モリビト |
「モリビト28号と」 |
エドワード |
「エドワード・エルリックの――」 |
二人 |
『座談会コーナー!』 |
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モリビト |
「お昼の人はこんにちは。夜の人はこんばんは。
『いつも心に毒電波』――『ガッシュ』で泣いて『とらハ』で泣いて、こないだTV放映された『黄泉がえり』でまた泣いて(←実は劇場公開時にもマジ泣きしてる)……なんか最近自分の涙腺のもろさがヤケに気になるモリビト28号です」 |
エドワード |
「………………をい」 |
モリビト |
「ん? どうした? エド」 |
エドワード |
「何なんだ? 今回の更新は」 |
モリビト |
「あぁ、サブタイトルリストか。
いやな、前の形式だと最新のタイトルが一番下だから、見ようと思ったら最後まで一度スクロールさせなきゃいけないだろ? だから――」 |
エドワード |
「そっちじゃない」 |
モリビト |
「ん? 『エレブレ』のリライティングランサーか?
どっかで見たことがあるのはご愛嬌ってことで――」 |
エドワード |
「知ってて言ってるだろ」 |
モリビト |
「当然♪
お前が言いたいのはウソ予告だろ?」 |
エドワード |
「そうだよ!
何なんだよ、アレ! オレ達の話書いてる脇であんなの書いてたのか!? そりゃ進むの遅いっての!」 |
モリビト |
「仕方ないだろ! 思いついちまったんだから!」 |
エドワード |
「開き直るな!
これで実際連載始めやがったらシメるぞマヂでっ!」 |
モリビト |
「はっはっはっ、どーなるだろーねぇ♪
ンなことより本日のゲスト!」 |
エドワード |
「はいはいっと。
『まもって守護月天! ELEMENTAL BREAK』からこの人、七梨太助!」 |
太助 |
「ど、どうも……七梨太助です」 |
エドワード |
「あう、テンション低いなぁ、相変わらず……」 |
太助 |
「何分、こういう場には慣れてないからさぁ……」 |
モリビト |
「意外だな。
異常事態には慣れっこだと思ってたが」 |
エドワード |
「異常事態、とか言わないでやれよ」 |
太助 |
「確かに、ちょっとニュアンス違うよなぁ……」 |
モリビト |
「あぅ、オレだけ悪者かい」 |
エドワード |
「話の流れだけ見れば、そうだな」 |
モリビト |
「シクシクシク……」 |
太助 |
「まぁまぁ。
えっと、それじゃあ話を変えて……」 |
エドワード |
「そうだな。
それじゃ、今回は『エレブレ』についての質疑応答ってコトで」 |
モリビト |
「質疑応答って……
まだ、そんなのやるほど話書いてないだろ」 |
エドワード |
「けど、一応ベース作もあるシリーズだし、お前さんの『過去の過ち』で――」 |
モリビト |
「がはぁっ!」 |
太助 |
「あ、吐血」 |
エドワード |
「思いっきりトラウマになってやがるな……
まぁいい。必要な話題だし――とにかく、あの一件のせいで『他サイト無断アップ禁止』のルール無視されてあちこち流布してるみたいだし、ある程度の世界観はみんなわかってんじゃないか?」 |
太助 |
「確かに」 |
モリビト |
「んー、まぁ、そういうことなら……」 |
エドワード |
「んじゃ、さっそく。
知っての通り、この作品は『まもって守護月天!』の二次創作なワケなんだけど、ハートフルラブコメだった原作をあえてバトルものにしたのは何か理由があってのことだと聞いたんだけど?」 |
モリビト |
「あぁ。
一番描きたかったことを描くためには、平和な世界ではどうも限界があったからね」 |
太助 |
「一番描きたかったもの、というと?」 |
モリビト |
「ズバリ、『太助達のさらなる成長』だな。
これはこの『エレブレ』に限らず、オレの二次創作作品すべてに言えることなんだけど、基本スタンスが『オリジナルキャラクターとの触れ合いによるキャラクター達の成長を描く』ということにあることが起因してるんだ」 |
エドワード |
「けど、太助の成長なら原作で十分――」 |
モリビト |
「だぁかぁらぁ、アレじゃ足らんと思ってるからそういうテーマを掲げたんだって。
確かに原作でも太助はちゃんと成長してる。けど、やっぱりそれは『平和であり、且つ便利な現代日本の中で』という前提付きなんだ。
