テスタロッサの部下か」
「そーそー。
 一応、現場分析班のサブリーダーとして同行させてもらうこともあると思うから、よろしくね♪」

 

想いはひとつ――

 

 

“ただ、大切なもののために”

 

 

 

「あたしは研究室、はやては管理局、それぞれの場所で10年やってきた……
 “擬装の一族ディスガイザー事件”やその後のいろんな事件――
 それぞれの場所で、やるせない、もどかしい想いを繰り返して……それでも、やっとここまでたどり着けた」
「うん……
 “レリック事件”をしっかり解決して、カリムの依頼もきっちりこなして……
 みんなでがんばろうな、アリシアちゃん!」

 

もう二度と、辛い想いをしないように――

 

〈ごめんな、アスカちゃん。
 いきなり隊長不在の出動やけど……〉
「心配ないよ。
 アリシアちゃんがいなくても自分の仕事はわきまえてるし……」

 

「先輩として、スバル達は何があっても落とさせない」

 

もう二度と、辛い想いをさせないように――

 

「あたしも……お兄ちゃんがいるんだよね……」
「アスカさん……?」
「と言っても、あたし達の場合はお兄ちゃんがムチャする方でね……
 だから、気持ちがわかるのは、ティアちゃんのお兄ちゃんの方」

 

それぞれの、かけがえのない相棒と一緒に――

 

「いくよ……ロンギヌス!」
〈やぼーる!〉

 

あたし達は目の前の困難に立ち向かう――

 

「久々にトバすよ――レッコウ!
 Start up!」
〈Standing by!
 Start up――“FULL ARMED”!〉

 

ひとりじゃなくて――みんなの、力で。

 

 

 

 


2008年4月――Stand by Ready.

 

 

 

これがあたし達の――

 

――全力、全開!


 

(初版:2008/03/08)