今と比べると技術が遅れていてずいぶんと不便な、しかも戦乱の真っ只中にあった昔の中国で――つまり現在よりもはるかにハードな暮らしをしていたそれまでの主と比べたら、成長度は明らかに太助の完敗だよ。肉体的にも精神的にも。
だから、そんなのでシャオちゃんのハートはゲットできないかなー、とか思ったワケだ」 |
太助 |
「ハートをゲット、って……(汗)
じゃあ、その辺りを補完したくてバトルものに?」 |
モリビト |
「そういうこと。戦いの厳しさ、辛さってものは実際体験してみないとわかり得ないと思ったから。
そりゃ、太助は原作で一度、南極寿星に連れられて魅花を守るために戦ってるシャオを目撃してるけど、逆を言えば、本当の戦いっていうものはその時の2戦しか見てない。
しかもその時戦っていた相手は勝手知ったるルーアンだ。それで戦いの本質を知ったかと言えば、正直『NO』だと思う。だから『エレブレ』においても今回UPした第3話で『自分も戦いたい』って言い出した時に刃にそのことをツッコんでもらった」 |
エドワード |
「つまり、話をまとめると『戦いの中で太助達を成長させたかった』と」 |
モリビト |
「正確には『太助に限らずシャオ達やたかし達も』だね。
太助とシャオの恋物語もいいけど、みんなの成長を自分なりのアプローチでていねいに描いてみたいっていう想いがあったんだ。これは『エレブレ』の原作になったFFの頃から貫いている考えだな」 |
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エドワード |
「じゃ、続いては作品の世界観についての質問だ。
一口にバトルものと言っても、『エレブレ』はロボットバトルものだよな? 『ブレイカー』みたいな」 |
モリビト |
「あぁ、これは思いっきりオレのシュミ(笑)。作中では美咲のシュミだけど(更笑)。
ただ、漠然と『好きだから』ロボットを出した、という形にはしたくなかったから、ロボットが登場するに至る経緯はきちんと設定付けしたけどな。
どーせ次回語る予定だし……はいエド、これがその辺の説明書いたメモ(言いながらメモを渡す)」 |
エドワード |
「あ、このメモだな?
……(メモを見て)……これによると、バーンガーディオンが人型になったのは、巨大鎧魔との近接格闘を前提にしているから、ってなってるけど……」 |
モリビト |
「そう。もちろん、飛び道具も装備してはいるんだけど、バーンガーディオンの主な戦闘スタイルは巨大鎧魔とのガチンコのどつき合い。
何しろ、銃火器だと街中で戦闘を行なう以上そうそう高い火力を持たせるワケにはいかない。だけど、巨大鎧魔に対抗するためには強力な戦闘力が必要になる。そこで、その矛盾を解決させる策として、ウルティメイト・アルケミスツは近接格闘を目的とした兵器を開発することにしたワケだ。
で、そのベースとして選択されたのが、美咲がシュミで作っていた惑星開発用の可変人型ロボットだった、と、そういう流れだね」 |
太助 |
「つまり、街に被害を出さない攻撃法として格闘を選んだ、と」 |
モリビト |
「そゆこと。
それに付け加えるなら、ビームなどの直線に飛ばすことしかできない武器はいいけれど、ミサイルみたいな誘導兵器は生物に対してロックオンできるようにはできてない、ということもある。熱誘導は相手の体温が低かったら役に立たないし、レーダーホーミングにしたって相手が電波を発してなければ同様だ」 |
エドワード |
「そうやって被害を抑える武装選択をしている割には、戦闘フィールドを作り出す『リライティングランサー』なんてものも用意してるよな?」 |
モリビト |
「自分達の攻撃による被害は武装を近接格闘中心にすることで抑制できたけど、相手の攻撃はそうもいかないからね。
かと言って格闘をあきらめて火器戦闘をやると、先ほど語った問題点が浮上する。
そこで、『戦闘フィールドを形成し、相手の飛び道具をかいくぐって接近し格闘戦で相手を撃破する』という戦法を選ぶに至ったワケだ。
まぁ、そのおかげで結果として、後に登場するキングビースターのような大火力を備えた機体も運用できるようになったワケだけど。この辺に関しては結果オーライだね(苦笑)」 |
太助 |
「じゃあ、劇中の兵器として、バーンガーディオンは最強の兵器と言ってもいい、ってワケか?」 |
モリビト |
「でもないな。
確かに純粋に『数値上の性能』として考えるなら最強だ。パワーバランスで言うなら、バーンガーディオンに現実の兵器が対抗しようと思ったら、1体あたりに艦隊ひとつ丸ごとぶつけるぐらいの覚悟が必要かな。
ただ、やっぱりあれだけ強力でも数がないから物量作戦にはめっぽう弱いし、巨大鎧魔に対抗したせいで図体がデカイから、小型で小回りの効く相手には悲しいくらいに対抗手段がない。
そうやって考えると運用も含めて考えた実際の戦闘能力としては、バーンガーディオンってさほどすごくないんだ。ただ、マイナスエネルギーである鎧魔の鎧魔力防護壁を破るには、プラスエネルギーである精霊の力で動くバーンガーディオンの力は不可欠。最強は最強でも、『対鎧魔に用途を絞るなら最強の兵器である』と言った方が正解だね」 |
エドワード |
「なんか、今までの話を聞いていると、メカ設定に関してはずいぶんと理屈っぽさにこだわってるよな、カッコよさよりも」 |
モリビト |
「確かに技術的な部分には、可能な限り理屈を持って考えてるかな。
『ブレイカー』のブレイカーロボと違って、バーンガーディオンはあくまでも人類が作った『兵器』だから、その部分をしっかり描写したかった部分があったのがその理由」 |
太助 |
「さっき話題になったリライティングランサーにしても、いきなり発明されたワケじゃないんだよな。
なんか『(初陣に)間に合っていれば』みたいなこと言ってたし」 |
モリビト |
「後々本編でも語るけど、アレは美咲のアイデアで『勇者王ガオガイガー』のディバイディングドライバーを再現しようとしたけど失敗しちゃって、その教訓からアプローチを変えて再開発されたもの、という扱いだからね。
おかげで開発が遅れて初陣に間に合わなかった。よーするに、このハイパーツールは一朝一夕にできたものではないこと、あとスーパーロボットはそういった難しい技術でも軽々使いこなしているけど、リアル系技術では難しいっていうことを表現したかったんだ」 |
エドワード |
「つまり、あくまでもバーンガーディオンの技術には理屈っぽさっつーか、リアルさにこだわってるワケか」 |
モリビト |
「そうだね。
ただ、技術はリアルでも、バーンガーディオンは分類するならやっぱりスーパーロボットだから、動きとかに関してはその辺りのケレン味などをちょっと意識してるかな」 |
太助 |
「元になってたシリーズでも、毎回合体の度にバンクシーンばりに描写が繰り返されるとか、ロボットもののお約束はかなりあったっけ……
ま、これはブレイカーにも受け継がれてるけど」 |
モリビト |
「んー、それは他にも事情がある。
実はバンクシーンに関しては最初の一回限りでやめる方式でいこうかとも思ってたんだ。アニメとかと違って、文章だと繰り返しには限界があるから。けど、描かないにもやっぱり問題が生じる。だからあえてその部分は開き直って繰り返していく方向に決めたんだ」 |
エドワード |
「問題?」 |
モリビト |
「例えば、敵が合体破りとかをやろうとしたとする。その場合、合体前に攻撃されて合体そのものを止められたならそれでいいけど、合体の途中で妨害されるケースだと、合体の描写はどこで妨害されたかを把握するためにも描かなきゃいけない。
けど、いつも描かずに省略してると、いつもは省かれる合体シーンがいきなり描かれるから、読者に「あ、何かやるな」と読まれちまうワケだ。
そういったことを避けたかった、もう少し言えば、いつものように合体シーンをやっているところにいきなり何か異変が起きる、そんな不意討ちみたいな流れを大切にしたかったんだ」 |
太助 |
「ということは、いつかは合体破りをやってみたい、と?」 |
モリビト |
「そりゃもちろん。ロボットもののお約束だから(笑)。後は『勇者王ガオガイガー』でやったように合体を失敗してやり直し、なんて展開もいつかやってみたいかな」 |
エドワード |
「もうやっただろうが。『勇者王なのは』で」 |
モリビト |
「あれは『ガガガ』ベースだから対象外ってことで」 |
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太助 |
「じゃ、今回はこのくらいにしとこうか。
執筆の時間も確保させとかないとオレ達の話も進まないし」 |
モリビト |
「修羅場らせること確定っスか」 |
エドワード |
「とーぜんっ!」 |
モリビト |
「………………」 |
エドワード |
「それじゃ、モリビトをふんじばりつつお別れだ♪」 |
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(幕。
向こうでしばし物音。やがて沈黙) |